リベルサスで痩せる!効果と仕組み、痩せない時の対処法

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近年、「痩せる薬」として注目を集めているリベルサス。有効成分であるセマグルチドは、もともと糖尿病治療薬として開発されましたが、その高い減量効果から肥満治療薬としても期待が寄せられています。しかし、「本当にリベルサスで痩せるの?」「どのくらいで効果が出るの?」「副作用はないの?」といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。

このページでは、リベルサスがなぜ痩せる効果をもたらすのか、その仕組みから効果が出るまでの期間、期待できる体重減少量、そして「痩せない」と感じる原因や対処法まで、医師が詳しく解説します。リベルサスによる安全なダイエット治療をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

目次

リベルサスはなぜ痩せる?GLP-1の作用メカニズム

リベルサスの有効成分であるセマグルチドは、「GLP-1受容体作動薬」と呼ばれる種類の薬剤です。GLP-1(ジーエルピーワン)は、もともと私たちの体内で食事が小腸に届くと分泌されるホルモンの一種です。リベルサスを服用することで、このGLP-1と同じような働きをするセマグルチドが体内に取り込まれ、体重減少につながる様々な作用を発揮します。

GLP-1の主な働きとは

GLP-1は、主に以下の3つの重要な働きを持っています。

  • インスリン分泌促進: 血糖値が高いときに膵臓からのインスリン分泌を促し、血糖値を下げる働きがあります。ただし、血糖値が低いときには作用しないため、低血糖を起こしにくいのが特徴です。
  • グルカゴン分泌抑制: 血糖値を上げるホルモンであるグルカゴンの分泌を抑えます。これにより、血糖値の急激な上昇を抑え、血糖値を安定させる助けとなります。
  • 胃内容物排出遅延: 胃から食べ物が排出されるスピードを緩やかにします。

これらの働きが複合的に作用することで、リベルサスは糖尿病の治療だけでなく、肥満の改善にも効果を発揮します。

食欲抑制効果で摂取カロリーを減らす

リベルサスの減量効果において中心的な役割を果たすのが、食欲抑制作用です。リベルサスの有効成分であるセマグルチドは、脳の食欲中枢に作用し、空腹感を感じにくくしたり、満腹感を高めたりする働きがあります。

具体的には、食欲を増進させるホルモンの分泌を抑えたり、食欲を抑制するホルモンの働きを強めたりすることで、自然と食事量を減らすことができるようになります。無理な食事制限によるストレスを感じにくくなるため、ダイエットの継続をサポートします。摂取カロリーが減ることで、体重減少へとつながります。

胃内容物排出遅延作用による満腹感の持続

GLP-1の作用の一つである胃内容物排出遅延作用も、リベルサスによる減量に貢献します。これは、食べ物が胃から腸へ移動するスピードを遅くする働きです。

胃の中に食べ物が長く留まることで、満腹感がより長く持続するようになります。これにより、次の食事までの間食を減らしたり、一度の食事で満足しやすくなったりするため、結果として全体の摂取カロリーを抑制する効果が期待できます。食欲抑制作用と相まって、食べ過ぎを防ぎ、計画的な食事管理を助けます。

血糖値コントロールと脂肪蓄積の関係

リベルサスは血糖値を安定させる働きも持ちます。血糖値が急激に上昇すると、体はインスリンを大量に分泌し、糖を細胞に取り込もうとします。このとき、使いきれなかった糖は脂肪として蓄積されやすくなります。

リベルサスは食後の血糖値の急激な上昇を抑え、インスリンの分泌を適切にコントロールします。これにより、脂肪が蓄積されにくい状態を作り出すことが期待できます。血糖コントロールの改善は、特にインスリン抵抗性がある方にとって、体重管理の上で重要な要素となります。

リベルサスでどれくらい痩せる?効果はいつから出る?

