便秘は大腸がんの初期症状?急な便通の変化に注意すべきポイント

便秘が大腸がんの初期症状かもしれない」と不安を感じていませんか?便秘は多くの人が経験する身近な症状ですが、中には病気のサインである可能性も考えられます。
特に大腸がんとの関連について、漠然とした不安を抱えている方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、便秘と大腸がんの初期症状との関係性、大腸がんに見られる代表的なサイン、そして気になる症状があった場合に医療機関を受診すべき目安について、分かりやすく解説します。
早期発見・早期治療が重要な大腸がんについて正しく理解し、自身の体調変化に適切に対応するための参考にしてください。

便秘は大腸がんの初期症状?知っておきたいサインとチェックリスト

目次

便秘は大腸がんの初期症状ではない?関係性を解説

便秘は、排便回数の減少や排便困難感、便が硬い、残便感などを特徴とする状態です。
非常に多くの人が経験する症状であり、その原因は食生活の乱れ、水分不足、運動不足、ストレス、薬剤の影響、生活習慣の変化など多岐にわたります。
これらの原因による便秘は機能性便秘と呼ばれ、大腸に明らかな病変がない場合がほとんどです。

では、便秘と大腸がんにはどのような関係があるのでしょうか。
結論から言うと、便秘そのものが大腸がんの直接的な初期症状であるとは限りません
しかし、大腸がんが進行し、腸の内側が狭くなったり、便の通りが悪くなったりすることで、結果的に便秘を引き起こすことはあります。
また、大腸がんが原因で起こる便秘は、これまでの便秘とは異なる特徴を示す場合があるため注意が必要です。

重要なのは、「便秘=大腸がん」と過度に心配するのではなく、「いつもの便秘と違う」「他の症状も伴う」といった変化に気づくことです。

便秘が直接的な初期症状とは限らない理由

大腸がんの多くは、大腸の粘膜にできたポリープが時間をかけてがん化して発生します。
初期の段階では、がんの大きさは非常に小さく、腸の機能にほとんど影響を与えません。
そのため、がんが小さいうちは自覚症状が全くないことがほとんどです。

便秘は、便が腸内を通過するスピードが遅くなったり、便を排出する機能が低下したりすることで起こります。
がんが原因で便秘になるのは、ある程度大きくなったがんが腸の内側を圧迫し、便の通り道(腸管)を狭くした場合や、がんが腸の動きを妨げるようになった場合などです。
このような状態は、がんが比較的進行している場合に起こることが多いと考えられます。

つまり、初期の大腸がんが直接的に便秘を引き起こすケースは稀であり、多くの場合、便秘の原因はが以外の良性のものである可能性が高いと言えます。
しかし、高齢の方や、もともと便秘傾向のない方に急に頑固な便秘が始まった場合は、注意が必要です。

便秘と間違えやすい排便習慣の変化

大腸がんのサインとしてより注意すべきなのは、単なる便秘というよりも「排便習慣の変化」全般です。
これは、これまで規則的だった排便のリズムや便の状態が変化することを指します。
具体的には、以下のような変化が含まれます。

  • 便秘が続くようになった(以前は毎日または数日おきに出ていたのに、それより間隔があくようになった)
  • 下痢が続くようになった(以前は硬かった便が軟便や水様便になった)
  • 便秘と下痢を繰り返すようになった(安定せず、コロコロ便が出たかと思えば下痢になるなど)
  • 便の回数が増えたり減ったり不安定になった
  • 排便のリズムが不規則になった

これらの変化は、がんが腸を刺激したり、炎症を起こしたり、部分的に狭窄させたりすることで起こり得ます。
特に、これまで経験したことのない排便習慣の変化が数週間以上続く場合は、大腸がんを含めた大腸の病気の可能性を考え、医療機関を受診することが推奨されます。

単なる便秘だと思っていても、実はその原因が腸の病変による排便習慣の変化である可能性もゼロではありません。
ご自身の排便習慣にどのような変化が起きているのかを観察することが重要です。

大腸がんの代表的な初期症状

大腸がんは早期には自覚症状がほとんどないことが多いですが、進行するにつれて様々な症状が現れることがあります。
これらの症状は、がんができた場所(直腸、S状結腸、下行結腸、横行結腸、上行結腸、盲腸など)や大きさ、進行度によって異なります。
便秘や排便習慣の変化以外に、特に注意すべき代表的な初期症状は以下の通りです。

