乳酸ピーリングの効果・デメリット完全ガイド｜自宅ケアとクリニック施術

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肌のざらつき、毛穴の詰まり、繰り返すニキビ、くすみ…。「なんだか肌の調子が悪いな」「もっとつるんとした肌になりたいな」そう感じたとき、ピーリングというスキンケア方法が気になっている方もいるかもしれません。

ピーリングの中でも、「乳酸ピーリング」は比較的穏やかな作用で注目されています。美容医療の現場だけでなく、市販のスキンケア製品にも配合されることが増えてきました。

この記事では、乳酸ピーリングが肌にどのような効果をもたらすのか、他のピーリングとの違いは何か、そして自宅で安全に行うための方法や注意点について、美容専門家の知見を交えながら詳しく解説します。あなたの肌悩みに乳酸ピーリングが合うのか、この記事を読めばきっと分かります。

乳酸ピーリングとは？特徴と仕組み

乳酸ピーリングは、ケミカルピーリングの一種です。ケミカルピーリングとは、酸性の薬剤を肌に塗布することで、古い角質を取り除き、肌のターンオーバー（細胞の生まれ変わり）を促進する美容法を指します。

使用される薬剤によって様々な種類があり、代表的なものにグリコール酸、サリチル酸、そして乳酸があります。これらの酸は「AHA（アルファヒドロキシ酸）」や「BHA（ベータヒドロキシ酸）」といったフルーツ酸などに分類されます。

乳酸（Lactic Acid）は、AHAの一種です。サトウキビや牛乳などから抽出される天然由来の成分で、ヨーグルトやチーズなどの発酵食品にも含まれています。化粧品の成分表示では「乳酸」と記載されています。

乳酸ピーリングが肌に作用する主な仕組みは、以下の2つです。

1. 角質層の剥離（ピーリング作用）: 乳酸が皮膚の一番外側にある角質層に浸透し、細胞同士を結びつけている接着を緩めます。これにより、肌表面に蓄積した古い角質や、毛穴に詰まった角栓を剥がれやすくし、自然な肌の生まれ変わり（ターンオーバー）をサポートします。古い角質が取り除かれることで、肌の表面が滑らかになります。
2. 保湿効果: 乳酸は天然保湿因子（NMF）の一つであり、水分を保持する働きも持っています。他のピーリング剤（特にグリコール酸など）と比較して、肌への刺激が比較的穏やかであるとともに、施術後の乾燥感が少ない傾向があると言われています。これは、乳酸が肌の水分量を保ちながら角質ケアを行うためと考えられています。また、ヒロクリニックのウェブサイトによると、角質層のセラミド生成を促し、肌のバリア機能を向上させる効果も期待できるとされています。

乳酸の分子量はグリコール酸と比較するとやや大きい傾向があり、そのため肌への浸透が比較的穏やかで、急激な作用を抑えることができます。これは、グリコール酸と比較して皮膚の浅いところに作用するという特徴（出典：乳酸ピーリング）にも関連しています。この特性から、比較的刺激が少なく、敏感肌の方や、初めてピーリングを行う方にも適していると考えられています（ただし個人差があります）。ヒロクリニックのウェブサイトでは、他のピーリングが合わなかった方にもおすすめできる可能性があると言及されています。

このように、乳酸ピーリングは古い角質を除去する「ピーリング作用」と、肌のうるおいを保つ「保湿効果」の両面から肌にアプローチする特徴を持っています。

乳酸ピーリングの効果

乳酸ピーリングによって、肌には様々な良い変化が期待できます。主な効果を見ていきましょう。

期待できる主な効果

乳酸ピーリングは、その穏やかな作用でありながら、多岐にわたる肌悩みにアプローチする可能性があります。

肌のターンオーバー促進

健康な肌は、約28日周期で細胞が生まれ変わります（ターンオーバー）。しかし、加齢や紫外線ダメージ、ストレスなどにより、この周期が乱れることがあります。ターンオーバーが遅れると、古い角質が肌表面に留まり、肌のごわつき、くすみ、毛穴の詰まりなどの原因となります。

