手足口病 喉の痛みの症状と期間、つらい時の対処法を解説【大人・赤ちゃん】

目次

手足口病の喉の痛み:症状・期間・和らげる方法【大人・赤ちゃん】

手足口病の流行時期になると、「喉が痛い」という症状に悩まされる方は少なくありません。
手足口病といえば、手や足、口にできるCharacteristicな発疹を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、実は喉の痛みも手足口病の代表的な症状の一つであり、特に食事が摂りにくくなるなど、日常生活に大きな影響を与えることがあります。

この記事では、手足口病による喉の痛みに焦点を当て、その症状、痛む期間、痛みを和らげるための食事や自宅での対処法、そして病院を受診すべき目安について詳しく解説します。
大人や赤ちゃんの手足口病における喉の症状についても触れますので、ご自身やご家族が手足口病にかかった際の参考にしてください。
つらい喉の痛みを乗り越えるためのヒントがきっと見つかるはずです。

手足口病とは?

手足口病は、エンテロウイルス属のウイルスによって引き起こされる感染症です。
主に夏に流行し、乳幼児や子どもを中心に感染が広がりますが、大人も感染することがあります。

原因となるウイルスにはいくつかの種類があり、代表的なものとしてはコクサッキーウイルスA群(A16型など)やエンテロウイルス71型などがあります。
一度感染しても、原因となるウイルスの種類が異なれば再びかかる可能性があります。

主な感染経路は、患者の咳やくしゃみによる「飛沫感染」、水ぶくれやかさぶたの中のウイルスによる「接触感染」、そして便の中に排泄されたウイルスによる「糞口感染」です。
保育園や幼稚園、学校など集団生活の場での感染が広がりやすい傾向があります。

感染から発症までの潜伏期間は3~5日程度で、発熱、食欲不振、倦怠感などの全身症状に続いて、Characteristicな発疹が現れます。
この発疹は手、足の裏や甲、口の中にでき、特に口の中や喉の奥にできたものが、この記事のテーマである「喉の痛み」の主な原因となります。

手足口病による喉の症状

手足口病にかかると、多くのケースで口の中や喉にCharacteristicな症状が現れます。
これが強い喉の痛みを引き起こし、患者を非常に苦しめることがあります。

どのような症状が出る?(発疹、水ぶくれ、潰瘍)

手足口病による喉の症状は、主に口の中や喉の粘膜にできる「発疹」や「水ぶくれ」、そしてそれが破れてできる「潰瘍(かいよう)」です。

喉の奥、舌、歯茎、頬の内側、唇の裏側など、口の中のあらゆる場所にできます。
最初は赤い小さな発疹ですが、やがて数ミリ程度の水ぶくれになります。
見た目は白っぽいか、やや黄色がかった色をしています。
これらの水ぶくれは非常にデリケートで、少しの刺激でも痛みを感じやすい性質があります。

できた水ぶくれは、食事や飲み物を摂取する際の摩擦、あるいは自然に破れて「潰瘍」になります。
潰瘍は粘膜が傷ついた状態であり、表面が剥がれて赤くえぐれたようになります。
この潰瘍こそが、手足口病の喉の痛みの最大の原因です。
食べ物や飲み物が触れるたびに、傷口にしみるような強い痛みが生じます。
特に酸味のあるもの、塩辛いもの、熱いもの、冷たいものなどが触れると、痛みが一層増強します。

潰瘍は一つだけでなく、口の中や喉に複数できることが多く、広範囲に及ぶこともあります。
見た目にも痛々しく、見ている側もつらさを感じるほどです。

飲食物の摂取への影響

手足口病による喉の痛みは、飲食物の摂取を非常に困難にします。
特に、口の中や喉にたくさんの潰瘍ができている場合、食べ物や飲み物を飲み込む際に激しい痛みが伴うため、食欲があっても物理的に食べたり飲んだりすることが難しくなります。

これにより、以下のような問題が生じる可能性があります。

  • 食事量の減少: 痛みで思うように食事ができず、栄養不足になる可能性があります。特に成長期の子どもにとっては、十分な栄養摂取が重要です。
  • 水分摂取量の減少: 飲み物も痛みで飲めなくなることがあるため、脱水症状を起こすリスクが高まります。手足口病で注意すべき合併症の一つに脱水があり、特に乳幼児は脱水を起こしやすいため、水分補給が非常に重要です。
  • 体力・免疫力の低下: 食事や水分が十分に摂れないことで体力が低下し、病気の回復が遅れたり、他の感染症にかかりやすくなったりする可能性があります。

手足口病で喉が痛い場合、食事や水分補給は単に空腹を満たすだけでなく、病気を治すための重要なステップとなります。
痛みを少しでも和らげ、いかにして必要な栄養と水分を摂るかが、回復のカギとなります。

手足口病の喉の痛みはいつまで続く?