血便・下血(便に血が混じる)

大腸がんの症状として最もよく知られているのが、便に血が混じる血便や下血です。
がんの表面はもろく出血しやすいため、便が通過する際にこすれて出血することがあります。

血便の色や状態は、がんができた場所や出血量によって異なります。

便の色の違いで疑う可能性

  • 鮮血: 肛門に近い部分(直腸やS状結腸など)からの出血に多く見られます。
    便の表面に鮮やかな赤い血が付着したり、排便時にポタポタと血が垂れたりします。
    痔による出血と間違えやすいですが、便と血液の混ざり方や、痛みの有無などが異なります。
  • 暗赤色便: 大腸の中間あたり(下行結腸や横行結腸など)からの出血の場合、便が腸内を移動する間に血液が酸化されて暗い赤色になることがあります。
    便全体が暗赤色になったり、ゼリー状の血液が混じったりします。
  • 粘血便: 血液とともにゼリー状の粘液が混じる便です。
    炎症性腸疾患などでも見られますが、直腸がんやS状結腸がんでも見られることがあります。
  • タール便: 胃や十二指腸など、上部消化管からの出血が原因で起こる、黒くてねばねばした便です。
    大腸がんでは慢性的な出血による貧血はあっても、このような多量の出血によるタール便は比較的稀です。
  • 便潜血: 見た目では血が混じっていると分からない微量の出血です。
    肉眼では確認できませんが、特殊な検査薬(便潜血検査)で検出できます。
    初期のがんやポリープでも出血することがあるため、便潜血検査は早期発見に非常に有効な手段です。

血便や下血が見られた場合、必ずしも大腸がんというわけではなく、痔や他の良性疾患が原因であることも多いです。
しかし、血便は最も重要なサインの一つですので、自己判断せずに必ず医療機関を受診し、原因を特定することが大切です。
特に、便と血液が混じっていたり、便が細くなったりといった他の症状も伴う場合は、より注意が必要です。

便が細くなる(狭小化)

がんが大きくなり、腸の内側を狭くしてしまうと、便がその部分を通過する際に押し潰されて細くなります。
まるで鉛筆のような細い便や、ひも状の便が出るようになった場合は、大腸がんによって腸管が狭窄している可能性が考えられます。

便が細くなる症状は、特に大腸の左側(S状結腸や下行結腸など)にできたがんで起こりやすいです。
これは、大腸の左側は右側に比べて腸管が細く、便も固まっているため、狭窄の影響を受けやすいためです。

便の太さは個人差やその日の食事内容によっても変化しますが、以前と比べて明らかに便が細くなり、その状態が続く場合は、注意が必要なサインです。

残便感がある

排便を終えた後も、まだ便が残っているような、すっきりしない感じが続く症状を残便感と言います。
これは、特に直腸やS状結腸など、肛門に近い部分にがんができた場合に起こりやすい症状です。

直腸などにがんがあると、便が通過する際にがんが邪魔をしたり、直腸が刺激されたりすることで、便がまだ残っているという感覚が生じます。
便秘とは異なり、実際に便が出ても残便感が続くのが特徴です。

残便感は、過敏性腸症候群や痔、直腸瘤など、大腸がん以外の病気でも起こることがあります。
しかし、これまでになかった残便感が続く場合は、一度医療機関で相談することをお勧めします。

排便習慣の変化(下痢や便秘を繰り返すなど)

前述の通り、便秘だけではなく、下痢便秘と下痢の繰り返しも大腸がんの重要なサインとなり得ます。

  • 下痢: がんがある部位で炎症が起こったり、がんから分泌物が出たりすることで、便が軟らかくなったり、腸の動きが異常になったりして下痢を引き起こすことがあります。
    また、腸が部分的に狭くなっている場合、固形物が詰まりやすい一方で、液体成分だけが通過しやすくなることで下痢になることもあります(これを「溢流性下痢(いつりゅうせいげり)」と呼びます)。
  • 便秘と下痢の繰り返し: 腸が部分的に狭くなっている場合、固形物が詰まって便秘になったり、その後に溜まった便や液体が一度に排出されて下痢になったりすることを繰り返すことがあります。
    これは、がんによる腸管の通過障害が進行している可能性を示すサインの一つです。

