甲状腺機能亢進症の症状チェックリスト|早期発見のために知りたいサイン

甲状腺機能亢進症は、甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンが過剰になることで、全身の代謝が異常に高まる病気です。私たちの体は、甲状腺ホルモンの働きによってエネルギーを生み出し、心臓や脳、消化器などさまざまな臓器の機能を調整しています。しかし、このホルモンが必要以上に多くなると、体が常にフル回転しているような状態になり、様々な不調が現れます。動悸、体重減少、手の震え、多汗などが代表的な症状として挙げられますが、症状の出方や程度には個人差が大きく、気づきにくい場合もあります。早期に適切な診断と治療を受けることが、症状の改善や合併症の予防につながるため非常に重要です。

目次

甲状腺機能亢進症とは?

甲状腺は、喉仏のすぐ下にある蝶のような形をした小さな臓器です。ここで作られる甲状腺ホルモン(主にサイロキシンT4とトリヨードサイロニンT3)は、血液に乗って全身を巡り、細胞のエネルギー代謝を活発にする働きをしています。成長や発達にも不可欠なホルモンであり、体温調節、心拍数、消化機能、精神活動など、生命維持に欠かせない多くの機能に関与しています。

通常、甲状腺ホルモンの分泌量は脳の下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)によって厳密にコントロールされています。甲状腺ホルモンが足りなくなるとTSHが増えて甲状腺を刺激し、逆に増えすぎるとTSHが減って分泌を抑える、というフィードバック機構が働いています。

甲状腺機能亢進症では、このバランスが崩れ、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまいます。すると、TSHは「もうホルモンは十分だ」と判断して分泌量が非常に少なくなるのが特徴です。甲状腺ホルモンが全身の細胞を活性化しすぎる結果、まるでアクセルを踏みっぱなしになった車のように、体の機能が必要以上に亢進してしまうのです。

甲状腺機能亢進症の主な症状

どのような症状が現れる?

甲状腺機能亢進症で分泌される過剰な甲状腺ホルモンは、文字通り全身の代謝を亢進させます。そのため、非常に多岐にわたる症状が現れるのが特徴です。これらの症状はゆっくりと進行することが多く、最初は何となく体調が優れない、疲れているだけ、年のせいかな、などと感じて見過ごされがちです。しかし、病状が進むにつれて症状は顕著になり、日常生活に支障をきたすようになります。

全身に現れるさまざまな兆候

甲状腺機能亢進症の代表的な全身症状は以下の通りです。これらの症状が複数現れた場合は、甲状腺の病気を疑う必要があります。

  • 動悸・頻脈・不整脈:
    心臓の拍動が速くなり、ドキドキと感じたり、脈が乱れたりします。安静時でも脈が速いのが特徴です。これは甲状腺ホルモンが心臓の収縮力を高め、心拍数を増加させるためです。
  • 体重減少:
    食欲は変わらないか、むしろ増えることが多いにも関わらず、体重が減少します。これは代謝が亢進し、エネルギー消費が増加するためです。
  • 手の震え(振戦):
    特に指先が細かく震える症状は特徴的です。これは神経系に対する甲状腺ホルモンの作用によるものです。
  • 多汗・暑がり:
    代謝が活発になり体内で熱が多く作られるため、常に暑く感じたり、大量の汗をかいたりします。冬でも薄着でいられることがあります。
  • 疲労感・倦怠感:
    代謝が亢進しているにも関わらず、体が常に全力で活動しているため疲労困憊しやすくなります。筋力低下も伴うことがあります。
  • 精神症状:
    イライラしやすい、落ち着きがない、集中力の低下、不眠、不安感などが現れることがあります。感情の起伏が激しくなることもあります。
  • 軟便・下痢:
    消化管の動きが活発になるため、便が緩くなったり、排便回数が増えたりします。
  • 筋力低下:
    特に太ももや腕の付け根など、体に近い部分の筋肉が弱くなることがあります(近位筋力低下)。階段を上るのが辛くなるなどの症状が現れることがあります。
  • 皮膚・髪の毛の変化:
    皮膚が薄く湿っぽくなる、髪の毛が細くなり抜けやすくなる、爪が剥がれやすくなる(プラマー爪)などの変化が見られることがあります。
  • 月経不順:
    女性の場合、月経周期が乱れたり、無月経になったりすることがあります。
  • 甲状腺の腫れ(甲状腺腫):
    甲状腺が全体的に腫れて、首が太くなったように見えることがあります。ただし、腫れが目立たないケースもあります。
  • 眼の症状(甲状腺眼症):
    後述します。

これらの症状は他の病気でも起こりうるため、自己判断は禁物です。気になる症状がある場合は、必ず医療機関を受診して相談してください。

眼の症状(甲状腺眼症)について

甲状腺機能亢進症、特にバセドウ病に特徴的な症状の一つに「甲状腺眼症(バセドウ病眼症)」があります。これは、甲状腺の病気と同じ自己免疫のメカニズムによって、眼の周りの組織(眼窩脂肪や外眼筋など)に炎症や腫れが起こる病気です。

