早漏の原因と治し方|一人で悩まず改善!自宅でできる対策から病院治療まで

早漏とは、本人が望むよりも早く射精してしまう状態を指し、多くの男性が一度は経験する可能性のあるデリケートな悩みです。単に「早く終わってしまう」というだけでなく、それによって自信を失ったり、パートナーとの関係に影響が出たりと、精神的な苦痛を伴うことも少なくありません。しかし、早漏は適切な知識を持ち、必要に応じて医療機関に相談することで改善が期待できる症状です。

この記事では、早漏の医学的な定義や種類、そして様々な原因について詳しく解説します。さらに、ご自宅で今日から始められる改善策から、専門の病院で行われる薬物療法や外用薬による治療法まで、具体的な対策を網羅的にご紹介します。早漏でお悩みの方は、この記事を参考に、一人で抱え込まずに解決への一歩を踏み出してみてください。

早漏とは

早漏は、性行為において、本人が意図するよりも早く射精に至ってしまう状態を指します。これは医学的な定義に基づいて判断されるものであり、単に性行為の時間が短いことだけを意味するものではありません。早漏によって、本人やパートナーが性的な満足感を得られなかったり、精神的な苦痛を感じたりする場合に問題とされます。

早漏は決して珍しい症状ではなく、多くの男性が生涯のうちに一度は悩みを抱える可能性があると言われています。

早漏(早発射、早漏症)は、年齢に関わらず発生する可能性があり、特に若い男性に多く見られることが多いです。引用元

正確な統計は難しいですが、成人男性の数人に一人は早漏の傾向があるとも言われており、多くの人が密かに悩みを抱えているのが現状です。

目次

早漏の定義と種類

早漏は、その発生時期や背景によっていくつかの種類に分類されます。医学的な定義を理解することで、自身の状態を客観的に捉えやすくなります。

早漏の医学的な定義

早漏の医学的な定義は、世界中の性機能障害に関する専門家によって構成される国際性医学会(ISSM:International Society for Sexual Medicine)などによって定められています。主要な診断基準には、以下の3つの要素が含まれます。

  • 射精潜時(IELT:Intravaginal Ejaculatory Latency Time)の短さ: 膣内挿入から射精までの時間が非常に短いこと。一般的に、1分から数分以内が目安とされることが多いですが、厳密な時間だけでなく、本人やパートナーが「早すぎる」と感じるかどうかが重要です。原発性早漏の場合は、通常1分以内と定義されることがあります。

  • 射精をコントロールできない感覚: 射精を遅らせたいと思っても、それを自分の意思でコントロールできない、あるいは非常に困難であるという感覚があること。

  • 精神的な苦痛や対人関係の問題: 早漏であることによって、本人に強い悩みやストレスが生じたり、パートナーとの関係に支障をきたしたりしていること。

これらの要素を総合的に判断し、早漏と診断されます。つまり、たとえ射精までの時間が短くても、本人がコントロールでき、かつ精神的な苦痛がなければ、必ずしも医学的な早漏とはみなされない場合もあります。

早漏の分類(原発性・続発性)

早漏は、その発症時期によって大きく二つに分類されます。

  • 原発性早漏(Lifetime premature ejaculation): 性的に活動的になって以来、常に早漏の傾向があり、初めての性行為から持続的に早漏であるタイプです。このタイプは、生物学的な要因(神経系の感受性の高さなど)が関与している可能性が高いと考えられています。

  • 続発性早漏(Acquired premature ejaculation): 過去には早漏ではなかったのに、何らかの原因をきっかけに後天的に早漏になったタイプです。原因としては、ED(勃起不全)の合併、前立腺炎、ホルモンバランスの変化、精神的なストレスなどが考えられます。

原発性早漏は比較的若い頃から症状が現れることが多い一方、続発性早漏は年齢に関係なく発症する可能性があります。どちらのタイプであるかによって、原因や治療法のアプローチが異なる場合があるため、診断時にはこの分類が重要となります。

早漏を引き起こす原因

早漏の原因は一つではなく、様々な要因が複雑に絡み合っていることが多いです。大きく分けて、身体的な「器質的要因」、精神的な「心因的要因」、そしてその他の要因が考えられます。