手足口病の喉の痛みは、発疹や水ぶくれができてから、それらが潰瘍となり、最終的に治癒するまでの過程で変化します。
痛みの強さや続く期間は個人差がありますが、一般的な経過を知っておくことで、回復の見通しを持つことができます。

一般的な痛みの期間

手足口病の喉の痛みは、発疹や水ぶくれが出現した直後から始まり、水ぶくれが破れて潰瘍になった時に痛みのピークを迎えることが多いです。

発症初期(発疹・水ぶくれ)は、すでに喉の奥に違和感や軽い痛みを感じ始めることがあります。
水ぶくれができると、食べ物や飲み物が触れた際にチクチク、ヒリヒリとした痛みが生じやすくなります。

痛みのピーク(潰瘍形成期)は、水ぶくれが破れて潰瘍になると、痛みが最も強くなります。
これは一般的に発症後2~3日目頃に起こることが多いです。
この時期は、ものを飲み込むのが非常に困難になり、食事や水分補給が最もつらく感じる時期です。
痛みのピークは数日間続きます。

回復期(治癒に向かう)は、潰瘍ができた後は、徐々に痛みが和らいでいきます。
通常、発症から1週間から10日程度で、口の中や喉の潰瘍は自然に治癒し、それに伴って喉の痛みも軽快していきます。
痛みのピークを過ぎれば、少しずつでも食事が摂れるようになることが多いです。

したがって、手足口病による喉の痛みの最もつらい時期は、一般的に発症後2~5日程度と考えられます。
痛みが完全に消失するまでには、1週間から10日程度かかるのが一般的です。

長引く場合の注意点

ほとんどの場合、手足口病の喉の痛みは1週間から10日程度で自然に軽快します。
しかし、まれに痛みが長引いたり、他の症状が出現したりする場合があります。
このような場合は注意が必要です。

痛みが10日以上続く、または悪化する場合、通常よりも明らかに長く痛みが続いたり、一度軽快した痛みが再び強くなったりする場合は、合併症や他の疾患の可能性も考慮する必要があります。
高熱が続く、または再び上がる場合、手足口病の初期には発熱が見られることがありますが、通常は数日で解熱します。
高熱が続いたり、一度解熱した後に再び38℃以上の高熱が出たりする場合は、注意が必要です。

水分が全く取れない場合、痛みが強すぎて水分が全く摂れず、脱水症状(尿量の減少、唇や皮膚の乾燥、ぐったりしているなど)が見られる場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。
特に乳幼児は脱水を起こしやすいので、注意深い観察が必要です。

頭痛、嘔吐、首の硬さがある場合、手足口病の合併症として、髄膜炎や脳炎などの中枢神経系の疾患が起こることがごくまれにあります。
強い頭痛、繰り返す嘔吐、首が硬くなる(項部硬直)、光を嫌がる、異常な眠気、けいれんなどの症状が見られた場合は、重症化のサインである可能性があるため、直ちに救急医療機関を受診してください。
手足の発疹以外の症状が重い場合、喉の痛みだけでなく、全身の倦怠感が強い、ぐったりしているなど、全身状態が悪い場合も受診を検討すべきです。

痛みが長引く場合や、上記のような症状が見られる場合は、自己判断せず必ず医療機関を受診し、医師の診察を受けるようにしましょう。

喉の痛みを和らげる食事の工夫

手足口病で喉が痛いとき、最もつらいのが食事です。
しかし、体力を維持し、回復を早めるためには、栄養と水分をしっかり摂ることが重要です。
痛みを和らげながら食事ができるよう、いくつかの工夫をしてみましょう。

