「クラミジア 症状 女」というキーワードで検索されている方は、ご自身の体調に不安を感じていたり、もしかしたらクラミジアに感染しているかもしれないと心配されていることでしょう。
女性のクラミジア感染症は、男性に比べて症状が出にくく、自分では気づかないうちに進行してしまうケースが非常に多い病気です。
しかし、放置すると将来の妊娠に影響するなど、深刻なリスクを伴います。
この記事では、女性のクラミジア感染症の症状、無症状のリスク、検査方法、治療法について詳しく解説します。
不安を解消し、早期の対処につなげるための一歩として、ぜひ参考にしてください。
女性クラミジア感染の初期症状と気づきにくさ
クラミジア・トラコマティスという細菌による感染症は、日本で最も患者数の多い性感染症の一つです。
特に女性の場合、感染しても自覚症状がほとんど現れないことが多く、病気が進行するまで気づかないケースが少なくありません。
これを「無症状キャリア」と呼びます。
クラミジアの潜伏期間
クラミジアに感染してから症状が現れるまでの期間は、個人差がありますが、一般的に数日から数週間と言われています。
具体的には、感染機会から1週間から3週間程度で症状が出ることが多いとされています。
しかし、前述の通り、女性の場合は感染部位や個人の免疫力などによって、この潜伏期間を過ぎても症状が出ないか、非常に軽微な症状しか現れないことがよくあります。
そのため、「いつ感染したか」を特定するのが難しい場合もあります。
この点について、済生会のサイトでは以下のように述べられています。
感染後1~3週間で帯下(おりもの)の増加や軽い痛みなどの症状が出ますが、無症状のまま気づかれないことのほうが多いと考えられています。
感染が子宮から卵 …
[済生会](https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/chlamydia_infection/) より
女性は無症状の場合が多い理由
女性がクラミジアに感染した場合に無症状であることが多いのには、いくつかの理由があります。
主な感染部位が子宮頸管であることと関連しています。
- 感染部位の特性: 男性の場合、尿道に感染することが多く、尿道の炎症による排尿時の痛みなどの症状が出やすい傾向があります。
一方、女性は子宮頸管に感染することが多く、子宮頸管の炎症は自覚症状が出にくいためです。 - 症状の軽微さ: たとえ炎症が起きていても、その程度が軽く、おりものの変化や軽微な下腹部痛といった、他の原因でも起こりうるような曖昧な症状にとどまることが少なくありません。
これらの症状を「疲れているから」「体質かな」などと自己判断し、放置してしまうことが多いのです。 - 生理周期による見過ごし: 不正出血などの症状が出ても、生理不順と勘違いしたり、生理中の出血と紛らわしかったりして、感染のサインだと気づかないことがあります。
これらの理由から、女性のクラミジア感染は「サイレントインフェクション(静かなる感染)」と呼ばれることもあります。
症状がないからといって感染していないとは限らないため、感染機会があった場合は、症状の有無にかかわらず検査を受けることが推奨されます。
女性クラミジアの具体的な症状
女性のクラミジア感染症は無症状が多いものの、症状が出た場合には以下のような兆候が見られることがあります。
これらの症状は他の病気でも起こりうるため、症状だけでクラミジアと断定することはできませんが、感染の可能性を示唆するサインとして注意が必要です。
おりものの変化(量、色、臭い)
クラミジアによる子宮頸管炎が起こると、おりものに変化が見られることがあります。
- 量: 通常よりもおりものの量が増えることがあります。
- 色: 黄色っぽい、または膿のような色のおりものになることがあります。
- 臭い: 普段と違う、やや強い臭い(魚のような臭いなど)を伴うこともあります。
ただし、おりものの変化はカンジダ症や細菌性膣症など、クラミジア以外の様々な原因でも起こります。
