足の外側が痛むという症状は、日常生活や運動中に起こりやすく、歩行時に特に気なる場合も多いでしょう。一口に「足の外側が痛い」と言っても、その原因は様々です。筋肉や腱の問題、骨や関節の異常、あるいは神経の関与など、痛みの背景には様々な要因が考えられます。
この記事では、足の外側が痛くなる主な原因から、自宅でできるセルフケア、病院での診断・治療法、そして痛みを繰り返さないための予防策までを詳しく解説します。この記事を通して、ご自身の痛みの原因を知り、適切な治し方を見つけるための一助となれば幸いです。
足の外側が痛くなる主な原因とは
足の外側の痛みは、足首から足の甲、くるぶしの下や後ろ側、さらには足の小指側にかけて広範囲にわたって生じる可能性があります。痛みの性質も、ズキズキとした痛み、ジーンとした痛み、歩き始めの痛み、特定の動作での痛みなど多岐にわたります。これらの痛みの原因は、主に以下のカテゴリーに分けられます。
筋肉・腱のトラブル
足の外側には、足首を外側に返したり、足の指を持ち上げたりする働きを持つ筋肉やその腱が多く存在します。これらの筋肉や腱に過度な負担がかかることで炎症が起こり、痛みの原因となることがあります。
短腓骨筋腱炎、長腓骨筋腱炎
腓骨筋（ひこつきん）は、足の外側にある筋肉で、長腓骨筋と短腓骨筋があります。これらの筋肉の腱は、足の外くるぶしの後ろを通り、足の裏や第5中足骨（小指側の足の甲の骨）に付着しています。
ランニングやジャンプ、繰り返しの足首の動きなど、腓骨筋に負担がかかる運動を続けたり、合わない靴を履いたりすることで、腱に炎症が生じることがあります。これを腓骨筋腱炎と呼びます。
- 短腓骨筋腱炎: 主に足の外くるぶしのやや下から前の方にかけて痛みが生じやすいです。ランニングの蹴り出し時や、つま先立ち、足首を外側に返す動作で痛みが強くなることがあります。
- 長腓骨筋腱炎: 外くるぶしの後ろ側や、足の裏側（土踏まずの外側）にかけて痛みが出やすいです。歩行時やランニング時に、足の裏で地面を蹴る際に痛みを感じることがあります。
特に、足のアーチが低い扁平足の方や、足首が不安定な方に起こりやすい傾向があります。
腓骨筋腱付着部炎（第5中足骨など）
腓骨筋腱は、特に短腓骨筋腱が第5中足骨の基部（足の甲の小指側、出っ張っている骨）に付着しています。この付着部に繰り返し牽引力が加わったり、直接的な圧迫を受けたりすることで炎症が起こり、痛みが生じるのが腓骨筋腱付着部炎です。
この部分は靴と擦れやすいため、合わない靴やきつい靴を履いていると痛みを誘発しやすいです。また、ランニングやジャンプなど、着地時に足の外側に大きな衝撃がかかるスポーツでも起こりやすい症状です。第5中足骨の基部のピンポイントな圧痛が特徴的です。
骨・関節のトラブル
足の外側の痛みは、骨や関節そのものに問題がある場合にも起こります。骨折や靭帯損傷、関節の炎症などが考えられます。
疲労骨折
特定の骨に繰り返し小さな力が加わることで生じる骨折です。足の外側では、特に第5中足骨や腓骨（ふくらはぎの外側の細い骨）に疲労骨折が生じやすいことがあります。
ランニングやジャンプなど、同じ動作を繰り返し行うスポーツ選手に多く見られますが、急に運動量を増やしたり、硬い路面でのトレーニングを続けたりすることでも起こり得ます。初期には運動中のみの痛みですが、進行すると安静時にも痛むようになり、腫れを伴うこともあります。
足関節外側靭帯損傷（捻挫の後遺症など）
