妊娠の可能性を意識し始める時期に、いつもと違う出血があると不安になりますよね。
「これって生理?それとも妊娠に関係するもの?」と悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。
特に「着床出血」という言葉を聞いたことがある方は、「着床出血ってどんな感じなんだろう?」と具体的な症状を知りたいと思われているのではないでしょうか。
この記事では、着床出血の色や量、期間、伴う可能性のある腹痛など、具体的な症状について詳しく解説します。
また、生理の出血との違いや、出血が起こるタイミング、さらに着床出血以外の妊娠超初期症状についてもご紹介します。
この記事を読んで、あなたの出血が着床出血なのか、それとも別の原因なのかを判断するための一助としてください。
ただし、自己判断は難しいため、最終的には妊娠検査薬や医療機関への相談が最も確実な方法であることを念頭に置いておきましょう。
着床出血とは?妊娠の初期症状について
着床出血は、妊娠のごく初期に起こりうる出血の一つです。
全ての妊婦さんに起こるわけではありませんが、妊娠した方の約10〜20%に見られると言われています。
月経(生理)予定日頃に起こることが多いため、生理が始まったと勘違いしてしまうことも少なくありません。
着床出血はなぜ起こる?
妊娠は、卵巣から排卵された卵子と精子が受精し、受精卵が子宮に運ばれて子宮内膜に根を下ろす(着床する)ことから始まります。
着床出血は、この受精卵が厚くなった子宮内膜にもぐり込む際に、内膜の毛細血管の一部が傷つき、出血することで起こると考えられています。
いわば、赤ちゃんがお母さんの子宮に「こんにちは」と入り込む際に、少しだけ跡がついてしまうようなイメージです。
全員に起こるわけではない着床出血
先述の通り、着床出血は全ての妊婦さんに起こる現象ではありません。
妊娠が成立しても着床出血が見られない方のほうが多数派です。
着床出血がなかったからといって、妊娠していないということにはなりませんし、逆に着床出血があったからといって、必ずしも妊娠が順調に進むという保証があるわけでもありません。
あくまで妊娠の初期に見られる可能性のあるサインの一つとして捉えることが重要です。
着床出血がなくても健康な赤ちゃんを妊娠・出産される方はたくさんいらっしゃいますので、必要以上に心配する必要はありません。
着床出血 どんな感じ?具体的な症状を解説
「着床出血ってどんな感じなの?」という疑問に対して、具体的にどのような症状が見られるのかを詳しく見ていきましょう。
着床出血の症状は個人差が大きく、出血の色や量、期間、伴う症状などは人によって様々です。
着床出血の出血の色はどんな感じ?
着床出血の色は、主にピンク色、茶色、または鮮血などが見られます。
- ピンク色: 薄いピンク色の出血は、ごく少量の出血が子宮頸管からの分泌物と混ざって出てくることで見られることがあります。着床出血の色として比較的よく挙げられる色の一つです。
- 茶色: 茶色の出血は、出血してから時間が経ち、血液が酸化した際に起こります。古い血液であるため、少量でじわじわと続くことがあります。生理の始まりかけや終わりかけの茶色い出血と似ているため、見分けがつきにくいこともあります。
- 鮮血: まれに鮮やかな赤色の出血が見られることもありますが、生理の出血と比較すると量は少ないことが多いです。ただし、鮮血で量が多い場合は、着床出血以外の可能性も考慮し、注意が必要です。
一般的には、鮮血よりも茶色やピンク色の出血が見られるケースが多い傾向にあります。
出血の色だけでなく、量や期間、他の症状も合わせて判断することが重要です。
着床出血の量はどのくらい?ティッシュにつく程度?