そのため、おりものに変化が見られたら、「もしかして?」と考えるきっかけとし、自己判断せずに医療機関を受診することが大切です。
不正出血や性交時の出血
月経期間ではないのに出血が見られる「不正出血」や、性行為の最中や後に出血する「性交時出血」も、子宮頸管の炎症によって起こりうる症状です。
炎症を起こした子宮頸部の粘膜が傷つきやすくなっているために起こると考えられます。
特に性交時出血は、比較的クラミジア感染を疑うサインとなり得ます。
しかし、これらの症状も子宮頸がんや子宮頸部ポリープなど、他の病気が原因の場合もあるため、やはり医療機関での診察が必要です。
下腹部痛・骨盤痛
クラミジア感染が子宮頸部から子宮内膜、卵管、骨盤腔へと広がる(上行感染)と、下腹部や骨盤に痛みを伴うことがあります。
これは「骨盤内炎症性疾患(PID)」の症状の一つです。
痛みは鈍痛から激痛まで程度は様々で、発熱を伴うこともあります。
下腹部痛は、月経痛と似ていると感じる方もいらっしゃるかもしれません。
性交時の痛み(性交痛)
子宮頸管や骨盤腔の炎症によって、性行為の際に痛みを感じることがあります。
性器の入り口付近ではなく、性器の奥の方に痛みを感じることが多いようです。
これは、性行為によって子宮や卵管が動かされることによる痛みと考えられます。
排尿時の痛みや違和感(排尿痛)
女性の場合、男性に比べて尿道が短いため、クラミジアによる尿道炎は比較的起こりにくいとされています。
しかし、全く起こらないわけではなく、尿道に感染した場合には、排尿時に軽い痛みや違和感、かゆみなどを感じることがあります。
頻尿になることもあります。
これらの症状は膀胱炎や尿道炎など他の原因でも起こります。
その他の稀な症状(関節炎など)
非常に稀なケースですが、クラミジア感染が全身に広がり、性器以外の部位に症状を引き起こすことがあります。
代表的なものに「反応性関節炎(Reiter症候群)」があります。
これは、クラミジア感染後に体の免疫反応が誤って関節などを攻撃してしまうことで起こると考えられています。
関節の痛みや腫れ、結膜炎(目の充血や痛み)、皮膚症状(手のひらや足の裏の発疹など)を伴うことがあります。
ただし、これは非常に稀な合併症であり、通常は性器や咽頭、直腸の感染に留まります。
これらの症状は、クラミジア以外の病気でも起こりうる非特異的なものです。
しかし、性行為の経験があり、上記のような症状に心当たりがある場合は、クラミジア感染の可能性を考えて医療機関に相談することが非常に重要です。
無症状でも進行するリスク|放置の危険性
女性のクラミジア感染症で最も恐ろしいのは、無症状のまま放置してしまうことによる、将来の健康への深刻な影響です。
症状がないからといって安心できるわけではありません。
クラミジア菌は体内で静かに増殖し、上へ上へと広がっていく性質があります。
子宮や卵管への上行感染
子宮頸管に感染したクラミジア菌は、治療されないままでいると、時間とともに子宮内膜を通って卵管へと侵入していくことがあります。
これを「上行感染」と呼びます。
卵管は非常に細くデリケートな器官であり、ここで炎症が起こると、後述する様々な問題を引き起こす原因となります。
骨盤内炎症性疾患(PID)
上行感染がさらに進み、子宮、卵管、卵巣、および周囲の骨盤内の組織にまで炎症が広がった状態を「骨盤内炎症性疾患(Pelvic Inflammatory Disease: PID)」と呼びます。
PIDは、激しい下腹部痛、発熱、吐き気、悪寒などの急激な症状を伴うこともありますが、慢性的な軽い下腹部痛や腰痛として現れたり、全く自覚症状がないまま進行したりすることもあります。
PIDは緊急性の高い病態であり、適切な治療を受けないと重篤な状態になる可能性もあります。
卵管炎による不妊症・子宮外妊娠リスク
クラミジアによる卵管炎は、女性の不妊症の主要な原因の一つです。