以前は規則的な排便だった方が、特に思い当たる原因もないのに慢性的に下痢が続くようになったり、便秘と下痢を不安定に繰り返すようになったりした場合は、注意が必要です。
これらの排便習慣の変化は、腸の病変を疑う重要なサインとなります。

おならが増える・臭いが変わる

大腸がんによって腸管が狭くなったり、便の通過が悪くなったりすると、腸内に便やガスが溜まりやすくなります。
これにより、おならの回数が増えたり、お腹が張ったりする症状が出ることがあります。

また、腸内に便が滞留することで、腸内細菌による異常発酵が起こりやすくなり、おならの臭いが普段と比べて強くなったり、不快な悪臭(腐敗臭のような臭い)に変化したりすることもあります。

おならの変化は、食事内容や腸内環境によって日常的にも起こり得る現象です。
しかし、これまでになかったおならの増加や悪臭が続く場合、特に腹部膨満感や他の排便に関する症状も伴う場合は、注意深く観察し、必要に応じて医療機関に相談することをお勧めします。

腹痛・腹部膨満感

大腸がんが原因で腹痛や腹部膨満感(お腹の張り)が起こることもあります。
これらの症状は、がんによって腸の通過が妨げられたり、腸管が刺激されたりすることで生じます。

  • 腹痛: がんによって腸の動きが悪くなると、便やガスが滞留して腹痛を引き起こすことがあります。
    また、がんそのものが原因で腹部に痛みを感じる場合や、腸閉塞(腸が完全に詰まってしまう状態)が起きかけた際に、強い腹痛や吐き気、嘔吐などの症状が現れることもあります。
  • 腹部膨満感: 腸内にガスや便が溜まることで、お腹が張って苦しい感じがします。
    特に、がんによって腸の通りが悪くなっている場合に起こりやすい症状です。

腹痛や腹部膨満感は、過敏性腸症候群や便秘、生理痛など、様々な原因で起こりうる症状です。
しかし、持続的な腹痛や、食事や排便に関係なく起こる腹痛お腹の張りがなかなか改善しない場合は、注意が必要です。
これらの症状は、がんが進行している可能性や、腸閉塞の兆候である可能性も考えられます。

貧血・体重減少

大腸がん、特に大腸の右側(盲腸や上行結腸など)にできたがんは、慢性的に少量ずつ出血を続けることがあります。
この出血は量が少ないため、血便として自覚されないことも少なくありません(便潜血として検出されることはあります)。
しかし、長期間にわたって出血が続くと、体内の鉄分が失われ、鉄欠乏性貧血を引き起こすことがあります。

貧血が進行すると、全身倦怠感、息切れ、動悸、顔色の悪さ、立ちくらみなどの症状が現れます。
これらの症状は、がんが原因の出血によって体が徐々に弱っているサインかもしれません。

また、がんが進行すると、食欲不振になったり、がん細胞が体の栄養を消費したりすることで、意図しない体重減少が見られることがあります。
特に、食事量を変えていないのに数ヶ月で数キログラムも体重が減った場合は、注意が必要です。

貧血や体重減少は、大腸がんに限らず様々な病気で起こりうる症状ですが、これらの症状が見られた場合は、がんが進行している可能性も考えられます。

便秘や気になる症状は大腸がんのサイン?チェックリスト

ご自身の便秘や排便に関する症状、あるいはその他の気になる体調変化が大腸がんのサインかもしれないと不安に感じている方は、以下のチェックリストで当てはまる項目がないか確認してみてください。

こんな便や症状があったら要注意

以下の項目に当てはまる場合、大腸がんの可能性を完全に否定することはできません。
特に、複数の項目に当てはまる場合や、症状が数週間以上にわたって続いている場合は、早めに医療機関を受診して相談することをお勧めします。

チェック項目 詳細・注意すべき点
□ 便に血が混じる(血便・下血) 鮮血、暗赤色、粘液が混じるなど。痔との違いに注意。
□ 便が以前より細くなった、量が減った 鉛筆状、ひも状など。特に持続する場合。
□ 排便後も便が残っている感じがする(残便感) 排便してもスッキリしない。特に直腸・S状結腸のがんで起こりやすい。
□ 便秘が続くようになった これまで便秘傾向がなかったのに、急に頑固な便秘になった。
□ 下痢が続くようになった これまで硬かった便が軟便・水様便になった。
□ 便秘と下痢を繰り返すようになった 便の状態や回数が不安定になった。
□ おならが以前より増えた、臭いが変わった 特に悪臭(腐敗臭など)を伴う場合。腹部膨満感を伴うことも。
□ お腹が張る(腹部膨満感) ガスや便が溜まっている感じ。
□ 原因不明の腹痛がある 持続的な痛み、食事に関係なく起こる痛み。
□ 体がだるい、息切れしやすい(貧血の症状) 顔色が悪い、立ちくらみなど。慢性的な出血による鉄欠乏性貧血の可能性。
□ 特に理由もないのに体重が減った 食事量を変えていないのに、数ヶ月で数キログラム減少。

