・当院のダイエット外来は「オンライン診療」のみの受診となります。
・対面のクリニックでは取扱をしておりませんのでご了承ください。
・ご連絡は下記の専用LINEからご相談ください
インスリンとは、私たちの体にとって非常に重要な役割を担うホルモンです。
主に血糖値を調整する働きを持ち、生命維持に不可欠な存在と言えます。
このインスリンについて、その基本的な働き、分泌の仕組み、糖尿病との深い関係、そして治療法としてのインスリン注射の種類や注意点、さらには副作用や食事・生活習慣との関わりまで、専門的な視点から分かりやすく解説します。
インスリンとは?基礎知識
インスリンは、体内の糖分(ブドウ糖)の代謝において中心的な役割を果たすペプチドホルモンです。
食事から摂取した糖質は消化・吸収されてブドウ糖となり、血液中に入って血糖値を上昇させます。
この上昇した血糖値を適切な範囲に保つために働くのがインスリンです。
インスリンはどこから分泌される?
インスリンは、膵臓のランゲルハンス島と呼ばれる部分にあるβ細胞(ベータさいぼう)で生成・分泌されます。
膵臓は胃の後ろに位置する臓器で、消化酵素の分泌腺と、インスリンなどのホルモンを分泌する内分泌腺の両方の機能を持っています。
膵臓に存在するホルモン分泌細胞の塊である膵島(ランゲルハンス島)は、直径0.1~0.3mm程度の大きさで、ヒトの膵臓全体に100万個以上存在すると言われています。
これらのβ細胞からは、健常人の場合、約5~7日分に相当する約200単位ものインスリンが保有されています[日本薬剤師会]。
ランゲルハンス島には、インスリンを分泌するβ細胞の他に、グルカゴンを分泌するα細胞、ソマトスタチンを分泌するδ細胞、膵ポリペプチドを分泌するPP細胞などがあり、それぞれが血糖コントロールや消化に関わるホルモンを分泌しています。
インスリンの主な作用
インスリンの最も重要な作用は、血糖値を下げることです。
血液中のブドウ糖を体の各組織に取り込ませたり、貯蔵させたりすることで、血糖値の急激な上昇を抑え、適切なレベルに維持します。
血糖値を下げるメカニズム
インスリンが血糖値を下げる主要なメカニズムは以下の通りです。
- 細胞へのブドウ糖取り込み促進:
筋肉細胞、脂肪細胞、肝臓細胞など、インスリンの標的となる細胞には、ブドウ糖を細胞内に取り込むための「ブドウ糖輸送体(GLUT)」というタンパク質が存在します。
特に、筋肉細胞や脂肪細胞にあるGLUT4という輸送体は、インスリンの刺激がないと細胞膜表面に出てきません。
インスリンが細胞膜上のインスリン受容体に結合すると、細胞内に信号が伝達され、GLUT4が細胞膜表面に移動してブドウ糖を細胞内に効率的に取り込めるようになります。
これにより、血液中のブドウ糖が減少し、血糖値が下がります。 - 肝臓での糖新生抑制:
肝臓では、アミノ酸などブドウ糖以外の物質からブドウ糖を合成する「糖新生」という反応が行われています。
インスリンは、この糖新生を抑制する働きがあります。
具体的には、糖新生に関わる酵素であるホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼなどの合成量を抑制することで、肝臓から血液中へ新たにブドウ糖が放出されるのを防ぎ、血糖値の上昇を抑えます[長崎大学原爆後障害医療研究所]。 - 肝臓・筋肉でのグリコーゲン合成促進:
肝臓や筋肉では、余分なブドウ糖を「グリコーゲン」という貯蔵用の多糖類に合成して蓄えることができます。
インスリンは、このグリコーゲン合成を促進する酵素(例: グリコーゲン合成酵素)の働きを活性化させることで、グリコーゲン合成を促進します[長崎大学原爆後障害医療研究所]。
さらに、解糖系に関わる酵素(グルコキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、ピルビン酸キナーゼなど)の活性や合成量を増加させることで解糖系を促進し、ブドウ糖の利用を促進します[長崎大学原爆後障害医療研究所]。
これにより、血液中のブドウ糖がグリコーゲンとして貯蔵されたり、エネルギーとして利用されたりし、血糖値が低下します。
これらの作用が複合的に働くことで、食後の血糖値の上昇を抑え、エネルギー源としてブドウ糖を各組織に供給したり、将来に備えて貯蔵したりするのです。
血糖値以外の作用
インスリンは血糖調節以外にも、体内の代謝全体に影響を与える様々な作用を持っています。
- 脂肪代謝への影響:
- 脂肪細胞へのブドウ糖取り込みを促進し、中性脂肪の合成を促進します。
- 脂肪組織に蓄えられた中性脂肪を分解して遊離脂肪酸として血液中に放出するのを抑制します。
