妊娠中は体の変化が多く、「これって大丈夫かな?」と不安になることもありますよね。特に「破水」については、「気づかないこともあるって聞くけど、もし見落としたらどうしよう…」と心配になる方もいらっしゃるでしょう。
破水は、赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れて、中の羊水が流れ出てくる状態です。多くの場合、ドッと大量の羊水が流れ出たり、陣痛と一緒に起こったりするため分かりやすいのですが、中には自分では破水だと気づきにくいケースもあります。それが「高位破水(こういはすい)」です。
この高位破水は、子宮口から離れた卵膜の高い位置で少量だけ破れるため、破水だと認識しにくいことがあります。おりものや尿漏れと勘違いしてしまうことも少なくありません。「もしかしたら破水かも?」という不安を抱えながらも、どう判断したら良いか分からないと感じている妊婦さんもいらっしゃるかもしれません。
この記事では、破水に気づきにくい「高位破水」の見分け方や、おりもの・尿漏れとの違い、気づかずに放置した場合の危険性、そして「破水かな?」と思ったときの適切な対処法について、詳しく解説します。この記事を読んで、破水に関する不安を少しでも解消し、もしもの時に慌てず行動できるよう備えましょう。
医師監修の記事で、正確な情報をお届けします。
破水に気づきにくいケース「高位破水」とは
破水とは、赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れて、お腹の中の羊水が流れ出てくる状態のことです。通常、陣痛が強くなってきた時に起こることが多いですが、陣痛が始まる前に破水することもあり、これを「前期破水」と呼びます。
前期破水の中でも、特に気づきにくいとされるのが「高位破水」です。高位破水は子宮口から離れた部位で卵膜が破れ、羊水が少ない量で流出する状態を指し、子宮口より高い位置で卵膜が破れ、羊水が少量ずつ持続的に流出する状態です。通常の前期破水は、子宮口に近い位置の卵膜が破れるため、多量の羊水がドッと流れ出やすく、分かりやすいことが多いです。しかし、高位破水は、子宮口から離れた、比較的高い位置にある卵膜が小さく破れることで起こります。
高位破水がなぜ気づきにくい?
高位破水が自分では気づきにくい主な理由は、破れる場所と破れ方、そして流れ出る羊水の量や性質にあります。
羊水の量や性質による違い
高位破水の場合、破れた穴が小さいため、羊水が一気に大量に流れ出るのではなく、少量ずつ、あるいはチョロチョロと間欠的に流れ出ることが多いのが特徴です。例えるなら、風船に小さな穴が開いて、中の水が少しずつ漏れ出るようなイメージです。
また、羊水の色は通常、無色透明か、わずかに黄色みがかった色をしています。時には薄いピンク色に見えることもあります。このような見た目のため、特に量が少ない場合は、単なるおりものが増えたのかな、水っぽいおりものかな、と思ってしまいやすいのです。下着が少し湿る程度だったり、立ち上がったり体勢を変えたりした時に少しだけ漏れるだけだったりすると、「破水かも」とは考えにくいかもしれません。
感覚は尿漏れやおりものと似ている?
