サクセンダで痩せない原因は?効かない人の特徴と効果を出す方法

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サクセンダは多くの臨床試験でその有効性が確認されていますが、すべての方が同じように効果を実感できるわけではありません。体重減少が見られない場合、いくつかの原因が考えられます。サクセンダの効果を最大限に引き出すためには、これらの原因を理解し、適切に対処することが重要です。

目次

サクセンダで痩せない原因は??

正しい用量・期間で使用できていない

サクセンダは、通常0.6mgから開始し、体調を見ながら1週間ごとに0.6mgずつ増量し、最大3.0mgまで段階的に用量を上げていくのが基本的な使用方法です。このステップを踏まずに自己判断で少量だけ使用していたり、推奨される使用期間よりも短い期間で効果を判断してしまったりすると、十分な効果が得られないことがあります。

サクセンダの有効成分であるリラグルチドは、脳の食欲中枢に働きかけて食欲を抑え、胃の排出速度を遅らせることで満腹感を高めます。これらの効果は、ある程度の血中濃度に達することで発揮されます。開始用量である0.6mgは、体が薬に慣れるためのステップであり、多くの場合は食欲抑制効果を強く実感できる用量ではありません。効果を実感するためには、個人差はありますが、通常1.8mgや2.4mg、あるいは最大の3.0mgまで増量する必要があります。

また、サクセンダの効果が現れるまでには時間がかかることがあります。すぐに劇的な体重減少がなくても、継続して使用することで徐々に効果が現れるケースが多いです。最低でも2〜3ヶ月は継続して使用し、効果を判定することが推奨されています。自己判断で使用を中断したり、頻繁に用量を変更したりすることは、効果が得られない原因となるだけでなく、体調不良を引き起こす可能性もあります。必ず医師の指示に従い、正しい用量と期間で使用することが重要です。

食事内容や摂取カロリーに改善が見られない

サクセンダは食欲を抑える効果がありますが、薬を打っているからといって何をどれだけ食べても痩せるわけではありません。体重減少の基本的な原則は「消費カロリーが摂取カロリーを上回る」ことです。サクセンダはあくまで食欲をサポートするものであり、食事内容や全体の摂取カロリーを意識した生活習慣の改善が不可欠です。

例えば、サクセンダで食事量が減っても、その内容が高カロリーな食品(脂っこい食事、糖分の多い飲み物やお菓子など)ばかりでは、総摂取カロリーが減らず、体重減少につながらないことがあります。また、食事の質が低いと、必要な栄養素が不足し、代謝が落ちたり、かえって空腹感を感じやすくなったりすることもあります。

サクセンダの効果を最大限に引き出すためには、バランスの取れた食事を心がけ、適正な摂取カロリー内で収まるように意識することが重要です。具体的には、以下の点を意識してみましょう。

  • タンパク質をしっかり摂る: 筋肉量の維持や増加に繋がり、代謝を保ちやすくなります。また、タンパク質は満腹感を得やすい栄養素です。肉、魚、卵、大豆製品などを毎食に取り入れましょう。
  • 食物繊維を豊富に摂る: 野菜、きのこ類、海藻類、玄米などに含まれる食物繊維は、満腹感を高め、血糖値の急激な上昇を抑える効果があります。また、腸内環境を整えることにも繋がります。
  • 質の良い脂質を選ぶ: 揚げ物や加工食品に含まれるトランス脂肪酸は避け、魚に含まれるDHA・EPAや、オリーブオイル、ナッツ類に含まれる不飽和脂肪酸などを適量摂りましょう。
  • 糖分の摂りすぎに注意: 砂糖が多く含まれる清涼飲料水やお菓子、菓子パンなどは控えめにしましょう。血糖値の急激な変動は、食欲を増進させる可能性があります。
  • 食事の摂り方: 早食いは避け、よく噛んでゆっくり食べることで、満腹中枢が刺激されやすくなります。食事の最初に野菜などを食べることで、血糖値の上昇を緩やかにすることも有効です。

