インフルエンザB型は、例年冬から春にかけて流行する感染症の一つです。急な発熱や全身の倦怠感といったインフルエンザ共通の症状に加え、胃腸の症状が出やすいのが特徴として知られています。「インフルエンザB型 初期症状」について知ることは、ご自身の体調変化にいち早く気づき、早期に適切な対応をとるために非常に重要です。
この記事では、インフルエンザB型の初期症状から、A型との違い、診断や治療法、そして医療機関を受診すべき目安まで、詳しく解説します。体調が優れないと感じた際に役立つ情報を提供しますので、ぜひ最後までお読みください。
インフルエンザB型とは?特徴を解説
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる急性の呼吸器感染症です。インフルエンザウイルスにはいくつかの型があり、主にA型、B型、C型、D型が知られています。このうち、ヒトの間で流行を起こすのはA型とB型が中心です。
一般的に、インフルエンザにかかると、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感といった症状が比較的急速に現れるのが特徴です。加えて、普通の風邪と同じように、のどの痛み、鼻水、咳などの呼吸器症状も見られます(例:厚生労働省 令和6年度インフルエンザQ&A, 横浜市 インフルエンザ)。
インフルエンザB型ウイルスは、A型ウイルスと比較していくつかの異なる特徴を持っています。まず、B型ウイルスはヒト以外の動物にはほとんど感染しないとされており、これがA型が鳥類や哺乳類など広い範囲の宿主を持つことと異なります。このため、A型のように動物とヒトの間でウイルスが変異し、パンデミック(世界的な大流行)を引き起こす可能性は低いと考えられています。
しかし、B型ウイルスもヒトの間で変異を繰り返し、いくつかの系統(主にビクトリア系統と山形系統)が存在します。例年のインフルエンザワクチンには、このB型の二つの系統からそれぞれ一つずつ、計二種類のB型株が含まれていることが一般的です。
インフルエンザB型の流行時期は、例年A型よりやや遅れてピークを迎える傾向があります。国内では、例年12月から3月が流行シーズンですが(例:横浜市 インフルエンザ)、B型は冬の終盤から春先にかけて学校や地域社会で集団感染を引き起こすことも少なくありません。感染経路はA型と同様に、感染者の咳やくしゃみによる飛沫感染、そしてウイルスが付着した物品などを触った手で鼻や口に触れることによる接触感染が主体です。
B型インフルエンザは、A型に比べて症状が比較的穏やかと言われることもありますが、これは一概には言えません。個人差やその年の流行株によって症状の程度は大きく異なり、B型でも重症化するリスクは十分にあります。特に、お子さんではまれに急性脳症を、高齢者や免疫力の低下している方では細菌による肺炎を伴うなど、重症になることがあります(例:厚生労働省 令和6年度インフルエンザQ&A, 横浜市 インフルエンザ)。これらのリスクの高い方は注意が必要です。
インフルエンザB型の初期症状
インフルエンザB型にかかった際の初期症状は、他のインフルエンザや風邪と似ている部分も多いですが、B型に比較的特徴的な症状も現れることがあります。一般的に、インフルエンザの症状は突然現れることが多いです。
発熱の有無と特徴
インフルエンザB型でも、多くの場合は初期に発熱が見られます。ただし、A型が38℃以上の急激な高熱を伴うことが多いのに対し、B型では発熱の立ち上がりが比較的緩やかであったり、微熱から始まるケースも見られます。しかし、その後高熱になることも珍しくありません。熱のパターンとしては、一度熱が下がったように見えて再び上がる「二峰性の発熱」を示すことがあるとも言われています。発熱の程度は個人差が大きく、全く熱が出ないというケースも稀に報告されています。
倦怠感や筋肉痛
発熱と並んでインフルエンザの代表的な初期症状が、全身の倦怠感や筋肉痛、関節痛です。B型インフルエンザでも、これらの全身症状が強く現れることが多いです。体がだるく、起き上がるのが辛い、といった強い疲労感を感じることがあります。特に、体の節々が痛む、全身の筋肉がズキズキするといった症状は、インフルエンザを疑う一つのサインとなります。
鼻水、咳、喉の痛み