高位破水で少量ずつ羊水が流れ出る際の感覚は、尿漏れや水っぽいおりものの感覚と非常に似ています。チョロチョロと少量であるため尿漏れと勘違いしやすいという点が高位破水の気づきにくさにつながっています。
- 尿漏れとの類似点:
咳やくしゃみをした時、笑った時、立ち上がった時など、お腹に力がかかった時に「チョロっと」尿が漏れてしまうことがあります。これを腹圧性尿失禁といいます。高位破水も、同じように腹圧がかかった際に少量漏れやすい性質があるため、この「チョロっと出る感覚」が尿漏れとそっくりで、区別がつきにくいと感じる妊婦さんが多いのです。 - おりものとの類似点:
妊娠後期になると、ホルモンバランスの変化などにより、おりものの量が増えたり、普段より水っぽくなったりすることがよくあります。高位破水で少量ずつ漏れ出る羊水は、サラサラとした水っぽい性状であるため、「いつもより水っぽいおりものが多いな」「なんか下着が湿っぽい感じがするな」という感覚が、高位破水によるものと非常に似ており、間違えやすいのです。
このように、流出量が少量であること、色が無色透明~薄い黄色であること、そして感覚が尿漏れやおりものと似ていることから、高位破水は自分では破水だと気づきにくく、「もしかしたら…?」「でも気のせいかも」と判断に迷ってしまうことが多いのです。
破水かどうかわからない?見分け方チェックポイント
「水っぽいものが少量出たけど、これって尿?おりもの?それとも破水?」と判断に迷った時は、いくつかチェックすべきポイントがあります。ただし、あくまで目安であり、最終的な判断は医療機関で行う必要があります。
おりもの・尿漏れ・破水の違いを判断する
漏れ出た液体の「色」「におい」「性状(サラサラしているか、粘りがあるかなど)」を注意深く観察することで、ある程度の区別をつけることができます。
色、におい、性状の違い
それぞれの特徴を比較してみましょう。
項目 | おりもの | 尿漏れ | 破水 |
---|---|---|---|
色 | 白っぽい、クリーム色、黄色、透明など様々。妊娠後期は量が増えたり水っぽくなったりしやすい。 | 薄い黄色~濃い黄色。 | 基本的に無色透明~薄い黄色。まれに薄いピンク色や、胎脂(赤ちゃんを覆う白いカス)が混ざって白濁していることも。 |
におい | 無臭、または少し酸っぱいような、または独特の匂い。細菌性膣症などの場合は魚のような生臭い匂いをすることもある。 | アンモニア臭。 | 生臭い(精液や消毒液、プールの水のような)におい。無臭のこともあります。 |
性状 | 粘りがある、ドロッとしている、サラサラしているなど様々。 | サラサラの液体。 | 基本的にサラサラの液体。無臭または生臭い液体がコントロールできずに漏れ続ける特徴があります。量が少ないと気づきにくい。粘り気はありません。 |
漏れ方 | 下着につく程度。妊娠後期は量が増えやすい。 | 咳、くしゃみ、重い物を持つ、立ち上がるなどの腹圧がかかった時に少量漏れることが多い(腹圧性尿失禁)。持続的に漏れることも。 | 少量ずつチョロチョロと続く、またはドッと一度に出ることも。自分の意志とは関係なく漏れ出ます。体を動かしたり、体勢を変えたりすると量が増えることもあります。 |
特に、アンモニア臭がしないのに、サラサラした液体が少量ずつ漏れてくる場合は、破水の可能性を疑う重要なサインとなります。また、下着が濡れるだけでなく、ナプキンやパッドが継続的に湿る場合も注意が必要です。
「水っぽいおりもの」が続く場合は要注意
「なんだか今日はずっと水っぽいおりものが多いな」「下着が湿っぽい感じが続く」「少量ずつチョロチョロ漏れる感じがするけど、尿漏れではなさそう」と感じる場合は、特に注意が必要です。このような「水っぽいおりものが続く」状態は、高位破水で羊水が少量ずつ漏れ出ている可能性が高いからです。
特に、以下のような場合は破水を強く疑い、すぐに産院へ連絡しましょう。
- サラサラした液体が、自分の意志とは関係なく少量ずつ持続的に漏れる
- 漏れ出た液体に、アンモニア臭がない(または生臭い匂いがする)
- 体を動かしたり、横になった後に立ち上がったりすると、さらに漏れる量が増える
- 色のついたおりものではなく、無色透明~薄い黄色のサラサラした液体である
- 妊娠後期に入っている
自分で破水かどうかを確認する方法は?