サクセンダで食欲が抑えられても、漠然と食事量を減らすのではなく、何を食べるか、そしてどれだけ食べるかを意識的にコントロールすることが、減量成功の鍵となります。

運動習慣がない、または不足している

体重減少には、食事による摂取カロリーの調整だけでなく、運動による消費カロリーの増加も非常に重要です。サクセンダを使用していても、全く運動習慣がない、あるいは運動量が極端に少ない場合、消費カロリーが増えず、体重減少が進みにくいことがあります。

運動には、脂肪燃焼を促進する効果だけでなく、筋肉量を維持・増加させる効果があります。筋肉量が多いほど基礎代謝が高まり、日常生活での消費カロリーが増えるため、リバウンドしにくい体を作ることができます。サクセンダによる減量と並行して適度な運動を取り入れることで、より効率的に、そして健康的に体重を減らすことが期待できます。

推奨される運動としては、脂肪燃焼効果の高い有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳など)と、基礎代謝向上に繋がる筋力トレーニング(スクワット、腕立て伏せ、腹筋など)を組み合わせることが理想的です。毎日長時間行う必要はありません。例えば、週に3〜4回、1回あたり30分程度の有酸素運動と、週に2回程度の筋力トレーニングを無理なく続けられる範囲で取り組むことから始めましょう。

日常生活の中で活動量を増やすことも有効です。エスカレーターやエレベーターを使わずに階段を使う、一駅手前で降りて歩く、休憩時間に軽いストレッチをするなど、小さなことからでも積み重ねることで、総消費カロリーを増やすことができます。

サクセンダの効果を運動でサポートすることで、よりスムーズな減量と、引き締まった健康的な体を目指すことができます。

体質や目標体重による個人差がある

サクセンダの効果には個人差があり、すべての方が同じように反応するわけではありません。薬の代謝速度や、体質的な要因(遺伝、ホルモンバランスなど)によって、効果の出方に違いが生じることがあります。中には、推奨用量まで増量しても、期待するほど食欲抑制効果を感じない方もいらっしゃいます。

また、現在の体重や目標とする体重によっても、効果の感じ方や減量ペースは異なります。例えば、BMIが非常に高い方と、標準体重に近い方が少しだけ痩せたいという場合では、薬への反応や目標達成までの難易度が異なります。もともと肥満度がそれほど高くない場合、大幅な体重減少は期待できない可能性があります。サクセンダは、主にBMIが高い方の減量や血糖コントロールを目的とした治療薬であり、美容目的での使用においても、過度な期待は避けるべきです。

さらに、非アルコール性脂肪肝や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)など、体重増加や減量抵抗性に関連する他の疾患を抱えている場合、サクセンダ単独での効果が限定的になることがあります。これらの疾患の治療と並行して、多角的なアプローチが必要となる場合があります。

自身の体質や現在の状態を正しく把握し、医師と相談しながら現実的な目標設定を行うことが重要です。他の治療法がより適している可能性もありますので、効果が感じられない場合は遠慮なく医師に相談しましょう。

ストレスや睡眠不足など他の要因

体重管理には、食事や運動だけでなく、日々の生活習慣全体が大きく影響します。特に、慢性的なストレスや睡眠不足は、サクセンダの効果を妨げる要因となる可能性があります。

ストレスを感じると、私たちの体はコルチゾールというホルモンを分泌します。コルチゾールは、食欲を増進させたり、脂肪を蓄積しやすくさせたりする作用があります。特に、甘いものや脂っこいものへの欲求を高める傾向があり、サクセンダによる食欲抑制効果を打ち消してしまう可能性があります。また、ストレスは代謝を低下させることも知られています。

睡眠不足も同様に、ホルモンバランスを乱し、食欲に悪影響を与えます。睡眠時間が不足すると、食欲を増進させるホルモンであるグレリンが増加し、食欲を抑制するホルモンであるレプチンが減少することが研究で明らかになっています。これにより、必要以上に食事を摂りたくなったり、満腹感を感じにくくなったりするため、サクセンダの効果が得られにくくなります。

さらに、睡眠不足や過度なストレスは、日中の活動量を低下させ、運動する気力を奪うことにも繋がります。

サクセンダの効果を最大限に引き出すためには、ストレスマネジメントや十分な睡眠の確保も重要な要素です。リラクゼーションを取り入れる、趣味に時間を費やす、適度な運動で気分転換を図る、寝室環境を整える、決まった時間に寝起きするなど、自分に合った方法で生活習慣の改善を目指しましょう。心身の健康が整うことで、より効果的に減量に取り組むことができます。

サクセンダが効かない人の特徴とは?