リベルサスによる減量効果は、多くの方が期待するところでしょう。効果が出るまでの期間や、実際にどれくらいの体重減少が期待できるのかについて解説します。ただし、効果には個人差があることをご理解ください。

リベルサスの効果が現れる時期の目安

リベルサスの効果は、服用を開始してすぐに劇的に現れるわけではありません。有効成分が体内で安定して作用するまでに一定の期間が必要です。

一般的に、食欲抑制効果や満腹感の持続といった変化は、服用を開始して数日~1週間程度で感じ始める方もいらっしゃいます。しかし、これらの変化が実際の体重減少に繋がるまでには、もう少し時間がかかります。目に見える体重減少として効果を実感し始めるのは、服用開始から概ね1ヶ月程度と言われています。ただし、これはあくまで目安であり、早い方では2週間程度で変化を感じることもあれば、効果が出るまでに1ヶ月以上かかる方もいらっしゃいます。

リベルサスは徐々に用量を増やしていくことが推奨される薬剤であり、用量が増えるにつれて効果をより強く実感しやすくなる傾向があります。

服用量別の期待できる体重減少量

リベルサスには3mg、7mg、14mgの3つの用量があります。通常、少ない用量から開始し、体の状態を見ながら段階的に増量していきます。

臨床試験のデータによると、プラセボ(偽薬)と比較して、リベルサスを服用したグループでは有意な体重減少が確認されています。例えば、ある試験では、肥満または過体重の被験者がリベルサス14mgを継続して服用した結果、約6ヶ月で体重の平均5~10%程度の減少が見られたという報告があります。

ただし、これはあくまで平均値であり、個人の体質、年齢、生活習慣、開始時の体重などによって効果には大きな差があります。一般的には、用量が高いほど、より高い減量効果が期待できる傾向にありますが、副作用のリスクも考慮して、医師と相談しながら適切な用量を決定することが重要です。

服用量 体重減少の目安(平均) 効果が出やすい時期の傾向
3mg 軽度~中等度 比較的緩やか(1ヶ月以降)
7mg 中等度 徐々に(1ヶ月~数ヶ月)
14mg 中等度~高度 比較的早期から(1ヶ月以降、増量後に顕著)

※上記の体重減少目安は、臨床試験結果や一般的な傾向に基づくものであり、効果には個人差があります。必ずしもすべての方に同じ効果が現れるわけではありません。

1ヶ月で何キロ痩せる?個人差について

「1ヶ月で何キロ痩せたい!」と具体的な目標をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。リベルサスを服用して1ヶ月で期待できる体重減少量は、前述のように個人差が大きいですが、概ね1ヶ月で体重の1~3%程度の減少を目指すのが現実的な目安と言えるかもしれません。例えば、体重70kgの方であれば、1ヶ月で0.7kg~2.1kg程度の減少です。

もちろん、服用開始時の体重が重い方や、併せて食事や運動といった生活習慣の改善を積極的に行っている方、適切な用量に速やかに移行できた方などは、より大きな減量効果が期待できる可能性もあります。逆に、もともと過体重の程度が軽度な方や、生活習慣の改善が難しい方、副作用によって用量が増やせない方などは、効果が緩やかになることもあります。

リベルサスは、急激な体重減少を目指す薬ではなく、時間をかけて健康的に体重をコントロールするための治療薬です。焦らず、医師と相談しながら治療を進めることが大切です。

効果を実感しやすい人の特徴

リベルサスによる減量効果をより実感しやすい人には、いくつかの特徴が見られます。

  • BMIが高い人: もともとBMI(体格指数)が高い、つまり体重が重い方ほど、リベルサスによる体重減少率が大きい傾向があります。
  • 食欲過多や間食が多い人: 食欲抑制効果や満腹感の持続が、これらの行動を改善しやすいため、効果を感じやすいことがあります。
  • 血糖コントロールに課題がある人: 糖尿病予備群や軽度の糖尿病がある方など、血糖コントロールが改善されることで、体質的に痩せやすくなる場合があります。
  • 医師の指示を守り、正しく服用できている人: 後述する正しい服用方法を守ることは、効果を最大限に引き出すために非常に重要です。
  • 並行して生活習慣の改善に取り組める人: リベルサスは魔法の薬ではありません。適度な運動やバランスの取れた食事を併せて行うことで、より効果的に体重を減らすことができます。

リベルサスで痩せない原因と対処法

リベルサスを服用しているのに、期待したほど痩せない、あるいは全く痩せないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。痩せない原因はいくつか考えられます。ここでは、その主な原因と対処法について解説します。

適切な用量で服用できていない

リベルサスは、体の状態を見ながら徐々に用量を上げていくのが一般的です。開始用量の3mgは、主に体が薬に慣れるためのステップであり、十分な減量効果が期待できない場合があります。7mg、あるいは14mgといった高用量になるにつれて、より強い食欲抑制効果や満腹感の持続が期待でき、減量効果も高まる傾向にあります。