自分で破水かどうかを確実に診断することは非常に難しいです。前述の色、におい、性状のチェックはあくまで目安であり、自己判断は危険を伴います。
破水診断キットについて
市販されている破水診断キットや、病院で使用される検査薬(BTB試験紙など)は、膣内のpHを測定することで破水の可能性を判定するものです。羊水はアルカリ性であるため、キットがアルカリ性に反応すれば破水の可能性が高いと判断できます。
しかし、これらのキットも万能ではありません。おりものやその他の分泌物、血液などが混じると正確な判定ができなかったり、高位破水で漏れる羊水の量が非常に少ない場合は反応しにくいこともあります。また、市販のキットはあくまで「破水の可能性をチェックする」ためのものであり、医学的な診断を下すものではありません。
自己判断はせず病院へ相談
最も重要かつ確実なのは、「破水かもしれない」あるいは「なんだかおかしいな、いつもと違うな」と感じたら、自己判断せずに必ずかかりつけの産院にすぐに連絡することです。適切な対処法や医師の診断が必要です。
産院では、内診や超音波検査、そして破水診断用の検査薬(BTB試験紙、アムニテストなど)を用いて、破水しているかどうかを正確に診断します。これらの医療機関での検査は、自己チェックよりもはるかに精度が高く、迅速な対応につながります。破水の場合は早期発見が不可欠です。
たとえ「気のせいかもしれない」「大したことないかも」と思っても、少しでも不安を感じたり、判断に迷ったりした場合は、ためらわずに産院に相談しましょう。医師や助産師は、妊婦さんの小さな変化や不安の声に耳を傾け、必要な検査を行います。
破水に気づかないまま放置する危険性
「少量だし、気のせいかな」「様子を見てみよう」と、破水に気づかないまま、あるいは気づいていても放置してしまうと、母体と赤ちゃんにとって非常に危険な状況を招く可能性があります。破水、特に高位破水であっても、卵膜が破れた状態であることには変わりありません。
気づかず放置すると起こりうるリスク
卵膜は、お腹の中の赤ちゃんを外界の細菌から守るバリアの役割をしています。このバリアが破れると、膣から細菌が子宮内に侵入しやすくなり、感染症のリスクが飛躍的に高まります。気づかないまま放置すると感染症リスクが高まります。
感染症のリスク
破水を放置することで最も懸念されるのが感染症です。
- 母体への感染:
細菌が子宮内に侵入すると、絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)と呼ばれる子宮内感染を引き起こす可能性があります。放置すると絨毛膜羊膜炎など母子感染リスクが上昇します。これは母体に発熱、悪寒、お腹の張りや痛み、さらには脈拍や呼吸の増加などの症状を引き起こします。重症化すると、母体が敗血症(全身に細菌が回り、命に関わる状態)に陥ることもあります。 - 赤ちゃんへの感染:
子宮内感染は、お腹の中の赤ちゃんにも及びます。赤ちゃんが感染すると、胎児機能不全(心拍の異常など)、さらには出生後に肺炎、髄膜炎、敗血症などの重篤な感染症を引き起こすリスクが高まります。
感染症が進行すると、さらに卵膜がもろくなり、破水が悪化したり、陣痛が誘発されたりする悪循環に陥る可能性もあります。
早産や流産につながる可能性
感染症による子宮内環境の悪化や、破水による羊水量の減少は、子宮を刺激し、陣痛を引き起こす原因となります。これにより、予定日よりも早く赤ちゃんが生まれてしまう「早産」につながるリスクが高まります。放置すると早産や胎児機能不全の原因となる可能性があります。
特に、妊娠初期や中期(妊娠22週未満)での破水(切迫流産や流産)は、お腹の中の環境を維持することが難しくなり、流産につながる非常に高いリスクを伴います。
妊娠22週から37週未満の早産期での破水(前期破水)の場合も、感染リスクが高まるため、妊娠を継続することが難しくなり、早産を避けることができない場合があります。週数によっては、赤ちゃんが十分に成熟していない状態で生まれることになり、新生児医療が必要になる可能性が高まります。
羊水が減ることによる赤ちゃんへの影響
羊水は、お腹の中の赤ちゃんが健やかに成長するために非常に重要な役割を果たしています。
- 赤ちゃんが子宮内で自由に動き回るスペースを確保する
- 外部からの衝撃から赤ちゃんを保護する
- 羊水を飲むことで赤ちゃんの消化管が発達し、羊水を肺に出し入れすることで肺が成熟する
- 体温を一定に保つ
