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GLP-1受容体作動薬であるオゼンピックは、2型糖尿病の治療薬として開発されましたが、その体重減少効果から肥満症の治療にも用いられるようになりました。多くの方がオゼンピックによる体重管理やダイエット効果に期待を寄せていますが、中には「使っているのに効果がない」「全然痩せない」と感じている方もいらっしゃるようです。
なぜ、期待通りの効果が得られないのでしょうか?オゼンピックは正しく使用すれば体重減少効果が期待できる薬剤ですが、効果が出ない背景にはいくつかの原因が考えられます。この記事では、オゼンピックで効果を感じない、痩せないと感じている方に向けて、考えられる原因や効果を高めるための対策、他の治療法について解説します。効果が出ないと感じた場合も、自己判断で治療を中断したりせず、まずは医師にご相談いただくことが重要です。
オゼンピックで効果がないと感じる原因は?
オゼンピックを使用しても「効果がない」「痩せない」と感じる場合、さまざまな要因が考えられます。単に薬が合わないというだけでなく、使用方法や生活習慣、体質などが関係している可能性があります。ここでは、効果を実感できない場合に考えられる主な原因について詳しく見ていきましょう。
期待する効果が出るまでには期間がかかる
オゼンピックを含むGLP-1受容体作動薬による体重減少効果は、すぐに現れるものではありません。個人差はありますが、効果を実感し始めるまでに数週間から数ヶ月かかることが一般的です。
オゼンピックは、脳に作用して食欲を抑えたり、胃の内容物の排出を遅らせることで満腹感を持続させたりする効果があります。これにより、自然と食事量が減り、摂取カロリーが抑えられることで体重減少につながります。しかし、これらの作用が安定して体重減少につながるまでには、体が薬に慣れ、作用が十分に発揮されるまでの時間が必要です。
特に、治療開始初期は少量から始めることが多く、徐々に増量していくプロセスを経て、効果が最大化される用量に到達します。そのため、使用開始から間もない期間で「効果がない」と判断するのは早計かもしれません。添付文書に記載されている臨床試験の結果を見ても、有意な体重減少は通常、数ヶ月の使用を経てから確認されています。
もし、使用開始から日が浅い場合は、まずは医師から指示された期間、用法・用量を守って継続することが大切です。効果が出始めるまでの期間や、どの程度の変化が期待できるかについては、事前に医師とよく相談しておきましょう。
適切な投与量・期間で使用していない
オゼンピックは、医師の診断に基づき、適切な投与量と期間で使用することが非常に重要です。自己判断で推奨される量よりも少なく使用していたり、効果を早く出そうとして指示されていない量を自己判断で増量したり、あるいは効果を感じないからといってすぐに使用を中断してしまったりすると、本来期待される効果が得られない可能性があります。
オゼンピックの投与量は、患者さんの状態や反応を見ながら医師が慎重に決定します。通常は少量から開始し、副作用の状況や効果を見ながら段階的に増量していきます。この増量プロセスは、体が薬に慣れるために必要なステップであり、急激な増量は副作用のリスクを高める可能性があります。
また、治療期間についても医師の指示に従う必要があります。体重管理は長期的な視点で行うことが多く、オゼンピックも継続して使用することで安定した効果が期待できます。短期間の使用で効果が出ないと判断せず、医師と相談しながら治療計画通りに進めることが大切です。
個人輸入などで入手したオゼンピックを使用している場合、偽造品や品質の保証されない製品である可能性があり、成分量が適切でなかったり、全く効果がなかったりする危険性があります。必ず医療機関で正規の医薬品を処方してもらうようにしましょう。
食事や運動などの生活習慣の見直しが必要
オゼンピックは体重管理の強力なツールとなり得ますが、魔法の薬ではありません。薬の効果だけに頼るのではなく、食事や運動といった基本的な生活習慣の改善と組み合わせることで、より効果的な体重減少が期待できます。
オゼンピックは食欲を抑える作用がありますが、だからといって好きなものを好きなだけ食べて良いということではありません。高カロリー、高脂肪な食事を続けていたり、間食が多かったりすれば、いくら食欲が抑えられても摂取カロリーが消費カロリーを上回り、体重は減りません。バランスの取れた食事を心がけ、適切なカロリー摂取量を意識することが重要です。食物繊維を多く含む野菜やきのこ類を積極的に摂ることで、満腹感を維持しやすくなります。
また、運動不足も体重減少を妨げる要因となります。適度な運動は、消費カロリーを増やし、筋肉量を維持または増加させることで基礎代謝を向上させます。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は脂肪燃焼に効果的であり、筋力トレーニングは筋肉量増加に役立ちます。