- 肝臓での脂肪酸合成を促進します。
これらの働きにより、インスリンは脂肪の貯蔵を促し、脂肪分解を抑制する作用があります。
- タンパク質代謝への影響:
- 筋肉などでのアミノ酸の細胞内への取り込みを促進し、タンパク質の合成を促進します。
- タンパク質の分解を抑制します。
これにより、インスリンは体の組織、特に筋肉の成長や修復に寄与します。
- その他の作用:
- カリウムイオンの細胞内への取り込みを促進する作用もあります。
これは、高カリウム血症の治療にインスリンが用いられることがある理由の一つです。 - 血管内皮細胞に作用し、血管を拡張させる働き(一酸化窒素産生促進)も報告されており、血管機能の維持にも関与している可能性が示唆されています。
- カリウムイオンの細胞内への取り込みを促進する作用もあります。
このように、インスリンは単に血糖値を下げるだけでなく、体内のエネルギー貯蔵や組織構築にも深く関わる多機能なホルモンです。
インスリンが不足するとどうなる?(インスリン作用不足)
インスリンの分泌が不足したり、体内でインスリンがうまく作用しなくなったりすると、「インスリン作用不足」と呼ばれる状態になります。
これにより、血糖値を正常に保つことができなくなり、様々な健康問題が生じます。
インスリン作用不足が起こると、まず血液中のブドウ糖が細胞に取り込まれにくくなります。
その結果、血糖値が慢性的に高い状態が続きます。
これを高血糖と言います。
高血糖が続くと、以下のような症状が現れることがあります。
- 多尿:
血液中のブドウ糖濃度が高すぎると、腎臓でブドウ糖を再吸収しきれなくなり、尿中にブドウ糖が漏れ出します。
ブドウ糖が水分を引きつけるため、尿量が増加します。 - 口渇・多飲:
多尿により体内の水分が失われるため、喉が渇き、水分を多く摂るようになります。 - 体重減少:
ブドウ糖をエネルギー源として細胞に取り込めないため、体は代わりに脂肪や筋肉を分解してエネルギーを得ようとします。
これにより、食べているのに体重が減ることがあります。 - 全身倦怠感:
エネルギー源であるブドウ糖をうまく利用できないため、体がだるく、疲れやすくなります。
さらに、インスリン作用不足が重度になると、より深刻な状態に陥ることがあります。
- 糖尿病ケトアシドーシス:
特に1型糖尿病などでインスリンが全く、あるいは極端に不足した場合に起こりやすい合併症です。
ブドウ糖を利用できない体は、代わりに脂肪を分解してエネルギーを得ようとしますが、この過程で「ケトン体」という物質が大量に生成されます。
ケトン体は酸性であり、体内に蓄積すると血液が酸性に傾き(アシドーシス)、意識障害や昏睡に至る可能性があり、非常に危険な状態です。 - 高血糖高浸透圧症候群:
主に2型糖尿病などで、高度な脱水を伴う高血糖が持続した場合に起こりやすい合併症です。
強い脱水と高血糖により血液の浸透圧が非常に高くなり、意識障害などを引き起こします。
慢性的な高血糖状態は、血管や神経など全身の様々な組織にダメージを与え、将来的に糖尿病の合併症(神経障害、網膜症、腎症、心血管疾患、脳卒中など)を引き起こす大きな原因となります。
このように、インスリンの作用不足は、体の機能に広範囲な影響を及ぼす深刻な状態なのです。
インスリンと糖尿病の関係
インスリンは、糖尿病という病気と切っても切れない関係にあります。
糖尿病は、インスリンの働きが十分でないために血糖値が高い状態が続く病気だからです。
なぜ糖尿病ではインスリンが重要なのか
糖尿病は大きく分けて1型と2型があります。
どちらのタイプも、インスリンの作用が不足していることが共通しています。
- 1型糖尿病:
膵臓のβ細胞が自己免疫反応などによって破壊され、インスリンがほとんど、あるいは全く分泌されなくなるタイプの糖尿病です。
体に必要なインスリンを作れないため、血糖値を下げることができなくなり、高血糖になります。
このタイプでは、生命維持のために体外からインスリンを補う治療(インスリン療法)が必須となります。 - 2型糖尿病:
日本人を含む多くの糖尿病患者さんがこのタイプです。
生活習慣(過食、運動不足、肥満など)や遺伝的要因が複合的に関与して発症します。
2型糖尿病では、インスリンの分泌量が不足したり(インスリン分泌能の低下)、インスリンが分泌されていても体の組織がインスリンに反応しにくくなったりする状態(インスリン抵抗性)が起こります。
多くの場合は、インスリン分泌能の低下とインスリン抵抗性の両方が組み合わさって発症・進行します。
インスリン抵抗性が強いと、膵臓は血糖値を下げようとしてより多くのインスリンを分泌しようとしますが、その状態が続くとβ細胞が疲弊してしまい、やがてインスリン分泌量自体も減ってきてしまいます。
