鼻の奥からふわっと、あるいはツンとした嫌な臭いを感じたことはありませんか?もしかしたら、鼻くそが臭いのかもしれません。
「なぜ自分の鼻くそは臭いのだろう」「何か病気が隠れているのではないか」と不安に感じている方もいるでしょう。
鼻くそが臭くなる原因は一つではありません。
乾燥や一時的な炎症によるものから、治療が必要な病気が隠れている場合まで、さまざまな可能性が考えられます。
この記事では、鼻くそが臭いと感じる主な原因や、考えられる病気、ご自身でできる対処法、そして医療機関を受診する目安について、耳鼻咽喉科医師監修のもと詳しく解説します。
この情報を参考に、鼻の臭いに関する悩みを解消し、適切な対応をとるための一歩を踏み出しましょう。
鼻くそが臭い!考えられる主な原因
鼻くそは、鼻腔内の粘膜から分泌される粘液や、空気中のほこり、細菌、ウイルスなどが混ざり合ってできるものです。
通常、これらの成分は乾燥すると固まり、鼻くそとして体外に排出されます。
健康な状態であれば、鼻くそに強い臭いはありません。
しかし、特定の条件下では、鼻くそが嫌な臭いを放つようになることがあります。
その主な原因を探っていきましょう。
鼻くそが臭くなるメカニズムには、主に以下の2つが関わっています。
- 鼻の中の乾燥や粘液の滞留: 鼻腔内の環境が悪化し、粘液がスムーズに排出されずに溜まったり、乾燥して固まったりする。
- 細菌の繁殖と腐敗: 滞留した粘液や乾燥した鼻くそ(痂疲)に細菌が繁殖し、これらが分解・腐敗する過程で揮発性硫黄化合物などの臭いの元となる物質が発生する。
これらのメカニズムを引き起こす具体的な原因を見ていきます。
鼻の中の乾燥と痂疲(かさぶた)
鼻の粘膜は、適度な湿度と温度を保つことで、吸い込む空気を浄化し、病原体から体を守る重要な役割を担っています。
しかし、何らかの原因で鼻の中が乾燥すると、この防御機能が低下し、鼻くそが臭くなりやすくなります。
鼻の粘膜の乾燥
空気が乾燥している冬場や、エアコン・暖房の使用、あるいは鼻を頻繁にかみすぎることで、鼻の粘膜は乾燥しやすくなります。
また、加齢や特定の病気(シェーグレン症候群など)によっても鼻の乾燥が起こることがあります。
粘膜が乾燥すると、分泌される粘液の量が減ったり、粘液の質が変わったりして、鼻くそが固く、乾燥しやすくなります。
これが「乾燥した鼻くそが臭い」と感じる一因となります。
痂疲(かさぶた)への細菌繁殖
乾燥した粘液や剥がれ落ちた粘膜などが固まってできるのが痂疲、いわゆる硬い鼻くそやかさぶたです。
鼻の中が乾燥すると、この痂疲ができやすくなります。
痂疲は通常の鼻くそよりも除去しにくく、鼻腔内に長くとどまりがちです。
この痂疲は、細菌にとって格好の繁殖場所となります。
特に、ブドウ球菌などの細菌は、乾燥した環境や停滞した分泌物を栄養として増殖しやすい性質があります。
痂疲の中で細菌が増殖し、それを分解する際に発生するガスが、鼻くその嫌な臭いの主な原因となります。
色は黄色や緑色を帯びることが多く、独特の強い臭いを放つことがあります。
鼻炎による粘液の滞留と細菌繁殖
鼻炎は、鼻の粘膜に炎症が起きる病気の総称です。
鼻炎になると、鼻水や鼻づまりといった症状が現れますが、これらの症状が鼻くそを臭くすることにもつながります。
炎症によって分泌される粘液の量が増えたり、粘度が変化したりすることで、鼻腔内の換気が悪くなり、粘液が滞留しやすくなるためです。
急性鼻炎(風邪など)
風邪などのウイルス感染によって引き起こされる一時的な鼻炎です。
初期には透明でサラサラした鼻水が出ますが、炎症が進むと粘液の量が増え、粘り気が強くなります。
細菌の二次感染が起こると、鼻水は黄色や緑色になり、臭いを伴うことがあります。
この色のついた鼻水が鼻くそと混ざり、乾燥して固まることで、臭い鼻くそとなることがあります。
風邪が治癒するにつれて、鼻の臭いも改善することがほとんどです。