卵管は、排卵された卵子を子宮へと運び、精子との受精が起こる場所です。
卵管に炎症が起こると、卵管の内壁が傷ついたり、癒着したりして、卵子や精子がスムーズに移動できなくなります。
- 不妊症: 卵管が完全に閉塞してしまうと、卵子と精子が出会えず受精が起こらないため、自然妊娠が非常に難しくなります。
両側の卵管が閉塞した場合は、体外受精でしか妊娠できなくなる可能性もあります。 - 子宮外妊娠(異所性妊娠): 卵管が完全に閉塞せず、狭窄したり動きが悪くなったりした場合、受精卵が子宮までたどり着けずに卵管内で着床してしまうことがあります。
これが子宮外妊娠です。
子宮外妊娠は、卵管が破裂するリスクを伴い、母体の命に関わる緊急性の高い病態です。
研究によると、一度クラミジア性卵管炎にかかった女性は、将来不妊になるリスクが健常な女性に比べて約6~10倍高まるとされています。
また、子宮外妊娠のリスクも同様に増加します。
肝周囲炎(Fitz-Hugh-Curtis症候群)
PIDの稀な合併症として、肝臓の周りの腹膜に炎症が広がる「肝周囲炎」があります。
これをFitz-Hugh-Curtis症候群と呼びます。
症状としては、右側の肋骨の下あたり(右上腹部)に激しい痛みが生じ、肩に放散することもあります。
息を吸ったり咳をしたりすると痛みが増すのが特徴です。
この病気自体は生命に関わることは少ないですが、強い痛みを伴います。
妊娠中の感染が母子に与える影響(流産・早産・新生児肺炎)
妊娠中にクラミジアに感染していると、母体だけでなく、お腹の赤ちゃんにも様々な悪影響を及ぼすリスクが高まります。
- 流産・早産: 子宮内での炎症によって、流産や早産のリスクが高まると考えられています。
- 新生児への感染: 出産時に産道を通して赤ちゃんにクラミジアが感染することがあります。
赤ちゃんがクラミジアに感染すると、結膜炎(目やにや目の腫れ)や肺炎(咳や呼吸困難)を引き起こすことがあります。
特に新生児肺炎は重症化する可能性もあります。
妊娠を希望する方、妊娠中の方にとって、クラミジア感染の有無を確認することは非常に重要です。
無症状であっても、これらのリスクを避けるために、早期の検査と治療が強く推奨されます。
感染部位による症状の違い
クラミジアは、性器以外にも感染することがあります。
主な感染経路は、性行為(セックス、オーラルセックス、アナルセックス)です。
感染した場所によって症状の現れ方が異なります。
咽頭クラミジアの症状(のどの痛みなど)
オーラルセックスによって、のど(咽頭)にクラミジアが感染することがあります。
咽頭クラミジアは、約9割が無症状と言われています。
症状が出る場合でも、風邪の症状とよく似ており、以下のような軽い兆候が見られる程度です。
- のどの痛みや違和感
- のどの赤みや腫れ
- 扁桃腺の腫れ
これらの症状は軽いため、クラミジア感染だと気づかずに放置してしまうことがほとんどです。
しかし、咽頭に感染があると、キスやディープキス、オーラルセックスによってパートナーに感染させてしまう可能性があります。
直腸クラミジアの症状(肛門周辺のかゆみなど)
アナルセックスによって、直腸にクラミジアが感染することがあります。
直腸クラミジアも、多くの場合が無症状です。
症状が出たとしても、軽いものが多いです。
- 肛門周辺のかゆみ
- 直腸の軽い痛みや不快感
- 便意を伴わないしぶり腹
- 便に粘液や血が混じる
これらの症状も痔や他の腸の病気と間違えやすいため、クラミジア感染を疑う人は少ないでしょう。
直腸クラミジアも、アナルセックスによってパートナーに感染させる可能性があります。
性器以外の感染は自覚症状がさらに出にくいため、性器以外の部位での性行為の経験がある場合は、該当部位の検査も合わせて行うことが重要です。
女性クラミジアの検査方法と検査を受けるタイミング
クラミジア感染の診断には、専門機関での検査が必要です。
症状の有無に関わらず、感染の可能性がある場合には検査を受けることが推奨されます。