このように、どちらのタイプの糖尿病も、インスリンの「量」あるいは「働き」の不足が病態の中心にあります。
そのため、糖尿病の治療では、インスリンの作用を補うこと、あるいはインスリンが効きやすい体質に改善することが非常に重要になるのです。
インスリン抵抗性とは
インスリン抵抗性とは、インスリンが正常に分泌されているにも関わらず、その標的となる細胞(筋肉、脂肪、肝臓など)がインスリンの作用に対して反応しにくくなっている状態を指します。
たとえるなら、「鍵(インスリン)はたくさんあるのに、鍵穴(インスリン受容体やその先の信号伝達経路)がさびついていて鍵がかかりにくい」といったイメージです。
インスリン抵抗性があると、同じ量のインスリンが分泌されても、細胞へのブドウ糖の取り込みが十分に行われず、肝臓での糖新生も十分に抑制されません。
その結果、血糖値が下がりにくくなります。
体がこれを感知すると、血糖値を下げようとして膵臓はさらに多くのインスリンを分泌します(代償性のインスリン分泌亢進)。
しかし、この状態が長く続くと、やがて膵臓のβ細胞が疲弊してインスリンを十分に分泌できなくなり、血糖値が慢性的に高い状態が固定されて糖尿病が発症・進行します。
インスリン抵抗性は、肥満(特に内臓脂肪型肥満)、運動不足、過食、加齢、遺伝などの様々な要因によって引き起こされます。
インスリン抵抗性が強い状態は、糖尿病だけでなく、高血圧、脂質異常症、肥満が複合した「メタボリックシンドローム」の中核をなす病態と考えられており、心血管疾患のリスクを高めることが知られています。
2型糖尿病の治療では、このインスリン抵抗性を改善することが重要な目標の一つとなります。
生活習慣の改善(減量、運動、食事内容の見直し)や、インスリン抵抗性を改善する作用を持つ飲み薬などが用いられます。
インスリンの種類について
糖尿病治療で用いられるインスリン製剤には、様々な種類があります。
これらの違いは、主に「作用時間」と「分子構造」に基づいています。
作用時間の違いによる分類
インスリン製剤は、体内に注射されてから効果が現れるまでの時間(作用発現時間)、効果が最も強くなる時間(作用ピーク)、そして効果が持続する時間(作用持続時間)によって分類されます。
これらの作用特性の違いにより、患者さんの病状や生活スタイルに合わせて使い分けられます。
代表的なインスリン製剤の種類と特徴を以下に示します。
種類 | 作用発現時間 | 作用ピーク | 作用持続時間 | 特徴・使用場面 |
---|---|---|---|---|
超速効型 | 5~15分 | 30分~1.5時間 | 3~5時間 | 食事直前または食直後に注射。食後の急激な血糖上昇を抑えるのに適している。 |
速効型 | 30分~1時間 | 1~3時間 | 5~8時間 | 食事の30分前に注射。以前からあるタイプ。超速効型に比べると使用頻度は減少傾向。 |
混合型 | 超速効型または速効型+中間型 | 作用発現時間と中間型のピーク | 10~16時間 | 1日に1~2回注射。超速効型/速効型と中間型を混ぜた製剤。食前と食間の血糖に対応。 |
中間型 | 1~3時間 | 5~8時間 | 18~24時間 | 1日に1~2回注射。食間や夜間の血糖を抑える。基礎インスリンの補給にも用いる。 |
持効型溶解インスリン | 1~2時間 | ピークなし(平坦) | 24時間以上 | 1日に1回注射。一日中安定した基礎インスリンを補給する。単独または他のインスリン、飲み薬と併用。 |
作用時間はおおよその目安であり、個人差や注射部位によって異なります。
- 基礎インスリン:
一日を通して微量に分泌され、空腹時の血糖値を一定に保つインスリン。
持効型溶解インスリンや中間型インスリンがこれを補う目的で使用されます。 - 追加インスリン(ボーラスインスリン):
食事によって上昇する血糖値を下げるために分泌されるインスリン。
超速効型や速効型インスリンがこれを補う目的で使用されます。
インスリン療法では、これらの種類のインスリンを組み合わせて、健康な人のインスリン分泌パターン(基礎インスリンと追加インスリン)を再現するように治療計画が立てられます。
例えば、1型糖尿病や、2型糖尿病でインスリン分泌能が著しく低下している場合などでは、基礎インスリンを補う持効型溶解インスリンを1日1回注射し、毎食前に超速効型インスリンを注射するといった治療(強化インスリン療法)が行われることが一般的です。
ヒトインスリンとアナログインスリン
インスリン製剤は、その分子構造によって「ヒトインスリン」と「アナログインスリン」に分けられます。