風邪でもよく見られる鼻水、咳、喉の痛みといった症状も、インフルエンザB型の初期に現れることがあります。ただし、これらの症状はA型と同様に、比較的軽度であることが多い傾向にあります。激しい咳や鼻づまり、強い喉の痛みといった症状が前面に出る場合は、インフルエンザ以外の風邪などの感染症の可能性も考慮する必要があります。とはいえ、これらの呼吸器症状が全く出ないわけではなく、個人差や併発する他の病原体によって症状の程度は異なります。
インフルエンザB型でよく見られるその他の症状
初期症状に続いて、あるいはほぼ同時に、インフルエンザB型に特徴的な、あるいは比較的よく見られる症状が現れてきます。
腹痛・下痢・嘔吐などの胃腸症状
インフルエンザB型で特に注意すべき症状の一つが、腹痛、下痢、吐き気、嘔吐といった胃腸症状です。これはA型と比較した場合に、B型でより高頻度に見られる特徴的な症状として知られています。特に小児や高齢者でこれらの症状が出やすい傾向がありますが、成人の場合でも見られることがあります。
具体的な症状としては、お腹全体の鈍痛や差し込むような痛み、水っぽい下痢、食べ物を見るのも嫌になるほどの吐き気、実際に食べたものを吐いてしまう嘔吐などがあります。これらの胃腸症状が強く出ると、食事や水分が十分に取れなくなり、脱水症状を起こす危険性もあります。特に小さな子供は脱水になりやすいため、注意深く観察し、少量ずつでも水分を与えるように心がけることが大切です。
なぜインフルエンザB型で胃腸症状が出やすいのか、そのメカニズムの詳細はまだ完全に解明されていませんが、ウイルスが消化管の細胞に影響を与えたり、全身の炎症反応が胃腸に影響を及ぼしたりすることが考えられています。
その他の全身症状
発熱、倦怠感、筋肉痛、胃腸症状以外にも、インフルエンザB型では様々な全身症状が見られることがあります。頭痛も比較的よく見られる症状の一つで、発熱に伴ってズキズキとした痛みを訴えることがあります。食欲不振も多くの患者さんに見られ、特に胃腸症状がある場合は顕著になります。また、寒気(悪寒)を感じることも多く、熱が上がる前に体が震えるような感覚を覚えることがあります。これらの症状はインフルエンザ全般に共通する症状ですが、B型の場合でも現れることを理解しておくことが重要です。
インフルエンザA型とB型の症状の違い
インフルエンザA型とB型は、同じインフルエンザウイルスによる感染症ですが、その症状の現れ方や流行の特性には違いが見られます。これらの違いを知っておくことは、ご自身の症状からどちらの型であるかを推測する上で役立つことがありますが、最終的な診断は医療機関での検査による必要があります。
A型とB型の主な症状比較
A型とB型の主な症状の違いを以下の表にまとめました。あくまで一般的な傾向であり、個人差が大きいことに注意してください。
項目 | インフルエンザA型 | インフルエンザB型 |
---|---|---|
発熱 | 突然の38℃以上の高熱、悪寒を伴うことが多い。 | A型ほど急激ではないことも。微熱から高熱まで幅がある。二峰性発熱の可能性も。 |
全身症状 | 強い倦怠感、筋肉痛、関節痛が顕著。 | A型と同様に強い倦怠感、筋肉痛、関節痛が見られる。 |
胃腸症状 | あまり目立たないことが多いが、見られることもある。 | 腹痛、下痢、吐き気、嘔吐などが比較的よく見られる(特に小児・高齢者)。 |
呼吸器症状 | 鼻水、咳、喉の痛みは比較的軽度なことが多い。 | 鼻水、咳、喉の痛みは比較的軽度なことが多い。 |
頭痛 | よく見られる。 | よく見られる。 |
流行の規模 | パンデミックを起こす可能性がある。大規模な流行。 | 地域的な流行が多いが、集団感染は起こる。パンデミックは起こさない。 |
ウイルスの変異 | 変異しやすい(抗原性が変化しやすい)。 | A型よりは変異しにくい。 |
流行時期 | 例年冬の初めから流行が始まることが多い。 | 例年A型よりやや遅れて、冬の終盤から春先にかけて流行のピークを迎える傾向。 |
この表から分かるように、A型は急激な発熱と強い全身症状が特徴的であるのに対し、B型はそれに加えて胃腸症状が出やすいという点が大きな違いとして挙げられます。もちろん、A型でも胃腸症状が出たり、B型でも胃腸症状が全く出なかったりすることもあるため、あくまで傾向として捉えることが重要です。
流行時期や感染力、変異について
前述の通り、インフルエンザA型は例年冬の初めから流行が始まることが多いのに対し、B型はやや遅れて冬の終わり頃から春にかけて流行のピークを迎える傾向があります。しかし、年によって流行パターンは変動するため、常にこの通りになるとは限りません。