乳酸ピーリングは、古い角質同士の結合を緩めて剥がれやすくすることで、停滞していたターンオーバーを正常なリズムに戻す手助けをします。古い角質が取り除かれるだけでなく、表皮の細胞を活性化し、皮膚の新陳代謝を整えることで、健康な肌の生まれ変わりのサイクルを取り戻す効果が期待できます（出典：乳酸ピーリング）。肌の生まれ変わりが促進されることで、常に新しい細胞が肌表面に現れるようになり、滑らかで健康的な肌へと導かれます。これは、多くの肌悩みの根本的な改善につながる重要な効果です。

保湿効果の向上

前述したように、乳酸自体が天然保湿因子（NMF）の一部として肌に存在し、水分を保持する働きがあります。この保湿効果は、ヒロクリニックのウェブサイトでも言及されています。ピーリングによって古い角質が適切に取り除かれると、その後に使う化粧水や美容液といったスキンケア成分が肌（角質層）に浸透しやすくなります。

また、乳酸の保湿作用により、ピーリング後の肌の乾燥感が軽減される傾向があります。これは、乾燥による肌トラブル（つっぱり、かゆみ、バリア機能低下）を防ぐ上で重要なポイントです。肌が適切に保湿されることで、キメが整い、ふっくらとしたハリのある印象になります。さらに、ヒロクリニックのウェブサイトでは、乳酸ピーリングが角質層のセラミド生成を促し、肌のバリア機能を向上させる効果も期待できるとされています。

メラニン生成抑制（くすみ・シミ対策）

乳酸ピーリングは、直接的にメラニン色素を分解したり、生成を完全に止めるわけではありません。しかし、ターンオーバーを促進することで、肌の深層部で作られたメラニン色素が古い角質と一緒に肌表面へと押し上げられ、排出されやすくなります。

これにより、シミやそばかす、炎症後色素沈着（ニキビ跡の色素沈着など）といった肌表面に現れている過剰なメラニンを薄くする効果が期待できます。また、古い角質が溜まることで起こる肌のくすみ（角質肥厚によるもの）も、ピーリングによって除去されることで改善され、肌全体に透明感が出やすくなります。ターンオーバー促進効果に加えて、ヒロクリニックのウェブサイトによると乳酸自体に美白作用があるとも言われており、シミの治療としても推奨されています。

毛穴の詰まり・開き改善

毛穴の詰まりの主な原因は、古い角質と皮脂が混じり合った「角栓」です。乳酸ピーリングは、この古い角質を柔らかくし、剥がれやすくすることで、毛穴に詰まった角栓の排出を促します。角栓が除去されると、毛穴の詰まりが解消され、ポツポツとした黒ずみ（いちご鼻など）や、毛穴が開いて見える状態（詰まり毛穴が広がったもの）の改善につながります。

また、ターンオーバーが正常化し、肌全体のキメが整うことで、毛穴が目立ちにくくなる効果も期待できます。

ニキビ・ニキビ跡へのアプローチ

ニキビの主な原因の一つは、毛穴の詰まりです。乳酸ピーリングによる角質・角栓除去は、ニキビの初期段階であるコメド（白ニキビ、黒ニキビ）の形成を防ぐ効果が期待できます。また、毛穴の詰まりが解消されることで、ニキビの原因菌であるアクネ菌の増殖を抑えることにもつながります。ヒロクリニックのウェブサイトでは、大人ニキビへの改善効果も期待できるとされています。

炎症を起こした赤ニキビに対しても、穏やかな抗炎症作用を持つ可能性が示唆されていますが、活動性の炎症が強いニキビには推奨されない場合もあります（詳細は後述の注意点をご確認ください）。