オゼンピックを使用しながら、これらの生活習慣の改善にも取り組むことで、薬の効果を最大限に引き出し、持続的な体重管理につなげることができます。医師や管理栄養士に相談し、自分に合った食事や運動のプランを立てることも有効です。
体質やそもそもの目標設定とのミスマッチ
オゼンピックを含む薬剤の効果は、個人差が大きいことが知られています。ある人には劇的な効果が見られても、別の人にはあまり効果が見られないということもあります。これは、薬の体内での吸収や代謝、体が薬に反応するメカニズムなどが、体質によって異なるためです。遺伝的な要因や、併存疾患、使用中の他の薬剤なども影響する可能性があります。
また、そもそもオゼンピックが体重管理に適応されないケースや、期待する体重減少の目標設定が現実的でない場合も、「効果がない」と感じる原因となります。オゼンピックが主に効果を発揮するのは、食欲過多や満腹感の感じ方に問題があるタイプの肥満や、インスリン抵抗性などが関与している場合の体重管理です。例えば、単純な生活習慣の乱れではなく、特定のホルモン異常や他の病気が原因で体重が増加している場合、オゼンピックだけでは十分な効果が得られない可能性もあります。
さらに、どれくらいの期間で何キロ痩せたい、という目標が高すぎると、たとえ医学的に見て順調に体重が減っていても「効果がない」と感じてしまうことがあります。現実的で達成可能な目標を医師と相談して設定し、小さな変化にも気づけるようにすることが大切です。
もし、適切な使用法と生活習慣の改善にもかかわらず効果が見られない場合は、薬が体質に合わない可能性や、他の原因が隠れている可能性も考慮し、医師と相談して今後の治療方針を検討する必要があります。
オゼンピックに体が慣れてしまった(停滞期)
体重減少の過程で、体が一定の体重に慣れてしまい、一時的に体重が減りにくくなる「停滞期」は、ダイエットや肥満治療において多くの方が経験することです。オゼンピックを使用している場合でも、同様に停滞期が訪れることがあります。
停滞期は、体が体重減少に適応し、消費エネルギーを節約しようとする生体防御反応の一種と考えられています。特に大きな体重減少があった後に起こりやすいとされています。オゼンピックによって食欲が抑えられ、摂取カロリーが減少しても、体の代謝が落ちることで体重減少のペースが鈍化したり、一時的に止まったりすることがあります。
このような停滞期は、治療がうまくいっていないサインではなく、体が新しい体重に適応しようとしている自然なプロセスであることが多いです。停滞期だからといって悲観せず、これまでの治療を継続することが重要です。停滞期を乗り越えるためには、改めて食事内容や摂取カロリーを見直したり、運動量を増やしたり、運動の種類を変えて体に新しい刺激を与えたりすることが有効とされています。
もし、停滞期が長く続く場合や、どのように対処すれば良いかわからない場合は、医師に相談しましょう。医師は、これまでの体重変化の経過や体の状態を評価し、必要に応じて薬の用量調整や他の治療法への変更などを検討してくれるでしょう。
適切な医師の指導・処方を受けていない
オゼンピックが効果を発揮するためには、適切な医師の診断と指導のもとで処方を受け、使用することが不可欠です。前述したように、オゼンピックは医療用医薬品であり、2型糖尿病や特定の基準を満たす肥満症に対して処方されます。医師は、患者さんの健康状態、既往歴、併存疾患、使用中の他の薬剤などを詳しく確認し、オゼンピックが適応となるか、安全に使用できるかを判断します。
不適切な医師の指導や処方を受けている場合、以下のような問題が生じる可能性があります。
- 誤った診断: オゼンピックが適応とならない疾患や状態に対して処方されている。
- 不適切な用量設定: 患者さんの状態に合わない用量で治療が開始されている。
- 副作用への対応不足: 副作用が発生した場合の対処法や、副作用を最小限に抑えるための指導が不十分。
- 併用禁忌薬の見落とし: 併用してはいけない薬剤を服用しているにも関わらず処方されている。
- 偽造薬・粗悪品: 医療機関を介さず個人輸入などで入手した場合、効果がないだけでなく健康被害のリスクがある。
特に、オンライン診療で手軽に処方を受けられるクリニックが増えていますが、必ず信頼できる医療機関を選び、丁寧な問診や必要な検査を受けた上で処方してもらうようにしましょう。安易な自己判断や不適切なルートでの入手は、効果が得られないだけでなく、重大な健康リスクを伴います。
オゼンピックの効果を高めるための対策
オゼンピックを使用しているにも関わらず効果が実感できない場合、いくつかの対策を講じることで効果を高められる可能性があります。薬の効果を最大限に引き出し、健康的な体重管理を目指すために、以下の点を意識してみましょう。