器質的要因

身体的な原因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 亀頭の過敏性: 亀頭の感覚神経が生まれつき過敏である場合、わずかな刺激で射精反射が起こりやすくなることがあります。特に原発性早漏の原因として考えられることがあります。

  • セロトニン濃度の異常: 脳内の神経伝達物質であるセロトニンは、射精を抑制する働きに関与しています。セロトニン濃度が低いと、射精のコントロールが難しくなる可能性があります。

  • 前立腺や尿道の炎症: 前立腺炎や尿道炎など、生殖器周辺の炎症が射精に関わる神経を刺激し、早漏を引き起こすことがあります。

  • ホルモンバランスの異常: 甲状腺機能亢進症などのホルモン疾患が影響する可能性も指摘されています。

  • 遺伝的要因: 特定の遺伝子がセロトニンの働きに関与しており、早漏になりやすい体質がある可能性が研究されています。

これらの器質的要因は、自分自身で気づきにくい場合が多く、正確な診断には専門医による診察が必要です。

心因的要因

精神的な原因も早漏の大きな要因となります。特に続発性早漏では、心因的な背景が強く関わっているケースが多いです。

  • 不安や緊張: 性行為に対する過度な不安や緊張(「また早漏してしまうのではないか」「パートナーを満足させられないのではないか」といったプレッシャー)が、交感神経を刺激し、射精を早めてしまうことがあります。新しいパートナーとの性行為や、久しぶりの性行為で特に起こりやすいです。

  • ストレス: 日常生活や仕事での強いストレスは、精神的な余裕を奪い、性的なパフォーマンスに悪影響を及ぼすことがあります。

  • 過去の経験: 過去に早漏で恥ずかしい思いをした経験や、性行為を急がされた経験などがトラウマとなり、無意識のうちに「早く済ませたい」という心理が働くことがあります。

  • パートナーとの関係性: パートナーとのコミュニケーション不足や、性的な不一致なども早漏の原因となることがあります。関係性の改善が症状の緩和につながる場合もあります。

  • うつ病やその他の精神疾患: 精神的な疾患が原因で、早漏の症状が現れることもあります。

心因性の早漏は、原因となっている心理的な問題を解決することで改善が見込める場合があります。必要に応じて、心理カウンセリングなども有効な手段となります。

その他の要因

器質的要因や心因的要因以外にも、早漏に関与する可能性のある要因がいくつかあります。

  • ED(勃起不全)の合併: EDを抱えている男性は、「勃起が維持できなくなる前に射精してしまおう」という無意識の焦りから、早漏になりやすい傾向があります。EDの治療を行うことで、早漏も改善されるケースがあります。

  • 特定の薬の副作用: 一部の向精神薬などが、射精に関する神経に影響を与え、早漏を引き起こすことがあります。

  • 生活習慣: 睡眠不足、偏った食事、運動不足、喫煙、過度な飲酒なども、全身の健康状態に影響し、性機能にも悪影響を与える可能性があります。特に血管の健康は勃起力にも関連するため、間接的に早漏に関与する可能性があります。

早漏の原因は多岐にわたるため、自己判断だけでなく、専門医に相談して自身の早漏の原因を正確に把握することが、適切な対策や治療につながります。

早漏の診断基準と自己チェック

早漏の診断は、医師による問診や診察に基づいて行われます。患者さんからの詳しい症状の聞き取りが最も重要になります。

医師は、以下のような点を確認します。

  • いつ頃から早漏の症状があるか(原発性か続発性か)
  • 性行為の頻度や状況
  • 膣内挿入から射精までの時間(具体的な時間や感覚)
  • 射精をコントロールできる感覚の有無
  • 早漏によって感じる精神的な苦痛(悩み、不安、落ち込みなど)
  • パートナーとの関係性や、早漏が関係性に与えている影響
  • 既往歴や現在服用中の薬
  • 性感染症や前立腺疾患などの可能性

必要に応じて、血液検査(ホルモン値など)や尿検査などが行われることもありますが、多くの場合、患者さんの訴えと問診によって診断が進められます。

自己チェックの目安:

正式な診断は医師に委ねられますが、ご自身で早漏の傾向があるかどうかをチェックする際の目安として、以下の点を振り返ってみてください。

  • 膣内挿入後、ほとんどすぐに(目安として1分以内)射精してしまうことが多いか?
  • 射精を遅らせようと思っても、自分の意思でコントロールできず、焦りを感じるか?
  • 早漏であることに対して、強い悩みやストレスを感じているか?
  • 早漏のために、性行為を避けるようになったり、パートナーとの関係に問題が生じたりしているか?