ニキビ跡の色素沈着（赤みや茶色っぽいシミ）に対しては、ターンオーバー促進効果により、蓄積したメラニンや炎症による色素が排出されやすくなるため、改善効果が期待できます。凹凸のあるニキビ跡（クレーター）に対しては、軽度なものに対してターンオーバー促進による肌の再生を促す効果が期待できますが、深いクレーターの改善には他の治療法（例：レーザー治療など）が必要となることが多いです。

期待できる効果	乳酸ピーリングでのアプローチ方法	補足（出典：乳酸ピーリングより）
肌のターンオーバー促進	古い角質の接着を緩め剥離を促進。	表皮細胞活性化、新陳代謝を整え正常な生まれ変わりを促す。
保湿効果の向上	乳酸自体の保湿作用。後のスキンケア浸透率アップ。	角質層のセラミド生成促進、肌のバリア機能向上。
くすみ・シミ対策	ターンオーバー促進によるメラニン排出。	乳酸自体の美白作用、シミ治療におすすめ。
毛穴の詰まり・開き改善	角栓の主要成分である古い角質を除去。キメを整える。
ニキビ予防	毛穴の詰まり（コメド）を解消。	大人ニキビへの改善効果。
ニキビ跡の色素沈着改善	ターンオーバー促進により色素を排出。

このように、乳酸ピーリングは様々な肌悩みに複合的にアプローチできる可能性があります。

乳酸ピーリングのデメリットと注意点

乳酸ピーリングは比較的穏やかなピーリング剤ですが、それでも肌に一時的な変化や刺激を与える可能性があります。使用する濃度や頻度、個人の肌質によってはデメリットも起こり得ます。

施術後に起こりうる一時的な症状

ピーリングは肌の表面を剥離させる行為であるため、施術後に一時的な反応が現れることがあります。これらは通常、数時間から数日で落ち着きます。

乾燥・赤み・皮むけ

最も一般的に見られる一時的な症状です。古い角質が剥がれる過程で、肌のバリア機能が一時的に低下し、水分が蒸散しやすくなるため乾燥を感じやすくなります。また、肌の代謝が促進されることで血行が良くなり、赤みが出ることがあります。ごく薄い皮むけが生じることもありますが、無理に剥がさず自然に剥がれ落ちるのを待ちましょう。これらの症状が出た際は、いつも以上に丁寧な保湿ケアを心がけることが非常に重要です。

ニキビの一時的な悪化

ピーリングによって肌のターンオーバーが促進される過程で、毛穴の奥に潜んでいたニキビの元（コメド）が表面に出てきて、一時的にニキビが増えたように感じることがあります。これは「好転反応」と呼ばれることもありますが、見分けが難しい場合もあります。過度なピーリングや肌への強い刺激は、かえって炎症を悪化させ、赤ニキビや化膿ニキビを誘発する可能性もあります。一時的な症状が続く場合や、悪化が顕著な場合は、使用を中止し専門家に相談しましょう。

施術を受ける上での注意点

安全に乳酸ピーリングを行うためには、いくつかの注意点があります。

敏感肌でも大丈夫？

乳酸ピーリングは他の酸（特にグリコール酸）に比べて分子量が大きく、肌への浸透が穏やかなため、比較的敏感肌の方にも試しやすいと言われています。また、ヒロクリニックのウェブサイトでも、比較的刺激が少なく、他のピーリングが合わなかった方にもおすすめできる可能性があると言及されています。しかし、「敏感肌だから絶対に安全」というわけではありません。敏感肌の程度は人それぞれであり、体質やその時の肌状態によって反応は大きく異なります。

敏感肌の方は、まず低濃度の製品から試す、使用時間を短くする、頻度を少なくする、といった工夫が必要です。また、使用前にパッチテストを行うことを強く推奨します。不安な場合は、自己判断せず医療機関で相談するのが最も安全です。