避けるべき食品

口の中や喉にできた潰瘍に刺激を与えないよう、以下の食品は避けるようにしましょう。

  • 熱すぎる・冷たすぎるもの: 温度差が刺激になり、痛みが増すことがあります。特に熱いものは粘膜を傷つけやすいので避けましょう。キンキンに冷えたものも、痛みが強い場合は避けた方が良いことがあります。
  • 辛いもの、酸っぱいもの: 香辛料や酸味は、潰瘍に直接的な刺激を与え、強い痛みを引き起こします。カレー、唐辛子の入った料理、酢の物、柑橘系のジュース(オレンジジュース、レモンジュースなど)は絶対に避けましょう。
  • 塩辛いもの: 塩分も傷口にしみるため、漬物、塩鮭、濃い味付けのスープなどは痛みを強くします。
  • 硬いもの、パサつくもの: ポテトチップス、せんべい、クッキー、パンの耳など、口の中でこすれたり、パサついて水分を奪ったりするものは、粘膜を刺激し痛みの原因になります。
  • 固形物全般: 痛みが非常に強い場合は、固形の食べ物を飲み込むのが困難になります。この場合は、後述する喉ごしの良いものに切り替えましょう。

これらの食品を避けるだけでも、食事時の痛みをかなり軽減できます。

おすすめの食品と水分補給

痛みが強い時期でも比較的食べやすく、栄養や水分を補給できるおすすめの食品や飲み物があります。

おすすめの食品:

喉ごしの良いものとしては、ゼリー、プリン、ヨーグルト(無糖または低糖)、茶碗蒸し、豆腐(冷奴や湯豆腐を人肌で)、柔らかく煮込んだお粥やうどん(具なし、薄味)、ポタージュスープ(熱すぎないもの)、アイスクリームやシャーベット(痛みが強い場合は冷たすぎないものを少量から)などがあります。

痛みが和らいできたら、徐々に栄養価の高いものを加えていきましょう。
柔らかく煮た野菜、鶏ひき肉を使ったあんかけなど、消化が良く喉に引っかかりにくいものが良いです。
卵豆腐や温泉卵も栄養が豊富です。

水分補給:

食事以上に重要なのが水分補給です。
脱水を防ぐために、こまめに水分を摂らせることが大切です。
刺激の少ない飲み物としては、水、麦茶、OS-1などの経口補水液がおすすめです。
経口補水液は電解質も補給できるため、脱水予防に非常に有効です。
温度は常温か、少し冷たい程度が飲みやすいことが多いです。
痛みが強い場合は、凍らせたイオン飲料などを少量ずつ舐めるのも良いでしょう。
炭酸飲料、酸味の強いジュース(オレンジ、りんご、グレープフルーツなど)、熱いお茶やスープは避けましょう。

痛みの程度に合わせて、食事や水分補給の方法を調整することが重要です。
全く何も食べられない・飲めないという場合は、すぐに医療機関を受診してください。

喉の痛みが強い時の食事・水分補給のポイント

ポイント おすすめ 避けるべき 備考
温度 常温、人肌、少し冷たい程度(アイスは少量から) 熱すぎるもの、キンキンに冷たいもの 痛みの感じ方には個人差があります。
味付け・刺激 薄味、甘すぎないもの 辛い、酸っぱい、塩辛いもの 香辛料や柑橘系の果汁は強い刺激になります。
形状・喉ごし ゼリー、プリン、ヨーグルト、茶碗蒸し、豆腐 硬いもの、パサつくもの、口の中に残るもの お粥やうどんは柔らかく煮て、具は避けるか細かくする。
水分補給 水、麦茶、経口補水液 炭酸飲料、酸味の強いジュース 一度にたくさんではなく、少量ずつ頻繁に。
その他 アイスクリーム、シャーベット(少量から) 固形物全般(痛みが非常に強い場合) 脱水予防が最重要。

無理強いはせず、食べられるもの、飲めるものを少量ずつでも良いので根気強く与えることが大切です。

手足口病 喉の痛みの自宅での対処法

手足口病による喉の痛みに対して、自宅でできるケアにはどのようなものがあるでしょうか。
痛みを直接的に治す治療法はありませんが、症状を和らげ、快適に過ごせるようにするための工夫はいくつかあります。

薬を使わないケア

痛み止めなどの薬に頼らず、自宅でできるケアをご紹介します。

安静にして体力を消耗しないよう、十分に休息をとりましょう。
体がだるい、熱があるなどの症状がある場合は、無理をせず横になることが大切です。
安静にすることで、体の回復力が高まります。
部屋の湿度を保つことも重要です。
空気が乾燥していると、喉の粘膜も乾燥し、痛みが悪化することがあります。
加湿器を使ったり、濡れタオルを干したりして、部屋の湿度を適切(50~60%程度)に保ちましょう。