医師に相談し適切な用量や期間を見直す
オゼンピックの効果が不十分だと感じたら、まずは主治医にその状況を正直に伝え、相談することが最も重要です。医師は、これまでの治療経過、体重の変化、副作用の状況、そして患者さんの生活習慣などを総合的に評価し、効果が出ない原因を一緒に考え、適切な対応策を提案してくれます。
考えられる対策の一つとして、オゼンピックの投与量を見直すことが挙げられます。現在使用している用量が体に合っていない、あるいは効果が十分でない可能性があります。医師は、添付文書や最新のガイドラインに基づき、副作用の状況を見ながら用量の増量を検討したり、より適切な用量がないか判断したりします。自己判断での増量は危険ですので、必ず医師の指示に従ってください。
また、治療期間についても医師と話し合いましょう。どのくらいの期間使用を継続すれば効果が期待できるのか、現在の期間で効果が見られないのはなぜなのかなど、疑問点を解消し、今後の治療計画を明確にすることが大切です。長期的な視点で体重管理に取り組む覚悟を持つことも、効果を出すためには重要です。
医師とのコミュニケーションを密にすることで、安心して治療を続けられ、より効果的な体重管理につながります。
食事内容と摂取カロリーを適切に管理する
前述したように、オゼンピックの効果を最大限に引き出すためには、薬に頼るだけでなく、食事内容と摂取カロリーの管理が不可欠です。オゼンピックが食欲を抑えてくれる効果を利用して、無理なく健康的な食事習慣を身につけましょう。
具体的な食事管理のポイント:
- バランスの取れた食事: 炭水化物、たんぱく質、脂質をバランス良く摂取しましょう。特に、筋肉量を維持・増加させるためにたんぱく質は重要です。
- 野菜やきのこ類を積極的に摂る: 食物繊維が豊富で満腹感を得やすく、ビタミンやミネラルも補給できます。食事の最初に野菜を食べる「ベジタブルファースト」も効果的です。
- 高カロリー・高脂肪な食品を控える: スナック菓子、揚げ物、ジャンクフード、甘い飲み物などは控えめにしましょう。
- 間食を見直す: 習慣的な間食や、無意識に食べているものを減らしましょう。どうしても間食したい場合は、ナッツ類やヨーグルトなど、体に良いものを選ぶと良いでしょう。
- ゆっくりよく噛んで食べる: 満腹中枢が刺激され、少ない量でも満腹感を感じやすくなります。
- 適切な摂取カロリーを把握する: 自分の年齢、性別、活動量に応じた目安の摂取カロリーを知り、それを意識した食事を心がけましょう。医師や管理栄養士に相談し、具体的な摂取カロリー目標を設定することも有効です。
- 食事記録をつける: 自分が何をどれだけ食べているかを記録することで、食習慣の偏りや無駄なカロリー摂取に気づきやすくなります。
オゼンピックの効果で食欲が自然に抑えられるため、厳しい食事制限をしているという感覚なく、食事量をコントロールしやすくなるはずです。この機会に、健康的な食習慣を定着させましょう。
定期的な運動を取り入れる
オゼンピックの効果をさらに高め、リバウンドしにくい体を作るためには、定期的な運動を取り入れることが非常に効果的です。運動は消費カロリーを増やすだけでなく、筋肉量を増やして基礎代謝を向上させたり、心肺機能を高めたり、ストレスを軽減したりと、多くのメリットがあります。
効果的な運動のポイント:
- 有酸素運動: ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなど。脂肪燃焼効果が高く、心肺機能を向上させます。週に3回以上、1回あたり30分以上を目安に行えると良いでしょう。
- 筋力トレーニング: スクワット、プッシュアップ、プランクなどの自重トレーニングや、ダンベル、トレーニングチューブなどを使ったトレーニング。筋肉量を増やし、基礎代謝を向上させます。週に2〜3回程度行うのがおすすめです。
- 無理なく継続できる運動を選ぶ: 自分が楽しんで続けられる運動を見つけることが大切です。無理な目標設定はせず、少しずつ始めて慣れてきたら頻度や強度を上げていくようにしましょう。
- 日常生活に運動を取り入れる: エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を使う、一駅分歩く、通勤中に意識して早歩きするなど、特別な時間を設けなくてもできる運動を取り入れることも効果的です。
オゼンピックと運動を組み合わせることで、より効率的に体重を減らすことができ、さらに筋肉量を維持・増加させることで、痩せやすく太りにくい体質へと改善していくことが期待できます。医師や運動指導の専門家に相談し、安全で効果的な運動プランを立てましょう。
オゼンピック以外に効果が期待できる治療法は?