これらの項目に複数当てはまる場合は、早漏の可能性が高いと言えます。自己チェックはあくまで参考とし、悩んでいる場合は専門医に相談することをお勧めします。

ご自宅でできる早漏の改善策

早漏の悩みを抱えている場合、医療機関を受診する前に、まずはご自宅でできるセルフケアやトレーニングを試してみることも有効です。これらの方法は、射精のコントロール感覚を高めたり、性行為に対する不安を軽減したりするのに役立ちます。

行動療法・トレーニング法

早漏の改善に効果が期待できる行動療法として、主に以下の二つが知られています。これらは、性的な興奮が高まりすぎる前に刺激を中断し、射精反射を意図的に遅らせることを目的としています。

  • ストップ・スタート法:
    1. 性的な刺激を与え、射精したいという強い感覚が高まる直前で刺激を完全に中断します。
    2. 興奮が少し収まるまで待ち(数十秒〜数分)、再び刺激を開始します。
    3. これを何度か繰り返し、射精のコントロール感覚を養います。
    4. 一人で行うことも、パートナーの協力のもと行うことも可能です。

  • スクイズ法:
    1. ストップ・スタート法と同様に、射精したい感覚が強くなった段階で刺激を中断します。
    2. 射精が抑えられるよう、亀頭の先端部(亀頭冠の少し後ろあたり)をパートナーまたはご自身で指で軽く圧迫します(スクイズ)。
    3. 数秒間圧迫し、興奮が収まるのを待ちます。
    4. 圧迫を解除し、再び刺激を開始します。
    5. これも何度か繰り返すことで、射精をコントロールする能力を向上させます。

これらの行動療法は、継続して行うことが重要です。すぐに効果が出なくても諦めずに続けることで、徐々にコントロール感覚を身につけることが期待できます。

また、骨盤底筋トレーニングも有効な場合があります。骨盤底筋は、射精をコントロールする筋肉の一つであり、この筋肉を鍛えることで射精を我慢する力をつけることができると考えられています。肛門を締め付けるように力を入れたり緩めたりを繰り返す運動です。

生活習慣の見直し

心身の健康は性機能にも影響を与えます。以下の生活習慣を見直すことも、早漏の改善につながる可能性があります。

  • 十分な睡眠: 睡眠不足はストレスを増やし、心身のバランスを崩します。質の良い睡眠を確保することは、精神的な安定につながり、早漏の改善に良い影響を与える可能性があります。

  • バランスの取れた食事: 栄養バランスの取れた食事は、全身の健康を保ちます。特に、血管の健康に良いとされる栄養素(ビタミン、ミネラル、オメガ3脂肪酸など)を意識的に摂取することは、性機能全体の向上につながる可能性があります。

  • 適度な運動: 定期的な運動は血行を促進し、ストレス解消にも効果的です。特に有酸素運動は、心血管系の健康を高め、EDの予防・改善にもつながるため、早漏にも間接的に良い影響を与えることが期待されます。

  • ストレスマネジメント: ストレスは心因性の早漏の大きな原因となります。趣味やリラクゼーション、瞑想など、自分に合った方法でストレスを解消する時間を作りましょう。

  • 禁煙・節酒: 喫煙は血管を収縮させ、血行を悪くします。過度な飲酒も神経機能に影響を与える可能性があります。早漏に限らず、性機能全体のために禁煙・節酒を心がけましょう。

ご自宅での対策は、すぐに劇的な効果が現れるわけではないかもしれませんが、継続することで徐々に改善が見られることがあります。また、これらの対策は性機能だけでなく、全身の健康増進にもつながります。

病院で行われる早漏治療

ご自宅での対策だけでは十分な効果が得られない場合や、早漏の悩みが深刻な場合は、専門の医療機関を受診し、医師に相談することをお勧めします。病院では、早漏の原因に応じて様々な治療法が提供されています。

飲み薬による治療(SSRIなど)

