【医師監修】心拍確認はいつ?妊娠5週・6週・7週の確率と確認できない不安を解消

妊娠が判明したら、多くの方が次に心待ちにするのが胎児の心拍確認です。小さな命の存在を実感できる瞬間であり、その後の妊娠継続に向けての大きな節目となります。「心拍確認はいつ頃できるの?」「確認できなかったらどうしよう…」といった不安や疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。この記事では、胎児の心拍が超音波検査で確認できる時期や確率、もし心拍が確認できなかった場合に考えられる可能性について、産婦人科医監修のもと、詳しく解説します。妊娠初期の心拍確認に関する疑問を解消し、安心して次のステップに進むための一助となれば幸いです。

目次

心拍確認とは?超音波検査での見方

妊娠初期の健診で行われる心拍確認は、超音波検査によって胎児の心臓の動き(拍動)を確認することです。この拍動が見えることで、胎児が生きていることを確認し、妊娠が継続しているかを判断する重要な指標となります。

超音波検査の種類(経腹・経膣)

妊娠初期には、主に「経膣超音波検査」が行われます。これは、棒状の超音波プローブを腟内に挿入して行う検査です。子宮や卵巣に近く、より鮮明な画像が得られるため、妊娠初期の小さな胎嚢(たいのう)や胎芽(たいが)、そして心拍を確認するのに適しています。

妊娠週数が進み、子宮が大きくなってくると、お腹の上からプローブをあてる「経腹超音波検査」に切り替わることが一般的です。経腹超音波でも胎児の様子を十分に観察できるようになります。心拍確認の時期には、まだ子宮が骨盤内に収まっているため、経膣超音波が中心となります。

心拍の見え方

超音波検査で胎児の心拍を確認する際、画面上では胎芽と呼ばれる小さな塊の中に、点滅するような速い動きとして見えます。これは、まだ心臓が完全に発達していなくても、心臓のもととなる組織が収縮を始めている様子です。多くの場合、画面上の点滅として視覚的に確認できますが、超音波機器によっては、同時に心拍の音を聞かせてもらえることもあります。この小さな点滅こそが、お腹の中で育つ新しい命の力強い証です。

胎児の心拍が確認できる平均的な時期

胎児の心拍が超音波で確認できるようになる時期は、妊娠週数によって大きく異なります。

妊娠5週後半~6週頃が目安

胎児の心拍が超音波で確認できるようになる時期は、妊娠週数によって大きく異なります。一般的に、超音波検査で心拍が確認できる時期は妊娠5週後半から6週頃とされています。([参考情報](https://www.hiro-clinic.or.jp/nipt/fetal-heartbeat-timing/)) ただし、これはあくまで平均的な目安です。すべての妊婦さんがこの時期に必ず心拍を確認できるわけではありません。確認できる時期には個人差があります。

確認時期が異なる要因

心拍が確認できる時期が目安よりも遅くなる要因はいくつかあります。確認できる時期は排卵日や受精日のズレ、超音波機器の性能などによって異なる場合があります。([参考情報](https://www.hiro-clinic.or.jp/nipt/fetal-heartbeat-timing/)) 具体的には以下の点が挙げられます。

  • 妊娠週数の計算のずれ: 最も一般的な要因です。最終月経開始日を基準に妊娠週数を計算しますが、実際の排卵日や受精日がずれている場合があります。特に生理周期が不規則な方や、排卵日が特定しにくい場合は、見かけ上の妊娠週数と実際の胎児の発育週数にずれが生じやすいです。例えば、計算上は6週でも、実際には5週程度しか経過していない、ということもあります。
  • 胎嚢や胎芽の成長スピード: 胎児の発育スピードには個人差があります。同じ週数でも、胎嚢や胎芽の大きさが標準より小さめの場合、心拍確認が少し遅れることがあります。
  • 超音波機器の性能や医師の技量: 使用する超音波機器の解像度や、検査を行う医師の技量によっても、小さな心拍を確認できるかどうかに差が出ることがあります。研究によると、超音波の解像度や操作技術が心拍確認の成功率に影響するとされています。([参考情報](https://www.hiro-clinic.or.jp/nipt/fetal-heartbeat-timing/))