これまでに述べた原因を踏まえると、サクセンダを使用しても期待する効果が得られにくい人には、いくつかの共通する特徴が見られます。ご自身に当てはまる点がないか確認してみましょう。

  • 医師の指示通りに使用していない: 用量や使用期間を自己判断で変更している、または推奨される用量まで増量していない。
  • 極端な食事制限や偏った食生活: カロリー計算を全く意識していない、特定の食品ばかり食べている、あるいは逆に過度な食事制限で栄養失調気味になっている。サクセンダの食欲抑制効果があるからと安心して、高カロリーな食事を続けている。
  • 運動習慣が全くない: 日常生活での活動量も少なく、意識的に運動する時間を設けていない。
  • 睡眠時間が極端に短い、または不規則: 十分な睡眠が取れておらず、心身ともに疲れている状態が続いている。
  • 慢性的なストレスを抱えている: ストレス解消の手段がなく、常に緊張状態にある。
  • 過度な目標設定: 短期間で劇的な体重減少を期待しすぎている。
  • 他の健康問題を抱えている: 体重増加に影響する可能性のある基礎疾患(甲状腺機能低下症など)があるが、適切に管理されていない。
  • サクセンダの有効成分(リラグルチド)に対する体の反応が弱い: 体質的に効果を感じにくい、あるいは効果が現れるまでに通常より時間がかかる。

これらの特徴に複数当てはまる場合、サクセンダの効果が得られにくい可能性があります。しかし、これはサクセンダが「全く効かない」ということではなく、これらの要因がサクセンダの効果を打ち消してしまっている、あるいは効果が現れにくくしていると考えられます。適切な対処を行うことで、効果を実感できるようになる可能性は十分にあります。

サクセンダで効果を出すための正しい使い方・対処法

サクセンダで思うような結果が出ていない場合でも、諦める必要はありません。適切な方法で対処することで、減量を成功に導くことができます。最も重要なのは、自己判断せず、医療機関と連携しながら進めることです。

適切な用量への調整を医師と相談する

サクセンダの効果は用量依存的であり、多くの人は用量を増量することで食欲抑制効果をより強く感じるようになります。現在使用している用量で効果が感じられない場合は、医師と相談の上、用量を増量することを検討しましょう。ただし、急激な増量は副作用のリスクを高める可能性があるため、医師の指示に従い、段階的に調整することが重要です。

医師は、あなたの体調や副作用の状況を確認しながら、最適な用量を見つけるサポートをしてくれます。効果が感じられない理由が用量にあるのか、他の要因にあるのかを判断するためにも、定期的に医師の診察を受けることが不可欠です。自己判断で最大の3.0mgまで急いで増量したり、逆に効果がないと感じて勝手に減量したり中断したりすることは避けてください。

食事内容の見直しとカロリーコントロール

サクセンダの効果を最大限に活かすためには、食欲が抑えられている間に、質の高い食事を適量摂る習慣を身につけることが重要です。単に食事量を減らすのではなく、栄養バランスを意識した食事を心がけましょう。

  • 目標摂取カロリーの設定: 医師や管理栄養士と相談し、年齢、性別、活動量、現在の体重などに基づいた目標摂取カロリーを設定しましょう。過度な制限はリバウンドや健康を損なう原因となります。
  • PFCバランスを意識: タンパク質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)のバランスを整えましょう。一般的には、タンパク質をやや多めに、糖質や脂質は控えめにするのが減量には効果的とされていますが、個人の体質や活動量によって最適なバランスは異なります。
  • 食事記録をつける: 食べたものと量を記録することで、無意識のうちに高カロリーなものを摂取していないか、偏った食事をしていないかなどを客観的に把握できます。
  • 「空腹でないのに食べる」習慣を見直す: ストレスや暇つぶし、習慣などで食べてしまう「エモーショナルイーティング」や「習慣食い」に気づき、別の行動に置き換える練習をしましょう。サクセンダで物理的な空腹感が抑えられている今がチャンスです。
  • 水分をしっかり摂る: 十分な水分摂取は代謝を助け、便秘の予防にも繋がります。また、食事前に水を飲むことで満腹感を得やすくなります。