主な検査方法(おりもの、尿など)
クラミジアの検査は、主にPCR法(核酸増幅法)やSDA法などの遺伝子検査が用いられます。
これらの方法は感度が高く、少量の菌でも検出が可能です。
検査材料 | 主な検査方法 | 特徴 | 適した感染部位 |
---|---|---|---|
子宮頸部擦過物 | PCR法など | 女性の性器クラミジア検査で最も一般的かつ高精度な方法です。内診が必要です。 | 性器(子宮頸管) |
尿 | PCR法など | 患者さんの負担が少ない検査方法です。性器クラミジアの検査に用いられます。 | 性器(尿道) |
うがい液 | PCR法など | のどの奥でうがいをした液を提出します。 | 咽頭 |
直腸ぬぐい液 | PCR法など | 肛門から専用の綿棒を入れて粘膜を拭い取ります。 | 直腸 |
女性の性器クラミジア検査では、子宮頸部を綿棒で擦って検体を採取するPCR検査が最も一般的で推奨されています。
尿検査でも性器クラミジアの検出は可能ですが、子宮頸管の感染を見逃す可能性があるため、精度は子宮頸部擦過物検査の方が高いとされています。
検査を受けるべき適切な時期
クラミジアの検査は、感染機会があった日から1週間から2週間程度期間を空けてから受けるのが一般的です。
これは、感染初期はまだ菌の量が少なく、検査をしても検出できない可能性があるためです。
早期に検査を受けすぎて偽陰性(感染しているのに陰性と出る)となることを避けるため、適切な時期に検査を受けることが重要です。
不安な場合は、検査を受ける医療機関でいつ検査を受けるべきか相談しましょう。
どこで検査を受けられるか(病院、クリニック、郵送検査)
クラミジアの検査は以下の場所で受けることができます。
- 医療機関:
- 産婦人科・婦人科: 女性の性器クラミジア検査の専門性が高いです。
子宮頸部擦過物検査など、精度の高い検査を受けられます。 - 泌尿器科: 尿道炎の症状などがある場合に受診できます。
- 性感染症内科/皮膚科: 性感染症全般の診療を行っている医療機関です。
性器、咽頭、直腸など複数の部位の検査に対応していることが多いです。 - レディースクリニック: 女性特有の悩みに対応しており、比較的受診しやすい雰囲気のところが多いです。
- 保健所: 一部の保健所では、匿名・無料でHIV検査と合わせてクラミジアなどの性感染症検査を実施しています。
ただし、検査日が限られていたり、結果が出るまでに時間がかかったりする場合が多いです。
- 産婦人科・婦人科: 女性の性器クラミジア検査の専門性が高いです。
- 郵送検査キット:
インターネットなどで購入できる郵送検査キットを利用する方法です。
自宅で自分で検体(女性は主に膣分泌物または尿)を採取し、検査機関に郵送します。
結果はインターネット上で確認できる場合が多いです。- メリット: 医療機関に行く時間がない、対面での受診に抵抗がある場合に手軽に検査できます。
匿名で受けられるキットもあります。 - デメリット: 自己採取の精度にばらつきがある可能性があります。
検査結果が陽性だった場合、改めて医療機関を受診して診断・治療を受ける必要があります。
医師の診察やカウンセリングは受けられません。
- メリット: 医療機関に行く時間がない、対面での受診に抵抗がある場合に手軽に検査できます。
ご自身の状況や希望に応じて、最適な検査方法・場所を選択しましょう。
不安や疑問がある場合は、まずは医療機関に相談することをお勧めします。
女性クラミジアの治療と完治までの期間
クラミジア感染症は、適切な治療を受ければ比較的容易に完治する病気です。
しかし、放置は禁物です。
薬(抗生物質)による治療法
クラミジアの治療には、抗生物質が用いられます。
主に以下の種類の抗生物質が処方されます。
薬剤の種類 | 服用方法 | 特徴 |
---|---|---|
アジスロマイシン | 1回(単回)服用 | 1回の服用で治療が完了するため、飲み忘れのリスクが少ないです。 副作用も比較的少ないとされています。 |
