ラゲブリオの効果とは?副作用・飲み方を徹底解説【重症化予防】

ラゲブリオは、新型コロナウイルス感染症の治療薬として開発された飲み薬です。
正式名称は「モルヌピラビル」といい、ウイルスの増殖を抑えることで病気の進行を防ぐことを目的としています。
特に、重症化するリスクが高い患者さんにおいて、入院や死亡のリスクを減らす効果が期待されています。
この薬は、新型コロナウイルスと診断され、軽症から中等症であるものの、重症化のリスク因子を持っている方に処方されることが一般的です。
しかし、どのような効果があり、どのように服用すれば良いのか、副作用はないのかなど、疑問を感じる方も多いでしょう。
ここでは、ラゲブリオの効果や対象者、正しい服用方法、副作用について、最新の知見に基づき詳しく解説します。

目次

ラゲブリオとは?新型コロナウイルス感染症治療薬

ラゲブリオ(一般名:モルヌピラビル)は、米国メルク社が開発し、日本ではMSD株式会社が製造販売している新型コロナウイルス感染症の治療薬です。
2021年12月に特例承認され、国内で初めて実用化された新型コロナウイルスの経口治療薬の一つです。
カプセル剤として提供され、自宅や宿泊療養施設などで服用可能なため、医療機関への負担を軽減し、早期治療に貢献する薬剤として注目されています。

ラゲブリオは、新型コロナウイルスの遺伝情報であるRNAに直接作用することで効果を発揮します。
具体的には、ウイルスが細胞内で増殖する際に必要な複製プロセスを阻害することで、ウイルスの数を減らします。

ラゲブリオ(モルヌピラビル)の作用機序

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、ヒトの細胞に侵入すると、自身のRNAを複製して増殖します。
この複製過程は、RNAポリメラーゼという酵素によって行われます。
ラゲブリオの有効成分であるモルヌピラビルは、体内で活性代謝物であるβ-D-N4-ヒドロキシシチジン(NHC)に変換されます。

このNHCが、ウイルスのRNA複製時に、本来のRNAを構成するシチジンやウリジンと間違えられて取り込まれます。
NHCが取り込まれたRNAは不安定になり、さらにウイルスの増殖が繰り返される過程で、致死的な数の変異(エラー)が蓄積されます。
この変異の蓄積により、機能的なウイルス粒子が作られなくなり、ウイルスの増殖が停止します。
このメカニズムは「エラーカタストロフィー(破滅的なエラー)」と呼ばれており([出典](https://www.jsip.or.jp/medical/covid19_medical.html))、ラゲブリオはウイルスが自らを増殖させる過程を利用して、結果的にウイルスの活動を停止させるというユニークな作用機序を持っています。

in vitro試験では、Molnupiravirの活性代謝物(NHC-TP)がウイルスRNAポリメラーゼにより取り込まれ、複製過程で塩基配列に変異を蓄積させることで、SARS-CoV-2の複製を99%抑制し、各種変異株に対しても同等の抗ウイルス活性を維持することが確認されています([出典](https://journals.asm.org/doi/10.1128/aac.02405-21))。

このような作用機序により、ラゲブリオは新型コロナウイルスの様々な変異株に対しても効果を示すことが期待されています。
ただし、その効果や安全性については、患者さんの状態や他の併用薬などによって異なるため、医師の判断に基づいて使用されます。

ラゲブリオの具体的な効果:臨床試験データに基づく重症化抑制

ラゲブリオの最も重要な効果は、新型コロナウイルス感染症の重症化を抑制することです。
これは、大規模な臨床試験によって確認されています。
国際共同第III相臨床試験「MOVe-OUT試験」では、ラゲブリオを服用した患者さんとプラセボ(偽薬)を服用した患者さんで、入院または死亡に至る割合が比較検討されました。

この試験の対象となったのは、軽症から中等症の新型コロナウイルス感染症患者さんで、発症から5日以内の、かつ少なくとも一つの重症化リスク因子(高齢、肥満、糖尿病、心疾患など)を持つ方々でした。

入院・死亡リスク低減効果の詳細

MOVe-OUT試験の中間解析の結果では、発症から5日以内にラゲブリオの投与を開始した患者さんにおいて、29日目までの入院または死亡のリスクが、プラセボ群と比較して有意に低いことが示されました。