足首を内側にひねる（内反捻挫）ことによって、足関節の外側にある靭帯（前距腓靭帯、踵腓靭帯など）が損傷する状態です。これは日常生活だけでなく、スポーツをしている方にも頻発します。捻挫の直後はもちろん痛みを伴いますが、十分に回復しないまま活動を再開したり、繰り返し捻挫を起こしたりすると、靭帯が緩んだままになったり、線維化して硬くなったりすることがあります。適切な治療を受けないと慢性化するリスクもあります。 この靭帯の不安定性や硬さが原因で、足の外側に慢性的な痛みや違和感、歩行時の不安定感が生じることがあります。特に、でこぼこした場所を歩くときや、急な方向転換で痛みを感じやすいです。
第5中足骨の骨折（下駄骨折など）
第5中足骨は、足の外縁にある骨で、様々な種類の骨折が生じやすい部位です。
- 下駄骨折: 足首を強く内側にひねった際に、短腓骨筋腱に引っ張られて第5中足骨の基部が剥離骨折するものです。かつては下駄を履いている時に起こりやすかったため、この名前がつきました。強い痛み、腫れ、内出血を伴い、歩行が困難になることが多いです。
- ジョーンズ骨折: 第5中足骨の基部から少し離れた部分に生じる骨折です。スポーツ中の繰り返し応力や、直接の衝撃で起こることがあります。治りにくい特徴があり、偽関節（骨がつかない状態）になるリスクも比較的高いです。
- 疲労骨折: 上述の通り、繰り返し応力による疲労骨折もこの部位に起こりやすいです。
これらの骨折は、明確な外傷がなくても、特定の動作や負荷によって発生する可能性があり、早期の診断と適切な治療が必要です。
関節炎
足の外側にある関節（例えば、踵骨と立方骨の間にある踵立方関節など）に炎症が生じることで痛みが出ることがあります。関節リウマチや痛風などの全身性の疾患に伴う関節炎や、過去の外傷（骨折や靭帯損傷）が原因で変形性関節症となり、炎症を起こすこともあります。
関節炎による痛みは、朝起きた時に強い（朝のこわばり）、関節が腫れる、熱を持つなどの特徴が見られることがあります。
その他の原因
筋肉、腱、骨、関節の問題以外にも、足の外側の痛みの原因となることがあります。
合わない靴や歩き方（重心移動の問題など）
足の形に合わない靴、サイズが小さすぎる・大きすぎる靴、ヒールが高すぎる靴などは、足の一部に過剰な圧迫や摩擦、負担をかけます。特に足の外側は、靴の構造によっては圧迫されやすく、痛みやタコ、ウオノメの原因となることがあります。
また、歩き方や走り方の癖も痛みの原因になります。例えば、足の外側に重心をかけすぎる歩き方（過回外）は、腓骨筋に過剰な負担をかけたり、足の外側の骨や関節にストレスをかけたりする可能性があります。逆に、足首が内側に倒れすぎる（過回内、扁平足など）場合も、それを支えようとする腓骨筋に負担がかかり、結果的に外側に痛みが出ることがあります。
神経による痛み（神経障害など）
足の外側を通る神経（例：浅腓骨神経など）が、圧迫されたり損傷したりすることでも痛みが生じます。神経による痛みは、ピリピリ、ジンジン、チクチクといったしびれや、灼熱感（焼けるような感覚）を伴うことが多いのが特徴です。
タイトな靴や、特定の動きによる繰り返しの圧迫などが原因となることがあります。また、糖尿病や脊椎の疾患など、全身の病気が原因で末梢神経障害が起こり、足の痛みを引き起こすこともあります。
全身性疾患との関連
痛風は、尿酸の結晶が関節に蓄積して強い炎症を起こす病気です。足の親指の付け根に起こることが多いですが、足首や足の外側の関節に発作が起こることもあります。突然激しい痛みに襲われるのが特徴です。
関節リウマチは、全身の関節に炎症を起こす自己免疫疾患です。足の小さな関節にも影響を及ぼし、痛み、腫れ、変形などを引き起こすことがあります。
これらの全身性疾患が原因で足の外側が痛む場合は、原疾患の治療が必要になります。
足の外側の痛みを和らげる自宅での治し方（セルフケア）