着床出血の量は、ごく少量である場合がほとんどです。
「ティッシュで拭いたときにわずかに付着する程度」「下着に少しつく程度」という方が多いです。
ナプキンが必要ない、あるいはつけていても少量で済む程度の量が一般的です。
生理のように量がだんだん増えたり、経血の塊が出たりすることは、着床出血ではほとんど見られません。
ただし、個人差があるため、人によっては生理の始まりのような、もう少し量が多いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、通常の生理の量と比較すると、明らかに少ないことが特徴です。
もし、生理2日目のような量が多い鮮血が続く場合は、着床出血である可能性は低いと考えられます。
着床出血はどのくらいの期間続く?
着床出血が続く期間も個人差がありますが、多くは数時間から1~3日程度で終わります。
生理のように1週間近く続くことは稀です。
出血が始まったと思ったらすぐに止まる、またはごく少量で数日間じわじわと続くというパターンが多いです。
もし、4日以上出血が続く場合や、量が減らずに続く場合は、着床出血以外の原因(生理、ホルモンバランスの乱れ、他の病気など)も考えられます。
着床出血に伴う腹痛はどんな感じ?
着床に伴って腹痛や下腹部に違和感を感じる方もいらっしゃいますが、全く感じない方もいます。
腹痛がある場合でも、生理痛のような重い痛みではなく、軽い生理痛のような鈍痛、チクチクとした痛み、下腹部の張りや違和感程度であることが多い傾向にあります。
これは、子宮内膜に着床する際に子宮がわずかに収縮したり、ホルモンバランスが変化したりすることによるものと考えられています。
痛みの感じ方には個人差が大きいため、「チクチクした」「ズキズキした」「引っ張られるような感じ」など、人によって表現は様々です。
生理痛と似ているため、区別が難しい場合もあります。
もし、激しい腹痛や、痛みがどんどん強くなる場合は、着床出血とは関係のない、他の病気の可能性も考えられますので注意が必要です。
着床出血の性状はドロッとしている?
生理の出血は、子宮内膜が剥がれ落ちたものや血の塊が混ざって、ドロッとしたりネバネバしたりすることがあります。
しかし、着床出血は子宮内膜の表面の毛細血管が傷ついたことによる少量の出血であるため、一般的にはドロッとした塊は見られず、サラサラとした性状であることが多いです。
ただし、これも個人差がありますので、必ずしもサラサラでなければ着床出血ではないというわけではありません。
しかし、生理の時に見られるような大きな血の塊が混ざることは、着床出血では考えにくい症状です。
着床出血かどうかの見分け方|生理との違い
着床出血が生理予定日頃に起こるため、最も悩ましいのが「生理が始まったのか、それとも着床出血なのか」を見分けることです。
ここでは、着床出血と生理の出血の主な違いを比較し、見分け方のポイントを解説します。
着床出血と生理の出血を比較
着床出血と生理の出血には、いくつかの異なる特徴が見られます。
ただし、どちらもホルモンバランスの変化によって起こる現象であり、個人差が大きいため、以下の表はあくまで一般的な傾向として参考にしてください。
特徴 | 着床出血 | 生理(月経) |
---|---|---|
色 | ピンク、茶色が多い。まれに鮮血。 | 鮮血から始まり、茶色や黒っぽい色に変化することが多い。 |
量 | ごく少量(ティッシュにつく程度、下着に少し)。 | 初日は少量でも、徐々に量が増え、多い日がある。 |
期間 | 数時間~1~3日程度で終わることが多い。 | 3~7日程度続くことが一般的。 |
腹痛 | ないか、あっても軽い鈍痛、チクチクした痛み。 | 痛みの程度は様々だが、着床痛より強いことが多い。 |
性状 | サラサラしていることが多い。塊はほとんどない。 | ドロッとした塊や、粘り気のある経血が見られることがある。 |
タイミング | 生理予定日の数日前~予定日頃。 | ほぼ周期通り、または多少前後して生理予定日頃。 |