施術できない場合

以下のような肌状態や体調の場合、乳酸ピーリングを含むケミカルピーリング全般が推奨されない、または禁忌となることがあります。

• 活動性のニキビ（特に化膿しているもの）が広範囲にある場合
• 肌に傷や炎症、湿疹、ヘルペスがある場合
• アトピー性皮膚炎などで肌のバリア機能が著しく低下している場合
• 日光過敏症の方、または直近で強い日焼けをしている場合
• 妊娠中・授乳中の方（医療機関でのみ医師の判断による）
• 特定の薬剤（トレチノインやアダパレンなど）を使用している場合（休薬が必要なことがある）
• ケロイド体質の方
• 直近で他の美容医療施術（レーザー、光治療など）を受けた場合

これらは一般的な基準であり、詳細な判断は専門家（医療機関の場合は医師）が行います。自宅で市販品を使用する場合も、自身の肌状態をよく観察し、少しでも不安があれば使用を控えることが大切です。

また、ピーリング後は肌が紫外線に対して非常に無防備な状態になります。日焼け止めを必ず使用し、可能な限り紫外線対策（帽子や日傘の利用）を徹底してください。怠ると、色素沈着などのトラブルを引き起こす可能性があります。

乳酸ピーリングの種類と他のピーリングとの違い

ケミカルピーリングには乳酸以外にもいくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。自分の肌悩みや肌質に合ったピーリングを選ぶことが重要です。

ケミカルピーリングの種類

主に医療機関で行われる代表的なケミカルピーリングの薬剤には、以下のものがあります。市販品にも配合されていますが、濃度やpHが低く調整されています。

乳酸ピーリング（ラクトピール）

• 成分: 乳酸 (Lactic Acid)
• 特徴: AHAの一種。分子量がグリコール酸よりやや大きいため、肌への浸透が穏やかで、皮膚の浅いところに作用する（出典：乳酸ピーリング）。保湿効果も期待できる。比較的刺激が少なく、他のピーリングが合わなかった方にも試しやすいとされる（同）。
• 得意な肌悩み: 乾燥肌によるごわつき、初期の毛穴詰まり、くすみ、軽度の色素沈着。敏感肌の方のファーストピーリングとしても検討されることがある。また、ヒロクリニックのウェブサイトではシミの治療としてもおすすめされています。

グリコール酸ピーリング

• 成分: グリコール酸 (Glycolic Acid)
• 特徴: AHAの一種。分子量が最も小さく、肌への浸透力が高い。強力な角質剥離作用を持つ。
• 得意な肌悩み: ニキビ、ニキビ跡、毛穴の詰まり・開き、肌のごわつき、小じわ。作用が強いため、乾燥や刺激感が出やすい傾向がある。

サリチル酸ピーリング

• 成分: サリチル酸 (Salicylic Acid)
• 特徴: BHAの一種。脂溶性のため、皮脂が多い毛穴に浸透しやすい。抗炎症作用や殺菌作用も期待できる。
• 得意な肌悩み: ニキビ、毛穴の詰まり・黒ずみ、オイリー肌。医療機関では主にマクロゴール基材のものが使われ、刺激が少なく広範囲に塗布できる。市販品は主にアルコール基材。

肌質や悩みに合わせた選び方

どのピーリングが適しているかは、個人の肌質や具体的な肌悩み、求める効果によって異なります。

ピーリングの種類	主な特徴	適している肌質・悩み	副作用傾向（医療機関）
乳酸	作用穏やか、保湿効果も期待。浅層に作用。	乾燥肌、敏感肌（要確認）、くすみ、軽度の毛穴・ニキビ跡色素沈着、シミ。他のピーリングが合わなかった方も（出典：乳酸ピーリング）。	赤み、乾燥、軽度皮むけ
グリコール酸	作用強力、浸透力が高い。深層に作用。	普通肌、脂性肌、ニキビ、ニキビ跡、毛穴、肌質改善。	赤み、乾燥、ヒリつき、皮むけ
サリチル酸	脂溶性、毛穴に強い、抗炎症・殺菌作用も。	脂性肌、ニキビ、毛穴の詰まり・黒ずみ。	赤み、乾燥、ヒリつき