アレルギー性鼻炎
花粉やハウスダストなどのアレルゲンによって引き起こされる鼻炎です。
くしゃみ、鼻水、鼻づまりが主な症状です。
アレルギー性鼻炎でも鼻水が増えますが、一般的には透明でサラサラしていることが多いです。
しかし、アレルギーによる炎症が続くと、粘膜が腫れて鼻づまりがひどくなり、鼻腔内の分泌物が滞留しやすくなります。
そこに細菌が繁殖すると、黄色や緑色の粘り気のある鼻水になり、臭いを伴う鼻くそができることがあります。
季節性のアレルギー(花粉症など)であれば特定の時期に、通年性のアレルギー(ハウスダストなど)であれば一年中、この症状に悩まされる可能性があります。
慢性鼻炎
急性鼻炎やアレルギー性鼻炎が長引いたり、構造的な問題(鼻中隔湾曲症など)があったりすることで起こる、炎症が慢性的に続く状態です。
常に鼻づまりがあったり、粘り気のある鼻水が出たりすることが特徴です。
鼻腔内の換気が慢性的に悪いため、細菌が繁殖しやすく、臭いを伴う鼻くそや後鼻漏(鼻水が喉に流れること)が起こりやすくなります。
慢性鼻炎の原因によっては、治療に時間がかかる場合もあります。
このように、鼻の中の乾燥による痂疲への細菌繁殖や、各種鼻炎による粘液の滞留と細菌繁殖が、鼻くそが臭いと感じる主な原因として挙げられます。
多くの場合、これらの原因による臭いは一時的なものであったり、原因となっている炎症が改善すれば軽減されたりします。
しかし、中には治療が必要な病気が原因となっている場合もあります。
鼻くその臭いは病気のサイン?可能性のある疾患
単に鼻の中が乾燥していたり、一時的な鼻炎であったりする場合とは異なり、鼻くその臭いが特定の病気のサインであることもあります。
特に、強烈な悪臭が続く場合や、鼻の臭い以外の症状(鼻づまり、顔の痛み、頭痛など)を伴う場合は、医療機関での診察が必要です。
ここでは、鼻くその臭いの原因として考えられる主な病気について解説します。
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)
鼻の周囲にある空洞(副鼻腔)の粘膜に炎症が起き、膿が溜まる病気です。
一般的に「蓄膿症(ちくのうしょう)」とも呼ばれます。
急性副鼻腔炎が治りきらずに慢性化したり、アレルギーなどが原因となったりして起こります。
膿が溜まることによる悪臭
慢性副鼻腔炎の最も特徴的な症状の一つが、副鼻腔に溜まった膿による悪臭です。
副鼻腔に溜まった分泌物や細菌が腐敗することで、独特の、腐ったような、あるいはドブのような強い臭いが発生します。
この臭いは、自分自身だけでなく、周囲の人にも感じられるほど強烈な場合があります。
鼻の奥や喉の奥からこの臭いを感じることが多く、特に鼻をかんだときや、後鼻漏として膿が喉に流れてきたときに強く感じることがあります。
この膿が鼻腔に流れ出て、鼻くそと混ざり合ったり、鼻くそ自体に細菌が繁殖したりすることで、鼻くそも臭くなります。
鼻づまりや後鼻漏などの症状
慢性副鼻腔炎では、悪臭以外にもさまざまな症状が現れます。
代表的な症状は以下の通りです。
症状 | 内容 |
---|---|
鼻づまり | 副鼻腔の炎症や膿、ポリープなどにより鼻腔や副鼻腔の通りが悪くなる。 |
鼻水・後鼻漏 | 黄色や緑色の、粘り気の強い鼻水が出たり、喉に流れ落ちたりする。 |
顔面痛・頭痛 | 炎症が強い場合や、副鼻腔に圧力がかかる場合に、頬や額などに痛みを感じる。 |
嗅覚障害 | 鼻腔や副鼻腔の通りが悪くなることで、匂いを感じにくくなる。 |
咳・痰 | 後鼻漏が刺激となり、咳が出たり、痰が絡んだりする。 |
倦怠感 | 慢性的な炎症により、全身のだるさを感じることがある。 |
これらの症状が複数、数週間以上にわたって続く場合は、慢性副鼻腔炎の可能性が高いです。
臭鼻症(萎縮性鼻炎)