ドキシサイクリン | 1日2回、7日間服用 | 決められた期間、毎日継続して服用する必要があります。 アジスロマイシンが使用できない場合などに用いられます。 |
レボフロキサシンなど | 決められた期間、毎日服用(他の薬剤が使用できない場合など) | 上記の薬剤がアレルギーなどで使用できない場合や、他の菌との混合感染などが疑われる場合などに用いられることがあります。 |
どの抗生物質を使用するかは、医師が患者さんの状態やアレルギー歴などを考慮して判断します。
医師から指示された用法・用量を守って、必ず最後まで薬を飲みきることが非常に重要です。
症状が改善したからといって自己判断で服用を中止すると、菌が完全に死滅せず、再発したり薬剤耐性菌が出現したりする可能性があります。
治療期間と注意点
アジスロマイシンの場合は1回の服用で治療が完了しますが、ドキシサイクリンの場合は7日間服用が必要です。
薬の種類によって治療期間は異なります。
治療期間中は、以下の点に注意が必要です。
- 性行為を控える: 治療中に性行為を行うと、パートナーに感染させてしまったり、治療中の自分が再感染したりする(ピンポン感染)リスクがあります。
治療が完了し、再検査で陰性が確認されるまでは性行為を控えましょう。 - アルコールの摂取: 薬によってはアルコールの摂取が推奨されない場合があります。
医師や薬剤師の指示に従ってください。
一般的に、抗生物質服用中の過度な飲酒は、薬の効果を弱めたり副作用を強くしたりする可能性があるため避けるのが無難です。 - 他の薬との飲み合わせ: 他に服用している薬がある場合は、必ず医師に伝えてください。
飲み合わせに注意が必要な場合があります。
完治の確認(再検査)
薬を飲み終えて症状がなくなったとしても、それで「完治」と判断することはできません。
菌が完全にいなくなったかどうかを確かめるために、治療薬服用後、約2週間から3週間期間を空けてから再検査(治癒確認検査)を受けることが非常に重要です。
なぜ期間を空ける必要があるかというと、薬を服用してすぐに検査をしても、死んだ菌のDNAなどが検出されて偽陽性(感染していないのに陽性と出る)になる可能性があるためです。
適切な期間を空けてから検査を受け、陰性であることが確認されてはじめて「完治」とみなされます。
この再検査を怠ると、実は菌が残っていて病気が再燃・進行したり、知らずにパートナーに感染させてしまったりするリスクがあります。
パートナーの検査・治療の重要性
クラミジアは性感染症です。
したがって、ご自身がクラミジアに感染していることがわかった場合、パートナーも感染している可能性が極めて高いと考えられます。
パートナーが無症状であっても、必ず一緒に検査を受け、陽性であれば同時に治療を受けることが絶対的に重要です。
もし、ご自身だけが治療を受けて一時的に完治しても、感染しているパートナーと性行為を再開すれば、すぐに再感染してしまいます(ピンポン感染)。
これを繰り返していると、治療が難しくなったり、パートナーの間で感染を広げてしまったりします。
パートナーに感染の事実を伝えるのは難しいことかもしれませんが、お互いの健康を守るために、勇気をもって話し合い、一緒に検査・治療に取り組むことが非常に大切です。
医療機関によっては、パートナーの受診についてもアドバイスしてくれます。
再感染を防ぐために
一度クラミジアに感染して治療しても、免疫ができるわけではないので、再び感染機会があれば何度でも再感染します。
再感染を防ぐためには、以下の予防策を心がけましょう。
- コンドームの正しい使用: 性行為(セックス、オーラルセックス、アナルセックス)の際に、最初から最後までコンドームを正しく使用することが、最も効果的な予防策です。
- 不特定多数との性行為を避ける: パートナーの数が多ければ多いほど、性感染症に遭遇するリスクは高まります。