薬物療法は、早漏治療の主要な選択肢の一つです。特に有効性が高いとされるのが、特定の神経伝達物質に作用する飲み薬です。

最も一般的に用いられるのは、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と呼ばれる種類の薬剤です。本来はうつ病や不安障害の治療薬として開発されましたが、服用によって射精を遅らせる作用があることが分かっており、早漏治療にも応用されています。

  • 作用機序: SSRIは脳内のセロトニン濃度を高めることで、射精反射に関わる神経の興奮を抑制し、射精までの時間を延長させると考えられています。

  • 主な薬剤: 日本では、早漏治療薬として正式に承認されているSSRIはありませんが、海外で早漏治療薬として承認されているダポキセチン(Dapoxetine)という薬剤があります。ダポキセチンは、性行為の前に服用する即効性のSSRIで、体外への排出が早く、性行為の時だけ使用できるという特徴があります。日本では未承認薬のため、医師の判断のもと個人輸入代行などを介して処方される場合があります。

SSRIによる治療は、医師の診断と処方が必須です。副作用(吐き気、頭痛、めまいなど)が現れる可能性もあるため、必ず医師の指示に従って服用する必要があります。効果の現れ方や副作用の程度には個人差があります。

塗り薬・スプレーによる治療

局所麻酔薬を含む塗り薬やスプレーも、早漏治療に用いられる方法です。これは、亀頭の感覚を一時的に鈍らせることで、過敏な刺激による早期の射精を防ぐことを目的としています。

  • 作用機序: リドカインやプリロカインといった局所麻酔成分が皮膚から吸収され、感覚神経の伝達を一時的にブロックします。これにより、亀頭への刺激に対する感度が低下し、射精までの時間が延長される効果が期待できます。

  • 使用方法: 性行為の数分前(通常5分〜15分程度前、製品による)に亀頭に塗布または噴霧します。効果が現れるまでの時間や持続時間、推奨される使用量などは製品によって異なるため、必ず説明書や医師の指示に従ってください。

  • 注意点: 局所麻酔薬を使用すると、パートナー(特に女性)が接触した場合に、パートナーの性器の感度も低下させてしまう可能性があります。使用後には拭き取る、コンドームを併用するなどの工夫が必要な場合があります。また、成分によってはアレルギー反応を引き起こす可能性もゼロではありません。

市販されているものもありますが、医療機関でより効果の高い処方薬を入手できる場合があります。医師に相談することで、自身の状態に合った外用薬を提案してもらうことができます。

その他の治療法

薬物療法や外用薬以外にも、早漏の原因や状況に応じて、以下のような治療法が検討されることがあります。

  • カウンセリング・心理療法: 心因性の早漏が疑われる場合、精神科医や心理士によるカウンセリングや心理療法が有効です。性行為に関する不安や緊張、トラウマなどを解消し、性的な自信を取り戻すことを目指します。パートナーとのカップルカウンセリングも有効な場合があります。

  • ED治療: EDを合併している場合は、まずEDの治療を優先することが多いです。ED治療薬(バイアグラ、シアリス、レビトラなどのPDE5阻害薬)を使用することで、勃起力が改善され、焦りが軽減されることで早漏も改善されるケースがあります。

  • 物理的な方法: 特定の厚みのあるコンドームを使用することで、亀頭への刺激を軽減し、射精までの時間を延長させる効果が期待できます。手軽に試せる方法の一つです。

これらの治療法は単独で行われることもありますが、複数の方法を組み合わせて行うこともあります。ご自身の早漏の原因と状態を正確に診断してもらい、最適な治療プランを医師と相談しながら進めることが大切です。

早漏治療の値段相場

早漏治療は、多くの場合が健康保険の適用外となり、自由診療となります。そのため、治療にかかる費用は医療機関や選択する治療法、薬剤の種類や量によって大きく異なります。