その他の症状 | 妊娠超初期症状(吐き気、眠気、胸の張りなど)を伴うことがある。 | 生理前症状(PMS:イライラ、腹痛、胸の張りなど)を伴うことがある。 |
生理との違い(色、量、期間、腹痛、性状)
上記の比較表を踏まえ、それぞれの違いについて補足します。
- 色: 着床出血は古い血液である茶色や、薄まったピンク色の出血が比較的多いのに対し、生理は子宮内膜が剥がれ落ちた直後の鮮血から始まることが多いです。
- 量: 着床出血は生理の「始まりかけ」のような少量で終わることがほとんどです。生理のようにナプキンを頻繁に変える必要があるほどの量になることは、着床出血ではまずありません。
- 期間: 着床出血は短期間で自然に止まることが特徴です。生理のように数日以上、量が減らずに続く場合は、生理である可能性が高いです。
- 腹痛: 着床痛は「チクチク」「軽い生理痛」程度で終わることが多いですが、生理痛はそれよりも強い痛みを感じる方が多いです。ただし、生理痛の程度は個人差が非常に大きく、「いつも生理痛が軽いから分からない」という方もいるでしょう。
- 性状: 生理は子宮内膜が剥がれ落ちたものや血の塊が混ざるため、ドロッとしたりネバネバしたりしますが、着床出血は基本的にサラサラしています。
これらの違いを参考に判断することができますが、最も重要なのは「いつもと違うかどうか」です。
ご自身の通常の生理のパターンと比較して、色、量、期間、痛みの感じ方などが明らかに違うと感じた場合は、着床出血の可能性も視野に入れることができます。
しかし、これらの特徴だけで100%断定することは難しく、不安な場合は次のステップに進むことが推奨されます。
着床出血はいつ起こる?タイミングについて
着床出血が起こるタイミングは、妊娠を希望している方にとっては非常に気になる情報です。
いつ頃に出血が見られる可能性があるのでしょうか。
性行為から何日後に起こる?
着床出血は、受精卵が子宮内膜に着床する際に起こります。
受精は通常、性行為から数時間以内に起こり、受精卵が子宮に運ばれて着床するまでには約7日~10日かかると言われています。
したがって、着床出血が起こるとすれば、妊娠の可能性のある性行為からおよそ7日~10日後が目安となります。
もちろん、排卵日からの日数で考えると、排卵から約7日~10日後ということになります。
生理予定日の何日前に起こる?
着床は通常、次の生理予定日の1週間前~数日前に起こります。
そのため、着床出血が起こるタイミングは、生理予定日の数日前から生理予定日頃にかけて見られることが多いです。
ちょうど生理が始まる時期と重なるため、「生理がいつもより早く来たのかな?」「いつもの生理とちょっと違うな」と感じて着床出血に気づく方も多いです。
生理予定日を過ぎてから量が多い出血が見られた場合は、生理である可能性が非常に高いと考えられます。
ただし、これらのタイミングはあくまで目安であり、個人差や周期のずれによって前後する可能性も十分にあります。
着床出血以外の妊娠超初期症状
着床出血以外にも、妊娠の超初期(生理予定日頃~生理予定日1週間後頃)には様々な体の変化が現れることがあります。
これらの症状は個人差が大きく、また生理前の症状(PMS)と似ているものも多いため、これだけで妊娠を断定することはできませんが、着床出血と合わせて考慮することで妊娠の可能性を判断する材料となります。
体温の変化
妊娠が成立すると、プロゲステロン(黄体ホルモン)というホルモンの分泌が継続するため、基礎体温の高温期が持続します。
通常、生理が始まる数日前から体温が下がり始めますが、妊娠している場合は生理予定日を過ぎても高温期が続きます。
これは妊娠超初期の重要なサインの一つです。
ただし、基礎体温は体調や測り方によっても変動するため、日々の記録を継続することが大切です。
吐き気や眠気など
いわゆる「つわり」の症状は、妊娠初期から始まることがありますが、早い方では生理予定日頃から吐き気やムカムカ感、胃の不快感などを感じ始めることがあります。
また、ホルモンの影響で強い眠気やだるさを感じる方も多いです。
その他にも、以下のような症状が見られることがあります。