破水によって羊水が流れ出ると、羊水量が減少します(羊水過少)。羊水過少が続くと、赤ちゃんの発育に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。
- 胎児発育不全: 羊水が減ると赤ちゃんが十分に体を動かせなくなり、手足や関節が固まってしまう(関節拘縮)などの変形が生じることがあります。
- 肺低形成: 羊水を吸い込む運動(胎児呼吸様運動)によって肺が発達するため、羊水が少ないと肺が十分に成熟せず、生まれてから呼吸障害を起こすリスクが高まります。
- 臍帯圧迫: 羊水が減ると、へその緒が赤ちゃん自身の体や子宮壁に挟まれやすくなります。臍帯(へその緒)は赤ちゃんに酸素や栄養を送る生命線ですので、圧迫されると赤ちゃんに酸素が行き届かなくなり、大変危険な状態になることがあります。
このように、破水に気づかず放置することは、母体と赤ちゃんの両方にとって、感染症や早産、胎児の発育障害など、多くの深刻なリスクを高めることにつながります。「少量だから大丈夫だろう」「気のせいだろう」と軽く考えず、異変を感じたらすぐに医療機関に相談することが、これらのリスクを避けるために最も重要です。
破水に気づいた(疑いがある)場合の対処法
もし「破水かな?」と思ったり、前述のような破水を疑うサインに気づいたりした場合、どのように行動すれば良いのでしょうか。何よりも大切なのは、落ち着いて、迅速に医療機関に連絡することです。
まずは落ち着いて病院(産院)へ連絡
破水かもしれないと思った時、不安や焦りを感じるのは当然のことです。しかし、まずは深呼吸をして落ち着きましょう。そして、迷わずすぐにかかりつけの産院に電話で連絡してください。夜間や休日であっても、救急外来や時間外対応の窓口に必ず誰かがいますので、ためらわずに連絡することが大切です。
電話では、以下の情報を正確に伝えましょう。
- 氏名と診察券番号
- 現在の妊娠週数
- 現在の状況:
- いつから、どのような液体が、どのくらいの量出ているか(「〇時間前からチョロチョロ」「急にドッと」「下着が継続的に湿る」など具体的に)
- 漏れ出た液体の色、におい、性状(サラサラしているか、粘りがあるか、透明か色がついているか、アンモニア臭か生臭いかなど)
- お腹の張りや痛みがあるか
- 出血の有無
- 胎動は感じられるか
- 現在の体温
- 今の体調:他に何か気になる症状があるか
電話で状況を伝えると、助産師さんや看護師さん、あるいは医師から、今後の指示があります。指示に従って、慌てずに対応しましょう。「すぐに来院してください」「自宅で様子を見てください」「準備をして待機してください」など、状況に応じた指示があるはずです。自己判断で「大丈夫だろう」と様子を見たり、受診を遅らせたりすることは絶対に避けてください。
病院に行くまでに注意すること
病院から来院を指示された場合は、準備をして向かうことになりますが、それまでの間にいくつか注意すべき点があります。これらも適切な対処法の一部です。
- 清潔を保つ:
卵膜が破れているため、細菌が入り込みやすい状態です。感染を防ぐために、以下のような点に注意しましょう。- 入浴は絶対に避けてください。浴槽のお湯から細菌が入るリスクがあります。
- シャワーについても、基本的には避けるのが望ましいですが、病院から許可が出た場合は指示に従ってください。
- 性交渉は絶対に避けてください。
- 清潔なナプキンや大きめの生理用パッド(多い日用や夜用など)を下着に当てて、漏れ出る羊水を受け止めましょう。ティッシュペーパーやトイレットペーパーで代用するのは衛生上避けてください。ナプキンをこまめに交換することも大切です。
- 安静にする:
できるだけ横になって過ごしましょう。無理な動きや立ち仕事は避け、体への負担を減らすように努めます。安静にすることで、羊水の流出が少し落ち着くこともありますが、破水が止まったわけではありません。 - 水分補給:
破水によって羊水が流れ出ることで、体内の水分バランスが崩れることがあります。脱水症状を起こさないように、意識的に水分を補給しましょう。 - 荷物の準備:
入院になる可能性も考慮して、出産準備入院セットなどを確認し、必要なものを持っていく準備をしておくと安心です。
これらの注意点は、病院へ向かうまでの短時間であっても、感染リスクを最小限に抑え、母体と赤ちゃんの安全を守るために非常に重要です。必ず守るようにしましょう。
破水に関するよくある質問
破水に関して、妊婦さんからよく聞かれる質問にお答えします。
高位破水は一度で止まることはある?