具体的なデータとして、ラゲブリオ群(777例)では入院または死亡した患者さんが53例(7.3%)であったのに対し、プラセボ群(771例)では77例(14.1%)でした。
これは、ラゲブリオが入院または死亡のリスクを約30%低減させたことを意味します。
さらに、この試験ではラゲブリオ群で死亡例が1例であったのに対し、プラセボ群では9例の死亡が確認されました。
このデータから、ラゲブリオは新型コロナウイルス感染症の重症化、特に入院や死亡を防ぐ上で有効な選択肢となり得ることが示されました。

ただし、その後の追加解析や、実際の医療現場での使用状況に関する知見も継続的に集積されており、効果の程度は患者さんの背景やウイルス株によって変動する可能性も指摘されています。
そのため、ラゲブリオの効果については、医師が患者さんの状態や最新の情報を考慮して判断します。

効果が期待できる対象者とは

ラゲブリオは、新型コロナウイルスに感染したすべての人が服用する薬ではありません。
その効果が期待される特定の患者さんに対して使用されます。

軽症・中等症の患者さん

ラゲブリオは、原則として軽症または中等症の新型コロナウイルス感染症患者さんに投与されます。
入院が必要なほどの重症患者さんや、既に酸素投与が必要な患者さんなどには通常使用されません。
これは、薬の作用機序がウイルスの増殖を抑えることにあり、病気が進行して炎症などが主体となっている状態には効果が限定的であると考えられるためです。
発症早期にウイルスの増殖を抑え込むことが、重症化を防ぐ上で重要となります。

重症化リスク因子を持つ患者さん

ラゲブリオの臨床試験は、重症化リスク因子を少なくとも一つ持つ患者さんを対象に行われ、その有効性が確認されました。
したがって、ラゲブリオの処方が検討されるのは、新型コロナウイルス感染症と診断された軽症・中等症の患者さんのうち、以下のいずれかに該当するなど、重症化リスクが高いと医師が判断した場合です([出典](https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35343.html), [出典](https://www.jsip.or.jp/medical/covid19_medical.html))。

リスク因子 具体例
高齢 特に60歳以上の方([出典](https://www.jsip.or.jp/medical/covid19_medical.html))
特定の基礎疾患 慢性呼吸器疾患(COPDなど)、慢性腎臓病・心血管疾患(高血圧含む)、糖尿病、肥満(BMI 30以上)、がん、免疫抑制状態(HIV含む)、ダウン症候群、臓器移植、神経疾患(脳卒中など)、嚢胞性線維症、鎌状赤血球症など([出典](https://www.jsip.or.jp/medical/covid19_medical.html))
喫煙歴 現在喫煙している方
妊娠 妊娠している女性は原則禁忌ですが、個別の状況により医師が判断します。

これらのリスク因子を持つ患者さんでは、新型コロナウイルス感染症が進行して肺炎を起こしたり、全身状態が悪化したりする可能性が比較的高いため、ラゲブリオによる早期の抗ウイルス治療が有効と考えられています。
ただし、最終的な適応判断は、患者さんの全身状態や他の疾患、併用薬などを考慮して医師が行います。
妊娠可能な女性に対しては、出生児への影響が懸念されるため、投与期間中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うことが求められるなど、慎重な対応が必要です。

ラゲブリオの適切な服用方法

ラゲブリオの効果を最大限に引き出し、安全に服用するためには、正しい服用方法を守ることが非常に重要です。
医師や薬剤師の指示に必ず従ってください。

ラゲブリオカプセルは発症後何日服用しますか?(服用開始時期)

ラゲブリオは、新型コロナウイルス感染症と診断され、症状が発現してから可能な限り早期、具体的には発症から5日以内に服用を開始する必要があります([出典](https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35343.html))。
ウイルスの増殖は病気の初期に活発であるため、この期間に薬を服用することで、ウイルスの増殖を効果的に抑え込み、病気の進行を防ぐことが期待できるからです。
発症から5日を超えて服用を開始した場合の有効性を示す十分なデータは得られていません。
したがって、新型コロナウイルス感染症と診断されたら、医師の指示に従い、速やかに服用を開始することが重要です。

推奨用量と服用期間(5日間)