- 胸の張り・痛み
- 匂いに敏感になる
- 味覚の変化
- 頻尿
- 頭痛
- 情緒不安定
これらの症状は、生理前にも見られることがあるため、着床出血や基礎体温の変化など、他のサインと合わせて総合的に判断することが大切です。
着床出血かな?と思ったら
生理とは違う少量の出血があり、「これって着床出血かも?」と思ったら、次にどうすれば良いのでしょうか。
最も確実なのは、妊娠検査薬を使用するか、医療機関を受診することです。
妊娠検査薬を使うタイミング
妊娠検査薬は、尿中のhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンを検出することで妊娠の有無を判定します。
hCGホルモンは受精卵が着床してから分泌が始まるため、フライングで検査しても正確な結果が得られないことがあります。
妊娠検査薬の多くは、生理予定日の1週間後から正確な判定ができるとされています。
これは、hCGホルモンが十分に分泌され、尿中の濃度が高まるまでにそれくらいの期間が必要だからです。
着床出血が見られた時期がもし生理予定日の数日前だとしても、すぐに検査薬を使っても正しい結果が出ない可能性が高いです。
ただし、最近では生理予定日当日から使用できる「早期妊娠検査薬」も販売されています。
これを使用する場合は、製品に記載されている使用方法と判定時期をよく確認してください。
もし、生理予定日を1週間以上過ぎても生理が来ず、妊娠検査薬で陰性だった場合は、ホルモンバランスの乱れなど他の原因が考えられます。
医療機関に相談すべきケース
「着床出血かな?」と思うような出血があった場合でも、自己判断だけで済ませず、以下のような場合は医療機関(産婦人科など)に相談することをおすすめします。
- 出血量が多い場合
- 腹痛が強い場合
- 出血が長く続く場合
- 強い不安がある場合
- 妊娠を強く希望している、または避妊していたが妊娠の可能性がある時期に、通常の生理と違う出血があった場合
特に、妊娠初期の出血の中には、流産のサインである可能性もゼロではありません。
出血の色や量、腹痛の有無に関わらず、不安を感じる場合は遠慮なく医療機関を受診してください。
医師による診察や超音波検査などで、出血の原因を特定し、適切な対応をとることができます。
まとめ
「着床出血 どんな感じ?」という疑問に対して、具体的な症状や生理との違い、起こるタイミングについて解説しました。
着床出血は、妊娠のごく初期に受精卵が子宮内膜に着床する際に起こりうる少量の出血です。
出血の色はピンクや茶色、量はティッシュにつく程度のごく少量、期間は数時間~1~3日程度で終わることが多いのが特徴です。
腹痛を伴う場合もありますが、軽い生理痛のような鈍痛やチクチクとした痛みであることが多い傾向にあります。
性状はサラサラしており、血の塊は見られないことが一般的です。
生理の出血と比較すると、色、量、期間、腹痛、性状に違いが見られますが、個人差が大きいため、これらの特徴だけで確実に判断することは難しいことを理解しておく必要があります。
着床出血が起こるタイミングは、妊娠の可能性のある性行為から約7日~10日後、または生理予定日の数日前から生理予定日頃が多いとされています。
もし、「これって着床出血かな?」と思うような出血や体の変化があった場合は、生理予定日の1週間後を目安に妊娠検査薬を使用するか、不安な場合や出血量が多い、腹痛が強いなどの場合は、早めに医療機関(産婦人科)を受診することをおすすめします。
妊娠初期の出血には様々な原因が考えられます。
自己判断せず、専門家である医師に相談することが、ご自身の体のためにも、もし妊娠していた場合の赤ちゃんのためにも最も確実で安心できる方法です。
【免責事項】
本記事は、着床出血に関する一般的な情報を提供するものであり、医療行為や診断に代わるものではありません。
個別の症状や状況については、必ず医師または専門家にご相談ください。
本記事の情報に基づいて発生したいかなる結果についても、当サイトおよび筆者は一切の責任を負いません。