主な治療法である薬物療法と外用薬について、一般的な値段相場を以下に示します。これはあくまで目安であり、実際の費用は受診する医療機関に直接お問い合わせください。

治療法 薬剤の種類 単位 一般的な値段相場(目安) 補足
飲み薬 ダポキセチン(プリリジーなど、海外承認薬) 1錠 1,500円〜3,000円程度 用量(30mg, 60mgなど)によって変動。国内未承認のため、保険適用外。医師の判断による処方または個人輸入代行。
塗り薬/スプレー リドカイン、プリロカイン含有(医療用) 1本/1個 5,000円〜10,000円程度 製品の種類や容量によって変動。市販薬より成分濃度が高い場合が多い。
塗り薬/スプレー リドカイン含有(市販薬) 1本/1個 2,000円〜5,000円程度 ドラッグストア等で購入可能。医療用よりも成分濃度が低い場合がある。
ED治療薬 シアリスジェネリック(タダラフィル) 1錠 800円〜1,500円程度 EDを合併する場合。早漏治療薬ではないため注意。クリニックや用量(10mg, 20mg)によって変動。

上記の薬剤費に加え、多くの医療機関では初診料や再診料、診察料などがかかります。オンライン診療の場合は、これに配送料が加わることもあります。

費用を抑えるポイント:

  • ジェネリック医薬品: ED治療薬にジェネリックがあるように、海外承認の早漏治療薬にもジェネリックが存在する場合があります。先発薬よりも安価に入手できる可能性があります。

  • オンライン診療: クリニックによっては、対面診療よりもオンライン診療の方が初診料や再診料が無料の場合があり、総額を抑えられることがあります。

  • 定期的な購入: まとめて購入することで、1錠あたりの価格が割安になるプランを提供しているクリニックもあります。

ただし、安さだけで医療機関を選ぶのではなく、医師の信頼性や診療内容を重視することが最も大切です。

早漏治療の専門医・病院の選び方

早漏の悩みを打ち明けるのは勇気がいることかもしれませんが、適切な医療機関を選ぶことで、安心して相談し、治療を受けることができます。

早漏治療を専門的に扱っているのは、主に以下の医療機関です。

  • 泌尿器科: 男性器や尿路の疾患を専門とする科であり、早漏の原因となる器質的な問題や、薬物療法について詳しく相談できます。

  • 男性専門クリニック: EDや早漏など、男性特有の悩みに特化したクリニックです。プライバシーに配慮した診療体制が整っている場合が多く、相談しやすい雰囲気があります。

  • 心療内科・精神科: 心因性の早漏が疑われる場合や、不安・ストレスが強い場合は、これらの科でのカウンセリングや治療が有効な場合があります。

病院選びのポイント:

  • 早漏治療の実績があるか: クリニックのウェブサイトなどで、早漏治療について専門的に扱っているか、実績があるかを確認しましょう。

  • 医師との相性: 医師に話しやすく、丁寧に話を聞いてくれるかどうかが重要です。初めての受診で緊張する場合は、事前に電話などで問い合わせてみるのも良いでしょう。

  • プライバシーへの配慮: 特に男性専門クリニックでは、他の患者さんと顔を合わせにくいように配慮されていたり、個室での診療が行われたりします。安心して相談できる環境を選びましょう。

  • オンライン診療の有無: 忙しい方や、対面での受診に抵抗がある方には、オンライン診療に対応しているクリニックが便利です。自宅や好きな場所から診察を受け、薬を配送してもらうことができます。

  • 治療法の選択肢: 飲み薬、塗り薬、行動療法のアドバイスなど、様々な治療法を提供しているか確認しましょう。一つの方法に偏らず、患者さんの状態に合わせた最適な治療を提案してくれるクリニックが良いでしょう。

  • 料金体系の明確さ: 自由診療のため、費用はクリニックによって異なります。事前に料金体系が明確に示されているか確認し、不安な点があれば遠慮なく質問しましょう。

早漏の悩みは非常にデリケートなものですが、専門医に相談することで、その原因が明らかになり、効果的な治療を受けることができます。一人で抱え込まず、まずは一歩踏み出して相談してみましょう。

早漏に関するよくある質問

早漏について多くの方が疑問に思うことについて、Q&A形式で解説します。

  • Q. そうろうの平均時間は?
    医学的な定義で用いられる射精潜時(IELT:膣内挿入から射精までの時間)の平均は、一般的に5.4分とされています(国際性医学会の報告などに基づきます)。しかし、これはあくまで平均値であり、個人差が非常に大きいものです。重要なのは、何分で射精するかという絶対的な時間だけでなく、ご自身やパートナーが「早すぎる」と感じているか、そしてそれによって精神的な苦痛を感じているかです。医学的な定義では、原発性早漏の場合、1分以内と基準が設けられることもありますが、これに当てはまらない場合でも悩んでいるのであれば、それは早漏のサインである可能性があります。性行為全体の時間(前戯なども含む)とは異なる点に注意が必要です。