もし、開始用量の3mgや7mgで一定期間服用しても効果をあまり感じない場合は、用量が適切ではない可能性があります。

【対処法】

まずは担当の医師に相談しましょう。体の状態や副作用の出方を見ながら、無理のない範囲で用量を上げることを検討します。自己判断での増量は絶対に行わないでください。

食生活や運動習慣の見直しが必要

リベルサスは食欲を抑制する手助けをしてくれますが、あくまで体重減少をサポートする薬です。リベルサスを飲んでいるからといって、暴飲暴食を続けたり、全く運動をしなかったりすれば、十分な効果は得られません。摂取カロリーが消費カロリーを上回っていれば、体重は減りません。

特に、高カロリーな食事や甘い飲み物、間食が多い場合は、リベルサスの食欲抑制効果をもってしても、摂取カロリーを適切にコントロールすることが難しい場合があります。また、筋肉量が少ないと基礎代謝が低下し、消費カロリーが減るため痩せにくくなります。

【対処法】

リベルサスによる治療効果を最大限に引き出すためには、並行してバランスの取れた食事適度な運動習慣を取り入れることが非常に重要です。

  • 食事: 野菜やタンパク質を中心に、炭水化物は控えめにする、脂っこい食事を避ける、間食を減らす、よく噛んでゆっくり食べる、といった工夫をしましょう。リベルサスの効果で自然と食事量が減るのを感じやすいはずです。
  • 運動: ウォーキングや軽いジョギングといった有酸素運動は脂肪燃焼に効果的です。筋力トレーニングは筋肉量を増やし、基礎代謝を上げるのに役立ちます。無理のない範囲で、継続できる運動を見つけましょう。

医療機関によっては、リベルサス処方と合わせて食事や運動に関するアドバイスを受けられる場合もあります。

リベルサスの正しい服用方法を守れていない

リベルサスは、他の内服薬とは少し異なる独特な服用方法が指定されています。この服用方法を守らないと、有効成分の吸収率が低下し、薬の効果が十分に発揮されない可能性があります。

特に重要なのは以下の点です。

空腹時の服用について

リベルサスは起床後、最初の飲食の前に服用する必要があります。胃の中に食べ物があると、有効成分であるセマグルチドが分解されてしまい、十分に吸収されないためです。

飲水量や食事までの時間について

服用する際は、コップ約半分(120ml程度)以下の水で飲み込みます。多量の水や、水以外の飲み物(ジュースやお茶など)で服用すると、吸収率が低下する可能性があります。

また、服用後、少なくとも30分間は、飲食や他の薬剤の服用を避ける必要があります。これは、リベルサスの吸収を妨げないようにするためです。特に、朝食をすぐに摂ってしまう、他の朝の薬と一緒に飲んでしまう、といったケースは効果が得られない原因となり得ます。

【対処法】

リベルサスの服用方法を再度確認し、「起床後すぐ」「コップ半分の水で」「他の飲食・服薬から30分以上空ける」というルールを厳守しましょう。もし正しい服用方法が分からない場合は、遠慮なく医師や薬剤師に確認してください。

体質や基礎疾患による影響

人によっては、リベルサスの有効成分であるセマグルチドに対する体の反応が鈍い、あるいは体質的に効果が出にくい場合もあります。また、甲状腺の疾患やホルモンバランスの異常、特定の薬剤の服用など、痩せにくい原因となる基礎疾患や状態を抱えている場合は、リベルサスだけでは十分な効果が得られないこともあります。

【対処法】

もし、正しい服用方法を守り、生活習慣の改善にも取り組んでいるにも関わらず、数ヶ月(例えば3〜6ヶ月)経過しても効果を実感できない場合は、担当の医師に相談しましょう。医師は、他に痩せにくい原因がないか、体の状態を詳しく調べたり、他の治療法(注射タイプのGLP-1製剤など)を検討したりすることができます。

リベルサスによる痩せすぎのリスクと副作用

リベルサスは体重減少効果が期待できる一方で、いくつかの副作用や、稀ではありますが注意が必要なリスクも存在します。安全に治療を進めるために、副作用について正しく理解しておくことが大切です。また、効果が出すぎて「痩せすぎ」てしまう可能性についても触れておきます。

リベルサスの主な副作用

リベルサスで比較的よく見られる副作用は、主に消化器系の症状です。これらは服用を開始したばかりの頃や、用量を増やした際に起こりやすい傾向がありますが、多くの場合は体が慣れるにつれて軽減していきます。