例えば、

• 乾燥しやすく、優しいケアから始めたい: 乳酸ピーリングが第一選択肢となることが多いです。
• ニキビや毛穴の詰まりが特に気になる脂性肌: グリコール酸やサリチル酸（特に医療機関でのマクロゴール基材）が効果的な場合があります。
• 肌全体のごわつきやキメの乱れを改善したい: グリコール酸や乳酸が検討されます。
• シミやくすみが気になる: 乳酸ピーリングが有効な可能性があります（出典：乳酸ピーリング）。

自分で判断が難しい場合は、皮膚科医や美容皮膚科医に相談し、肌診断を受けた上で最適なピーリング剤を選んでもらうのが最も確実です。

自宅で行う乳酸ピーリング

最近では、乳酸やその他のAHA/BHAを配合した市販のピーリング剤も多く販売されています。これらを適切に使用することで、自宅でも手軽に角質ケアを行うことができます。しかし、医療機関の施術とは異なる点が多く、注意が必要です。

自宅用ピーリング剤の選び方（市販品含む）

自宅用ピーリング剤を選ぶ際は、以下の点を考慮しましょう。

成分濃度・pHの確認

市販のピーリング剤は、肌への安全性を考慮して、医療機関で使用されるものよりも低濃度・高pHに設定されています。乳酸の濃度が高いほど、またはpHが低い（より酸性が強い）ほどピーलिंग作用は強くなります。

日本の化粧品におけるAHAの配合制限などはありませんが、一般的に安全に使用できるよう濃度は控えめです。海外製品には高濃度のものもありますが、刺激やトラブルのリスクが高まるため、注意が必要です。まずは低濃度の製品から試すのがおすすめです。成分リストで乳酸（Lactic Acid）が上位に記載されているか、他の酸とブレンドされているかなどを確認しましょう。

剤形の選択（拭き取り、洗い流すなど）

市販のピーリング剤には様々な剤形があります。

• 拭き取り化粧水/パッド: 化粧水や美容液に乳酸が配合されており、コットンで肌を優しく拭き取って使用します。手軽ですが、拭き取りによる摩擦刺激に注意が必要です。
• 洗い流すジェル/クリーム/マスク: 肌に塗布して一定時間放置し、洗い流すタイプです。ピーリング作用を集中させやすいですが、使用時間や使用量を守ることが重要です。
• 洗顔料: 毎日の洗顔に取り入れやすいですが、一般的に作用は穏やかです。

自分の肌質やライフスタイル、好みに合った剤形を選びましょう。初めての方は、洗い流すタイプで短時間から試すか、作用が穏やかな拭き取りタイプ（ただし摩擦注意）から始めるのがおすすめです。

自宅での正しい使い方と頻度

市販のピーリング剤を使用する際は、製品の取扱説明書をよく読み、正しい方法で使用することが非常に重要です。間違った使い方をすると、かえって肌を傷めてしまう可能性があります。

使用前の準備とパッチテスト

1. 肌状態の確認: 肌に傷、湿疹、炎症、強い赤みなどがないか確認します。肌の調子が悪いときは使用を控えましょう。
2. 洗顔: 肌を清潔な状態にします。製品によっては洗顔後の肌の水分を拭き取る必要があるか、濡れた肌に使うかなど指示が異なるため確認してください。
3. パッチテスト: 初めて使う製品、または敏感肌の方は、必ずパッチテストを行いましょう。二の腕の内側や耳の後ろなどの目立たない場所に少量塗り、製品に記載されている時間（洗い流すタイプの場合）または一晩そのままにして、赤み、かゆみ、刺激感など異常がないか確認します。異常が出た場合は使用を中止してください。