ラゲブリオの推奨される用量は、1回800mg(200mgカプセルを4カプセル)を1日2回、5日間続けて服用することです([出典](https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35343.html))。
朝と晩の服用は、約12時間の間隔を空けることが望ましいとされています。

  • 1回の服用量: 800mg(200mgカプセル x 4錠)
  • 1日の服用回数: 2回(朝・晩)
  • 服用期間: 5日間

カプセルは水またはぬるま湯で服用してください。
食事の影響は少ないとされていますが、服用しやすいタイミングで、毎日ほぼ同じ時間に服用することが推奨されます。
途中で症状が改善した場合でも、自己判断で服用を中止せず、必ず医師から指示された5日間は飲み続けることが重要です。
これは、体内に残存しているウイルスを十分に排除し、再燃や耐性ウイルスの出現を防ぐためです。
自己判断による中断はウイルス量再増加のリスクがあります([出典](https://www.ncgm.go.jp/ncrm/guideline/pdf/covid19_outpatient_manual.pdf))。

飲み忘れた場合はどうすれば良いか?

ラゲブリオを飲み忘れてしまった場合は、気がついた時点でできるだけ早く飲み忘れた分を服用してください。
ただし、次の服用時間まで8時間未満となっている場合は、飲み忘れた分は服用せず、次の時間に1回分(4カプセル)を服用してください([出典](https://www.ncgm.go.jp/ncrm/guideline/pdf/covid19_outpatient_manual.pdf))。

絶対に1回に2回分(8カプセル)をまとめて服用しないでください。
用量を増やしても効果が増強されるわけではなく、副作用のリスクが高まる可能性があります。

飲み忘れに気づいたタイミングごとの対応は以下のようになります([出典](https://www.ncgm.go.jp/ncrm/guideline/pdf/covid19_outpatient_manual.pdf))。

飲み忘れに気づいたタイミング 対応
次の服用時間まで8時間以上ある場合 気づいた時点で飲み忘れた分をすぐに服用し、その後は通常の服用間隔で飲み続ける。
次の服用時間まで8時間未満となっている場合 飲み忘れた分は服用せず、次の時間から通常の服用量(4カプセル)を服用する。

飲み忘れが続くと、十分な効果が得られない可能性があります。
可能な限り指示された時間に服用するように心がけ、飲み忘れが心配な場合は、アラームを設定するなどの工夫をすると良いでしょう。
何か不明な点があれば、自己判断せず必ず医師や薬剤師に相談してください。

ラゲブリオの副作用について

どのような薬にも副作用のリスクがあります。
ラゲブリオも例外ではありません。
しかし、臨床試験では比較的軽度な副作用が主なものでした。
副作用が疑われる症状が現れた場合は、速やかに医師や薬剤師に相談することが重要です。

起こりうる主な副作用

ラゲブリオの臨床試験で報告された主な副作用は、以下の通りです。
これらの副作用は、多くの場合軽度であり、服用を継続する中で改善したり、服用終了後には消失したりすることが多いとされています。

  • 吐き気(悪心) (0.8%)([出典](https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/780169_62500AMX00022_1_03))
  • 下痢 (1.2%)([出典](https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/780169_62500AMX00022_1_03))
  • めまい
  • 頭痛
  • 発疹

これらの副作用の頻度は、プラセボ群と比較して大きく変わらないものもありました。
例えば、MOVe-OUT試験では、試験期間中に副作用を経験した患者さんの割合は、ラゲブリオ群とプラセボ群で同程度でした。
ただし、これらの症状が現れた場合は、自己判断せずに医師に相談し、指示を仰ぐようにしてください。

ラゲブリオの重篤な副作用は?