刺激の少ないうがいも有効です。
うがいは口の中を清潔に保ち、痛みを和らげる効果が期待できます。
ただし、市販のうがい薬は刺激が強い場合があるため、ぬるま湯や生理食塩水(水1リットルに塩9グラムを溶かしたもの)、あるいは薄めた重曹水(水100mlに重曹小さじ1/2程度)など、刺激の少ないものを使用しましょう。
痛みが強すぎてうがいが難しい場合は、無理に行う必要はありません。
小さなお子さんの場合は、うがいの代わりに口の中を湿らせる程度でも良いでしょう。

痛みが強い場合、冷たい飲み物や食べ物で冷やすことも一時的に痛みを和らげる効果があります。
アイスクリームやシャーベット、冷たい飲み物(刺激の少ないもの)を少量ずつ口に含むことで、一時的に痛みが和らぐことがあります。
ただし、冷たすぎるものは逆効果になることもあるため、様子を見ながら行いましょう。

子どもの場合は、痛みを紛らわすことも有効です。
好きな絵本を読んだり、静かな遊びをしたりして、痛みに意識が向きすぎないようにするのも一つの方法です。
大人の場合も、無理のない範囲で好きな音楽を聴くなどしてリラックスを心がけましょう。

これらのケアは、痛みを根本的に治すものではありませんが、つらい症状を和らげ、少しでも楽に過ごすために役立ちます。

市販薬の使用について(医師への相談前提)

手足口病には、原因ウイルスに直接効く特効薬はありません。
治療は、痛みや発熱などの症状を和らげるための対症療法が中心となります。

喉の痛みに対して、市販の痛み止め(解熱鎮痛剤)の使用を検討することがあるかもしれません。
ただし、市販薬を使用する前に、必ず医師や薬剤師に相談するようにしてください。
特に、小さなお子さんに使用する場合は、適切な薬の種類、用量、使い方について専門家の指示を仰ぐことが非常に重要です。
一般的に、手足口病で喉の痛みに使用される可能性のある痛み止めとしては、アセトアミノフェンなどがあります。
これらは、発熱や痛みを和らげる効果が期待できます。
しかし、お子さんの場合は年齢や体重によって使用できる薬や量が異なりますし、他の持病や服用している薬がある場合は相互作用のリスクもあります。
また、痛みが強すぎる場合に限るなど、使用の判断は慎重に行う必要があります。

口の中の潰瘍に塗るタイプの市販薬もありますが、手足口病による潰瘍に効果があるかどうかは明確ではなく、かえって刺激になる可能性もゼロではありません。
安易に使用せず、症状がつらい場合は医療機関を受診し、医師の判断を仰ぐのが最も安全です。

手足口病は多くの場合、自然に治る病気ですが、痛みが強い場合は医療的なサポートが必要になることもあります。
自宅でのケアで改善が見られない場合や、不安がある場合は、迷わず専門家に相談しましょう。

病院を受診する目安

手足口病は多くの場合、軽症で自然に治癒しますが、まれに重症化したり、脱水などの合併症を引き起こしたりすることがあります。
特に喉の痛みが強い場合は、飲食物が摂れなくなることによる脱水に注意が必要です。
以下のような症状が見られた場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

  • 水分が全く摂れない、または極端に少ない: 喉の痛みが強すぎて、水や経口補水液などを少量ずつでも飲むことができない状態が続く場合。
  • 脱水症状が見られる: 尿の回数が著しく減った、数時間全く尿が出ていない、唇や舌がひどく乾燥している、皮膚の張りがない、目がくぼんでいる、泣いても涙が出ない、ぐったりしているなど。特に乳幼児の脱水は急速に進むため、注意が必要です。
  • 高熱が続く: 38℃以上の高熱が3日以上続く場合や、一度下がった熱が再び上がる場合。
  • 全身状態が悪い: 顔色が悪く、ぐったりして元気がない、呼びかけへの反応が鈍いなど。
  • 頭痛、繰り返す嘔吐、首の硬さ: 髄膜炎や脳炎などの合併症の兆候である可能性があります。強い頭痛、光を異常にまぶしがる、首を前に曲げにくい(硬直している)、手足が震える、けいれんなどの症状があれば、直ちに救急医療機関を受診してください。
  • 呼吸が速い、息苦しそう: 心筋炎などの合併症の兆候である可能性があります。
  • 症状が長期にわたって改善しない、または悪化する: 通常の経過よりも明らかに症状が長引いている場合。
  • 手足の発疹の色が悪い、水ぶくれが大きい・痛みが強い: 細菌の二次感染を起こしている可能性もゼロではありません。