感染力については、一般的にA型の方がB型よりも感染力が強いと言われることがありますが、B型でも学校や職場などの閉鎖を引き起こすような集団感染は十分に起こり得ます。どちらの型も、発症者の咳やくしゃみ、接触によって容易に感染が広がります。
ウイルスの変異のしやすさも異なります。A型ウイルスはヒトと動物の間を行き来する過程で、抗原性(ウイルスの表面にあるタンパク質の性質)が大きく変化しやすいという特徴があります。これが、新型インフルエンザウイルスの出現やパンデミックを引き起こす要因となります。一方、B型ウイルスは主にヒトの間でのみ循環するため、A型ほど大きく抗原性が変化することは少ないとされています。しかし、B型も少しずつ変異を繰り返しており、毎年流行する株が少しずつ異なるため、ワクチン株も毎年更新される必要があります。
これらの違いはウイルスの特性によるものですが、患者さん一人ひとりの症状の現れ方は、その方の免疫状態や年齢、基礎疾患の有無など、様々な要因によって影響を受けます。
インフルエンザB型の潜伏期間と感染期間
インフルエンザウイルスに感染してから症状が現れるまでの期間を潜伏期間といいます。インフルエンザB型の潜伏期間は、一般的に感染してから1日から4日程度とされています。平均すると約2日と言われることが多いです。つまり、ウイルスに触れてから1日~4日程度で発熱や体の痛みなどの初期症状が出始めるということです。
感染期間は、感染者が他の人にウイルスをうつす可能性のある期間のことです。インフルエンザウイルスは、発症する前日頃からすでに体内で増殖しており、ウイルスの排出が始まっていると考えられています。そのため、症状が出る前から感染力があるということになります。
最も感染力が強い期間は、発症後3日間程度とされています。この期間は、体内でウイルス量が最も多く、咳やくしゃみなどによって大量のウイルスが排出されます。その後、徐々にウイルスの排出量は減っていきますが、発症から5日から7日程度は感染力があるとされています。
特に、学校や幼稚園・保育園においては、集団感染を防ぐために明確な登校(園)停止期間が定められています。学校保健安全法施行規則では、インフルエンザの場合、「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで」を、出席停止期間の基準としています。これは、解熱後も一定期間は感染力を持つ可能性があるため、周囲への感染拡大を防ぐための重要な措置です。
家族内や職場など、閉鎖的な空間では、感染期間中は特に注意が必要です。症状が出始めたら速やかに医療機関を受診し、診断が確定した場合は、症状が回復するまで、そして周囲への感染リスクがなくなるまで、自宅で安静に過ごすことが求められます。
インフルエンザB型の診断と治療
インフルエンザB型が疑われる症状がある場合、医療機関での正確な診断と適切な治療を受けることが重要です。自己判断で対処せず、専門家の指示に従いましょう。
検査による診断方法
インフルエンザの診断は、主に以下の方法で行われます。
- **問診と診察:** 医師が患者さんの症状(発熱の程度、全身症状、胃腸症状など)、いつから症状が出たか、周囲の流行状況などを詳しく聞き取り、喉の状態などを診察します。典型的なインフルエンザの症状がある場合、この段階でインフルエンザが強く疑われることがあります。
- **迅速診断キット:** 現在、最も一般的に行われている検査です。鼻の奥(鼻咽頭)に細い綿棒を入れて粘液を採取し、キットを使ってウイルスの有無を調べます。検査結果は15分程度で判明することが多いです。この検査でA型かB型かを判別することができます。ただし、迅速診断キットの精度は、発症からの時間経過によって変動します。特に発症してから12時間未満の場合、体内のウイルス量が十分でないために、実際には感染していても「陰性」と判定されてしまう「偽陰性」の可能性があります。そのため、症状から強くインフルエンザが疑われる場合は、陰性であっても医師の判断で治療が開始されることもあります。
- **PCR検査:** 鼻や喉の粘液からウイルスの遺伝子を検出する検査です。迅速診断キットよりも感度が高く、より正確な診断が可能ですが、結果が出るまでに時間がかかります。主に研究機関や一部の医療機関で実施され、一般の診療では迅速診断キットが広く使われています。
インフルエンザの診断は、これらの検査結果だけでなく、医師の問診や診察、周囲の流行状況などを総合的に判断して行われます。
主な治療薬の種類