足の外側の痛みが、軽度であったり、特定の動作の後の一時的なものであったりする場合は、まずは自宅でのセルフケアを試みることができます。ただし、痛みが強い場合や、原因がはっきりしない場合は、無理なセルフケアは避け、専門医に相談することが重要です。
まずは患部を安静にする
痛みが続く場合は、原因となっている活動（ランニング、長時間の歩行など）を一時的に中止し、患部を安静にすることが最も重要です。痛みを感じる動作を避けることで、炎症の悪化を防ぎ、回復を促すことができます。スポーツをしている方の場合は、練習量や強度を減らす、あるいは完全に休むなどの対応が必要です。
炎症を抑えるためのアイシング
痛みや腫れ、熱感がある場合は、炎症が起きている可能性があります。このような場合には、患部を冷やす（アイシング）ことが効果的です。ビニール袋に氷と少量の水を入れ、タオルで包んで患部に当てます。1回あたり15～20分程度、1日に数回行いましょう。冷やしすぎによる凍傷には注意が必要です。痛みが慢性的な場合や、炎症所見（腫れ、熱感）がはっきりしない場合は、温める方が効果的なこともあります。どちらが良いか判断に迷う場合は、医師や理学療法士に相談しましょう。
筋肉の緊張を和らげるストレッチ
足の外側の痛みが、腓骨筋などの筋肉の緊張や柔軟性の低下によるものである場合、ストレッチが有効です。痛みのない範囲で、ゆっくりと行いましょう。
腓骨筋のストレッチ方法
腓骨筋をストレッチするには、足首を内側にひねる（内返し）動きと、足の指先をすねの方に引き上げる（背屈）動きを組み合わせます。
- 椅子に座るか床に座り、片足を伸ばします。
- 伸ばした足のつま先を内側に向けます。
- 可能であれば、手で足の甲を持ち、さらに内側、かつすねの方に引き上げます。
- 足の外側（ふくらはぎの外側から足首にかけて）の筋肉が伸ばされているのを感じながら、20～30秒キープします。
- これを2～3セット繰り返します。
- 反対側の足も同様に行います。
ストレッチ中に強い痛みを感じる場合は中止してください。
足首周りのストレッチ
足首全体の柔軟性を高めることも重要です。アキレス腱やふくらはぎのストレッチも、足への負担軽減につながります。
- アキレス腱ストレッチ: 壁に手をつき、痛む方の足を後ろに引きます。後ろ足のつま先をまっすぐ前に向け、かかとを床につけたまま、前足の膝を曲げて体重を前に移動させます。後ろ足のふくらはぎが伸びるのを感じながら20～30秒キープ。
- 足指・足裏ストレッチ: 座って、片方の足の指を反らせたり、足の指を握るように曲げたりします。ゴルフボールなどを足裏で転がすのも効果的です。
痛む箇所の保護とサポート
痛む部分を保護し、足にかかる負担を軽減するために、テーピングやサポーター、インソールなどを活用することも有効です。
テーピングによる固定
足の外側が痛む場合、腓骨筋腱への負担軽減や、足首の安定化を目的にテーピングを行うことがあります。
- 腓骨筋腱のサポート: 足の外くるぶしの後ろから足の裏を通って、足の甲の外側に向かってテープを貼ることで、腓骨筋腱の動きをサポートします。
- 足首の安定化: 足首の外側を固定するように、8の字にテープを巻くことで、足首のぐらつきを軽減し、靭帯への負担を減らします。
ただし、誤ったテーピングは症状を悪化させる可能性もあるため、専門家（医師、理学療法士、トレーナーなど）に指導を受けて行うのが望ましいです。
インソールやサポーターの活用
- インソール（足底板）: 足のアーチをサポートしたり、特定の部位にかかる圧力を分散させたりすることで、足の骨格アライメントを調整し、足の外側への負担を軽減します。特に、扁平足やハイアーチなど、足の骨格に特徴がある方には有効な場合があります。市販のものから、専門家が作成するオーダーメイドのものまで様々な種類があります。