上記のような症状がない場合でも、「痛みがつらそうで見ていられない」「食事や水分が摂れているか心配」「初めてのことでどう対応して良いか分からない」など、少しでも不安を感じる場合は、かかりつけ医や最寄りの医療機関に相談することをおすすめします。
特に小さなお子さんの場合は、症状をうまく伝えられないため、保護者の観察が非常に重要です。

大人や赤ちゃんの手足口病における喉の症状

手足口病は子どもがかかるイメージが強いかもしれませんが、大人も感染します。
また、赤ちゃんがかかった場合とでは、症状の現れ方やケアのポイントに違いがあります。

大人の手足口病 喉の痛み

大人が手足口病にかかった場合、子どもの頃に比べて症状が重く出る傾向があると言われています。
これは、大人が初めて特定のウイルスの型に感染した場合に、免疫応答が強く出るためと考えられています。

特に、手足の発疹は比較的軽度で済むこともある一方、口の中や喉の症状は強く現れることが多く、ひどい喉の痛みに悩まされるケースが少なくありません。
痛みが非常に強いため、食事はもちろん、水分を摂るのも困難になり、脱水のリスクも子どもと同様にあります。

大人の手足口病による喉の痛みは、仕事や家事など日常生活に大きな支障をきたします。
子どもと違い、痛みを我慢してしまう人もいますが、無理は禁物です。
十分な休息と、痛みを和らげるための食事や水分補給の工夫をしっかり行うことが大切です。
また、発熱や全身の倦怠感も子どもより強く出る傾向があり、回復に時間がかかることもあります。
つらい場合は遠慮なく医療機関を受診し、医師に相談しましょう。
痛み止めなどが処方されることで、少し楽に過ごせるようになる可能性があります。

赤ちゃん・子どもの手足口病 喉のケア

赤ちゃんや小さなお子さんが手足口病にかかった場合、喉の痛みを言葉でうまく伝えられないため、保護者が注意深く様子を観察する必要があります。

観察すべきサイン:

  • 不機嫌: 普段よりぐずりやすくなる、機嫌が悪い状態が続く。
  • 哺乳拒否・食欲不振: 母乳やミルク、離乳食、いつも食べるものを嫌がる、口にしてもすぐに吐き出す。
  • よだれが増える: 口の中に痛みがあるため、唾液を飲み込むのを嫌がり、よだれが多くなることがあります。
  • 口を触る、指を口に入れる: 口の中の違和感や痛みを訴えるサインかもしれません。
  • 水分摂取量の減少: 哺乳回数・量が減る、飲み物をあまり欲しがらない、少し飲んですぐにやめる。

ケアのポイント:

脱水に最も注意が必要です。
赤ちゃんや乳幼児は特に脱水を起こしやすいため、水分補給が最優先です。
母乳やミルク、湯冷まし、麦茶、子ども用のイオン飲料や経口補水液などを、少量ずつでも良いのでこまめに与えましょう。
哺乳瓶やストロー、スプーンなど、痛がらない方法で与える工夫も必要です。

食事の工夫としては、離乳食期の子どもには、ポタージュ状にしたもの、口溶けの良いもの(ゼリー、プリン、ヨーグルト、柔らかいお粥、冷ました茶碗蒸しなど)を与えましょう。
熱すぎるもの、冷たすぎるもの、味の濃いもの、酸っぱいもの、硬いものは避けてください。
無理強いせず、食事も水分も、痛がる場合は無理強いせず、時間をおいて再度試すなど、根気強く対応しましょう。
ただし、全く何も口にできない状態が続く場合は、すぐに医療機関を受診してください。

安静も重要です。
十分な睡眠と休息をとらせることが大切です。
清潔を保つことも感染対策になります。
排泄物からウイルスが排出されるため、おむつ交換の後は石鹸でしっかり手洗いすることが重要です。

子どもの場合は、喉の痛みに加えて発熱や手足の発疹の痒みなど、複数の症状が同時に現れることも多く、全身状態を総合的に見て判断する必要があります。
少しでも心配な症状が見られたら、早めに医療機関を受診しましょう。

手足口病の予防について

手足口病の原因ウイルスに直接効く特効薬がないため、感染を予防することが最も重要です。
特に流行時期には、予防策をしっかり行うように心がけましょう。

感染経路と予防策

手足口病の主な感染経路は「飛沫感染」「接触感染」「糞口感染」です。
これらの感染経路を断つための予防策を実践することが重要です。

手洗いは最も基本的な予防策です。
外から帰った後、食事の前、トイレの後、おむつ交換の後など、石鹸を使って流水で丁寧に手洗いをしましょう。
指の間、爪の間、手首までしっかり洗うことが大切です。
ポイントとして、手足口病の原因ウイルス(エンテロウイルスなど)は、アルコール消毒が効きにくい性質があります。
流水と石鹸による手洗いが最も効果的です。
アルコール消毒は補助的に使用し、基本は手洗いを行いましょう。