これらの要因が重なることで、計算上の妊娠週数よりも遅れて心拍が確認されることは珍しくありません。目安の時期に確認できなかったとしても、すぐに悲観的になる必要はありません。

妊娠週数別の心拍確認の確率

妊娠週数が進むにつれて、心拍が確認できる確率は上がっていきます。週数ごとの一般的な確率を見てみましょう。

妊娠5週の心拍確認確率

妊娠5週は、まだ心拍が確認できるかできないかの境目の時期です。特に妊娠5週前半では、胎嚢は確認できても、胎芽や心拍はまだ見えないことの方が多いです。

妊娠5週後半(5週5日、5週6日など)になってくると、胎芽が見え始め、それに伴って心拍が確認できる確率も徐々に上がります。しかし、それでも確認できないケースも少なくありません。この時期に心拍が確認できなくても、週数のずれや発育の個人差によるものである可能性が高く、過度に心配する必要はありません。

妊娠6週の心拍確認確率(6週0日、6週2日など)

妊娠6週に入ると、心拍が確認できる確率がぐっと高まります。

  • 妊娠6週前半(6週0日~6週3日頃): 多くの胎嚢の中で胎芽が確認できるようになり、約半数以上で心拍が確認できるとされています。まだ確認できない場合でも、胎芽がしっかり見えていれば、数日後の再検査で確認できる可能性は高いです。
  • 妊娠6週後半(6週4日~6週6日頃): この時期になると、心拍が確認できる確率はさらに上昇し、8割~9割近くで確認できると言われています。胎芽の大きさも数ミリになり、心臓の動きが捉えやすくなります。

妊娠6週は、心拍確認ができるかどうかの重要な時期と言えます。

妊娠7週の心拍確認確率

妊娠7週になると、心拍が確認できる確率は非常に高くなります。

  • 妊娠7週: ほとんどの場合(9割以上)、心拍が確認できる時期です。胎芽は1cm近くまで成長し、心臓の拍動もはっきりと捉えられるようになります。

妊娠7週になっても心拍が確認できない場合は、残念ながら流産の可能性も考慮する必要が出てきます。ただし、ここでも週数のずれによる影響は考慮する必要があります。

妊娠週数別の心拍確認確率(目安)

妊娠週数 心拍確認確率(目安) 備考
妊娠5週前半 10%未満 胎嚢のみの場合が多い
妊娠5週後半 30~50%程度 胎芽が見え始め、確認できるケースも増える
妊娠6週前半 50~70%程度 確認できる可能性が高まる時期
妊娠6週後半 80~90%程度 多くのケースで確認可能
妊娠7週 90%以上 ほとんどの場合に確認可能

※これらの確率はあくまで一般的な目安であり、医療機関や機器、個人の状況によって異なります。

心拍確認できない場合の可能性

妊娠週数が目安の時期に達しているにも関わらず、心拍が確認できない場合、いくつかの可能性が考えられます。すぐに結論が出るわけではなく、医師が慎重に判断を進めていきます。

週数の計算がずれている

前述の通り、最も可能性が高いのは、妊娠週数の計算が実際とずれているケースです。排卵が遅れたり、着床に時間がかかったりした場合、計算上の週数よりも実際の妊娠の進みが遅れていることがあります。この場合、数日~1週間後に再検査を行うと、無事に心拍が確認できることがよくあります。医師もこの可能性を考慮し、すぐに確定診断せず、再検査を勧めるのが一般的です。

胎嚢や胎芽の成長が遅い

週数のずれがない場合でも、胎嚢や胎芽の成長が一時的にゆっくりな場合があります。胎嚢の大きさに対して胎芽が見えない、あるいは胎芽の大きさに対して心拍が見えない、といったケースです。この場合も、今後の成長を見守るために再検査を行います。

稽留流産などの可能性

残念ながら、心拍が確認できない、または一度確認できた心拍が見えなくなってしまった場合、流産の可能性も考えられます。妊娠初期に起こる流産の多くは、胎児側の染色体異常など、受精卵の偶発的な問題が原因で、母体の行動が原因ではありません。