甲状腺機能亢進症の症状が現れる前に眼症が出ることもあれば、甲状腺の病気が落ち着いてから現れることもあります。また、甲状腺ホルモンの値が正常範囲内の「無痛性甲状腺炎」や「橋本病(慢性甲状腺炎)」など、他の甲状腺疾患でも起こることがあります。

主な症状は以下の通りです。

  • 眼球突出:
    眼球が前に突き出る症状です。両眼に出ることが多いですが、片眼だけの場合もあります。見た目の変化だけでなく、ひどくなるとまぶたが閉じにくくなり、眼の表面が乾燥して傷つきやすくなります。
  • まぶたの腫れ:
    まぶたがむくんで腫れぼったくなります。
  • まぶたの後退:
    上まぶたが本来の位置よりも上に上がり、眼を見開いたような状態になります。白目の部分が多く見えるようになります。
  • 複視:
    物が二重に見える症状です。これは、眼球を動かす筋肉(外眼筋)が腫れて硬くなることで、眼球の動きが悪くなり、両眼の視線が一致しなくなるために起こります。
  • 眼の痛み・充血:
    眼の奥に痛みを感じたり、白目が充血したりします。
  • 視力低下:
    外眼筋の腫れがひどくなり、視神経を圧迫すると、視力が低下することがあります。これは重症な状態であり、緊急の治療が必要になる場合があります。

甲状腺眼症は、甲状腺機能のコントロールだけでは改善しないことが多く、専門的な治療が必要になることがあります。眼科医、特に眼窩疾患や甲状腺眼症を専門とする医師の診察を受けることが大切です。

甲状腺機能亢進症の原因を探る

原因の多様性

甲状腺機能亢進症の原因は一つではありません。様々な病態によって甲状腺ホルモンが過剰に分泌されたり、甲状腺から過剰に放出されたりすることで起こります。原因によって治療法が異なるため、正確な診断が非常に重要です。

最も一般的な原因:バセドウ病の詳細

甲状腺機能亢進症の原因として最も多いのが「バセドウ病(Graves’ disease)」です。日本の甲状腺機能亢進症の約8割を占めると言われています。

バセドウ病は、自己免疫疾患の一種です。本来、外部からの異物を攻撃するはずの免疫システムが、自分の体の一部である甲状腺を誤って攻撃してしまいます。バセドウ病の場合、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の受容体に対する抗体(TSH受容体抗体;TRAb, TSAb)が作られます。この抗体は、TSHが甲状腺を刺激するのと同じように働き、甲状腺ホルモンの分泌を常に刺激し続けます。その結果、TSHの濃度が低いにも関わらず、甲状腺ホルモンが過剰に作られてしまうのです。

バセドウ病は圧倒的に女性に多く見られ、特に20歳代から50歳代の比較的若い世代に多い傾向がありますが、どの年齢でも発症する可能性があります。遺伝的な要因や、ストレス、妊娠・出産などが発症や悪化の誘因になると考えられています。

バセドウ病では、前述の全身症状に加えて、特徴的な症状として甲状腺のびまん性腫大(全体的な腫れ)と、約20~30%の患者さんに見られる甲状腺眼症が挙げられます。

その他の原因疾患

バセドウ病以外にも、以下のような原因で甲状腺機能亢進症が起こることがあります。

  • 無痛性甲状腺炎:
    甲状腺に炎症が起こり、蓄えられていた甲状腺ホルモンが血液中に漏れ出して過剰になる状態です。痛みは伴いません。通常、一過性で数週間から数ヶ月で自然に回復することが多いですが、一時的に甲状腺機能低下症になることもあります。出産後の女性に多く見られることがあります(産後甲状腺炎)。
  • 亜急性甲状腺炎:
    ウイルス感染などが原因で甲状腺に炎症が起こる病気です。前頚部(首の前側)に強い痛みを伴うのが特徴です。炎症によって甲状腺組織が破壊され、蓄えられていたホルモンが放出されて一時的に甲状腺機能亢進症になります。その後、一時的に機能低下を経て、数ヶ月で回復することが多いです。
  • プランマー病(中毒性多結節性甲状腺腫):
    甲状腺にできた複数のしこり(結節)が、下垂体の制御を受けずに勝手に甲状腺ホルモンを作りすぎてしまう病気です。高齢者に多く見られます。
  • 機能性甲状腺腺腫:
    甲状腺にできた一つのしこり(腺腫)が、勝手に甲状腺ホルモンを作りすぎてしまう病気です。プランマー病と同様、下垂体の制御を受けません。
  • TSH産生下垂体腺腫:
    脳の下垂体にできた腫瘍が、甲状腺刺激ホルモン(TSH)を過剰に分泌してしまう病気です。TSHが甲状腺を過剰に刺激することで、甲状腺ホルモンが増加します。非常に稀な原因です。
  • 薬剤性:
    一部の薬剤(例えば、不整脈の治療薬であるアミオダロンや、一部の分子標的薬など)が甲状腺機能に影響を与え、機能亢進を引き起こすことがあります。
  • 外因性(人工的なもの):
    甲状腺ホルモン剤を過剰に服用した場合にも起こります。