使用方法と注意点

• 使用量・放置時間を守る: 製品に記載されている使用量や放置時間を厳守します。長時間放置したり、多すぎる量を使うと、肌への刺激が強くなります。
• 擦らない: 特に拭き取りタイプの場合、ゴシゴシと強く擦ると摩擦による刺激で肌を傷つけてしまいます。優しく滑らせるように拭き取りましょう。洗い流すタイプも、塗布時や洗い流す際に肌を擦らないように注意が必要です。
• 目や口の周りを避ける: 皮膚が薄くデリケートな目や口の周りは避けて使用します。
• 使用後のケア: ピーリング後は肌が乾燥しやすく敏感になっています。化粧水、美容液、乳液、クリームなどでしっかりと保湿し、肌を鎮静させることが非常に重要です。セラミドやヒアルロン酸、アミノ酸などの保湿成分が豊富なスキンケア製品を使うと良いでしょう。
• 紫外線対策: ピーリング後の肌は紫外線の影響を受けやすくなっています。外出時は必ずSPF30以上、PA+++以上の日焼け止めを使用し、日傘や帽子なども活用して徹底的な紫外線対策を行いましょう。

おすすめの使用頻度

市販の乳酸ピーリング剤の使用頻度は、製品の濃度や剤形、個人の肌質によって異なりますが、週に1～2回程度が目安となることが多いです。毎日使えると謳っている製品もありますが、肌の様子をよく観察しながら、まずは週1回から始めて、肌が慣れてきたら頻度を調整するのがおすすめです。

やりすぎは肌のバリア機能を低下させ、乾燥、赤み、敏感肌化、ニキビ悪化などのトラブルを招きます。肌が敏感になっているときや、乾燥がひどいときは無理に使用しないようにしましょう。

医療機関での乳酸ピーリング

自宅ケアよりも高い効果を期待したい場合や、自分の肌に合ったピーリングを安全に行いたい場合は、医療機関（皮膚科や美容皮膚科）での乳酸ピーリングが選択肢となります。

医療機関で行うメリット

医療機関での乳酸ピーリングには、自宅ケアにはない多くのメリットがあります。

専門家による診断・施術

医師や看護師といった専門家が、あなたの肌質や肌悩みを正確に診断した上で、最適なピーリング剤の種類、濃度、放置時間を判断します。自己判断では難しい、肌状態に合わせたカスタマイズされた施術を受けることができます。施術中の肌の反応を見ながら適切に対応してもらえるため、自宅でのケアよりも安全性が高いと言えます。また、万が一肌トラブルが起きた際も、速やかに医師の診察を受けることができます。

高い濃度・効果

医療機関では、市販品よりも高濃度の乳酸を使用することができます。これにより、より深層の角質層までアプローチし、自宅ケアでは得られない高いピーリング効果が期待できます。頑固な毛穴の詰まりや、深い色素沈着、ニキビ跡など、より重度な肌悩みに対しても効果を発揮しやすいです。特に、ヒロクリニックのウェブサイトでもシミの治療としておすすめされているように、美白作用にも期待が持てます。

施術の流れ

一般的な医療機関での乳酸ピーリングの施術の流れは以下の通りです。

1. カウンセリング・診察: 医師やカウンセラーが肌悩み、既往歴、アレルギーの有無、現在使用中の薬剤などを詳しく問診し、肌状態を診察します。ピーリングが適応かどうか判断し、施術内容やリスク、術後のケアについて説明を受けます。
2. 洗顔: メイクや肌の汚れを丁寧に落とします。
3. 施術: 目や口の周りを保護した後、医師または看護師が肌に乳酸の薬剤を塗布します。ピリピリとした感覚や熱感が生じることがありますが、我慢できない場合はすぐに伝えます。肌の反応を見ながら、設定された時間（通常数分程度）薬剤を放置します。
4. 中和・洗い流し: 薬剤を中和する薬剤を塗布し、その後丁寧に洗い流します。
5. クーリング・保湿: 施術後の敏感になった肌を鎮静させるために、冷たいパックなどでクーリングを行い、しっかりと保湿ケアを行います。
6. アフターケア指導: 施術後のスキンケア（保湿、紫外線対策）や、次回の施術時期などについて説明を受けます。