臭鼻症は、鼻腔の粘膜やそれを支える骨が萎縮し、鼻腔が異常に広がる病気です。
比較的稀な疾患ですが、特徴的な悪臭を伴います。
鼻腔の萎縮と痂疲形成
臭鼻症では、鼻腔の粘膜が薄くなり、粘膜の持つ本来の機能(加湿、温度調節、異物除去など)が著しく低下します。
さらに、鼻腔内の血流が悪化し、粘膜や骨が萎縮することで、鼻腔が広がりすぎた状態になります。
鼻腔が広すぎると、空気が鼻の中をうまく循環せず、乾燥しやすくなります。
特徴的な悪臭
萎縮した粘膜からは異常な分泌物が出て、乾燥して大きくて硬い、黒っぽい痂疲(かさぶた)が鼻腔内に大量に形成されます。
この痂疲に細菌が繁殖し、分解される過程で、非常に強い、鼻を突くような悪臭(腐敗臭)が発生します。
この臭いは、患者さん自身は嗅覚障害のために気づきにくい場合がある一方で、周囲の人にとってはかなり不快な臭いとなることが特徴です。
悪臭以外にも、鼻腔が広がっているにも関わらず鼻づまりを感じたり、鼻血が出やすくなったり、嗅覚が著しく低下したりといった症状が現れます。
その他考えられる原因・疾患
慢性副鼻腔炎や臭鼻症以外にも、鼻くその臭いの原因となる可能性のある病気や状態があります。
鼻の中の異物
特に子供に多い原因ですが、まれに大人でも見られます。
鼻の中に小さなものを入れてしまい、それが取り出せずに残ってしまうと、時間とともに異物そのものが腐敗したり、異物の周囲に炎症が起きて細菌が繁殖したりすることで、悪臭が発生します。
通常、異物が入っている側の片方の鼻だけから臭いがすることが多いです。
異物による鼻づまりや鼻水も伴います。
鼻ポリープ
鼻腔や副鼻腔の粘膜が炎症により腫れて、きのこのような良性の腫瘍ができることがあります。
これが鼻ポリープです。
鼻ポリープ自体は通常臭いませんが、鼻腔や副鼻腔の空気の通り道や分泌物の排出路を塞ぐことで、粘液が滞留しやすくなり、細菌繁殖による臭いを引き起こすことがあります。
慢性副鼻腔炎に伴って発生することが多いです。
副鼻腔真菌症
副鼻腔内に真菌(カビ)が増殖して炎症を起こす病気です。
免疫力が低下している方や、アレルギー性鼻真菌症のような特定の状態で見られます。
副鼻腔内に真菌塊(カビの塊)や炎症による膿が溜まり、これが悪臭の原因となることがあります。
多くの場合、片方の副鼻腔に発生し、顔面痛や鼻づまりを伴うことがあります。
口腔内の問題(口臭)
鼻の奥から臭いを感じる場合でも、実際には口の中の問題(口臭)が原因となっている可能性も考えられます。
歯周病、虫歯、舌苔、扁桃炎、咽頭炎など、口腔内や喉の炎症や細菌繁殖によって発生した臭いが、鼻から抜けることで鼻の奥が臭いと感じられることがあります。
鼻の症状がほとんどなく、口臭を指摘されることもある場合は、歯科や耳鼻咽喉科での診察を検討しましょう。
鼻くその臭いを改善するための対処法
鼻くそが臭いと感じたとき、原因が一時的な乾燥や軽い鼻炎であれば、ご自身でできるケアで改善する場合があります。
しかし、慢性的な症状や、病気が疑われる場合は、医療機関での適切な治療が必要となります。
ここでは、それぞれの対処法について解説します。
ご自身でできるケア
自宅で簡単に行えるケアは、主に鼻の中の乾燥を防ぎ、清潔に保つことに重点を置きます。
鼻の中を乾燥させない工夫(保湿)
鼻の乾燥は、痂疲形成と細菌繁殖の大きな原因です。
以下の方法で鼻の中を保湿しましょう。
- 部屋の湿度管理: 加湿器を使用するなどして、室内の湿度を50〜60%に保つように心がけましょう。
- マスクの着用: マスクを着用すると、自分の呼気で鼻の中を適度に保湿できます。特に乾燥する季節や場所、寝ている間に有効です。
- 鼻腔用保湿剤の使用: 鼻の中に直接塗布するタイプの保湿剤(点鼻薬型やジェル型)があります。医療用や市販のものがありますので、薬剤師や医師に相談して使用してみるのも良いでしょう。