ストレスと甲状腺機能亢進症の関係

ストレスが甲状腺機能亢進症、特にバセドウ病の直接的な原因であるという明確な医学的根拠は確立されていません。しかし、精神的・肉体的なストレスが、バセドウ病の発症や症状の悪化の引き金となる、あるいは病状を不安定にさせることが経験的に知られています。

ストレスは自律神経系や内分泌系に影響を及ぼし、免疫系のバランスを崩す可能性が指摘されています。自己免疫疾患であるバセドウ病において、免疫機能の変化が病状に影響を与える可能性は十分に考えられます。

したがって、甲状腺機能亢進症の患者さんにとって、ストレスを適切に管理し、心身ともにリラックスできる時間を持つことは、治療の効果を高め、病状を安定させる上で非常に重要と言えます。

診断プロセスと必要な検査

甲状腺機能亢進症の診断は、患者さんの症状、医師による診察、そしていくつかの検査を組み合わせて行われます。適切な治療法を選択するためには、単にホルモン値が高いというだけでなく、原因疾患を特定することが不可欠です。

まずは診察と丁寧な問診から

医療機関を受診すると、まず医師が患者さんの症状について詳しく聞き取ります。いつ頃からどんな症状があるのか、症状の変化、既往歴(過去にかかった病気)、服用中の薬、家族に甲状腺の病気にかかった人がいるか、などを質問されます。

次に、医師が首の甲状腺の部分を視診(目で見て確認)や触診(手で触って確認)します。甲状腺の大きさや硬さ、表面の滑らかさなどを確認します。また、手の震えがあるか、脈拍数、血圧などもチェックします。眼球突出や眼瞼後退などの眼の症状がないかどうかも観察します。

これらの問診と診察から、甲状腺機能亢進症が疑われる場合は、さらに詳しい検査に進みます。

血液検査でホルモン値を測定(FT3, FT4, TSH)

甲状腺機能亢進症の診断において最も重要な検査は、血液中の甲状腺ホルモンと甲状腺刺激ホルモン(TSH)の値を測定することです。

  • 遊離トリヨードサイロニン(FT3: Free T3)と遊離サイロキシン(FT4: Free T4):
    これらは血液中でタンパク質と結合しておらず、実際に細胞に作用する活性型甲状腺ホルモンです。甲状腺機能亢進症では、FT3とFT4の値が高くなります。
  • 甲状腺刺激ホルモン(TSH: Thyroid Stimulating Hormone):
    脳の下垂体から分泌され、甲状腺を刺激して甲状腺ホルモンの分泌を促すホルモンです。甲状腺ホルモンが過剰に分泌されている場合、負のフィードバック機構によりTSHの値は非常に低くなります。

典型的な甲状腺機能亢進症では、FT3とFT4が高値、TSHが低値(測定感度以下の場合も多い)というパターンが見られます。

これらのホルモン値の基準範囲は検査施設によって多少異なりますが、一般的にFT3は約2.0-4.0 pg/mL、FT4は約0.8-1.6 ng/dL、TSHは約0.5-5.0 μIU/mL程度とされています。ただし、これらの値はあくまで目安であり、診断は医師が総合的に判断します。

甲状腺関連抗体の検査

甲状腺機能亢進症の原因がバセドウ病であるかどうかを診断するために、自己抗体の検査が行われます。バセドウ病では、以下のような自己抗体が検出されることが多いです。

  • TSH受容体抗体(TRAb: TSH Receptor Antibody, TSAb: Thyroid Stimulating Antibody):
    バセドウ病の最も重要な診断マーカーです。この抗体が甲状腺のTSH受容体を刺激し、甲状腺ホルモンを過剰に分泌させます。TRAbまたはTSAbが陽性であれば、強くバセドウ病が疑われます。
  • サイログロブリン抗体(TgAb: Thyroglobulin Antibody):
    甲状腺ホルモンの材料となるサイログロブリンに対する抗体です。バセドウ病患者さんの約60-80%で陽性になります。橋本病でも陽性になることが多いです。
  • 甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb: Thyroid Peroxidase Antibody):
    甲状腺ホルモン合成に関わる酵素に対する抗体です。バセドウ病患者さんの約70-80%で陽性になります。こちらも橋本病で高率に陽性になります。