いいえ、卵膜の破れは自然に塞がることはないため、一度破水したら完全に止まることはありません。
ただし、高位破水で破れた穴が非常に小さい場合や、赤ちゃんの頭や体の位置によって一時的に穴が塞がれたような状態になる場合は、羊水の漏れが一時的に止まったり、量が減ったりして、「止まったかな?」と感じることがあります。
しかし、これはあくまで一時的なものであり、卵膜が破れている状態であることには変わりありません。再び体を動かしたり、体勢が変わったりすると、また少量ずつ漏れ始めることがほとんどです。
「止まったように見える」場合でも、破水であることには変わりなく、感染リスクなどは続いています。そのため、「止まったから大丈夫」と自己判断せず、少しでも破水を疑う場合は必ず医療機関を受診することが重要です。
破水から出産までにかかる時間は?
破水から出産までにかかる時間は、個人の状況によって大きく異なります。一概に「〇時間で生まれる」とは言えません。
- 正期産(妊娠37週0日~41週6日)での破水の場合:
正期産での破水は、出産が近いサインであることが多く、破水後、感染予防のために抗生剤を使用しながら様子を見たり、陣痛促進剤を使ったりして、一般的には24時間以内に出産に至ることが多いとされています。破水によって陣痛が自然に始まることもあります。 - 早期破水(妊娠22週0日~36週6日)の場合:
早産期での破水(前期破水)は、感染リスクが高く、また赤ちゃんが十分に成熟していないため、可能な限り妊娠を継続することが望ましい状況です。この場合、即座に出産となるわけではなく、感染に厳重に注意しながら、管理入院して安静に過ごし、赤ちゃんが少しでも長くお腹の中で成長できるように努めます。週数や母体・胎児の状態によって管理方針は異なり、数日~数週間、場合によってはそれ以上妊娠を継続できることもあります。しかし、感染が進んだり、陣痛が始まってしまったりした場合は、やむを得ず出産となることもあります。
このように、破水したらすぐに生まれるとは限りませんが、破水した状態は感染のリスクを伴うため、速やかに医療機関の管理下に入る必要があります。破水の種類や状況、妊娠週数に応じて、医師が最も適切な対応を判断します。
破水か不安な時は迷わず専門家へ相談を
妊娠中の「破水かも?」という不安は、誰にでも起こりうることです。特に高位破水のように、少量ずつしか漏れず、おりものや尿漏れと区別がつきにくい場合は、「気のせいかな?」「大したことないだろう」と考えてしまいがちです。
しかし、この記事で解説した通り、破水を放置することは、母体と赤ちゃんにとって感染症や早産、胎児の発育障害など、多くの深刻なリスクを高めることにつながります。
「もしかしたら…?」と少しでも破水を疑うサインがある場合、あるいは「なんだかいつもと違う」と感じて不安な場合は、決して自己判断せず、迷わずにかかりつけの産院に電話で連絡し、相談してください。破水の場合は早期発見が不可欠です。
医療機関では、正確な診断のための検査を受けることができます。たとえ検査の結果、破水ではなかったとしても、心配して受診したことを責められることはありません。妊婦さんの不安を取り除くことも、医療者の大切な役割です。
母体と赤ちゃんの安全を守るために最も重要なことは、不安な気持ちを抱え込まず、すぐに専門家(医師や助産師)に相談し、適切な対処法や医師の診断を仰ぐことです。遠慮せずに、ためらわずに、いつでも産院に連絡しましょう。
この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、必ず医療機関で直接ご相談ください。