- 水分補給: 体全体の水分量が不足すると、鼻の粘膜も乾燥しやすくなります。こまめに水分を摂るようにしましょう。
適切な鼻洗浄の方法
鼻腔内に溜まった分泌物や痂疲、アレルゲン、細菌などを洗い流すのに鼻洗浄は有効です。
ただし、正しい方法で行うことが大切です。
- 使用するもの: 人肌程度(35〜40℃)に温めた生理食塩水を使用するのが最も適しています。水道水は鼻の粘膜を刺激したり、雑菌が含まれていたりする可能性があるため避けましょう。市販の鼻洗浄器や洗浄液を使用すると便利です。
- 方法: 洗面台などで前かがみになり、片方の鼻の穴から洗浄液を注入し、反対側の鼻の穴や口から出すようにします。洗浄中は「あー」と声を出すと、洗浄液が耳に流れ込むのを防ぎやすくなります。
- 注意点: 無理に勢いよく注入したり、冷たい水を使用したりすると、鼻の粘膜を傷つけたり、耳に水が入って中耳炎の原因になったりすることがあります。また、鼻の炎症がひどいときや、中耳炎にかかっているときは鼻洗浄を避けるべき場合もありますので、不安な場合は医師に相談してください。
鼻くそを無理に取らない
固くて臭い鼻くそを取り除きたい気持ちはわかりますが、指や先の尖ったもので無理にほじくり出すのは避けましょう。
鼻の粘膜は非常にデリケートであり、傷つけるとさらに乾燥しやすくなったり、出血したり、炎症を悪化させたりする可能性があります。
また、傷口から細菌が侵入し、感染が悪化することもあります。
もし鼻くそを取りたい場合は、鼻洗浄で柔らかくしてから優しくかみ出すか、綿棒などでそっと取り除くようにしましょう。
医療機関での治療法
ご自身でのケアで改善しない場合や、病気が疑われる場合は、耳鼻咽喉科での専門的な治療が必要となります。
薬物療法(点鼻薬、抗生物質など)
鼻炎や副鼻腔炎の治療には、原因や症状に応じて様々な薬が使われます。
- 点鼻薬: 鼻の粘膜の腫れを抑えるステロイド点鼻薬、鼻水を抑える抗ヒスタミン点鼻薬、血管収縮薬などが使用されます。炎症を抑えたり、鼻の通りを良くしたりすることで、分泌物の排出を促します。
- 抗生物質: 細菌感染が原因で炎症が起きている場合(急性副鼻腔炎や細菌性の慢性副鼻腔炎など)には、細菌を殺すために抗生物質が処方されます。一定期間服用することで、感染を抑え、膿や臭いを改善させます。
- 抗アレルギー薬: アレルギー性鼻炎が原因の場合は、アレルギー反応を抑える抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬などが内服薬として処方されます。
- 去痰薬・粘液溶解薬: 鼻水や副鼻腔の分泌物の粘度を下げ、排出しやすくするために使用されます。
鼻洗浄指導
自宅での鼻洗浄では十分な効果が得られない場合や、より効果的な方法を学びたい場合は、医療機関で専門的な鼻洗浄の指導を受けたり、処置を受けたりすることができます。
医療用の機器を使った鼻洗浄は、自宅で行うよりも効果的に鼻腔や副鼻腔の分泌物を洗い流すことが可能です。
手術療法(疾患による)
薬物療法でも改善が見られない慢性副鼻腔炎や、鼻ポリープが大きい場合などには、手術が選択されることがあります。
近年では、鼻内内視鏡手術が主流となっており、鼻の穴から内視鏡を入れて、病変部を切除したり、副鼻腔と鼻腔の交通路を広げたりすることで、換気と分泌物の排出を改善させます。
臭鼻症の場合も、鼻腔の形態を修正したり、痂疲形成を抑えるための処置や手術が行われることがあります。
鼻くその臭いが続く場合は耳鼻科を受診しましょう
「鼻くそが臭いだけ」と軽く考えず、症状が続く場合や気になる症状を伴う場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診することが重要です。
自己判断で対処を続けていると、病気が進行してしまう可能性もあります。
受診を検討する目安