TRAb/TSAbはバセドウ病に特異的な抗体ですが、TgAbやTPOAbは橋本病など他の甲状腺疾患でも検出されるため、これらの抗体検査の結果とホルモン値、症状などを組み合わせて総合的に診断します。

画像検査の役割(超音波、シンチグラフィ)

血液検査に加えて、甲状腺の状態を直接確認するために画像検査が行われることがあります。

  • 甲状腺超音波(エコー)検査:
    甲状腺の大きさ、形、内部構造(腫瘍や嚢胞の有無)、血流などを詳しく観察できる検査です。痛みはなく、ベッドに横になり首にゼリーを塗ってプローブを当てるだけです。バセドウ病では、甲状腺が全体的に腫大し、内部の血流が増加している様子が観察されることが多いです。プランマー病や機能性腺腫では、ホルモンを過剰に分泌している結節を確認できます。
  • 甲状腺シンチグラフィ:
    微量の放射性同位元素(主にヨウ素123やテクネチウム99m)を注射または内服し、甲状腺に取り込まれる様子を特殊なカメラで撮影する検査です。甲状腺は甲状腺ホルモンの合成にヨウ素を取り込む性質があるため、この検査で甲状腺の機能的な状態や、どこでホルモンが過剰に作られているのかを知ることができます。バセドウ病では、甲状腺全体に放射性同位元素が均一かつ過剰に取り込まれるパターンが見られます。プランマー病や機能性腺腫では、特定の結節にだけ強く取り込まれるパターンが見られます。亜急性甲状腺炎や無痛性甲状腺炎では、炎症によってヨウ素の取り込みが低下しているパターンが見られます。原因疾患の特定に非常に有用な検査です。

これらの検査結果を総合的に評価することで、甲状腺機能亢進症であること、そしてその原因がバセドウ病なのか、他の甲状腺炎なのか、あるいは腺腫なのかなどを正確に診断し、適切な治療法を選択することができます。

甲状腺機能亢進症の治療方法

甲状腺機能亢進症の治療の目的は、過剰な甲状腺ホルモンの分泌を抑え、ホルモン値を正常に戻すことです。原因疾患や患者さんの年齢、病状、合併症の有無、妊娠の希望などを考慮して、最適な治療法が選択されます。主な治療法には、薬物療法、アイソトープ治療、手術療法があります。

薬物療法(抗甲状腺薬)の選択肢

最も一般的に行われる治療法が、抗甲状腺薬を用いた薬物療法です。日本で主に使われている抗甲状腺薬には、メルカゾール(チアマゾール)とプロパジール(チウラジール、プロピルチオウラシル)の2種類があります。

これらの薬は、甲状腺内で甲状腺ホルモンが合成される過程を阻害することで、ホルモン分泌量を抑える働きがあります。病気の原因そのものを取り除くわけではありませんが、ホルモン値をコントロールすることで症状を改善させることができます。

薬物療法を開始すると、通常2週間〜2ヶ月程度でホルモン値が正常範囲に戻り始め、症状も改善していきます。ホルモン値が正常に戻ったら、再発予防のために維持量に減量して服用を続けます。治療期間は通常1年半から2年程度と長期にわたることが多いですが、患者さんの状態によってはさらに長く続ける場合や、比較的短期間で中止できる場合もあります。

甲状腺機能亢進症と診断された場合、原因がバセドウ病であれば、多くの場合抗甲状腺薬による治療が必要です。無痛性甲状腺炎や亜急性甲状腺炎のように、一過性の場合は特別な治療を必要とせず、症状を和らげる対症療法(ベータ遮断薬など)のみで経過観察することもありますが、ホルモン値が高い状態が続くと心臓への負担などが大きくなるため、治療の必要性については医師が慎重に判断します。

抗甲状腺薬の主な副作用には、以下のようなものがあります。

  • 発疹、かゆみ(比較的早期に起こりやすい)
  • 肝機能障害(治療開始後2ヶ月以内に起こりやすい)
  • 白血球減少、特に顆粒球減少(感染症にかかりやすくなる。特に無顆粒球症は重篤な副作用であり、発熱や喉の痛みなどの症状が出た場合はすぐに医療機関に連絡する必要があります)
  • 関節痛
  • ANCA関連血管炎(特にプロパジールで稀に起こる重篤な副作用)

これらの副作用の多くは、服用を開始してから比較的早期に現れることが多いため、治療開始初期は頻繁に血液検査を行い、副作用の有無を確認しながら慎重に進められます。副作用が出た場合でも、薬の種類を変更したり、量を調整したりすることで対応できることが多いです。

アイソトープ(放射線ヨウ素)治療

アイソトープ治療は、放射性同位元素であるヨウ素131(¹³¹I)をカプセルまたは水薬で内服する治療法です。甲状腺は甲状腺ホルモンの合成にヨウ素を利用するため、内服した¹³¹Iは甲状腺組織に特異的に取り込まれます。そこで放出されるベータ線が、過剰に働いている甲状腺細胞を内側から破壊することで、甲状腺ホルモンの分泌量を減らします。