- 定期的な検査: 新しいパートナーと性行為を開始する前や、少しでも不安を感じた場合には、定期的に性感染症の検査を受けることを習慣にするのが理想的です。
特に無症状が多いクラミジアにおいては、定期的な検査が早期発見につながります。
もしかしてクラミジア?と思ったら|早期相談の重要性
「おりものがいつもと違う」「下腹部が痛い気がする」「新しいパートナーと性行為があった」など、少しでもクラミジア感染の可能性が頭をよぎったら、躊躇せずに医療機関に相談することが何よりも重要です。
「恥ずかしい」「大したことないかも」と受診をためらってしまう気持ちは理解できます。
しかし、前述の通り、女性のクラミジアは無症状で進行し、不妊や子宮外妊娠、妊娠中のトラブルなど、将来の健康や妊娠に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
早期に検査を受け、感染が確認されれば、簡単な抗生物質の服用で完治が可能です。
早期発見・早期治療は、ご自身の体を守るだけでなく、大切なパートナーを守ることにもつながります。
性感染症の診療を行っている医療機関では、医師やスタッフが親身に対応してくれます。
安心して相談できる環境が整っていますので、一人で悩まずに専門機関のドアを叩きましょう。
オンライン診療を提供しているクリニックもあり、自宅から手軽に相談・検査・治療が受けられる場合もありますので、選択肢の一つとして検討してみてください。
まとめ|女性クラミジアの症状を正しく理解し、早期に対処しましょう
女性のクラミジア感染症は、その多くが無症状であるため、ご自身では気づきにくい性感染症です。
しかし、症状がないからといって軽視することはできません。
無症状のまま放置すると、感染が子宮や卵管に広がり、骨盤内炎症性疾患、不妊症、子宮外妊娠といった将来の妊娠に関わる深刻なリスクを高めてしまいます。
また、妊娠中に感染していると、流産、早産、新生児への感染(結膜炎、肺炎)といったリスクも伴います。
もし、おりものの変化、不正出血、下腹部痛、性交痛などの症状に心当たりがある場合はもちろんのこと、症状が全くなくても、
- 新しいパートナーと性行為があった
- コンドームを使用しない性行為があった
- パートナーがクラミジアに感染したことがある、あるいは感染の可能性がある
といった感染の機会があった場合には、「もしかして?」と考え、積極的にクラミジアの検査を受けることを強くお勧めします。
検査は、医療機関(産婦人科、婦人科、性感染症内科など)や郵送検査キットで受けることができ、子宮頸部擦過物や尿を用いたPCR検査が主流です。
感染機会から1〜2週間程度空けてから検査を受けるのが良いでしょう。
クラミジア感染症は、抗生物質の服用で完治が可能です。
治療期間中は性行為を控え、医師の指示通りに薬を服用することが大切です。
そして最も重要なのが、薬を飲み終えてから適切な期間を空けて行う再検査(治癒確認検査)です。
再検査で陰性が確認されてはじめて完治となります。
また、パートナーも同時に検査を受け、陽性であれば一緒に治療を受けることが、お互いの再感染を防ぎ、完全に病気を終結させるために不可欠です。
クラミジアは再感染する病気です。
コンドームの正しい使用など、日頃からの予防も大切です。
女性のクラミジア感染は「サイレントインフェクション」と呼ばれますが、その影響は決して静かではありません。
将来の健康を守るためにも、「もしかして?」という小さな不安や疑問を放置せず、早期に専門機関に相談し、適切な検査と治療を受けることが、ご自身の心と体を守る最善の策です。
【免責事項】
本記事は、一般的な情報提供を目的として作成されたものであり、医療行為や診断に代わるものではありません。
クラミジア感染症が疑われる場合や、症状についてご心配な点がある場合は、必ず医療機関を受診し、医師の診断と指示に従ってください。
本記事の情報に基づいて行った行為によって生じたいかなる結果についても、当方は一切の責任を負いません。