  • Q. 早漏とED(勃起不全)は違うものですか?
    はい、異なります。早漏は「射精のタイミングをコントロールできない」状態であるのに対し、EDは「十分な勃起が得られない、または維持できない」状態です。ただし、EDを合併していると、勃起が維持できなくなることへの焦りから早漏になりやすい傾向があります。この場合、ED治療を行うことで早漏も改善されることがあります。

  • Q. 早漏は治療で完全に治りますか?
    早漏は、適切な治療によって改善が期待できる症状です。原因が明確であれば、その原因に対する治療を行うことで完治に近い状態になることもあります。心因性の場合は、ストレスや不安の解消、行動療法などでコントロールできるようになることが目標となります。器質性の場合は、薬物療法などで症状を緩和し、悩みなく性行為ができるようになることを目指します。完全に「治る」というよりは、「コントロールできるようになる」「悩みが軽減される」というイメージの方が近いかもしれません。

  • Q. 早漏治療薬は副作用がありますか?
    飲み薬(SSRI)や塗り薬(局所麻酔薬)には、それぞれ副作用が現れる可能性があります。SSRIでは吐き気、頭痛、めまいなどが比較的起こりやすい副作用として知られています。局所麻酔薬では、塗布した部位の感覚が鈍くなりすぎる、パートナーに影響が出る、まれにアレルギー反応などが起こる可能性があります。いずれも、医師の指示に従って正しく使用し、気になる症状が現れた場合はすぐに医師に相談することが重要です。

  • Q. パートナーに早漏の悩みを打ち明けるべきですか?
    早漏の悩みは、ご自身だけでなくパートナーにも影響する可能性がある問題です。可能であれば、勇気を出してパートナーに正直に悩みを打ち明けてみることをお勧めします。二人の問題として共有し、協力して解決策を探すことで、関係性がより深まることもあります。医療機関を受診する際も、パートナーと一緒に相談に行くことで、医師がより正確な状況を把握しやすくなる場合もあります。ただし、パートナーとの関係性によっては、打ち明けることが難しい場合もあるでしょう。ご自身の気持ちを優先し、無理のない範囲で考えてみてください。

まとめ:早漏の悩みを一人で抱え込まず、専門医へ相談を

早漏は、多くの男性が経験する可能性のある性機能の悩みです。射精までの時間の短さだけでなく、射精をコントロールできない感覚や、それによって生じる精神的な苦痛が重要な要素となります。原因は器質的なもの、心因的なもの、その他の要因など多岐にわたり、複数の要因が複雑に絡み合っていることも少なくありません。

ご自宅でできる改善策として、ストップ・スタート法やスクイズ法といった行動療法、そして生活習慣の見直しは、性行為に対するコントロール感を養い、不安を軽減するのに有効です。これらのセルフケアである程度の改善が見られる場合もあります。

しかし、悩みが深刻な場合や、ご自宅での対策だけでは不十分な場合は、専門の医療機関に相談することを強くお勧めします。病院では、早漏の原因を正確に診断し、飲み薬(SSRIなど)、塗り薬・スプレー、カウンセリング、ED治療など、個々の状態に合わせた最適な治療法を提案してもらえます。早漏治療は多くが自由診療となりますが、オンライン診療などを活用することで、比較的気軽に専門医の診察を受けることも可能です。

早漏の悩みはデリケートな問題ですが、決して一人で抱え込む必要はありません。適切な知識を持ち、勇気を出して専門医に相談することこそが、悩みから解放され、自信を取り戻し、充実した性生活を送るための第一歩となります。まずは一歩踏み出し、専門家を頼ってみてください。

免責事項: 本記事の情報は一般的な知識を提供するものであり、個々の症状や状態に対する医学的な診断や治療方針を示すものではありません。早漏でお悩みの方は、必ず専門の医療機関を受診し、医師の診断と指導を受けてください。自己判断での治療や市販薬の使用にはリスクが伴う場合があります。

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