以下のような症状がある場合は、一度耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。
- 鼻くその臭いが数日以上続き、自然に改善しない
- 臭いがだんだん強くなってきた、あるいは悪化した
- 鼻くその臭いだけでなく、鼻づまり、粘り気のある鼻水、後鼻漏などの症状を伴う
- 顔の痛み(特に頬や額)、頭痛を伴う
- 鼻血が出やすい、あるいは血の混じった鼻くそが出る
- 片方の鼻だけから強い臭いがする、あるいは片方の鼻だけが詰まる
- 嗅覚が低下した、匂いがわかりにくくなった
- 市販薬や自宅でのケアを試したが効果がない
- 原因がわからず不安が強い
特に、黄色や緑色の粘り気の強い鼻水が出て、それが臭いを伴う場合は、細菌感染による炎症が起きている可能性が高く、抗生物質による治療が必要となる場合があります。
診察の流れ
耳鼻咽喉科を受診した場合の一般的な診察の流れは以下のようになります。
- 問診: 症状(いつから、どのような臭いか、他の症状はあるかなど)、既往歴、アレルギーの有無、服用中の薬などについて詳しく聞かれます。
- 鼻鏡検査: 鼻の穴から器具(鼻鏡)を入れて、鼻腔内の粘膜の状態や鼻くそ、鼻水の様子などを観察します。
- 内視鏡検査: 細長いカメラ(内視鏡)を鼻の穴から挿入し、鼻腔の奥や鼻の奥にある上咽頭、副鼻腔の入り口などを詳細に観察します。粘膜の色、腫れ、分泌物の状態、ポリープの有無などを確認できます。多くの耳鼻咽喉科で行われており、痛みが少ないように配慮されます。
- 画像検査: 必要に応じて、レントゲンやCT検査を行います。特に慢性副鼻腔炎が疑われる場合、副鼻腔内に膿が溜まっているか、どの程度炎症が広がっているかなどを正確に診断するために行われます。
- 培養検査: 鼻水や鼻くそを採取し、原因となっている細菌の種類を特定するために培養検査を行うことがあります。これにより、効果的な抗生物質を選択できます。
- 診断と治療方針の説明: これらの検査結果をもとに、医師が診断を下し、病名や病状、今後の治療方針について説明します。薬の処方や、必要であればさらなる検査や手術について提案されます。
診察の際には、いつから症状があるのか、どのような状況で臭いが気になるのか、他の症状は何かなど、具体的に医師に伝えることが診断の手助けになります。
まとめ
鼻くそが臭いと感じる悩みは、多くの人が経験することですが、その原因は様々です。
鼻の中の乾燥による痂疲への細菌繁殖や、風邪やアレルギーによる鼻炎による粘液の滞留など、比較的軽い原因によるものから、慢性副鼻腔炎や臭鼻症、鼻腔内異物など、治療が必要な病気が隠れている場合もあります。
ご自身でできるケアとしては、鼻の中の乾燥を防ぐ保湿、適切な鼻洗浄、そして鼻くそを無理に取らないことなどが挙げられます。
しかし、これらのセルフケアで改善しない場合や、強い悪臭、鼻づまり、顔面痛などの他の症状を伴う場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診することが大切です。
耳鼻咽喉科では、問診や内視鏡検査、必要に応じて画像検査などを行い、正確な診断に基づいた適切な治療(薬物療法や手術など)を受けることができます。
鼻の臭いは、ときに自分では気づきにくいデリケートな問題ですが、放置せずに原因を知り、適切に対処することが、快適な日常生活を送る上で重要です。
「鼻くそが臭い」「鼻の奥が変な匂い」と悩んでいる方は、一人で抱え込まず、まずは耳鼻咽喉科にご相談ください。
免責事項:本記事は、鼻くそが臭い原因と対処法に関する一般的な情報を提供するものであり、特定の疾患の診断や治療法を推奨するものではありません。
個々の症状に関しては、必ず医療機関を受診し、医師の診断と指導を受けてください。
本記事の情報に基づいて行われたいかなる行為についても、一切の責任を負いかねます。