手洗いと合わせて、うがいも励行しましょう。
帰宅時や食事前などに、口の中や喉を清潔に保つようにします。
子どもにも習慣づけることが大切です。
タオルの共用を避けることも感染拡大を防ぎます。
家族内や集団生活の場では、タオルの共用から感染が広がる可能性があります。
自分専用のタオルを使用するようにしましょう。

排泄物の処理にも注意が必要です。
手足口病にかかった人の便には、ウイルスが長く排泄されることがあります。
おむつ交換をする際は、使い捨ての手袋を使用したり、おむつをビニール袋に入れてしっかり閉じたりするなど、排泄物を介した感染を防ぐ工夫が必要です。
おむつ交換後には必ず石鹸で手洗いをしましょう。

おもちゃや共有物の消毒も集団生活の場では有効です。
子どもたちが触れるおもちゃなどを定期的に消毒することも有効です。
エンテロウイルスには、塩素系の消毒剤(次亜塩素酸ナトリウムなど)が有効です。
ただし、使用方法や濃度には注意が必要です。
家庭で行う場合は、必要に応じて専門家に相談しましょう。

患者との濃厚接触を避けることも予防策の一つです。
手足口病の患者の咳やくしゃみ、唾液などから感染するため、発症している人とのcloseな接触は可能な範囲で避けましょう。

手足口病は、発疹や水ぶくれが治った後も、数週間から数ヶ月にわたって便の中からウイルスが排泄されることがあります。
症状がなくなったからといって油断せず、しばらくの間は手洗いなどをしっかり続けることが感染拡大を防ぐ上で重要です。

残念ながら、現在、手足口病に対する有効なワクチンは実用化されていません(一部の国では開発・使用されていますが、日本では一般的ではありません)。
したがって、日頃からの手洗いなどの衛生管理が、手足口病の予防には欠かせない対策となります。

【まとめ】手足口病の喉の痛みとの向き合い方

手足口病による喉の痛みは、食事や水分摂取を困難にし、患者本人だけでなく周囲の人もつらい思いをすることが多い症状です。
特に痛みのピーク時は、何を食べても飲んでもしみるような痛みが伴い、体力の低下や脱水のリスクが高まります。

しかし、手足口病の喉の痛みは、一般的には1週間から10日程度で自然に軽快していく症状です。
痛みのつらい時期を乗り越えるためには、痛みを和らげるための食事の工夫(刺激物を避け、喉ごしの良いものを選ぶ)や、こまめな水分補給(特に経口補水液の活用)が非常に重要です。
また、安静にして体力を温存し、部屋の湿度を保つなどの自宅でのケアも痛みの軽減に役立ちます。

赤ちゃんや子どもの場合は、症状をうまく伝えられないため、不機嫌や食欲不振、よだれなどのサインから痛みを察してあげることが大切です。
脱水を起こしやすいので、いつも以上に注意深く水分摂取量を見守りましょう。
大人の手足口病は症状が重く出る傾向があり、特に喉の痛みが強いことが多いですが、無理せず十分な休息をとることが重要です。
症状が長引く場合、水分が全く摂れない場合、ぐったりしている場合、高熱が続く場合、頭痛や嘔吐などの合併症を疑う症状が見られる場合は、速やかに医療機関を受診してください。
迷う場合や不安な場合も、専門家に相談することで適切なアドバイスや治療を受けることができます。

手足口病の予防には、日頃からの丁寧な手洗い、うがいが最も効果的です。
特に流行時期には、家族全員で意識して行うようにしましょう。

手足口病の喉の痛みは非常につらい症状ですが、適切な知識を持って対処し、必要な場合は医療機関のサポートを受けることで、回復へと向かうことができます。
この記事が、手足口病の喉の痛みに悩む方々の不安を少しでも和らげ、適切な対応を取る一助となれば幸いです。


免責事項: 本記事は手足口病の喉の痛みに関する一般的な情報提供を目的としており、医療的な診断や治療を代替するものではありません。
個々の症状や健康状態については個人差があるため、必ず医師またはその他の資格を持つ医療専門家にご相談ください。
本記事の情報に基づいてご自身で判断された行為の結果について、当方は一切の責任を負いません。

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