施術の頻度と回数

医療機関での乳酸ピーリングの施術頻度は、肌状態や目的によって異なりますが、一般的には2週間に1回～1ヶ月に1回程度のペースで行うことが多いです。

効果を実感し、肌悩みが改善されるまでには、個人差がありますが、5回～10回程度の継続的な施術が必要となることが多いです。1回の施術でも肌の滑らかさやくすみの改善を実感できることもありますが、より根本的な改善や持続的な効果のためには複数回の治療が推奨されます。

医師と相談しながら、最適な頻度と回数を計画しましょう。肌の状態によっては、他の治療法（イオン導入、ビタミンC導入、レーザー治療など）と組み合わせて行うこともあります。

乳酸ピーリングに関するよくある質問（Q&A）

乳酸ピーリングについて、よくある疑問にお答えします。

Q1：乳酸ピーリングは何回くらいやれば効果が出ますか？

効果を実感するまでの回数には個人差があります。肌悩み（毛穴の詰まり、ニキビ跡の色素沈着、くすみなど）の程度や、自宅ケアか医療機関での施術か（使用する薬剤の濃度やpH）、また個人の肌のターンオーバーのスピードによって異なります。

• 自宅ケア（市販品）: 低濃度のため、即効性は期待しにくいです。週1～2回のケアを数ヶ月続けることで、徐々に肌のごわつきやくすみの改善を感じられることが多いです。
• 医療機関: 高濃度のため、1回目の施術後から肌の滑らかさやくすみの改善を実感できることがあります。ニキビ跡の色素沈着や毛穴の目立ちなど、より明確な肌悩みの改善には、通常5回～10回程度の継続的な施術（2週～1ヶ月に1回程度）が必要となることが多いです。

「○回やれば必ずこうなる」と断定はできませんが、多くの場合は複数回の継続によってより良い効果が得られます。焦らず、肌の反応を見ながら続けることが大切です。

Q2：乳酸の皮膚への効果は角質ケアだけですか？

乳酸の皮膚への効果は、主に古い角質の剥離（ピーリング作用）ですが、それだけではありません。

乳酸は天然保湿因子（NMF）の一部であり、保湿効果も期待できます。肌の水分保持能力を高めることで、乾燥によるバリア機能の低下を防ぎ、肌の健康を保つサポートをします。ヒロクリニックのウェブサイトによると、角質層のセラミド生成を促し、バリア機能を向上させる効果や保湿効果自体が言及されています。

また、研究によっては、乳酸がセラミド合成を促進する可能性や、メラニン生成に関わる酵素の働きを抑制する可能性、あるいは穏やかな抗炎症作用を持つ可能性も示唆されています。同サイトでは、乳酸自体の美白作用についても触れられています。

したがって、単なる「角質を剥がすだけ」ではなく、保湿や肌機能のサポートといった複合的な効果が期待できると考えられています。

Q3：乳酸ピーリングでニキビが増えるって本当？

一時的にニキビが増えたように感じることがあります。これは、ピーリングによってターンオーバーが促進され、毛穴の奥に潜んでいたニキビの元（微小面皰/マイクロコメド）が表面に押し出されてくる「好転反応」の可能性が考えられます。この場合、通常は数日から1～2週間程度で落ち着きます。

ただし、過度なピーリングや間違ったケアは、肌のバリア機能を傷つけ、炎症を悪化させたり、新たなニキビを誘発したりする可能性も十分にあります。特に、活動性の炎症が強いニキビに刺激を与えると悪化することがあります。ヒロクリニックのウェブサイトでは大人ニキビへの改善効果が期待できるとされていますが、自身の肌状態をよく観察し、一時的な悪化か、ケア方法が間違っているのか、自己判断が難しい場合は、使用を中止し皮膚科医に相談しましょう。