自己判断せず、医療機関を受診すべき目安

上記のチェックリストに一つでも当てはまる項目があり、症状が数日~1週間以上続いている場合は、自己判断せずに医療機関を受診することを強く推奨します。

特に、以下のような症状が見られる場合は、比較的がんの可能性が高いサインであるため、速やかに医療機関を受診すべきです。

  • 血便(特に便に混じっている場合や暗赤色の便)
  • 便が明らかに細くなった状態が続く
  • 原因不明の持続的な腹痛や腹部膨満感
  • 貧血や意図しない体重減少
  • これまでになかった頑固な便秘や、便秘と下痢の繰り返し

また、症状がはっきりしなくても、40歳以上で、血縁者に大腸がんや大腸ポリープになった方がいる(家族歴がある)など、大腸がんのリスク因子を持っている方は、定期的な検診を受けることが重要です。

「このくらいなら大丈夫だろう」と様子を見ている間に、がんが進行してしまうこともあります。
大腸がんの早期発見・早期治療は、その後の治療の選択肢や予後に大きく影響します。
不安を感じたら、まずは医療機関に相談することが、ご自身の健康を守る上で最も賢明な行動です。

受診する際は、消化器内科胃腸科、または肛門外科を標榜しているクリニックや病院を選ぶと良いでしょう。
どのような症状が、いつから、どのくらいの頻度で起きているのかなどを、できるだけ詳しく医師に伝えるように準備しておくと、スムーズな診療につながります。

大腸がんの検査方法と早期発見の重要性

医療機関を受診した場合、医師は問診や触診を行った上で、必要に応じて大腸がんの可能性を調べるための検査を提案します。
主な検査方法には、大腸がん検診として行われる便潜血検査と、精密検査として行われる大腸内視鏡検査(大腸カメラ)があります。

大腸がん検診(便潜血検査)

便潜血検査は、便の中に含まれる微量の血液(潜血)を検出する検査です。
大腸がんや大腸ポリープは出血しやすい性質があるため、便潜血検査はこれらを発見するための一次スクリーニング検査として、広く行われています。
多くの自治体や職場で実施されている大腸がん検診では、この便潜血検査が用いられています。

メリット:

  • 検査キットを使って自宅で便を採取するだけで済むため、体への負担が非常に少ない。
  • 費用も比較的安価である。
  • 大勢の人を対象にスクリーニングを行うのに適している。

デメリット:

  • がんやポリープがあっても、出血していなければ陰性となることがある(偽陰性)。出血性のない初期のがんは見つけにくい。
  • 痔や他の炎症など、がん以外の原因でも陽性になることがある(偽陽性)。
  • 陽性になっただけでは、出血の原因が何であるかまでは分からない。

便潜血検査で陽性となった場合は、必ず精密検査(大腸内視鏡検査など)を受ける必要があります
陽性でもがんが見つからない方も多くいますが、がんや前がん病変であるポリープが見つかる可能性もあるため、「陽性だったけど症状がないから大丈夫だろう」と自己判断せず、必ず精密検査を受けてください。

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

大腸内視鏡検査(通称「大腸カメラ」)は、肛門から細く柔らかいカメラ(内視鏡)を挿入し、大腸の奥(盲腸)まで直接観察する検査です。
大腸がんの確定診断に最も重要な検査であり、精密検査として行われます。

メリット:

  • 大腸の粘膜を医師が直接観察できるため、がんやポリープの有無、位置、大きさ、形状などを詳しく確認できる。
  • 病変が疑われる部位の組織を採取し、詳しく調べること(生検)ができる。
    これにより、がんであるかどうかを確定診断できる。
  • がんになる前の段階である大腸ポリープが見つかった場合、その場で切除することも可能。
    これにより、将来の大腸がんを予防することができる。