オゼンピックを使用しても効果が十分に見られない場合や、体質に合わない場合は、オゼンピック以外の治療法を検討することも選択肢の一つとなります。肥満症の治療には、オゼンピック以外にも様々なアプローチがあります。医師と相談し、自分に最も合った治療法を見つけることが重要です。
マンジャロなど他のGLP-1/GIP受容体作動薬
オゼンピックがGLP-1受容体に作用する薬剤であるのに対し、「マンジャロ」(一般名:チルゼパチド)は、GLP-1受容体とGIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)受容体の両方に作用する新しいタイプの注射薬です。マンジャロも2型糖尿病治療薬として開発されましたが、臨床試験ではオゼンピックを上回る高い体重減少効果が確認されており、肥満症の治療薬としても注目されています(※肥満症治療薬としての日本での承認状況は要確認。2024年5月現在、糖尿病治療薬として承認)。
GLP-1とGIPはどちらもインクレチンと呼ばれるホルモンで、血糖を下げる作用に加え、食欲を抑えたり胃の排出を遅らせたりする作用があります。マンジャロはこれら二つのホルモンの受容体に作用することで、より強力な食欲抑制効果や体重減少効果を発揮すると考えられています。
オゼンピックで効果が不十分な場合でも、マンジャロであれば効果が得られる可能性があります。ただし、マンジャロにも副作用(消化器症状など)はあり、オゼンピックと同様に医師の診断と処方が必要です。また、薬の作用機序や効果の出方には個人差があるため、どちらの薬がより効果的かは一概には言えません。
その他にも、同じGLP-1受容体作動薬でも、ビクトーザ(リラグルチド)やサクセンダ(リラグルチド、肥満症治療薬として承認)など、異なる薬剤があります。これらの薬剤は、成分や作用時間、投与方法などが異なります。医師はこれらの選択肢の中から、患者さんの状態や希望に合わせて最適な薬剤を提案してくれます。
その他の肥満治療薬
GLP-1受容体作動薬以外にも、様々な作用機序を持つ肥満治療薬が存在します。オゼンピックで効果が得られない場合や、他の選択肢を希望する場合は、これらの薬剤について医師と相談することができます。
代表的なその他の肥満治療薬(日本国内で承認・使用されているもの):
薬剤名(一般名) | 作用機序 | 主な効果 |
---|---|---|
マジンドール(商品名:サノレックス) | 脳の食欲中枢に作用して食欲を抑制する | 食事量の減少による体重減少 |
オルリスタット(ゼニカルなど、日本未承認) | 消化酵素リパーゼの働きを阻害し、食事からの脂肪吸収を約30%抑制する(※日本国内では医療用医薬品として承認されていません) | 摂取カロリーのうち脂肪由来のカロリーを減らすことによる体重減少 |
セチリスタット(商品名:アライ、日本未承認) | オルリスタットと同様にリパーゼの働きを阻害する(※日本国内では医療用医薬品として承認されていません) | 食事からの脂肪吸収抑制 |
リラグルチド(商品名:サクセンダ、肥満症治療薬として承認) | GLP-1受容体作動薬。食欲抑制作用、胃排出遅延作用 | 食事量・摂取カロリーの減少による体重減少 |
※マジンドールは高度肥満症(BMI35以上など)に対してのみ保険適用される食欲抑制薬です。適用基準や使用期間に制限があります。オルリスタットやセチリスタットは日本では医療用医薬品として承認されていませんが、海外で承認され、個人輸入などで入手されるケースが見られます。しかし、個人輸入は偽造品のリスクや副作用発生時の救済制度が適用されないなどの危険が伴うため、推奨されません。肥満治療薬を使用する場合は、必ず医師の処方を受け、適切な指導のもとで使用することが重要です。
これらの薬剤は、それぞれ異なる作用機序を持っているため、患者さんの肥満の原因や体質、ライフスタイルなどに合わせて最適なものが選択されます。例えば、食欲が旺盛で食事量が減らせないタイプの方には食欲抑制薬が、脂っこい食事を好む方には脂肪吸収抑制薬が適している場合があります。
薬物療法だけでなく、生活習慣改善の指導(食事療法、運動療法)や、重度の肥満症に対しては手術療法(外科的治療)が選択肢となる場合もあります。医師は、患者さんの状態を詳しく診察し、最も効果的で安全な治療法を総合的に判断してくれます。
オゼンピックの効果についてよくある質問
オゼンピックの使用を検討している方や、使用中に効果について疑問を持っている方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
オゼンピックは打ってからどのくらいで効果が出ますか?