ラゲブリオの服用に関連して、重篤な副作用が起こる可能性は非常に低いとされています。
臨床試験において重篤な副作用の報告はありませんでした([出典](https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/780169_62500AMX00022_1_03))。
しかし、可能性がゼロではないため、注意が必要です。

特に注意すべき点として、ラゲブリオは妊娠可能な女性や授乳中の女性への投与は推奨されていません。
動物実験において、胎児への影響や授乳中の乳児への影響が示唆されているためです([出典](https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/780169_62500AMX00022_1_03))。
そのため、妊娠している可能性のある女性や、投与期間中に妊娠を希望する女性に対しては、そのリスクについて十分に説明され、必要に応じて妊娠の有無を確認したり、厳重な避妊指導が行われたりします。
生殖可能年齢の患者には、投与期間中および投与終了後4日間の避妊が必要です([出典](https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/780169_62500AMX00022_1_03))。
男性についても、パートナーが妊娠可能な女性である場合は、投与期間中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うことが推奨されています。

また、ラゲブリオの作用機序から、ヒトの細胞にも影響を及ぼす可能性が理論的に懸念されています。
特に、DNAを持つ細胞に対して変異原性(遺伝子に傷をつける可能性)や催奇形性(胎児に奇形を生じさせる可能性)がないか慎重に評価されています。
現時点では、これらのリスクについて懸念を示すデータは限定的ですが、長期的な影響については引き続き注意深く評価が進められています。

重篤なアレルギー反応(アナフィラキシーなど)も理論上は起こり得ますが、稀です。
息苦しさ、顔や喉の腫れ、全身のかゆみなどの症状が現れた場合は、直ちに医療機関を受診する必要があります。

併用注意が必要な薬剤

ラゲブリオと他の薬剤との間で、重大な薬物相互作用はこれまでのところ報告されていません。
薬物相互作用は少ないと考えられています([出典](https://www.ncgm.go.jp/ncrm/guideline/pdf/covid19_outpatient_manual.pdf))。
これは、ラゲブリオ(モルヌピラビル)が主に体内で代謝されて活性代謝物(NHC)となり、これがウイルスのRNAに直接作用するという特異な作用機序を持つためと考えられます。
多くの薬物相互作用は、薬剤が体内の同じ酵素(特に薬物代謝酵素であるチトクロームP450など)を介して代謝される場合に起こりますが、ラゲブリオはこれらの酵素の影響をほとんど受けません。

したがって、ラゲブリオは他の多くの常用薬と併用しやすい薬剤と考えられています。
しかし、現在服用しているすべての薬(処方薬、市販薬、サプリメントなども含む)については、必ず医師や薬剤師に伝えてください
まれに予期せぬ相互作用が起こる可能性もゼロではありませんし、患者さんの全体的な病状や体調を把握した上で、ラゲブリオの投与が適切かどうかの最終判断は医師が行うためです。
特に、免疫抑制剤など、特定の疾患の治療のために特殊な薬剤を服用している場合や、P-gp基質薬(ジゴキシン等)を併用する場合は血中濃度測定を考慮するなど、注意が必要なケースもありますので、必ず申告してください([出典](https://www.ncgm.go.jp/ncrm/guideline/pdf/covid19_outpatient_manual.pdf))。
腎機能障害患者への用量調整は不要です([出典](https://www.ncgm.go.jp/ncrm/guideline/pdf/covid19_outpatient_manual.pdf))。

ラゲブリオの処方について

ラゲブリオは、医師の処方箋がなければ入手できない「処方箋医薬品」です。
薬局などで自由に購入することはできません。

ラゲブリオはどこで処方してもらえますか?

ラゲブリオは、新型コロナウイルス感染症の診断を受け、医師がラゲブリオの適用を判断した場合に、医療機関で処方されます。

  • 入院医療機関: 新型コロナウイルス感染症で入院している患者さんのうち、ラゲブリオの適応となる場合に、入院先の医師によって処方されます。
  • 外来医療機関: 新型コロナウイルス感染症と診断された外来患者さんのうち、重症化リスク因子を持ち、医師がラゲブリオによる治療が適切と判断した場合に処方されます。
    対応している医療機関については、お住まいの地域の保健所や都道府県のウェブサイトなどで情報が公開されている場合があります。
  • オンライン診療: 新型コロナウイルス感染症の診断がオンラインで行われた場合や、対面診療が困難な場合に、オンライン診療を通じてラゲブリオが処方されることもあります。
    この場合、薬は自宅などに配送されることになります。
    オンライン診療での処方が可能かどうかは、利用する医療機関によりますので、事前に確認が必要です。

ラゲブリオは高価な薬剤ですが、新型コロナウイルス感染症の治療薬として、公費支援の対象となる場合が多いです。
自己負担額については、国の施策や自治体の方針によって変動するため、処方を受ける医療機関や自治体の窓口にご確認ください。