- ヒトインスリン:
人間の体内で作られるインスリンと全く同じアミノ酸配列を持つように作られたインスリンです。
以前は牛や豚のインスリンが使われていましたが、アレルギーなどの問題があり、遺伝子組み換え技術によってヒトインスリンが作られるようになりました。
速効型や中間型、混合型にヒトインスリン製剤があります。 - アナログインスリン:
ヒトインスリンのアミノ酸配列の一部を人工的に変更して作られたインスリンです。
アミノ酸配列を変えることで、体内での吸収や分解の速度を調整し、作用時間をより早くしたり(超速効型)、より長く安定させたり(持効型溶解インスリン)することを可能にしています。
これにより、より生理的なインスリン分泌パターンに近い形で血糖値をコントロールしたり、注射のタイミングの自由度を高めたりすることが可能になりました。
超速効型インスリンや持効型溶解インスリンの多くはこのタイプです。
現在では、作用特性の点でメリットが大きいアナログインスリン製剤が広く用いられるようになっていますが、ヒトインスリン製剤も引き続き使用されています。
どちらのタイプを使用するかは、患者さんの状態や治療目標、生活習慣などを考慮して医師が判断します。
インスリン注射とは?治療について
インスリン注射は、体内でインスリンが不足している場合に、体外からインスリンを補うための治療法です。
糖尿病治療の柱の一つであり、特に1型糖尿病の患者さんにとっては生命を維持するために不可欠な治療です。
インスリン注射が必要なケース
インスリン注射は、主に以下のようなケースで必要となります。
- 1型糖尿病:
膵臓のβ細胞が破壊され、インスリン分泌がほぼゼロになってしまうため、診断された時点からインスリン注射が必須となります。 - 2型糖尿病:
- 飲み薬による治療や生活習慣の改善だけでは血糖コントロールが十分にできない場合。
- 血糖値が非常に高い場合や、著しい体重減少を伴う場合など、病状が進んでいる場合。
- 糖尿病の合併症が進んでいる場合。
- 手術を受ける際や、感染症などで体調を崩した「シックデイ」と呼ばれる状態の場合。
- 妊娠糖尿病や、妊娠中の糖尿病治療の場合。
- その他の糖尿病:
膵臓の手術を受けた後や、膵炎などによって膵臓の機能が低下し、インスリン分泌が不足した場合など。
2型糖尿病の場合、インスリン注射は必ずしも一生続けなければならないとは限りません。
インスリン注射によって血糖コントロールが改善し、膵臓の機能が回復した場合などには、注射をやめて飲み薬に戻したり、飲み薬も不要になったりすることもあります。
しかし、病状によってはインスリン分泌能がさらに低下し、インスリン注射が必要不可欠になる場合もあります。
インスリン注射の種類と特徴
インスリン注射の方法には、主に以下の種類があります。
- インスリンペン:
現在最も広く使われている注射器です。
インスリン製剤があらかじめ充填されたカートリッジがセットされており、ダイヤルを回して必要な単位数を設定し、ボタンを押して注射します。
非常に簡便で扱いやすく、携帯にも便利です。- 使い捨てインスリンペン:
インスリンを使い切ったら本体ごと廃棄するもの。 - カートリッジ交換式インスリンペン:
本体は繰り返し使用し、インスリンカートリッジを交換するもの。
- 使い捨てインスリンペン:
- インスリンシリンジ(注射器):
インスリンが入ったバイアル(瓶)から、専用の注射器で吸い上げて注射する方法です。
複数のインスリンを混合して注射する場合などに用いられることがありますが、ペン型に比べると手技が煩雑であり、現在ではあまり一般的ではありません。 - インスリンポンプ(CSII: Continuous Subcutaneous Insulin Infusion):
超速効型または速効型インスリンを、小型のポンプを用いて皮下に持続的に注入する方法です。
あらかじめ設定された量(基礎レート)を少量ずつ注入し続け、食事の時などに必要な量を追加注入(ボーラス注入)します。
ペン型注射に比べて、より生理的なインスリン分泌パターンに近い注入が可能で、血糖コントロールの改善が期待できます。
持続的にカニューレ(細いチューブ)を皮下に留置しておく必要があります。
どの方法を選択するかは、患者さんの病状、インスリンの種類、必要な単位数、生活スタイル、手技の習得度などを考慮して医師と相談して決定します。
インスリン注射の基本的な方法と注意点
インスリン注射は、自宅で患者さん自身が行う「自己注射」が基本となります。
安全かつ効果的に注射を行うためには、正しい方法といくつかの注意点を守ることが重要です。
基本的な注射方法:
- 準備:
- 清潔な手で始める。
- 必要な物品(インスリンペン/シリンジ、針、消毒用アルコール綿、ゴミ箱)を準備する。
- インスリン製剤の種類や単位数、有効期限を確認する。
懸濁性インスリン(中間型や混合型など)の場合は、説明書通りに優しく振って均一にする。
- 針の取り付け:
新しい使い捨ての注射針をペンやシリンジに取り付ける。
針は毎回新しいものを使用する。 - 空打ち(エア抜き):
インスリンペンでは、実際に注射する前に少量の単位数(通常2単位)を空打ちして、針の中にインスリンが充填されていること、針が詰まっていないことを確認する。 - 単位設定:
医師から指示された単位数を正確に設定する。 - 注射部位の選択と消毒:
- 注射部位は主に腹部、大腿部、上腕部、臀部などです。
同じ場所に続けて打つと皮膚が硬くなったり吸収が悪くなったりすることがあるため、毎回少しずつ場所をずらす(ローテーション)ことが重要です。 - 注射部位をアルコール綿で軽く消毒し、乾くのを待つ。
- 注射部位は主に腹部、大腿部、上腕部、臀部などです。
- 注射:
- 皮膚を軽くつまむか、つままずに(針の長さや種類による)、針を皮膚に対して垂直(または指示された角度)に刺す。
- ゆっくりと最後までボタンを押し込み、薬液を注入する。
- 薬液注入後、ペン/シリンジの説明書に従って指定された時間(通常10秒程度)そのまま保持し、薬液が漏れるのを防ぐ。
- 針を抜く。
- 片付け:
- 使用済みの注射針は、キャップをせず(リキャップは危険)、専用の廃棄容器に入れる。
- インスリンペンやシリンジは、種類に応じて保管するか廃棄する。
インスリン注射の注意点:
- 保管:
インスリンは温度変化に弱いため、凍結や高温を避けて保管する。
使用中のインスリンは室温で保管可能だが、未開封のものは冷蔵庫で保管するのが一般的。
詳細は製剤の説明書を確認する。 - 注射部位のローテーション:
皮膚の硬結や吸収不良を防ぐため、毎回少しずつ注射部位をずらして打つ。 - 針の使い回し:
感染や針詰まり、痛みの原因となるため、針は必ず毎回新しいものに交換する。 - 注射のタイミング:
インスリンの種類によって、食事との関連など注射するタイミングが異なります。
医師や薬剤師の指示を厳守する。 - 手技の習得:
正しい注射手技は医療スタッフから指導を受ける。
不安な点があれば遠慮なく質問する。 - 低血糖への備え:
インスリン注射は血糖値を下げるため、低血糖を起こす可能性があります。
常にブドウ糖や砂糖などの糖分を携帯しておく。
正しい自己注射の手技を習得し、継続することが、インスリン療法による良好な血糖コントロールと合併症予防のために非常に重要です。
インスリン治療にかかる費用(値段)
インスリン治療にかかる費用は、使用するインスリン製剤の種類や量、注射回数、医療機関の種類、患者さんの加入している医療保険の種類、自己負担割合などによって大きく異なります。
費用項目 | 説明 |
---|---|
インスリン製剤費 | 使用するインスリン製剤自体の薬価。種類(ヒト/アナログ、作用時間)、単位数によって異なる。 |
注射器・針代 | インスリンペン、シリンジ、注射針などの医療材料費。 |
診察費 | 医師の診察料。定期的な血糖測定や状態確認のために通院が必要。 |
検査費 | 血糖値、HbA1c、尿検査などの定期的な検査費用。 |
処方せん料/調剤料 | 薬局で薬を受け取る場合にかかる費用。 |
その他の費用 | 血糖自己測定器、センサー、消耗品など。 |
インスリン治療は多くの糖尿病患者さんにとって長期にわたる治療であり、これらの費用が継続的に発生します。
日本の医療保険制度では、医療費の自己負担割合は年齢や所得によって異なります(原則として3割負担、高齢者は1割または2割負担など)。
インスリン治療などの高額な治療が長期にわたる場合、医療費の負担を軽減する制度があります。
- 高額療養費制度:
1ヶ月(同じ月内)にかかった医療費の自己負担額が、年齢や所得に応じて定められた上限額を超えた場合に、その超えた分の払い戻しを受けられる制度です。 - 特定疾病療養受療証:
糖尿病のうち、インスリン療法を必要とする患者さんの場合、「特定疾病」に該当することがあります。
特定疾病療養受療証の交付を受けると、同一医療機関での特定疾病に関する医療費(自己負担分)の支払いが、1ヶ月10,000円(所得によっては20,000円)までとなります。
インスリン製剤や注射器、針などもこの対象に含まれます。
これらの制度を利用することで、インスリン治療にかかる自己負担額を大幅に軽減できる場合があります。