オゼンピックの主な効果である食欲抑制や満腹感の持続は、投与後比較的早期に感じられることがあります。しかし、体重減少という目に見える効果が現れるまでには、通常数週間から数ヶ月かかります。
オゼンピックは週に1回の注射で、体内に少しずつ成分が放出され、安定した血中濃度を保ちます。治療開始初期は体が薬に慣れる期間であり、また少量から始めることが多いため、体重の変化は緩やかなことが多いです。徐々に用量を増量し、適切な維持量に達すると、体重減少効果がより顕著になる傾向があります。
臨床試験の結果を見ても、プラセボ(偽薬)と比較して有意な体重減少が確認されるのは、通常12週以降であり、最大効果が得られるまでには1年以上の期間が必要な場合もあります。
したがって、オゼンピックを打ち始めてからすぐに劇的な体重変化がなくても心配しすぎず、医師の指示通りに治療を継続し、生活習慣の改善にも取り組むことが大切です。効果が出るまでの期間には個人差があることも理解しておきましょう。
オゼンピックで平均何キロ痩せますか?
オゼンピックによる体重減少効果は、もともとの体重や健康状態、生活習慣の改善度合いなど、多くの要因によって個人差があります。しかし、臨床試験のデータから、ある程度の目安を知ることができます。
2型糖尿病患者を対象とした臨床試験では、オゼンピック(セマグルチド)の投与により、プラセボ群と比較して平均で数キログラムの体重減少が認められています。より高用量(例:2.4mg/週)を使用した肥満症の患者さんを対象とした大規模な国際共同臨床試験(STEP試験)では、約68週間(約1年半)の治療により、プラセボ群が平均2.4%の体重減少だったのに対し、オゼンピック2.4mg/週投与群では平均14.9%の体重減少が確認されています。これは、例えば体重100kgの人であれば、平均で約15kgの体重減少に相当します。
ただし、これはあくまで平均値であり、全ての人が同じように痩せるわけではありません。中には大幅に体重が減少する人もいれば、期待したほど効果が得られない人もいます。また、これらの臨床試験は、薬物療法と並行して食事療法や運動療法の指導が行われた上での結果です。
ご自身の目標とする体重減少が現実的か、どの程度の効果が期待できるかについては、医師とよく相談し、個別の治療計画を立ててもらうことが重要です。
オゼンピックの口コミはどうですか?
オゼンピックに関する口コミは、インターネット上の掲示板、SNS、体験談ブログなどで多数見られます。「食欲が抑えられて自然と痩せた」「効果があった」という肯定的な声がある一方で、「副作用がつらい」「効果が感じられない」「値段が高い」といった否定的な声も見られます。
口コミは、あくまで個人の感想であり、医学的な根拠に基づいた情報ではありません。効果や副作用の感じ方は人によって大きく異なり、その背景にある健康状態や生活習慣も様々です。特に、インターネット上には不正確な情報や、個人輸入した偽造品に関する体験談なども含まれている可能性があります。
口コミを参考にすることは、同じように悩んでいる人の声を知る上で役立つかもしれませんが、鵜呑みにせず、必ず医師や薬剤師といった医療専門家の意見を聞くようにしましょう。ご自身の体調や状況については、専門家に直接相談することが最も安全で確実な方法です。
オゼンピックに停滞期はありますか?