新型コロナウイルス感染症の治療におけるラゲブリオの位置づけ

新型コロナウイルス感染症の治療は、病気の重症度や患者さんの状態に応じて様々な選択肢があります。
ラゲブリオは、数種類ある新型コロナウイルス治療薬の一つとして、主に軽症から中等症で重症化リスク因子を持つ患者さんに対する早期治療に位置づけられています。

他の主な治療薬としては、点滴薬のベクルリー(レムデシビル)、経口薬のパキロビッドパック(ニルマトレルビル・リトナビル)、ゾコーバ(エンシトレルビル フマル酸)などがあります。
これらの薬剤は、それぞれ異なる作用機序や対象患者、服用方法、併用注意薬などが異なります。

治療薬 有効成分 投与経路 主な対象患者 作用機序(概要)
ラゲブリオ モルヌピラビル 経口 軽症~中等症、重症化リスク因子あり(原則) ウイルスRNAにエラーを蓄積させ、増殖を阻害
パキロビッド ニルマトレルビル/リトナビル 経口 軽症~中等症、重症化リスク因子あり(原則) ウイルス複製に必要な酵素(プロテアーゼ)を阻害
ゾコーバ エンシトレルビル フマル酸 経口 軽症~中等症(重症化リスクの有無にかかわらず考慮) ウイルス複製に必要な酵素(プロテアーゼ)を阻害
ベクルリー レムデシビル 点滴 軽症~重症 ウイルスRNA複製酵素を直接阻害

どの薬剤を使用するかは、患者さんの年齢、基礎疾患、症状の程度、発症からの期間、他の薬剤との相互作用、地域の流行状況などを総合的に判断し、医師が決定します。
ラゲブリオは、特にパキロビッドパックとの飲み合わせが難しい薬剤を服用している患者さんや、妊娠可能な女性への投与が慎重であるという特徴など、他の薬剤との比較の中で、患者さん一人ひとりに最適な治療法を選択するために用いられます。

まとめ:ラゲブリオの効果を正しく理解する

ラゲブリオ(モルヌピラビル)は、新型コロナウイルス感染症に対する初の経口治療薬として、重症化リスク因子を持つ軽症から中等症の患者さんにおいて、入院や死亡のリスクを低減する効果が臨床試験で示された薬剤です。
ウイルスのRNA複製にエラーを蓄積させるという独特な作用機序により、ウイルスの増殖を抑え込みます([出典](https://www.jsip.or.jp/medical/covid19_medical.html))。

効果を最大限に得るためには、発症早期(5日以内)に([出典](https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35343.html))、医師の指示に従い、1回4カプセルを1日2回、5日間すべて服用することが重要です([出典](https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35343.html))。
副作用は比較的軽度なものが多いですが([出典](https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/780169_62500AMX00022_1_03))、重篤な副作用の可能性や、妊娠可能な女性への投与に関する注意点があります([出典](https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/780169_62500AMX00022_1_03))。
他の薬剤との相互作用は少ないと考えられています([出典](https://www.ncgm.go.jp/ncrm/guideline/pdf/covid19_outpatient_manual.pdf))。

ラゲブリオは処方箋医薬品であり、医師の診断に基づいて医療機関で処方されます。
ご自身の状態にラゲブリオが適しているかどうか、どのような効果や副作用が考えられるかについては、必ず医師に相談し、説明を十分に受けた上で服用を開始してください。
自己判断での服用や中止は避けましょう。

新型コロナウイルス感染症の治療薬に関する情報は日々更新されています。
最新の情報については、厚生労働省([出典](https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35343.html))や関連学会の発表、そして主治医からの説明をご確認ください。


免責事項

この記事は、ラゲブリオ(モルヌピラビル)に関する一般的な情報提供を目的として作成されたものであり、医学的なアドバイスや診断、治療法の推奨を行うものではありません。
個別の症状や病状については、必ず医師にご相談ください。
記載された情報は作成時点での一般的な知識に基づくものであり、最新の医学的知見や各国の規制、ガイドラインの変更により内容が古くなっている可能性や、個人によって効果や副作用の現れ方が異なる場合があります。
この記事の情報に基づいて行った行動によって生じたいかなる結果についても、当方は一切の責任を負いません。

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