アイソトープ治療は、特にバセドウ病の治療として欧米で広く行われていますが、日本では抗甲状腺薬治療や手術療法と比べて選択される頻度はやや低い傾向があります。

この治療法のメリットとしては、

  • 手術に比べて体への負担が少ない(入院不要または短期間)
  • 甲状腺以外の臓器に影響が少ない(¹³¹Iはほぼ甲状腺に集まるため)
  • 一度の治療で効果が得られる場合が多い

一方、デメリットとしては、

  • 効果が現れるまでに数週間から数ヶ月かかる
  • 治療後に甲状腺機能低下症になる可能性が高い(生涯にわたるホルモン補充療法が必要になる)
  • 妊娠中・授乳中の女性や、近い将来の妊娠を希望する女性には行えない(治療後一定期間の避妊が必要)
  • 小児や高齢者には適応が慎重に判断される
  • 治療後、放射性物質を体外に出すための注意事項(他の人との接触を減らすなど)が必要になる

アイソトープ治療は、抗甲状腺薬の副作用が強い場合、薬物療法で効果が得られない場合、あるいは甲状腺が比較的大きい場合などに選択されることがあります。

手術療法という選択肢

手術療法は、甲状腺の一部または全部を切除する治療法です。バセドウ病の場合、甲状腺全体を亜全摘出する手術(大部分を切除する)か、全摘出する手術が行われます。

手術療法のメリットとしては、

  • 比較的短期間で甲状腺機能亢進症を改善させることができる
  • 甲状腺の腫れが大きい場合でも効果的
  • 抗甲状腺薬の副作用や、アイソトープ治療が適応にならない場合の良い選択肢となる

一方、デメリットとしては、

  • 全身麻酔が必要であり、体への負担がある
  • 傷跡が残る
  • 術後に甲状腺機能低下症になる可能性が高い(全摘出の場合は確実になり、生涯にわたるホルモン補充療法が必要)
  • 声帯を動かす神経(反回神経)や、カルシウム代謝に関わる副甲状腺を傷つけるリスクが非常に低いながら存在する

手術療法は、甲状腺の腫れが非常に大きい場合、気管を圧迫している場合、薬物療法で効果が得られない・副作用が強い場合、早期の妊娠を強く希望する場合、あるいは甲状腺に悪性が疑われる結節がある場合などに選択されることが多いです。

治療法 メリット デメリット 適応となるケース例
薬物療法 最も一般的、比較的体への負担が少ない 治療期間が長い、副作用のリスク、再発の可能性 初診時の第一選択となることが多い、軽症~中等症、妊娠希望のある女性
アイソトープ治療 体への負担が少ない、一度で済むことが多い 効果まで時間、治療後機能低下、妊娠・授乳制限あり 薬物療法不応・副作用、甲状腺眼症が軽度、高齢者、再発例
手術療法 短期間で改善、甲状腺が大きい場合に有効 体への負担、傷跡、術後機能低下、合併症リスクあり 甲状腺が大きい、薬物療法不応・副作用、悪性疑い、早期妊娠希望、緊急時

どの治療法を選択するかは、医師と患者さんが十分に話し合い、病状やライフスタイル、価値観などを考慮して決定することが重要です。

甲状腺機能亢進症は完治するのか?

甲状腺機能亢進症と診断された患者さんにとって、「この病気は治るのだろうか?」という疑問は非常に重要です。結論から言うと、原因疾患によって経過は異なりますが、多くの場合、適切な治療によってホルモン値を正常にコントロールし、症状を改善させることができます。しかし、「完全に元の状態に戻る」という意味での「完治」は、必ずしも全てのケースで達成できるわけではありません。

自然治癒の可能性

甲状腺機能亢進症の原因として挙げられる病気のうち、亜急性甲状腺炎や無痛性甲状腺炎のように、一時的な甲状腺の炎症によって起こるタイプは、数週間から数ヶ月の間に自然に回復し、ホルモン値も正常に戻ることが多いです。この場合は、炎症が治まれば「自然治癒」と言えるでしょう。

しかし、甲状腺機能亢進症の最も多い原因であるバセドウ病は、自己免疫疾患であり、免疫系の異常が原因で起こっています。バセドウ病が自然に完全に治癒する、つまり抗体が完全に消失して甲状腺機能が正常に安定し、再発もしないというケースは非常に稀です。多くの場合は、治療によって病状をコントロールしていく必要があります。

治療による「寛解」を目指す

バセドウ病の薬物療法において目標となるのは、「寛解(かんかい)」と呼ばれる状態です。寛解とは、薬物療法を中止した後も、甲状腺ホルモンの値が一定期間(例えば1年以上)にわたって正常範囲内に維持されている状態を指します。これは病気が治癒したわけではなく、病気の活動性が一時的または長期的に落ち着いている状態です。