Q4：自宅用と医療機関用は何が違いますか？

自宅用（市販品）と医療機関用では、主に以下の点が異なります。

比較項目	自宅用（市販品）	医療機関用
濃度・pH	低濃度、高pH（肌への刺激を抑え安全性重視）	高濃度、低pH（高い効果を目指す、専門家による管理が必要）
作用深度	表皮の浅い層	表皮のより深い層に作用（出典：乳酸ピーリング）
効果	穏やか、日常の角質ケア、肌質維持	高い、特定の肌悩みの改善（ニキビ跡、毛穴、くすみ、シミなど）
安全性	一般的な肌向けに調整されているが、自己責任で使用	専門家が肌診断に基づき施術、トラブル時の対応が可能、安全性が高い
コスト	比較的安価	1回あたりの費用は高め（保険適用外の場合）
手軽さ	手軽に試せる	予約・来院が必要

自宅用は、手軽に日常のスキンケアに取り入れ、穏やかな角質ケアや肌質維持を行うのに適しています。一方、医療機関での施術は、より高い効果を求めたい、特定の肌悩みを改善したい、専門家の管理下で安全に行いたい、という場合に向いています。

Q5：敏感肌でも使えますか？

乳酸は他の酸（グリコール酸など）に比べて分子量が大きく、肌への浸透が穏やかなため、比較的敏感肌の方にも試しやすいピーリング剤と言われています。また、ヒロクリニックのウェブサイトでも、刺激が少なく、他のピーリングが合わなかった方にもおすすめできる可能性があるとされています。

しかし、敏感肌の程度やその時の肌状態は人それぞれです。「敏感肌だから絶対大丈夫」ではありません。

• 自宅ケア（市販品）: 必ず低濃度の製品から試し、パッチテストを行いましょう。使用頻度を少なくする、使用時間を短くするといった工夫が必要です。少しでも刺激や異常を感じたら使用を中止してください。
• 医療機関: 敏感肌であることを医師に伝え、診察を受けた上で、肌状態に合わせた濃度や他の薬剤（例：より優しいもの）を検討してもらいましょう。専門家の管理下で行うことで、安全性を高めることができます。

敏感肌の方は、自己判断せず、まずは専門家に相談することをお勧めします。

まとめ：乳酸ピーリングを効果的に活用するために

乳酸ピーリングは、古い角質ケアに加えて保湿効果も期待できる、比較的穏やかなケミカルピーリングです。肌のターンオーバー促進、くすみや毛穴の改善、軽度のニキビ・ニキビ跡、シミへのアプローチなど、様々な肌悩みに対応できる可能性があります（出典：乳酸ピーリング）。

自宅での市販品によるケアは手軽ですが、濃度が低く効果も穏やかであり、誤った使い方をすると肌トラブルを招くリスクもあります。製品の説明書をよく読み、パッチテストを行い、使用頻度や時間を守り、何よりも丁寧な保湿と紫外線対策を徹底することが重要ですし、他のピーリングが合わなかった方も試しやすい可能性がある（同）といったメリットも理解しておきましょう。

一方、医療機関での乳酸ピーリングは、専門家による診断と施術により、高濃度でより効果的なケアを安全に行うことができます。頑固な肌悩みに対して、計画的な治療を受けることが可能です。

あなたの肌質、肌悩み、そしてライフスタイルや予算に合わせて、自宅ケアと医療機関での施術のどちらが適しているか、あるいは両方をどう使い分けるかを検討しましょう。

どの方法を選ぶにしても、ピーリングは肌に一時的な刺激を与える可能性があることを理解し、施術後はいつも以上に肌をいたわる丁寧なケア（保湿、紫外線対策）が不可欠です。もし肌トラブルが生じたり、不安を感じたりした場合は、自己判断せず、必ず皮膚科医や美容皮膚科医に相談してください。専門家のアドバイスを得ながら、あなたにとって最適な方法で、健康的で美しい肌を目指しましょう。

本記事は情報提供を目的としており、特定の製品や医療行為を推奨するものではありません。個人の肌状態や健康状態については、必ず専門家にご相談ください。