はい、オゼンピックを使用して体重減少が進む過程で、停滞期が訪れることは十分にあり得ます。前述の「オゼンピックで効果がないと感じる原因は?」のセクションでも解説しましたが、体重減少の停滞期は、ダイエットや肥満治療において多くの人が経験する自然な現象です。
体がそれまでの体重減少に適応し、エネルギー消費を抑えようとする働きなどが関与していると考えられています。オゼンピックによって食欲が抑えられていても、体重が減らなくなったと感じることがあります。
停滞期が訪れた場合も、すぐに治療が失敗したと判断する必要はありません。これまでの生活習慣の改善を継続すること、そして改めて食事内容や運動強度を見直すことが大切です。停滞期が長く続く場合や、どのように乗り越えれば良いかわからない場合は、一人で悩まず医師に相談しましょう。医師は、停滞期の原因を評価し、治療計画の見直しや、停滞期を乗り越えるための具体的なアドバイスをしてくれるでしょう。
オゼンピックが製造中止になったというのは本当ですか?
オゼンピックの「製造中止」という情報は、一般的に誤解や不正確な情報に基づいていることが多いです。正確には、オゼンピックを含むセマグルチド製剤について、日本国内で供給不足が生じ、医療機関への出荷調整が行われている状況があります。
これは、2型糖尿病の治療薬として世界的に需要が増加していることに加え、その体重減少効果から適応外での使用(いわゆるダイエット目的)が増加したことなどが原因と考えられています。製造元の製薬会社は増産体制を整えていますが、需要に追いつかず、一時的に医療機関が必要な量を入手しにくくなっている状況です。
また、日本では2型糖尿病治療薬として承認されているオゼンピックとは別に、セマグルチドを有効成分とする肥満症治療薬「ウゴービ」が2024年に承認され、順次販売が開始されています。ウゴービはオゼンピックよりも高用量(最大2.4mg/週)まで使用可能で、肥満症治療に特化した製剤です。オゼンピックの供給問題は、一部でウゴービへの切り替えや、適応外使用の抑制によって緩和される可能性も期待されています。
したがって、オゼンピックが完全に製造中止になったわけではありませんが、必要な患者さん(特に2型糖尿病の方)への供給を優先するため、医療機関によっては新規の処方や継続処方が難しくなっている場合があります。最新の供給状況については、かかりつけ医や医療機関に直接確認することが最も確実です。
効果がないと感じたらまずは医師に相談しましょう
オゼンピックを使用していても「効果がない」「痩せない」と感じることは、治療の過程で起こりうる悩みの一つです。この記事で解説したように、効果が出ない原因は様々であり、適切な対策を講じることで効果が得られるようになる可能性も十分にあります。
最も大切なことは、効果が感じられないからといって、自己判断でオゼンピックの使用を中止したり、用量を変更したりしないことです。薬の自己中断や誤った使用方法は、治療効果が得られないだけでなく、リバウンドを招いたり、思わぬ副作用を引き起こしたりする危険性があります。
もし効果に疑問を感じたら、まずは速やかに処方を受けた医師に相談してください。医師は、あなたのこれまでの治療経過、体重や健康状態の変化、生活習慣などを詳しく確認し、効果が出ない根本的な原因を探ってくれます。その上で、オゼンピックの適切な使用法に関するアドバイス、用量調整、生活習慣改善の具体的な指導、あるいは他の治療法(マンジャロなどの他のGLP-1受容体作動薬、その他の肥満治療薬、生活習慣改善指導の強化など)への変更を提案してくれるでしょう。
肥満症の治療は、一人で抱え込まず、医師をはじめとする医療チームと一緒に取り組むことで、より安全で効果的な結果につながります。対面診療が難しい場合でも、オンライン診療に対応している医療機関も増えていますので、ご自身の状況に合わせて受診しやすい方法を選びましょう。
効果がないと感じた時こそ、諦めずに専門家の力を借りることが、健康的な体重管理を成功させるための鍵となります。
免責事項:
この記事は、オゼンピックの効果に関する一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断や治療を推奨するものではありません。オゼンピックの使用に関しては、必ず医師の診断と指導のもと、適切な用法・用量を守って行ってください。効果や副作用は個人によって異なります。記事の内容は、執筆時点での情報に基づいています。最新の情報やご自身の状態については、必ず医療専門家にご確認ください。