サクセンダは食欲抑制の「補助ツール」です。主体的に食事内容を改善していく努力が、効果を実感するための必須条件と言えます。

適度な運動を取り入れる

運動は、体重減少だけでなく、体脂肪率の低下、筋肉量の維持・増加、心肺機能の向上、ストレス解消など、多くの健康効果をもたらします。サクセンダ使用中に運動を取り入れることで、より健康的で引き締まった体を目指すことができます。

  • 目標設定: 1日に歩く歩数を増やす、週に〇回運動する、など具体的な目標を設定しましょう。
  • 有酸素運動: ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳など、少し息が弾む程度の強度で、1回あたり20〜30分、週に3〜4回行うことを目指しましょう。脂肪燃焼に効果的です。
  • 筋力トレーニング: スクワット、プッシュアップ、ランジなど、大きな筋肉を鍛えるトレーニングを週に2回程度取り入れましょう。筋肉量が増えることで基礎代謝が向上し、痩せやすく太りにくい体になります。
  • 継続可能な方法を選ぶ: 自分が「楽しい」「続けられる」と思える運動を見つけることが最も重要です。友人や家族と一緒に取り組む、フィットネスクラブに通う、自宅で動画を見ながら行うなど、工夫しましょう。
  • 日常生活の活動量を増やす: エスカレーターやエレベーターを使わない、通勤で一駅分歩く、休憩時間にストレッチするなど、意識的に体を動かす機会を増やしましょう。

サクセンダで食欲が抑えられている時期に運動習慣を身につけることは、減量成功後もその体重を維持していくために非常に役立ちます。

生活習慣全体の改善を目指す

食事と運動だけでなく、睡眠やストレス管理といった生活習慣全体を見直すことが、サクセンダの効果を引き出し、健康的に痩せるために重要です。

  • 十分な睡眠の確保: 毎日7〜8時間の睡眠時間を目標にしましょう。寝る前にカフェインやアルコールを控える、寝室を暗く静かに保つ、寝る直前にスマートフォンを見るのをやめるなど、睡眠の質を高める工夫をしましょう。
  • ストレス管理: ストレスを感じたときは、深呼吸、瞑想、ヨガ、趣味、友人との会話など、自分なりのリラックス方法を見つけて実践しましょう。定期的な運動もストレス解消に有効です。
  • 禁煙・節酒: 喫煙や過度の飲酒は、健康を損なうだけでなく、代謝を悪化させたり、食欲を乱したりする可能性があります。できる限り控えることが推奨されます。
  • 体重以外の変化に目を向ける: 体重計の数値だけでなく、体のライン、服のサイズ、体調、肌の状態、体力向上など、体重以外のポジティブな変化にも目を向けましょう。これがモチベーション維持に繋がります。

サクセンダはあくまで体重管理をサポートする薬であり、魔法の薬ではありません。心身ともに健康的な生活習慣を築くことが、長期的な減量成功と健康維持の基盤となります。

定期的に医師の診察を受ける

サクセンダでの治療中は、定期的に医師の診察を受けることが非常に重要です。自己判断で進めるのではなく、医師と二人三脚で治療を進めることで、安全性と効果を最大限に高めることができます。

医師は、あなたの体重や体脂肪率の変化、食欲や満腹感の変化、副作用の有無や程度などを定期的に確認し、サクセンダの効果が出ているかを評価します。もし効果が不十分であれば、用量調整の相談に乗ったり、他の原因(基礎疾患など)の可能性を検討したり、必要に応じて食事や運動に関する専門的なアドバイスを提供したりします。

また、副作用が出た場合も、医師に相談することで適切な対処法を知ることができます。多くの場合、副作用は一時的なものですが、症状が重い場合や改善しない場合は、用量調整や他の薬への変更が必要となることもあります。

定期的な診察は、あなたの減量目標達成に向けた進捗を確認し、モチベーションを維持するためにも役立ちます。不安や疑問があれば、どんなことでも遠慮なく医師に相談しましょう。