  • 吐き気: 最も多い副作用の一つです。胃内容物排出遅延作用による影響などが考えられます。
  • 下痢: 腸の動きに影響を与えることで起こることがあります。
  • 便秘: 逆に腸の動きが鈍くなることで起こる場合もあります。
  • 腹痛: お腹の張りや痛みを感じることがあります。
  • 消化不良: 胃もたれやむかつきといった症状です。

これらの副作用は、一般的に軽度から中等度であり、多くの場合、服薬を継続することで軽減するか消失します。症状が強い場合や長く続く場合は、医師に相談してください。用量を調整したり、一時的に服用を中断したりすることで対応できる場合があります。

その他、食欲不振、疲労感、めまい、頭痛などが報告されることもありますが、頻度は多くありません。

痩せすぎの兆候とリスク

リベルサスは体重を減らすことを目的とした薬ですが、健康的に痩せるためには適切な目標体重を設定し、無理な減量にならないように注意が必要です。過度な体重減少は、以下のようなリスクを伴う可能性があります。

  • 栄養不足: 食事量が極端に減りすぎると、必要なビタミンやミネラルが不足し、体調不良や免疫力の低下を招くことがあります。
  • 筋肉量の減少: 体脂肪だけでなく、筋肉量まで過度に減少すると、基礎代謝がさらに低下したり、疲れやすくなったりすることがあります。
  • 体調不良: めまい、立ちくらみ、疲労感、無気力といった症状が現れることがあります。
  • 肌の乾燥や髪のトラブル: 栄養不足から肌や髪に影響が出ることがあります。

治療開始前に医師と目標体重や減量ペースについてしっかり話し合いましょう。もし、目標以上に体重が減少し続けたり、体調不良を感じたりする場合は、すぐに医師に相談してください。医師は体重の減り具合や健康状態を評価し、リベルサスの用量調整や中止を判断します。

重大な副作用の可能性と注意点

リベルサスは比較的安全性の高い薬剤ですが、ごく稀に以下のような重大な副作用が発生する可能性もゼロではありません。これらの症状が現れた場合は、直ちに医療機関を受診してください。

  • 急性膵炎: 強い腹痛(みぞおちあたりに多い)、背中の痛み、吐き気、嘔吐、発熱といった症状が現れることがあります。膵炎の既往がある方や、膵炎のリスクを高める要因がある場合は特に注意が必要です。
  • 胆嚢炎、胆管炎、胆石症: 腹痛、発熱、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)といった症状が現れることがあります。GLP-1受容体作動薬の投与により、胆石ができるリスクがわずかに高まる可能性が指摘されています。
  • 腸閉塞: 激しい腹痛、お腹の張り、吐き気、嘔吐、便秘といった症状が現れます。
  • アナフィラキシーなどの重いアレルギー反応: 発疹、かゆみ、呼吸困難、まぶたや唇の腫れなどの症状が現れることがあります。
  • 低血糖: 他の糖尿病薬(特にスルホニル尿素薬やインスリン製剤)と併用している場合に、震え、動悸、冷や汗、強い空腹感、意識障害などの低血糖症状が現れる可能性があります。リベルサス単独での使用で重度の低血糖が起こることは稀です。

これらの重大な副作用は頻繁に起こるものではありませんが、症状を把握しておき、異変を感じたらすぐに医師に連絡することが非常に重要です。

リベルサスの服用を避けるべき人

以下に該当する方は、リベルサスの服用が推奨されません。安全のために、必ず医師に既往歴や現在の健康状態を正確に伝えてください。

  • リベルサスの成分(セマグルチド)に対して過敏症の既往がある方
  • 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、1型糖尿病の方(これらの疾患はインスリン治療が必要です)
  • 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある方
  • 膵炎の既往がある方、または膵炎のリスクが高いと医師が判断した方
  • 重度の胃腸障害がある方(麻痺性イレウスなど)
  • 甲状腺髄様癌の既往歴や家族歴がある方、または多発性内分泌腺腫瘍症2型(MEN2)の方(動物実験で甲状腺腫瘍のリスクが示唆されているため)
  • 妊娠している方、または妊娠の可能性のある方、授乳中の方
  • 18歳未満の方(臨床試験での十分なデータがないため)

その他、特定の基礎疾患(腎機能障害、肝機能障害など)がある方や、他の薬剤を服用している方は、医師の慎重な判断が必要です。必ず問診時に全てを正確に申告してください。