心拍が確認できない場合に考えられる状態としては、以下のようなものがあります。

  • 枯死卵(Blighted Ovum): 胎嚢は確認できるものの、中に胎芽が形成されなかった、または途中で成長が止まってしまった状態。胎嚢は子宮内に留まっているため、自覚症状がないことも多いです。
  • 稽留流産(Keiryuryuzan): 胎嚢や胎芽は確認できるが、心拍が確認できず、すでに胎児の成長が停止してしまっている状態。こちらも、出血や腹痛といった自覚症状がないまま進行することがあります。

心拍が確認できない=即流産確定ではありません。医師は胎嚢や胎芽の大きさ、前回の診察からの期間などを総合的に判断し、慎重に診断を進めます。不安な気持ちは大きいと思いますが、医師の説明をよく聞き、再検査まで落ち着いて待つことが大切です。

妊娠6週・7週で心拍確認できない場合、その後はどうなる?

妊娠6週や7週は、多くの妊婦さんが心拍確認できることを期待する時期です。この時期に心拍が確認できなかった場合、どのような流れになるのでしょうか。

再検査の必要性

妊娠6週や7週で心拍が確認できない場合、まず医師は妊娠週数のずれを考慮します。そして、数日後(多くは1週間後)に再度超音波検査を行うことを提案されます。これは、胎児がまだ小さすぎて心拍が確認できないだけなのか、あるいは残念ながら成長が停止してしまったのかを判断するためです。

再検査までの期間は、不安で長く感じるかもしれません。しかし、診断を確定するためには、胎児が成長しているか、心拍が現れるかをしっかり確認する時間が必要です。

診断確定のタイミング

流産などの診断が確定されるのは、一般的に以下のいずれかの基準を満たした場合です(基準は医療機関や学会によって多少異なる場合があります)。

  • 胎嚢の大きさが一定の基準(例:25mm以上)に達しているにも関わらず、胎芽が確認できない場合(枯死卵の疑い)。
  • 胎芽の大きさが一定の基準(例:5mm以上、あるいは7mm以上など)に達しているにも関わらず、心拍が確認できない場合。
  • 前回の超音波検査から一定期間(例:1週間など)が経過しても、胎嚢や胎芽の成長が見られない、あるいは心拍が確認できない場合。

これらの基準は、週数のずれの可能性を十分に考慮した上で設定されています。基準に満たない場合は、さらに期間を置いて再検査となることもあります。最終的な診断は、必ず担当の医師から説明を受けてください。

次の診察までに気をつけること

再検査までの期間は、心身ともに落ち着かない日々を過ごすことになるかもしれません。この期間にできることとして、以下のような点に気をつけましょう。

  • 安静に過ごす: 過度な運動や無理は避け、できるだけ心穏やかに過ごしましょう。
  • 出血や腹痛に注意: 茶色っぽい出血や少量の出血は妊娠初期には比較的よくありますが、量が増えたり、鮮血になったり、強い腹痛を伴う場合は、すぐに医療機関に連絡してください。
  • ストレスをためない: 不安が大きいと思いますが、インターネットなどで情報を検索しすぎると、かえって混乱したり、不必要に悲観的になったりすることがあります。信頼できる情報源(この記事や医師からの説明)に留め、リラックスできる方法を見つけましょう。
  • 医師の指示に従う: 服用している薬がある場合や、日常で特に気を付けるべき点があれば、医師の指示を必ず守りましょう。

この期間、一人で抱え込まず、パートナーや信頼できる人に気持ちを話すことも大切です。

心拍確認後の流産率と安心できる時期

心拍が確認できた後の妊娠継続率は、心拍確認前と比較して飛躍的に高まります。

心拍確認後の流産確率

心拍が確認できた後の流産率は、一般的に約10~15%程度まで低下すると言われています。これは、心拍確認前の流産率(胎嚢確認前や胎嚢確認のみの場合)が30~40%程度と言われているのに比べると、大幅にリスクが減ることを意味します。

特に、心拍が確認できた週数が遅いほど、その後の妊娠継続率は高まる傾向があります。

7週で心拍確認できた場合の安心度

妊娠7週で無事に心拍が確認できた場合、その後の妊娠継続率は90%以上と非常に高くなります。この時期に心拍が確認できたということは、胎児が順調に成長している証拠であり、大きな安心材料となります。