サクセンダの効果が出るまでの期間と平均的な減量ペース

サクセンダの効果が出るまでには個人差がありますが、一般的に以下のような目安があります。

効果を実感できるまでの期間

サクセンダの食欲抑制効果は、用量を増やしていく過程で徐々に現れることが多いです。

  • 食欲抑制効果: 多くの人は、用量が1.2mg〜1.8mgに達した頃から、食事量が自然と減ったり、間食への欲求が軽減されたりといった変化を感じ始めます。ただし、これはあくまで目安であり、早い段階で効果を感じる人もいれば、最大用量の3.0mgまで増量しないと感じない人もいます。
  • 体重減少: 体重の変化として現れるまでには、食欲抑制の効果を感じ始めてからさらに時間がかかるのが一般的です。多くの場合、サクセンダを開始してから2〜3ヶ月ほど継続して使用し、適切な生活習慣の改善を並行して行うことで、目に見える体重減少が期待できます。 これも個人差が大きく、代謝や最初の体重、生活習慣の改善度合いによって異なります。

すぐに効果が出なくても焦らず、まずは推奨される増量ステップに従い、最低でも2〜3ヶ月は継続して様子を見ることが重要です。

1ヶ月でどれくらい痩せる?平均的な減量ペース

サクセンダを使用した際の平均的な減量ペースについては、いくつかの臨床試験で報告されています。

海外の臨床試験(SCALE Obesity and Prediabetes試験など)では、サクセンダ(3.0mg/日)を継続して使用し、生活習慣の改善も行った参加者において、1年間の追跡で平均して体重の約5〜10%程度の減量が見られたという結果が出ています。

これを踏まえると、1ヶ月あたりに換算した場合、平均的には体重の1〜2%程度の減量が目安となる可能性があります。例えば、体重70kgの方であれば、1ヶ月に0.7kg〜1.4kg程度のペースで減量が進むことが期待できるかもしれません。

しかし、これはあくまで「平均」であり、個人差は大きいです。開始時の体重が重い方や、生活習慣の改善をより積極的に行った方は、これ以上のペースで減量が進むこともあります。逆に、もともと標準体重に近い方や、生活習慣の改善が難しい方は、これよりも緩やかなペースになる可能性もあります。

健康的な減量ペースとしては、1ヶ月に体重の5%以内に留めるのが良いとされています。急激な減量は体に負担をかけ、リバウンドしやすくなる傾向があります。サクセンダを使用しながら、緩やかでも着実に体重を減らしていくことを目標にしましょう。焦らず、長期的な視点で取り組むことが成功の鍵です。

サクセンダに関するよくある質問

サクセンダについて、よくある質問とその回答をまとめました。

サクセンダは1本で何日分ですか?

サクセンダのペン型注射器1本には18mgのリラグルチドが含まれています。1日の使用量によって、1本で使える日数は異なります。

1日の使用量 1本あたりの使用日数
0.6mg 30日分
1.2mg 15日分
1.8mg 10日分
2.4mg 7.5日分(約7日)
3.0mg 6日分

通常、0.6mgから開始し、1週間ごとに0.6mgずつ増量していくため、治療開始初期は1本で長く持ちますが、維持用量である3.0mgに達すると、1本あたり約6日分となります。医師の指示された用量を確認し、次の診察までに必要な本数を把握しておきましょう。

サクセンダ以外に痩せる治療法はありますか?

サクセンダ(リラグルチド)以外のGLP-1受容体作動薬や、他の作用機序を持つ肥満治療薬、あるいは保険適用となる肥満治療など、いくつかの選択肢があります。

治療法(薬) 主な作用機序 特徴 保険適用
GLP-1受容体作動薬 食欲抑制、血糖コントロール、胃排出遅延など サクセンダ以外にも週1回製剤(セマグルチド:オゼンピック、ウゴービなど)がある 条件あり
マジンドール 食欲抑制(脳の食欲中枢に直接作用) 保険適用となる日本の肥満治療薬(ただし処方条件が厳しい) 条件あり
オルリスタット 脂肪吸収阻害(食事の脂肪を約30%カット) ゼニカル®など。日本国内では未承認(個人輸入のみ)。副作用として脂性便など。 なし
SGLT2阻害薬 尿から糖を排出することで血糖降下、体重減少効果 糖尿病治療薬だが、体重減少効果も期待できる。 条件あり
外科手術 胃の一部切除やバイパス術など 高度肥満に対する最終的な治療選択肢。効果は大きいが、侵襲性が高い。 条件あり
保険診療での肥満治療 食事指導、運動療法、行動療法。必要に応じてマジンドール 特定の疾患(高血圧、脂質異常症など)を伴う高度肥満(BMI35以上など)が対象。 あり

どの治療法が適切かは、個人の肥満度、合併症の有無、体質、ライフスタイル、希望する効果などを総合的に判断して医師が決定します。サクセンダで効果が出ない場合や、他の方法を検討したい場合は、必ず医師に相談しましょう。

サクセンダには副作用がありますか?