リベルサスダイエット(GLP-1ダイエット)とは

リベルサスを用いたダイエットは、「GLP-1ダイエット」や「GLP-1メディカルダイエット」と呼ばれる肥満治療法の一つとして広く認知されています。これは、GLP-1受容体作動薬を投与することで、食欲抑制や満腹感の維持といった効果を得ながら、健康的な体重減少を目指す医療的なアプローチです。

GLP-1受容体作動薬による肥満治療

GLP-1受容体作動薬は、2型糖尿病の治療薬として開発・使用されてきましたが、その強い体重減少効果から、肥満症の治療薬としても世界的に注目されるようになりました。日本でも、一部のGLP-1受容体作動薬(例: ウゴービ皮下注)が肥満症治療薬として承認されていますが、リベルサスは現時点では2型糖尿病の治療薬としてのみ承認されています。

しかし、肥満を伴う2型糖尿病患者さんに対しては、リベルサスが体重減少効果を示すことから、自由診療において「肥満症」または「過体重」の患者さんに対して体重管理の目的で使用されるケースがあります。これは、医師の判断と患者さんの同意のもとで行われるものであり、保険適用外となります。

GLP-1受容体作動薬を用いた肥満治療は、食欲を自然にコントロールし、食事量を無理なく減らせることから、従来の食事制限や運動だけでは難しかった方にとって、有効な選択肢の一つとなっています。

リベルサスと他のGLP-1製剤の違い(注射と内服)

GLP-1受容体作動薬には、リベルサスのような内服薬と、オゼンピック、サクセンダ、マンジャロ(厳密にはGLP-1とGIPの両受容体作動薬ですが体重減少効果が期待されます)といった注射薬があります。

項目 リベルサス(内服) 注射タイプのGLP-1製剤(オゼンピック等)
投与方法 毎日1回、空腹時に内服 週1回または毎日1回、皮下注射
有効成分 セマグルチド セマグルチド、リラグルチドなど
服用/投与頻度 毎日 週1回または毎日
承認状況(日本) 2型糖尿病治療薬として承認 2型糖尿病治療薬、一部は肥満症治療薬としても承認
服用/投与の利便性 注射が苦手な人には良いが、服用方法に注意が必要 自己注射が必要
効果の発現 服用方法を守れば、吸収されて効果発現 直接皮下に投与されるため吸収が安定
価格 製剤によって異なるが、自由診療では比較的高価 製剤によって異なるが、自由診療では比較的高価

リベルサスの最大の特徴は、GLP-1受容体作動薬としては珍しい内服薬である点です。「注射が苦手」という方にとって、毎日決まった時間に服用するだけのリベルサスは、非常に取り入れやすい薬剤と言えるでしょう。ただし、前述の通り、効果を得るためには正しい服用方法を厳守する必要があります。

注射タイプの製剤は、毎日または週に1回の注射で済むため、服用忘れのリスクが少ないというメリットがあります。また、注射によって有効成分が直接血中に吸収されるため、吸収が比較的安定していると言われています。どの製剤がご自身に合っているかは、医師の診断と相談によって決定されます。

リベルサスダイエットのメリット・デメリット

リベルサスダイエットを検討するにあたって、メリットとデメリットを理解しておくことは重要です。

【メリット】

  • 注射が不要な内服薬: これまでのGLP-1受容体作動薬の多くは注射でしたが、リベルサスは内服できるため、注射が苦手な方でも始めやすいです。
  • 自然な食欲抑制: 無理なく食事量を減らせるため、過度な空腹感や食事制限によるストレスを感じにくいです。
  • 満腹感の持続: 少量でも満足しやすくなり、間食や食べ過ぎを防ぐ助けとなります。
  • 血糖コントロールの改善: 血糖値が安定することで、脂肪が蓄積されにくい体質への変化が期待できます。
  • 医師の管理下で行われる: 専門的な知識を持つ医師の診察を受けながら治療を進められるため、安全性が高いです。

【デメリット】

  • 副作用の可能性: 吐き気や下痢などの消化器症状が起こる可能性があります。
  • 正しい服用方法の厳守が必要: 効果を十分に得るためには、起床後すぐ、少量の水で、30分飲食を避ける、といった独特の服用方法を守る必要があります。うっかり飲み方を間違えると、効果が得られない場合があります。
  • 効果に個人差がある: 全ての人に同じように効果が出るわけではありません。体質によっては効果をあまり感じないこともあります。
  • 費用: 肥満治療目的の場合、保険適用外(自由診療)となるため、全額自己負担となり費用が高額になる傾向があります。
  • 即効性はない: 効果を実感するまでに時間がかかります。また、服用を中止すれば徐々に効果はなくなります。