デメリット:

  • 検査前に腸の中をきれいにするための前処置(下剤の服用)が必要。
  • 検査自体に多少の苦痛や不快感を伴う場合がある。
  • まれに腸に傷がついたり、穿孔(穴が開くこと)したりといった合併症のリスクがある。

大腸内視鏡検査は、便潜血検査と比べて体への負担は大きいですが、最も確実な検査方法であり、がんの早期発見やポリープの段階での治療に不可欠です。
最近では、内視鏡の技術や鎮静剤の使用により、検査に伴う苦痛を軽減する工夫も進んでいます。
不安がある場合は、事前に医師や看護師に相談してみると良いでしょう。

早期発見・早期治療のメリット

大腸がんは、比較的進行がゆっくりしたがんとして知られています。
そして、早期に発見し適切な治療を行えば、非常に治癒率が高いがんです。

  • ステージ0期~Ⅰ期(早期がん): がんが粘膜や粘膜下層にとどまっている段階です。
    リンパ節への転移もほとんどありません。
    この段階で発見できれば、多くの場合、内視鏡治療や開腹手術をせずに済む腹腔鏡手術などでがんを取り除くことができ、5年生存率は90%を超えます
    体に負担の少ない治療で治癒を目指すことが可能です。
  • ステージⅡ期~Ⅲ期(進行がん): がんが粘膜下層より深く、固有筋層やその外側まで達している段階です。
    リンパ節への転移がある場合もあります。
    この段階でも手術による切除が治療の中心となりますが、再発予防のために手術後に抗がん剤治療(化学療法)が必要となる場合が多いです。
  • ステージⅣ期(遠隔転移): がんが大腸の壁を越えて広がり、肝臓や肺など離れた臓器に転移している段階です。
    この段階では、手術による完全な切除が難しい場合が多く、抗がん剤治療や放射線治療などを組み合わせて病気の進行を抑え、症状を和らげる治療(緩和ケア)が中心となります。
    5年生存率は大きく低下します。

このように、大腸がんは進行するにつれて治療がより複雑になり、体への負担が増え、治癒率も低下してしまいます。
だからこそ、症状がない段階での検診や、少しでも気になる症状が現れた段階での早期受診が、非常に重要なのです。

「症状がないから大丈夫」「便秘くらいで病院に行くのは恥ずかしい」などと思わずに、ご自身の体のサインを見逃さないようにすることが、大腸がんから身を守る最も大切なステップです。

まとめ:便秘や症状に不安を感じたら専門医へ相談を

便秘は多くの人が経験する症状であり、そのほとんどは大腸がんとは無関係の良性のものである可能性が高いです。
しかし、便秘やそれ以外の排便習慣の変化が、大腸がんのサインとして現れることもあります。
特に、これまでとは異なる便秘が続いたり、下痢や便秘を繰り返したり、血便が見られたり、便が細くなったりといった症状が見られる場合は、注意が必要です。

大腸がんは、早期には自覚症状がほとんどないことが多いですが、症状が現れたときにはある程度進行している可能性も考えられます。
しかし、大腸がんは早期に発見し適切な治療を行えば、高い確率で治癒が期待できるがんです。

不安な場合は消化器内科を受診しましょう

もし、この記事で解説したような気になる症状(便に血が混じる、便が細くなる、排便習慣の変化、残便感、原因不明の腹痛・腹部膨満感、貧血、体重減少など)が一つでも当てはまり、数日~1週間以上続いている場合は、決して自己判断せずに医療機関を受診してください。
特に、40歳以上の方や、血縁者に大腸がんの既往がある方は、より注意が必要です。

受診する際は、消化器内科胃腸科、または肛門外科を標榜しているクリニックや病院を選びましょう。
医師による詳しい問診や検査によって、症状の原因を正確に診断してもらうことが、適切な対応につながります。

「もしかしたら」という不安を抱え続けるよりも、専門医に相談して原因をはっきりさせることが、精神的な安心にもつながります。
早期発見は、ご自身の体と未来を守るための大切な一歩です。
勇気を出して、一歩踏み出しましょう。

免責事項: 本記事は、一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の病状の診断や治療法を推奨するものではありません。
医学的な診断や治療については、必ず専門の医療機関を受診し、医師の判断を仰いでください。
本記事の情報によって生じたいかなる損害についても、弊社は責任を負いかねます。

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