ただし、妊娠初期の流産リスクがゼロになるわけではありません。妊娠12週頃まではまだ流産の可能性が比較的高い時期(安定期に入るまで)とされています。心拍確認後も、引き続き無理のない生活を心がけ、定期的な妊婦健診を受けることが大切です。

心拍確認は、妊娠初期の最大のハードルの一つと言えるでしょう。このハードルを越えたら、喜びとともに、さらに心穏やかに過ごせるようになります。

心拍確認についてよくある質問

妊娠初期の心拍確認に関して、よくある質問とその回答をまとめました。

6週0日で心拍確認はできますか?

妊娠6週0日で心拍が確認できる可能性は十分にあります。特に、排卵日などが正確にわかっている場合や、胎嚢や胎芽の成長が平均的なペースであれば、確認できることが多い時期です。ただし、個人差や週数のずれによっては、まだ確認できないこともあります。確認できなくても、胎嚢や胎芽が見えていれば、数日後の再検査で確認できる可能性は高いので、医師の説明をよく聞いて落ち着いて対応しましょう。

7週で心拍確認は安心できますか?

妊娠7週で心拍が確認できた場合、その後の妊娠継続率は非常に高くなるため、大きな安心材料となります。妊娠初期の流産リスクのピークを越えたと言えるでしょう。しかし、妊娠初期全体の流産リスクがゼロになるわけではありません。引き続き、無理のない生活を送り、出血や腹痛などの異常があればすぐに医療機関に連絡するなど、注意は必要です。

妊娠何週で心拍確認できた?

一般的に、妊娠5週後半から6週にかけて確認できることが多いです。遅くとも妊娠7週にはほとんどの場合で確認できます。ただし、前述の通り、週数のずれや個人の発育スピードによって確認できる時期は異なります。平均的な時期は目安として捉え、ご自身の状況については医師に確認しましょう。

6週で心拍確認できない場合、その後はどうなりますか?

妊娠6週で心拍が確認できなかった場合でも、すぐに悲観する必要はありません。妊娠週数の計算がずれている可能性や、胎児の発育がゆっくりな可能性が考えられます。多くの場合、医師から1週間程度期間を空けて再検査をすることが提案されます。再検査で無事に心拍が確認できることも多いです。再検査でも心拍が確認できない場合や、胎嚢・胎芽の成長が見られない場合には、残念ながら流産の可能性も考慮して診断が進められます。不安な気持ちは大きいと思いますが、医師の指示に従い、結果を待ちましょう。

まとめ

胎児の心拍確認は、妊娠初期の重要な節目です。一般的に、超音波検査で心拍が確認できる時期は妊娠5週後半から6週頃とされています。([参考情報](https://www.hiro-clinic.or.jp/nipt/fetal-heartbeat-timing/)) 確認できる時期には個人差や妊娠週数の計算のずれが大きく影響します。特に妊娠6週頃は、心拍が確認できる可能性が高まる時期ですが、確認できなくてもすぐに悲観する必要はありません。

もし妊娠6週や7週で心拍が確認できなかった場合でも、すぐに流産と確定するわけではなく、数日〜1週間後に再検査を行い、慎重に診断が進められます。再検査の結果、無事に心拍が確認できることも少なくありません。確認できる時期は排卵日や受精日のズレ、超音波機器の性能などによって異なる場合があります。([参考情報](https://www.hiro-clinic.or.jp/nipt/fetal-heartbeat-timing/))

心拍が確認できた後は、流産率が大幅に低下し、妊娠継続の可能性が高まります。特に妊娠7週以降に心拍が確認できれば、安心度はさらに高まります。しかし、安定期に入るまでは引き続き無理のない生活を心がけ、体調の変化に注意することが大切です。

心拍確認までの期間は、期待とともに不安も大きくなるでしょう。この記事で解説した情報が、少しでも皆様の不安を和らげ、冷静に状況を把握する一助となれば幸いです。

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的アドバイスや個別の診断・治療を推奨するものではありません。妊娠中の状況や体調については個人差が大きいため、ご自身の状態に関してご心配な点がある場合は、必ず担当の医師にご相談ください。

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