- サポーター: 足首用のサポーターは、関節の不安定感を軽減し、運動時の安心感を与えます。ただし、長時間の使用は筋力低下を招く可能性もあるため、必要な時のみ使用するなど工夫が必要です。
インソールやサポーターの選択は、痛みの原因や足の形状によって最適なものが異なります。可能であれば専門家のアドバイスを受けて選びましょう。
日常生活の見直し
痛みを改善し、再発を防ぐためには、日頃の生活習慣を見直すことも重要です。
足に合った靴の選び方
- サイズと幅: 足の長さだけでなく、幅や甲の高さも自分の足に合っているか確認しましょう。午後に足が少しむくむことを考慮して試着するのがおすすめです。
- クッション性とサポート性: 歩行時や運動時の衝撃を吸収するクッション性や、足のアーチを適切にサポートする構造があるか確認しましょう。
- 目的に合った靴: ランニングにはランニングシューズ、ウォーキングにはウォーキングシューズなど、用途に合った機能を持つ靴を選びましょう。
正しい歩き方の意識
- かかとから着地: かかとで柔らかく着地し、足裏全体をスムーズに接地させ、最後に足指の付け根（特に母趾球）で地面を蹴り出すように意識します。
- 重心移動: 足の外側に過剰に重心をかけないように、足裏全体でバランスよく体重を支えることを意識しましょう。
- 歩幅とペース: 無理に大股で歩いたり、速すぎるペースで歩いたりせず、ご自身の体力に合った歩幅とペースで歩きましょう。
歩き方の癖は自分では気づきにくいものです。可能であれば、ウォーキング指導などを受けてみるのも良いでしょう。
こんな時は病院へ｜足の外側の痛みで受診を検討する目安
セルフケアで改善が見られない場合や、痛みが強い場合など、以下の症状がある場合は医療機関を受診することを強く推奨します。早期診断と適切な治療は、回復を早め、慢性化を防ぐために非常に重要です。
痛みが強い、腫れや変形がある場合
- 激しい痛みで体重をかけるのが辛い、あるいは全く体重をかけられない。
- 痛む部位が赤く腫れている、熱を持っている。
- 明らかに足の形が変わってしまった、曲がってしまったように見える。
これらの症状は、骨折や重度の靭帯損傷、強い炎症などが起きている可能性を示唆します。
痛みが長期間（1週間以上など）続く場合
セルフケア（安静、アイシングなど）を数日行っても痛みが軽減しない、あるいは徐々に痛みが強くなっている場合は、自己判断せず専門家に見てもらいましょう。原因がセルフケアでは対処できない問題である可能性があります。
安静にしても痛みが改善しない場合
痛みが運動中だけでなく、安静にしている時や夜間にも続く場合は注意が必要です。疲労骨折や強い炎症、あるいは神経の関与など、比較的重い状態の可能性があります。
歩行困難な場合
痛みのため普通に歩くのが難しい、足を引きずる、跛行（はこう：びっこをひく）してしまうような場合は、何らかの重い損傷が起きているサインかもしれません。
何科を受診すべきか？
足の外側の痛みの原因を正確に診断し、適切な治療を受けるためには、整形外科を受診するのが最も一般的です。整形外科医は、骨、関節、筋肉、腱、神経といった運動器の専門家です。
スポーツによる怪我の場合は、スポーツ整形外科を標榜している医療機関を受診するのも良いでしょう。また、痛風や関節リウマチなど全身性疾患が疑われる場合は、リウマチ科や内科での診察が必要となることもあります。まずはかかりつけ医に相談するか、症状に合わせて整形外科を受診しましょう。
病院での診断と主な治療法
医療機関では、まず医師による詳細な問診と身体診察が行われ、痛みの原因を特定するための検査が行われます。診断に基づいて、原因に応じた治療法が選択されます。