リベルサスで「痩せる」治療は医療機関で

リベルサスによるダイエット治療は、必ず医療機関で医師の診察を受けて処方してもらう必要があります。インターネットなどで個人輸入されたリベルサスには、偽造品や粗悪品が紛れているリスクがあり、健康被害につながる危険性があるため、絶対に避けてください。

安全にリベルサスを入手する方法

安全にリベルサスを入手する方法は、国内の医療機関を受診し、医師の診察を受けた上で処方してもらうことだけです。

  • クリニック・病院への受診: 肥満外来や内分泌内科、美容クリニックなどでリベルサスによるダイエット治療を提供している場合があります。
  • オンライン診療: 最近では、リベルサスのオンライン診療を行っているクリニックも増えています。自宅にいながら診察を受け、薬を配送してもらえるため、忙しい方や遠方の方にとって便利な選択肢です。

いずれの場合も、必ず医師の診察が必要です。現在の健康状態、既往歴、服用中の薬剤などを正確に伝え、リベルサスの服用が可能かどうか、適切な用量はどのくらいか、医師の判断と指導を受けるようにしましょう。

医師の診察と指導の重要性

リベルサスによるダイエット治療において、医師の診察と指導は非常に重要です。

  • 適応の判断: リベルサスによる治療が患者さんの体質や健康状態に適しているか、他に禁忌となる疾患や状態がないかなど、専門的な視点で判断します。
  • 適切な用量の決定と調整: 副作用の出方を見ながら、効果と安全性のバランスを考慮して、患者さんにとって最適な用量を決定し、必要に応じて調整します。
  • 副作用の管理と対応: 服用中に副作用が現れた場合の適切な対処法を指導したり、症状に応じて薬の調整や中止を判断したりします。重大な副作用の兆候がないかを確認することも医師の役割です。
  • 正しい服用方法の指導: 効果を最大限に引き出すための正しい服用方法について、分かりやすく指導します。
  • 目標設定と経過観察: 患者さんの目標体重や減量ペースについて現実的な設定を行い、定期的に体重や健康状態を測定し、治療経過を評価します。
  • 生活習慣改善のアドバイス: リベルサスの効果を高めるための食事や運動に関する具体的なアドバイスを行います。

医師の管理下で行われることで、リベルサスを安全かつ効果的に使用し、健康的なダイエットを成功させる可能性が高まります。

まとめ|リベルサスで安全に痩せるために

リベルサスは、GLP-1の働きによって食欲を抑え、満腹感を長く持続させることで、無理なく摂取カロリーを減らし、体重減少へと導く効果が期待できる内服薬です。「痩せる薬」として注目されていますが、その効果の仕組みや、効果が出るまでの期間、期待できる体重減少量には個人差があることを理解しておくことが重要です。

リベルサスで効果的に痩せるためには、正しい服用方法を守ること、そしてバランスの取れた食事や適度な運動といった生活習慣の改善を併せて行うことが大切です。また、効果が出ないと感じる場合は、用量が適切でない、服用方法が間違っている、体質や基礎疾患が影響している、といった原因が考えられるため、自己判断せず医師に相談してください。

リベルサスには吐き気や下痢といった消化器症状などの副作用が現れる可能性があり、稀に重大な副作用が起こるリスクもゼロではありません。安全に治療を進めるためには、必ず医療機関で医師の診察を受け、適切な処方と指導のもとで服用することが不可欠です。個人輸入によるリベルサスの入手は、偽造品のリスクがあるため大変危険です。

リベルサスによるダイエットは、医師の管理下で行うメディカルダイエットであり、安全かつ効果的な体重管理の一つの選択肢となり得ます。リベルサスによるダイエットにご興味のある方は、提携医院にご相談ください。経験豊富な医師が、あなたの健康的な体重減少をサポートいたします。

【免責事項】本記事は、リベルサスによる痩身治療に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、医学的な診断や特定の治療法を推奨するものではありません。リベルサスによる治療をご検討される際は、必ず医師の診察を受け、個々の状態に応じた適切なアドバイスを受けてください。治療効果や副作用には個人差があります。

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