インフルエンザの治療には、インフルエンザウイルスの増殖を抑える「抗インフルエンザウイルス薬」が用いられます。これらの薬剤は、A型、B型の両方のウイルスに効果があるとされています。発症から48時間以内に服用を開始することで、症状の軽減や回復を早める効果が期待できます。主な抗インフルエンザウイルス薬には以下のような種類があります。
- **ノイラミニダーゼ阻害薬:**
- **オセルタミビル(商品名: タミフル):** 内服薬。成人、小児ともに広く使用されています。通常、1日2回、5日間服用します。
- **ザナミビル(商品名: リレンザ):** 吸入薬。7歳以上の患者さんが対象となります。通常、1日2回、5日間吸入します。呼吸器系の持病がある場合は慎重な使用が必要です。
- **ペラミビル(商品名: ラピアクタ):** 点滴薬。重症の患者さんや、タミフルなどが服用できない場合に用いられることがあります。多くの場合、1回の点滴で治療が完了します。
- **キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬:**
- **バロキサビルマルボキシル(商品名: ゾフルーザ):** 内服薬。原則として1回の服用で治療が完了します。利便性が高いですが、ウイルスの耐性化が懸念される場合もあります。
どの薬剤を使用するかは、患者さんの年齢、症状、基礎疾患、合併症の有無、過去の薬剤アレルギーなどを考慮して医師が判断します。自己判断での服用や中止は避け、必ず医師の指示に従ってください。
抗インフルエンザウイルス薬の服用に加え、症状を和らげるための対症療法も行われます。例えば、発熱に対しては解熱剤、咳に対しては咳止め、鼻水に対しては鼻炎薬などが処方されることがあります。これらの対症療法薬の使用についても、必ず医師や薬剤師の指示を受けてください。
ご家庭でのケア方法
インフルエンザにかかった際は、医療機関での治療と合わせて、ご家庭での適切なケアが回復を早めるために非常に重要です。
- **安静にする:** 体力を消耗しないよう、十分に休息をとり、無理な外出や運動は避けてください。熱がある間はもちろん、解熱してもしばらくは体力が回復するまで無理をしないことが大切です。
- **十分な水分補給:** 発熱や胃腸症状(特に下痢や嘔吐)によって脱水状態になりやすいため、こまめに水分を補給しましょう。水、お茶、経口補水液などが適しています。一度に大量に飲むのではなく、少量ずつ頻回に飲むのが効果的です。胃腸症状が強い場合は、冷たいものより常温のものが飲みやすいことがあります。
- **栄養補給:** 食欲がない場合でも、できるだけ栄養を摂取するよう心がけましょう。消化の良いもの、喉ごしの良いものがおすすめです。おかゆ、うどん、スープ、ゼリー、プリンなどが適しています。無理にたくさん食べる必要はありませんが、エネルギーとなる糖分なども適度に摂取することが回復を助けます。
- **部屋の温度・湿度管理:** 快適な室温(目安:20~22℃程度)と湿度(目安:50~60%)を保つようにしましょう。空気が乾燥していると、咳が出やすくなったり、喉の痛みが悪化したりすることがあります。加湿器を使用したり、濡れタオルを干したりして湿度を調整するのが効果的です。
- **換気:** 定期的に部屋の換気を行うことで、室内にこもったウイルスを排出し、空気の入れ替えをすることができます。他の家族への感染予防にもつながります。
- **マスクの着用:** 感染している人は、咳やくしゃみによるウイルスの飛散を防ぐためにマスクを着用しましょう。
- **手洗い:** 患者さん本人だけでなく、介護する家族も石鹸を使った丁寧な手洗いを心がけ、接触感染を防ぐことが重要です。
- **解熱剤の使用:** 医師から解熱剤が処方された場合は、医師の指示に従って適切に使用してください。無理に熱を下げる必要はありませんが、高熱で体が辛い場合には使用が有効です。ただし、アスピリンなどのサリチル酸系の薬剤は、インフルエンザの子供への使用でライ症候群という重篤な病気を引き起こす可能性があるため、原則として使用されません。
これらのご家庭でのケアを適切に行うことで、症状の緩和と早期回復を促し、ご自身だけでなく周囲への感染拡大を防ぐことにもつながります。
どのような場合に医療機関を受診すべきか
「インフルエンザかな?」と思った時に、どのような症状や状況であれば医療機関を受診すべきか判断に迷うことがあるかもしれません。以下の目安を参考に、早めに医療機関に相談するようにしましょう。
受診の目安
インフルエンザが疑われる症状が出た場合は、原則として医療機関を受診することが推奨されます。特に以下のような症状や状況がある場合は、速やかな受診が必要です。