サクセンダを含むGLP-1受容体作動薬には、いくつか報告されている副作用があります。多くの場合、軽度で一時的なものですが、個人差があります。

主な副作用(発現頻度が高いもの):

  • 吐き気、嘔吐
  • 下痢、便秘
  • 腹痛
  • 食欲不振
  • 消化不良

これらの消化器系の副作用は、サクセンダの作用機序(胃の排出速度を遅らせるなど)に関連しており、治療開始初期や用量を増量した際に起こりやすいですが、体が慣れるにつれて軽減していくことが多いです。

重大な副作用(発現頻度は低いが注意が必要なもの):

  • 急性膵炎:強い腹痛、吐き気、嘔吐などの症状が現れることがあります。
  • 胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸:腹痛、発熱、黄疸などの症状が現れることがあります。
  • 腸閉塞:高度な便秘、腹部膨満、腹痛、嘔吐などの症状が現れることがあります。
  • 低血糖:糖尿病治療薬(特にインスリンやSU薬)と併用した場合にリスクが高まります。めまい、冷や汗、震え、動悸などの症状。

また、稀にアレルギー反応が起こる可能性もあります。

副作用が出た場合は、自己判断で対処せず、必ず医師に相談してください。特に強い腹痛が続くなど、重大な副作用が疑われる症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。

サクセンダは保険適用されますか?

日本では、サクセンダ(リラグルチド)が肥満治療薬として健康保険の適用を受けるためには、特定の厳しい条件を満たす必要があります。

具体的には、

  • 慢性腎臓病を合併する肥満(BMI 27kg/m²以上)で、強化インスリン療法中に体重コントロールが困難な場合
  • 標準治療を行っても血糖コントロールが不十分な2型糖尿病(BMI 35kg/m²以上)に合併する肥満

など、特定の病態を伴う高度肥満症に対してのみ保険が適用される場合があります。

単なる美容目的での減量や、上記の条件を満たさない肥満に対するサクセンダの使用は、健康保険の適用外となり、自由診療(自費診療)となります。

ご自身の状態が保険適用となるかどうかは、医師にご確認ください。多くのクリニックで行われているサクセンダによるGLP-1ダイエットは、自由診療として提供されています。

まとめ:サクセンダで痩せない場合はクリニックへ相談を

サクセンダは、GLP-1受容体作動薬として肥満治療や体重管理において有効な選択肢の一つですが、使用しても期待する効果が得られない方もいらっしゃいます。「サクセンダ 痩せない」という悩みには、以下のような様々な原因が考えられます。

  • 正しい用量や期間で使用できていない
  • 食事内容や摂取カロリーに改善が見られない
  • 運動習慣がない、または不足している
  • 体質や目標体重による個人差
  • ストレスや睡眠不足など他の生活習慣の問題

サクセンダの効果を最大限に引き出すためには、これらの原因を特定し、適切な対処を行うことが非常に重要です。

もし現在サクセンダを使用しているにも関わらず体重が減らない、効果を実感できないという場合は、決して自己判断せず、必ず処方を受けた医療機関に相談してください。医師は、あなたの使用状況、体調、生活習慣などを詳しく把握し、効果が得られない原因を診断してくれます。そして、適切な用量調整を行ったり、食事や運動に関する具体的なアドバイスを提供したり、必要であれば他の治療法を検討したりと、あなたに最適な解決策を一緒に見つけてくれます。

サクセンダによる減量は、医療従事者のサポートのもと、正しい知識と方法で行うことで、より安全に、そして効果的に進めることができます。一人で悩まず、まずはクリニックにご相談いただき、健康的な減量成功を目指しましょう。

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