具体的な費用や利用できる制度については、医療機関の会計窓口や加入している健康保険組合、市区町村の担当窓口などに相談することをお勧めします。
インスリン治療で起こりうる副作用
インスリン治療は糖尿病の血糖コントロールに非常に有効な手段ですが、適切に使用しない場合や患者さんの状態によっては、いくつかの副作用が起こる可能性があります。
最も注意が必要な副作用は低血糖です。
主な副作用(低血糖など)とその症状
1. 低血糖:
インスリン注射の量が多すぎたり、注射後の食事量が少なかったり、いつもより激しい運動をしたりした場合などに、血糖値が正常値(一般的に70mg/dL未満)よりも低くなりすぎる状態です。
低血糖は、脳にとって重要なエネルギー源であるブドウ糖が不足するため、様々な症状を引き起こします。
- 警告症状(自律神経症状):
血糖値がやや低くなった段階で現れるサインです。
体は血糖値を上げようとしてアドレナリンなどを分泌するため、以下の症状が出ます。- 冷や汗
- 手の震え
- 動悸、心臓がドキドキする感じ
- 空腹感
- 顔面蒼白
- 不安感
- 中枢神経症状:
血糖値がさらに低下し、脳へのブドウ糖供給が不足してきた段階で現れる症状です。- 眠気
- めまい、ふらつき
- 集中力の低下
- 考えがまとまらない
- 力が入らない
- ものが二重に見える
- 頭痛
- 生あくび
- 重症低血糖:
血糖値が著しく低下し、意識障害や昏睡、けいれんなどが起こる非常に危険な状態です。
周囲の助けなしには対処できません。
低血糖は、インスリン治療における最も頻繁かつ危険な副作用です。
特に夜間寝ている間に起こると気づきにくく、重症化しやすい(夜間無自覚性低血糖)ため注意が必要です。
2. 体重増加:
インスリンにはブドウ糖を体内に取り込み、脂肪として貯蔵する作用があるため、インスリン治療を開始すると体重が増加しやすい傾向があります。
また、治療により血糖コントロールが改善すると、それまで尿中に排泄されていたブドウ糖が体内に留まるようになることも体重増加の一因となります。
体重管理のために、食事療法や運動療法を継続することが重要です。
3. 注射部位の合併症:
- 皮下硬結:
同じ場所に繰り返し注射していると、皮下組織が硬くなることがあります。
インスリンの吸収が悪くなる原因となるため、注射部位をローテーションすることが重要です。 - リポジストロフィー(脂肪萎縮または脂肪肥厚):
注射部位の皮下脂肪が萎縮して凹んだり(脂肪萎縮)、逆に増殖して硬く盛り上がったり(脂肪肥厚)することがあります。
アナログインスリンの登場で以前よりは減りましたが、完全にゼロではありません。
これも注射部位のローテーションで予防できます。 - アレルギー:
注射部位が赤くなる、かゆみ、腫れなどの局所的なアレルギー反応や、まれに全身性のアレルギー反応が起こることもあります。
4. むくみ(浮腫):
インスリンには腎臓でのナトリウムと水分の再吸収を促進する作用があるため、特に治療開始初期に一時的にむくみが生じることがあります。
通常は自然に改善しますが、持続する場合やひどい場合は医師に相談が必要です。
これらの副作用のうち、低血糖は特に迅速な対処が必要です。
副作用への対処法
インスリン治療による副作用、特に低血糖が起こった場合の対処法は以下の通りです。
低血糖の対処法:
- 血糖値の確認:
症状が出たら、可能であればまず血糖測定を行い、低血糖であることを確認します(血糖値が70mg/dL未満)。
ただし、迅速な対応が重要なため、血糖測定器がない場合や、明らかに低血糖の症状(特に警告症状)が出ている場合は、血糖測定を待たずに以下の処置を行います。 - 糖分の摂取:
速やかにブドウ糖を10g摂取します。
ブドウ糖がない場合は、砂糖20g、あるいはブドウ糖や砂糖を含む清涼飲料水(ジュースなど、ただしダイエットタイプは不可)200mL程度を摂取します。- 具体例:
- ブドウ糖10gを含むタブレット(薬局などで購入可能)
- 角砂糖2個
- スティックシュガー2本
- 清涼飲料水(コーラ、サイダー、オレンジジュースなど)コップ1杯(約200mL)
- 具体例:
- 安静:
糖分を摂取したら、吸収されるまで15分程度安静にします。 - 症状の再確認:
15分後、症状が改善したか確認します。
可能であれば再度血糖測定を行います。 - 追加の糖分摂取:
症状が改善しない場合や、血糖値がまだ低い場合は、再度ブドウ糖10gまたはそれに相当する糖分を摂取し、さらに15分安静にします。 - 食事:
症状が改善したら、次の食事まで時間がある場合は、吸収の遅い糖質(ご飯、パン、麺類など)を含む軽食を摂ると、血糖値の再低下を防ぐのに役立ちます。 - 医療機関への連絡:
- 糖分を摂取しても症状が改善しない場合。
- 意識障害など重症の低血糖になった場合(周囲の人が救急車を呼ぶなどの対応が必要)。
- 低血糖を繰り返す場合。
- 低血糖の原因が不明な場合。
低血糖が起こった状況(インスリン量、食事内容、運動、体調など)を記録しておき、次の診察時に医師に報告することが重要です。
その他の副作用への対処法:
- 体重増加:
食事療法と運動療法をより積極的に行い、カロリー摂取量を適切に管理する。
管理栄養士の指導を受けることも有効です。 - 注射部位の合併症(硬結、リポジストロフィー):
注射部位を毎回変えるローテーションを徹底する。
硬くなっている場所には注射しない。
気になる症状がある場合は医師に相談する。 - アレルギー:
注射部位のアレルギー反応が続く場合や全身性の症状が出た場合は、すぐに医師に連絡し、インスリン製剤の変更や抗アレルギー薬の使用などを検討してもらう。 - むくみ:
一時的な場合は経過観察で良いことが多いが、持続する場合や程度が強い場合は医師に相談する。
副作用を完全に避けることは難しい場合もありますが、その症状や原因、適切な対処法を知っておくことで、副作用が起きた際にも落ち着いて対応でき、インスリン治療を安全に継続することができます。
定期的な診察時に、副作用の状況についても遠慮なく医師や看護師、薬剤師に相談することが大切です。
インスリンと食事・生活習慣
インスリンの働きや分泌は、日々の食事や運動などの生活習慣と密接に関わっています。
糖尿病の治療や予防において、インスリンを有効に活用するためには、生活習慣の管理が非常に重要です。
インスリン分泌を促す食べ物・飲み物
インスリンは、血糖値の上昇に応じて膵臓のβ細胞から分泌されます。
したがって、血糖値を上げるような食べ物や飲み物を摂取すると、インスリンの分泌が促されます。
特に、糖質(炭水化物)は消化・吸収されてブドウ糖になるため、血糖値を最も大きく上昇させ、インスリン分泌を強く刺激します。
- 血糖値を上げやすい食べ物・飲み物:
- 砂糖や果糖を多く含むもの(ジュース、菓子パン、お菓子、清涼飲料水など)
- 精製された穀物(白米、白いパン、うどんなど)
- じゃがいも、とうもろこしなどのデンプンを多く含む野菜
これらの食品は吸収が速く、食後の血糖値を急激に上昇させるため、インスリンも大量に分泌されます。
健康な人であれば、食後の血糖上昇に応じて必要な量のインスリンが分泌され、血糖値は速やかに正常範囲に戻ります。
しかし、インスリン抵抗性がある人やインスリン分泌能力が低下している人では、食後の高血糖が持続しやすくなります。
インスリンを「促す」という観点では、食後の血糖値上昇がそのシグナルとなります。
しかし、糖尿病の管理においては、むしろインスリンの分泌を急激に促しすぎるような食事(すなわち、血糖値を急激に上げる食事)は避けるべきです。
インスリン分泌を抑える食事の工夫
インスリンの過剰な分泌や急激な分泌は、β細胞への負担を増やしたり、低血糖後の反動で高血糖を招いたりする可能性があるため、血糖値の急激な上昇を抑えるような食事の工夫が推奨されます。
これは、結果的にインスリンの分泌を穏やかにすることにつながります。
- 食べる順番の工夫:
食事の最初に野菜やきのこ、海藻類など食物繊維を豊富に含むものを食べ、次におかず(肉、魚、卵、大豆製品などタンパク質や脂質を含むもの)、最後に主食(ご飯、パン、麺類など糖質を含むもの)を食べるようにすると、糖質の吸収が緩やかになり、食後の血糖値の急上昇やインスリンの大量分泌を抑えることができます。 - GI値(グリセミックインデックス)を意識する:
GI値とは、食品に含まれる糖質がどのくらいの速さで血糖値を上昇させるかを示す指標です。
GI値が低い食品ほど血糖値の上昇が緩やかになります。- 低GI食品の例:
玄米、全粒粉パン、そば、パスタ(アルデンテ)、野菜、きのこ、海藻類、肉、魚、豆類、乳製品など。 - 高GI食品の例:
白米、白いパン、うどん、じゃがいも、清涼飲料水、お菓子など。
食事では、高GI食品ばかりにならないよう、低GI食品を上手に取り入れることが推奨されます。
- 低GI食品の例:
- ゆっくりよく噛んで食べる:
早食いは血糖値を急激に上昇させやすいので、ゆっくりとよく噛んで食べることで、消化・吸収が緩やかになり、血糖値の上昇を抑えられます。 - バランスの取れた食事:
糖質、タンパク質、脂質をバランス良く摂取することが重要です。
特に、糖質に偏った食事は血糖値を上げやすいため、注意が必要です。