薬物療法で寛解に至る可能性は、約30〜50%程度と言われています。寛解が得られた場合でも、数年後、あるいは何十年か後に再発する可能性もあります。再発した場合は、再び薬物療法を行うか、アイソトープ治療や手術療法への切り替えが検討されます。

アイソトープ治療や手術療法は、甲状腺組織の一部または全部を破壊・切除することでホルモン分泌能力を根本的に低下させる治療法です。これらの治療を受けた後は、多くの患者さんで甲状腺機能が低下し、「甲状腺機能低下症」になります。この場合、体が必要とする甲状腺ホルモンを自分で作ることができなくなるため、生涯にわたって甲状腺ホルモン剤を服用する「ホルモン補充療法」が必要になります。これは、病気が「治った」というよりは、治療によって状態を変化させ、ホルモン剤でコントロールするという考え方です。

このように、甲状腺機能亢進症、特にバセドウ病の場合、自然治癒は稀であり、治療によって病状をコントロールし、寛解を目指す、あるいは治療後に甲状腺機能低下症になった場合はホルモン補充療法を行いながら、安定した状態を維持していくことが治療のゴールとなります。

日常生活で気をつけたいこと

甲状腺機能亢進症の治療は、薬を飲むことや他の治療を受けることだけではありません。日常生活でのちょっとした注意点が、症状の改善や病状の安定に大きく影響することがあります。

食事に関する注意点

甲状腺機能亢進症の患者さんにとって、食事はバランスの取れた栄養摂取が基本です。特に病状が不安定で体重減少が著しい時期は、エネルギーとタンパク質をしっかり摂ることが重要です。

甲状腺ホルモンの材料となるヨウ素は、海藻類に多く含まれています。通常、食事からのヨウ素摂取は健康な人にとって問題ありませんが、甲状腺機能亢進症の患者さんでは、病状や受けている治療法によってはヨウ素の摂取量に注意が必要な場合があります。

特に、アイソトープ(放射線ヨウ素)治療を受ける前には、甲状腺への¹³¹Iの取り込みを良くするために、数週間前からヨウ素制限食が指示されます。

また、抗甲状腺薬で治療中のバセドウ病患者さんでも、過剰なヨウ素摂取が甲状腺ホルモン合成を刺激し、治療効果を妨げたり、病状を悪化させたりする可能性があるため、医師からヨウ素を多く含む食品の摂取を控えるように指導されることがあります。

ヨウ素を多く含む代表的な食品は以下の通りです。

  • 昆布:
    乾燥昆布、だし昆布、とろろ昆布など(圧倒的にヨウ素が多い)
  • ひじき
  • わかめ:
    乾燥わかめ、生わかめ
  • のり:
    焼き海苔、味付け海苔など
  • もずく、めかぶ
  • 魚介類:
    魚介類全般にもヨウ素は含まれますが、海藻類に比べると量は少ないです。
  • ヨウ素添加食品:
    一部の加工食品にヨウ素が添加されている場合があります。

日常的な食事で、味噌汁に少量使うワカメや、おにぎりの海苔程度であれば問題にならないことが多いですが、毎日のように大量の昆布だしを使ったり、昆布やひじきを煮物などで頻繁に食べたりする場合は、摂取量が過剰になる可能性があります。特に「だし昆布」からのヨウ素溶出量は非常に多いので注意が必要です。

ただし、患者さん個々の病状や治療法によって、ヨウ素制限の程度は異なります。必ず主治医の指示に従ってください。「甲狀腺亢進不能吃什麼?」と気になる場合は、まず主治医に相談しましょう。

避けるべき食品や飲み物

甲状腺機能亢進症の症状を悪化させる可能性があるため、以下のような食品や飲み物は控えた方が良いとされています。

  • カフェイン:
    コーヒー、紅茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインは、心拍数を増加させたり、手の震えを強めたりする可能性があります。動悸や手の震えなどの症状が強い時期は、摂取を控えるか量を減らすことが推奨されます。
  • アルコール:
    アルコールも血管を拡張させ、心拍数を増加させる作用があるため、症状を悪化させる可能性があります。病状が安定するまでは控えた方が良いでしょう。
  • 刺激物:
    香辛料などの刺激物は、交感神経を刺激し、心拍数増加や発汗を促進する可能性があります。
  • タバコ:
    喫煙は、甲状腺機能亢進症、特にバセドウ病の発症リスクを高め、眼症の発症や悪化に大きく関わることが知られています。治療効果も低下させる可能性があるため、禁煙は必須です。

ストレス対策と十分な休息の重要性

前述の通り、ストレスは甲状腺機能亢進症の病状を不安定にさせる可能性があります。症状を悪化させないためにも、日頃からストレスを溜め込まないように心がけることが大切です。