- **高熱が続いている:** 38℃以上の高熱が数日(目安として3日以上)続いている場合。
- **呼吸が苦しい、息切れがある:** 肺炎などの合併症を起こしている可能性。ゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴がある場合も注意。
- **胸の痛み:** 肺炎や心筋炎などの可能性も。
- **意識がもうろうとしている、応答がおかしい:** 脳症などの重篤な合併症の可能性。呼びかけへの反応が鈍い、言動がおかしいなど。
- **けいれん:** 特に小児でインフルエンザに伴うけいれんが起こることがあります。
- **水分が全く取れない:** 強い吐き気や嘔吐、食欲不振により、経口での水分摂取が困難な場合。脱水症状を起こす危険性が高い。
- **症状が改善しない、むしろ悪化している:** 抗インフルエンザウイルス薬を服用しているにもかかわらず症状が軽くならない、あるいは一度軽くなった症状が再び悪化してきた場合。
- **基礎疾患(慢性肺疾患、心疾患、腎臓病、糖尿病、免疫抑制状態など)がある方:** インフルエンザが重症化しやすいリスクがあるため、早めに医師の診察を受けることが重要です。
- **妊娠している方:** 妊娠中は免疫状態が変化し、インフルエンザが重症化しやすいと言われています。
- **乳幼児や高齢者:** これらの年齢層はインフルエンザの重症化リスクが高いため、症状が出たらできるだけ早く受診しましょう。乳幼児の場合、ぐったりしている、機嫌が著しく悪い、水分が取れないなどのサインに注意が必要です。
上記のような症状がない場合でも、インフルエンザが疑われる症状があり、ご自身で判断に迷う場合は、医療機関に電話で相談してみることをお勧めします。
診療科の選び方
インフルエンザの症状が出た場合、受診する診療科は以下の通りです。
- **成人:** 内科を受診するのが一般的です。かかりつけ医がいる場合は、まずそちらに相談しましょう。
- **小児:** 小児科を受診します。
- **休日や夜間:** かかりつけ医がお休みの場合や、症状が急変した場合は、地域の休日・夜間診療所や救急外来を受診する必要があります。事前に電話で受け入れが可能か確認してから向かうようにしましょう。
医療機関を受診する際は、事前に医療機関に電話で連絡し、インフルエンザの症状があることを伝えるようにしましょう。これにより、他の患者さんへの感染を防ぐための配慮(待合室を分けるなど)をしてもらえることがあります。また、受診する際は、マスクを着用し、咳エチケットを心がけることが重要です。
まとめ|インフルエンザB型の初期症状を知り、早めの対応を
インフルエンザB型は、急な発熱、全身の倦怠感や筋肉痛といったインフルエンザ共通の症状に加えて、腹痛や下痢、嘔吐といった胃腸症状が比較的よく見られるのが特徴です。A型と比較すると症状が穏やかと言われることもありますが、特に、お子さんではまれに急性脳症を、高齢者や免疫力の低下している方では細菌による肺炎を伴うなど、重症になることがあります(例:厚生労働省 令和6年度インフルエンザQ&A, 横浜市 インフルエンザ)。
インフルエンザB型の初期症状に気づき、早めに医療機関を受診することは、病気の早期診断と適切な治療につながり、症状の軽減や回復を早めること、そして肺炎や脳症などの重篤な合併症を予防することに繋がります。また、早期に診断を受けることで、ご自身だけでなく周囲への感染拡大を防ぐための適切な行動(自宅での安静、マスク着用、手洗いなど)をとることができます。
もし、発熱や体の痛み、いつもと違う強いだるさ、さらには腹痛や下痢、吐き気といった症状が現れた場合は、「もしかしたらインフルエンザB型かもしれない」と考え、自己判断せずに医療機関に相談することが大切です。特に、小さなお子さん、高齢の方、持病がある方は、症状が軽く見えても早めに受診することを強くお勧めします。
この記事で解説した情報が、インフルエンザB型に関する理解を深め、いざという時に役立つことを願っております。
免責事項: 本記事はインフルエンザB型に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、医学的な診断や治療を推奨するものではありません。個別の症状や治療については、必ず医師の診断と指示に従ってください。本記事の情報に基づいて行った行為によるいかなる結果についても、当方は責任を負いかねます。