医師による問診と検査
医師は、いつから痛むのか、どのような時に痛むのか（歩行時、運動時、安静時など）、痛みの性質（ズキズキ、ジンジンなど）、痛む場所、過去の怪我や病歴、現在の活動状況などを詳しく聞き取ります。
次に、視診（足の腫れ、変形、赤みなどを観察）、触診（痛む場所を触って確認、圧痛点の特定）、関節の動きの確認、特別な徒手検査（靭帯の緩みなどを調べる）などが行われます。
画像診断（レントゲン、MRIなど）
痛みの原因を特定するために、様々な画像検査が行われます。
| 検査方法 | 確認できる主な内容 |
|---|---|
| レントゲン | 骨の異常（骨折、変形、関節の隙間）、初期の疲労骨折は写りにくい |
| MRI | 筋肉、腱、靭帯、軟骨、神経などの軟部組織、初期の疲労骨折 |
| CT | 骨の詳細な構造、微細な骨折 |
| 超音波（エコー） | 腱・靭帯損傷、滑液包炎、血腫（リアルタイム観察） |
これらの画像診断を組み合わせて、痛みの正確な原因を特定します。
薬物療法
痛みが強い場合や炎症を抑える必要がある場合、薬物療法が行われます。
- 非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs）： 飲み薬や湿布、塗り薬などがあります。痛みや炎症を和らげる効果があります。
- 鎮痛剤: NSAIDsで痛みが十分に抑えられない場合などに処方されることがあります。
- ステロイド注射: 腱炎や関節炎など、局所の強い炎症に対して、関節内や腱鞘内にステロイド注射を行うことがあります。高い抗炎症効果が期待できますが、繰り返し行うと組織を弱くするリスクもあるため、適応は慎重に判断されます。
物理療法
物理的な刺激を利用して、痛みの軽減や組織の回復を促す治療法です。
- 温熱療法・寒冷療法: 痛みの性質や病態に応じて、患部を温めたり冷やしたりします。
- 電気療法: 低周波や超音波などの電気刺激を利用して、痛みの緩和や血行促進を図ります。
- 運動療法: 医師や理学療法士の指導のもと、筋肉の柔軟性を改善するストレッチ、弱くなった筋肉を強化するトレーニング、バランス能力を高める訓練などを行います。痛みの原因となった体の使い方を改善し、再発予防を目指します。
装具療法
足の機能やアライメントを修正し、痛みの軽減や負担分散を図るために装具が用いられます。
- インソール（足底板）： 足のアーチサポート、踵骨の安定化、局所の圧迫軽減など、個々の足の形状や問題点に合わせて作製されます。歩行時の足への負担を軽減し、痛みの原因となっている力学的ストレスを修正するのに有効です。
- サポーターやブレース: 足首の不安定性を補強したり、特定の動きを制限したりすることで、痛みを軽減し、損傷部位の保護を図ります。
手術療法
多くの足の外側の痛みは保存療法（手術以外の治療）で改善しますが、以下のような場合には手術が検討されることがあります。
- 骨折が転位している場合や、保存療法で骨癒合が得られない（偽関節）場合。
- 重度の靭帯損傷で足関節の不安定性が著しい場合。
- 保存療法を十分に行っても、難治性の腱炎や神経圧迫の症状が改善しない場合。
- 関節の変形が進行し、日常生活に支障をきたしている場合（変形性関節症など）。
手術の方法は、原因となる疾患や損傷の程度によって異なります。足首の捻挫による外側靭帯損傷の治療においても、重症度に応じた保存療法から手術まで、状態に合わせた治療計画が検討されます（参考：森整形外科 足首・くるぶしの痛み）。担当医とよく相談し、手術の必要性やリスク、予後について十分に理解することが重要です。
足の外側の痛みを予防するには