また、食物繊維を十分に摂ることは、血糖値の上昇を緩やかにするだけでなく、腸内環境を整える効果も期待できます。 - 食べる量と時間:
一度に大量に食べるのは避け、適切な量を規則正しい時間に食べるようにします。
夜遅い時間の食事や、寝る前の食事は血糖値が高い状態が続きやすいため、避けるのが望ましいです。
これらの食事の工夫は、インスリンの働きを助け、血糖コントロールを改善するために非常に効果的です。
運動がインスリンに与える影響
運動は、インスリンの働きを改善する上で非常に重要な役割を果たします。
特に、定期的な運動はインスリン抵抗性を改善し、インスリンが効きやすい体質を作るのに役立ちます。
- インスリン感受性の向上:
運動、特に筋肉を使う運動(有酸素運動や筋力トレーニング)をすることで、筋肉細胞のブドウ糖輸送体(GLUT4)が細胞膜表面に移動しやすくなります。
これにより、インスリンが少量でもブドウ糖を細胞内に効率的に取り込めるようになり、インスリンの効き目が良くなります(インスリン感受性の向上)。
運動によってインスリン抵抗性が改善されると、同じ量のインスリンでも血糖値をより効果的に下げられるようになります。 - 運動中の血糖消費:
運動中は筋肉がエネルギーとしてブドウ糖を消費します。
これにより、血液中のブドウ糖が直接的に利用され、血糖値が低下します。
インスリンの助けがなくてもブドウ糖を取り込めるルート(インスリン非依存性経路)も活性化するため、運動中や運動後しばらくはインスリンの働きが低下していても血糖値が下がりやすくなります。 - 体重減少:
定期的な運動は消費エネルギーを増やし、体重減少につながります。
特に内臓脂肪が減少すると、インスリン抵抗性が改善されることが知られています。
インスリン療法中の人が運動を行う際には、注意が必要です。
運動によって血糖値が下がりすぎる(低血糖になる)リスクがあるためです。
特に、インスリン注射後でインスリンの作用が強い時間帯に運動する場合や、空腹時に運動する場合は注意が必要です。
運動前後の血糖測定、運動中の糖分携帯、医師や運動指導者との相談などが推奨されます。
血糖コントロールのためには、食事療法と運動療法、そして必要な場合には薬物療法(飲み薬やインスリン注射)を組み合わせることが重要です。
これらの生活習慣の改善は、インスリンの働きを最適化し、健康的な血糖値を維持するために不可欠です。
まとめ|インスリンの正しい知識を身につけましょう
インスリンは、膵臓から分泌され、主に血糖値を適切な範囲に保つための重要なホルモンです。
血液中のブドウ糖を細胞に取り込ませたり、肝臓での糖の放出を抑えたりすることで血糖値を下げます。
また、血糖調節以外にも、脂肪やタンパク質の代謝にも関与しています。
インスリンの分泌が不足したり、インスリンが効きにくくなったりする(インスリン抵抗性)と、血糖値が高い状態が続き、糖尿病を発症・進行させます。
1型糖尿病ではインスリン分泌がほぼゼロになるためインスリン注射が必須であり、2型糖尿病でも病状によってはインスリン注射が必要となります。
インスリン製剤には様々な種類があり、作用時間の違いによって超速効型、速効型、中間型、混合型、持効型溶解インスリンなどに分類され、患者さんの病状や生活スタイルに合わせて使い分けられます。
注射の方法もペン型注射器などが普及しており、多くの患者さんが自宅で安全に自己注射を行っています。
インスリン治療で最も注意すべき副作用は低血糖です。
冷や汗や手の震えなどの症状が出た場合は、速やかに糖分を摂取するなどの対処が必要です。
その他にも体重増加や注射部位の合併症などの副作用が起こる可能性がありますが、これらは適切な知識と対応によって予防・管理が可能です。
インスリンの働きは食事や運動などの生活習慣に大きく影響されます。
血糖値を急激に上げるような食事を避け、インスリン分泌を穏やかにするような工夫(食べる順番や低GI食品の活用)を取り入れることや、インスリン感受性を高める運動を継続することが、血糖コントロールにとって非常に重要です。
インスリンは私たちの体にとって不可欠なホルモンであり、特に糖尿病の管理において中心的な役割を担います。
インスリンの正しい知識を身につけ、日々の生活の中で意識することで、より良い健康状態を維持することができます。
インスリン療法を受けている方だけでなく、糖尿病予備群の方や健康に関心のある方も、インスリンについての理解を深めることは非常に有益です。
この記事はインスリンに関する一般的な情報を提供するものであり、個々の病状や治療に関する医学的なアドバイスに代わるものではありません。
インスリン治療に関して疑問や不安がある場合は、必ず医師や医療専門家に相談してください。