  • 十分な睡眠:
    体を休め、自律神経のバランスを整えるために、質の良い睡眠を十分にとりましょう。
  • 休息:
    無理をせず、疲れたと感じたら積極的に休息をとることが重要です。
  • リラクゼーション:
    自分に合ったリラックス方法を見つけ、日常生活に取り入れましょう。軽いストレッチ、深呼吸、瞑想、アロマテラピー、趣味の時間を持つことなどが有効です。
  • 適度な気分転換:
    ストレスの原因から一時的に離れる時間を作ることも大切です。

運動について

病状が不安定で、動悸や息切れ、筋力低下などの症状が強い時期は、無理な運動は避け、安静にすることが重要です。過剰な甲状腺ホルモンが心臓に負担をかけている可能性があるため、激しい運動は危険を伴う場合があります。

ホルモン値が正常にコントロールされ、症状が安定してきたら、医師と相談の上、徐々に運動を再開することができます。適度な運動は、体力や筋力の維持・向上、ストレス解消、リフレッシュに繋がり、病状の安定にも役立ちます。ウォーキングや軽いジョギング、ストレッチなど、体への負担が少ない運動から始めると良いでしょう。

亞臨床性甲状腺機能亢進症について

亞臨床性甲状腺機能亢進症とは?

血液検査でFT3とFT4の値は正常範囲内であるにも関わらず、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の値だけが正常範囲より低値(通常0.5 μIU/mL未満)である状態を「亞臨床性甲状腺機能亢進症(Subclinical Hyperthyroidism)」と呼びます。

この状態では、明らかな甲状腺機能亢進症の症状(動悸、体重減少など)はほとんど見られないか、非常に軽微な症状しか現れないことが多いです。そのため、健康診断や他の病気の検査で偶然発見されることが少なくありません。

亞臨床性甲状腺機能亢進症は、明確な甲状腺機能亢進症に移行する場合もあれば、自然に正常に戻る場合、あるいは長期間にわたってこの状態が続く場合など、経過は様々です。

亞臨床性の場合の食事の注意点

亞臨床性甲状腺機能亢進症の場合も、過剰なヨウ素摂取が甲状腺機能を刺激する可能性があるため、海藻類の過剰な摂取は控えた方が良いという考え方があります。ただし、明らかな甲状腺機能亢進症ほど厳格なヨウ素制限が必要となるケースは少ないです。

基本的な食事としては、バランスの取れた栄養摂取を心がけ、極端な食事制限や偏りは避けることが推奨されます。食事に関する具体的な注意点については、「亞臨床 甲狀腺 功能亢進飲食」について気になる場合は、かかりつけの医師に相談して個別の指導を受けるのが最も適切です。

TSH値を正常に戻すには?

亞臨床性甲状腺機能亢進症で低値となったTSH値を正常に戻すことができるかどうかは、その原因によって異なります。

  • 原因疾患がある場合:
    軽度のバセドウ病が原因であれば、治療によってTSHが正常化する可能性があります。甲状腺ホルモン剤の過剰服用が原因であれば、適切な量に調整することでTSHは正常に戻ります。その他の原因疾患(甲状腺炎など)であれば、原因の治療や自然経過によってTSHが回復することがあります。
  • 原因不明の場合:
    原因が特定できない場合や、症状がほとんどない場合は、必ずしも積極的な治療を行わず、定期的な経過観察となることが多いです。この場合、自然にTSHが正常に戻ることもありますが、長期間低値のまま推移することもあります。積極的に治療を行っても、必ずTSHが正常に戻るという保証はありません。

亞臨床性甲状腺機能亢進症に対して治療を行うかどうかは、年齢、TSHの低値の程度、心疾患や骨粗しょう症などの合併症のリスク、症状の有無などを考慮して医師が判断します。特にTSHが極端に低値である場合や、心房細動などの不整脈がある場合、骨粗しょう症のリスクが高い高齢者などでは、明らかな甲状腺機能亢進症に移行するリスクや、合併症予防のために治療が検討されることがあります。「如何讓TSH恢復正常?」と考えるよりも、まずは専門医に相談し、ご自身の状態に合わせた適切な対応についてアドバイスを受けることが重要です。

甲状腺機能亢進症の英文表記

Hyperthyroidismとは

甲状腺機能亢進症の医学的な正式名称(英文表記)は Hyperthyroidism です。

“Hyper-” は「過剰な」「亢進した」という意味の接頭辞、”thyroid” は「甲状腺」、”-ism” は「状態」「病気」などを表す接尾辞です。文字通り「甲状腺機能が亢進した状態」という意味になります。

甲狀腺亢進英文縮寫、發音

Hyperthyroidismに一般的な短い略称(英文縮寫)は存在しません。医学論文や専門的な文脈で、文中でHyperthyroidismという単語が繰り返し出てくる場合に、文脈固有で一時的な略称(例: HT)が使用されることはありえますが、これは一般的なものではありません。