一度痛みが改善しても、原因となった習慣や体の状態が変わらなければ、痛みを繰り返してしまう可能性があります。痛みの再発を防ぎ、健康な足を維持するために、日頃から以下の予防策を心がけましょう。
定期的なストレッチと筋力強化
足の外側の痛みに関係する腓骨筋だけでなく、ふくらはぎ（下腿三頭筋）や足裏の筋肉（足底筋群）など、足全体の筋肉の柔軟性を保ち、適切な筋力を維持することが重要です。特に運動習慣がある方は、運動前後のストレッチを丁寧に行いましょう。また、片足立ちやカーフレイズ（つま先立ち）など、足首や足の指の筋肉を強化するトレーニングも効果的です。バランス能力を高める運動も、足首の安定性を向上させ、捻挫予防につながります。
足に負担をかけない靴選び
前述したように、自分の足に合った靴を選ぶことは非常に重要です。特に長時間の歩行や立ち仕事、運動をする際は、機能性の高い靴を選びましょう。靴底のすり減り具合もチェックし、古くなった靴は適度に交換することが大切です。
歩き方・ランニングフォームの改善
足への負担を軽減するためには、正しい歩き方やランニングフォームを習得することも有効です。特に、足の外側に偏った重心移動や、過回内・過回外といった足のつき方の癖がある場合は、意識的に改善したり、専門家（理学療法士、トレーナーなど）にアドバイスを求めたりすると良いでしょう。ビデオ分析などを通じて、自分のフォームを客観的に確認するのも有効な手段です。
十分な休息と栄養
過度なトレーニングや疲労は、筋肉や骨にストレスを与え、痛みの原因となります。運動後や仕事の後は十分に休息を取り、体の回復を促しましょう。バランスの取れた食事を心がけ、骨や筋肉の健康維持に必要な栄養（カルシウム、ビタミンD、タンパク質など）をしっかり摂取することも大切です。
体重管理
体重が増加すると、足にかかる負担も増大します。適正体重を維持することは、足の痛みの予防だけでなく、全身の健康にとっても重要です。
痛みのサインを見逃さない
運動中や日常生活で足に違和感や軽い痛みを感じたら、無理をせず早めに休息を取るなど、体のサインを見逃さないことが大切です。初期段階で対処することで、症状の悪化を防ぐことができます。
まとめ｜足の外側の痛み、原因に応じた適切な治し方を
足の外側の痛みは、筋肉や腱の炎症、骨折や靭帯損傷、関節のトラブル、合わない靴や歩き方、神経の問題など、様々な原因で起こり得ます。特に歩行時に痛みを感じる場合は、これらの原因が複雑に絡み合っていることも少なくありません。
痛みが軽度で一時的なものであれば、安静、アイシング、ストレッチ、テーピングやインソールによるサポートなどのセルフケアで改善する場合があります。
しかし、痛みが強い、腫れや変形がある、痛みが1週間以上続く、安静にしても痛む、歩行が困難といった場合には、自己判断せずに整形外科などの専門医を受診することが重要です。病院では、問診や画像診断などを行い、痛みの正確な原因を特定し、薬物療法、物理療法、装具療法、必要に応じて手術療法といった適切な治療法が選択されます。
痛みを改善し、再発を防ぐためには、原因に応じた適切な治療だけでなく、日頃からの予防策も重要です。定期的なストレッチや筋力強化、足に合った靴選び、正しい歩き方の意識、十分な休息と栄養摂取などを心がけましょう。
足の痛みは、生活の質を大きく低下させる可能性があります。この記事で解説した情報を参考に、ご自身の痛みに適切に向き合い、必要であれば専門家のサポートを受けながら、快適な毎日を取り戻してください。
免責事項: 本記事は情報提供を目的としており、診断や治療を推奨するものではありません。足の痛みがある場合は、必ず医療機関を受診し、医師の診断と指導を受けてください。セルフケアを行う際も、痛みが悪化する場合は中止し、医療機関に相談してください。