発音については、「ハイパーサイロイディズム (ˈhaɪpərˌθaɪrɔɪdɪzəm)」となります。

関連する用語の英文表記としては、

  • バセドウ病: Graves’ disease
  • 甲状腺刺激ホルモン(TSH):Thyroid Stimulating Hormone (または Thyrotropin)
  • 遊離トリヨードサイロニン(FT3):Free Triiodothyronine
  • 遊離サイロキシン(FT4):Free Thyroxine
  • TSH受容体抗体(TRAb):TSH Receptor Antibody
  • 亞臨床性甲状腺機能亢進症:Subclinical Hyperthyroidism

などが挙げられます。

治療後の定期的な経過観察の重要性

甲状腺機能亢進症の治療が開始され、症状が改善し、ホルモン値が正常範囲に戻った後も、定期的な医療機関への受診と検査は非常に重要です。

薬物療法を受けている場合は、ホルモン値を正常範囲に維持するための薬の量が適切か、また副作用が出ていないかを確認するために、治療初期は頻繁に、状態が安定してくると数ヶ月に一度程度の頻度で血液検査が行われます。薬の量を勝手に変更したり、自己判断で中止したりすることは、病状の悪化や再発、あるいは甲状腺機能低下症の原因となるため絶対に行わないでください。

薬物療法で寛解に至り、薬を中止した場合でも、再発する可能性があります。そのため、薬の中止後も定期的に血液検査を行い、ホルモン値が正常に維持されているかを確認する必要があります。再発の多くは薬中止後数年以内に起こりますが、それ以降に起こることもあります。

アイソトープ治療や手術療法を受けた場合、多くのケースで最終的に甲状腺機能低下症になります。甲状腺機能低下症になると、体が必要とする甲状腺ホルモンを十分に作ることができなくなるため、不足分を補うために甲状腺ホルモン剤を内服するホルモン補充療法が必要になります。ホルモン剤の量が適切でないと、機能低下の症状(疲労感、むくみ、寒がりなど)が出たり、逆に過剰になって機能亢進の状態になったりする可能性があります。そのため、ホルモン補充療法中も、定期的に血液検査を行ってホルモン剤の量が適切か確認し、必要に応じて量を調整する必要があります。甲状腺機能低下症に対するホルモン補充療法は、基本的に生涯にわたって続ける必要があります。

また、バセドウ病に伴う甲状腺眼症は、甲状腺機能とは別に進行することがあります。甲状腺の治療が進んでホルモン値が正常に戻った後でも、眼の症状が悪化したり、新たに出現したりする可能性があります。眼の症状がある場合は、甲状腺の治療と並行して、眼科での定期的な診察も欠かせません。

このように、甲状腺機能亢進症の治療は、一時的なものではなく、病気の種類や治療法によって長期にわたる、あるいは生涯にわたる管理が必要となる場合が多いです。定期的な受診と検査は、病状を安定させ、合併症を予防し、健やかな日常生活を送るために不可欠です。自己判断せずに、必ず主治医の指示に従い、適切に経過観察を受けるようにしましょう。

まとめ

甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンが過剰になることで全身に様々な症状を引き起こす病気です。動悸、体重減少、手の震え、多汗、イライラなどが代表的な症状ですが、症状の現れ方には個人差があり、見過ごされやすいこともあります。最も多い原因は自己免疫疾患であるバセドウ病ですが、一過性の甲状腺炎や甲状腺の腫瘍が原因となることもあります。

診断は、問診や診察に加えて、血液検査によるホルモン値(FT3, FT4, TSH)や抗体の測定、超音波検査やシンチグラフィなどの画像検査を組み合わせて行われます。正確な診断に基づき、薬物療法、アイソトープ治療、手術療法の中から、患者さんの状態や希望に合った最適な治療法が選択されます。

甲状腺機能亢進症、特にバセドウ病は自然に完全に治癒することは稀ですが、治療によってホルモン値を正常にコントロールし、症状を改善させることは十分に可能です。薬物療法による「寛解」を目指す場合や、治療後に甲状腺機能低下症となりホルモン補充療法が必要となる場合など、治療のゴールは様々ですが、いずれの場合も病状を安定させ、再発や合併症を防ぐためには、治療後の定期的な経過観察が非常に重要です。

日常生活では、病状に応じてヨウ素の摂取に注意が必要な場合があること、カフェインやアルコール、タバコを控えること、そしてストレス管理と十分な休息をとることが、病状の安定に役立ちます。

「もしかして甲状腺の病気かな?」と気になる症状がある方は、早期に医療機関(内分泌内科などが専門です)を受診し、医師に相談してください。適切な診断と治療を早く開始することが、心身の健康を保つために最も大切な一歩となります。

免責事項:
この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の病状や治療法については必ず専門医にご相談ください。記事の内容に基づいてご自身の判断で治療を行わないでください。

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