便の色が緑!考えられる原因と病気のサイン・対処法を解説

便の色が緑色になっていて「もしかして何か病気なのでは?」と不安を感じていませんか?
便の色は、私たちの体の状態を映し出すバロメーターの一つです。
健康な便の色は通常、黄色から茶色とされていますが、時には緑色になることもあります。
緑色の便が出た場合、必ずしも重篤な病気が隠れているわけではありません。
食事内容や体調の変化など、一時的な原因であることがほとんどです。

しかし、緑色の便が続く場合や、下痢、腹痛、発熱といった別の症状を伴う場合は、注意が必要です。
この記事では、便の色が緑になるさまざまな原因から、考えられる病気、そして病院を受診すべき目安について、分かりやすく解説します。
ご自身の便の色が気になる方は、ぜひこの記事を参考に、原因を理解し、適切に対処するための情報を得てください。

目次

便の色が緑になる主な原因

健康な成人の便の色は、主に胆汁色素という物質によって決まります。
胆汁は肝臓で作られ、脂肪の消化吸収を助ける働きをします。
この胆汁に含まれるビリルビンという色素は、元々は黄色っぽい色をしています。
胆汁は胆嚢に蓄えられ、食事をすると十二指腸に分泌されます。

胆汁色素は、腸内を進むにつれて腸内細菌の働きを受け、化学的な変化を起こします。
通常、大腸に到達する頃には、この色素は酸化されて茶色っぽい色(ステルコビリノーゲンやウロビリノーゲンなど)に変化し、これが便の茶色の元となります。

しかし、何らかの理由でこの過程がうまくいかないと、胆汁の色素が茶色に変化する前に便として排出されてしまい、緑色の便になることがあります。
「便の色 緑」という現象の多くは、この胆汁色素の代謝や排出のタイミングに関連しています。

胆汁色素の酸化

便が緑色になる最も一般的な原因の一つは、胆汁色素が十分に酸化されないうちに便として排出されることです。
胆汁は、もともと緑色に近い色をしています。
これが腸内をゆっくり移動し、腸内細菌の働きによって変化していく過程で茶色くなるのです。

しかし、何らかの原因で腸の動きが速くなり、消化物が腸を通過するスピードが上がると、胆汁色素が酸化されて茶色になる前に排出されてしまいます。
その結果、胆汁本来の色である緑色が便に強く現れることがあります。

例えば、下痢をしている時や、一時的に腸の動きが活発になっている時などに、便が緑色になるのはこのためです。
消化が追いつかないほど早いスピードで食べ物が腸を通過するため、胆汁色素が変化する時間がなくなるのです。
これは病的な原因というよりは、生理的な体の反応として起こることが多い現象です。

食事内容の影響

食べたものがそのまま便の色に影響を与えることも、「便の色 緑」の原因として非常に一般的です。
特に緑色の色素を多く含む食品をたくさん食べた後には、便の色が緑色になりやすい傾向があります。

具体的には、以下のような食品が挙げられます。

  • 緑色の濃い野菜: ほうれん草、小松菜、ケール、ブロッコリー、レタス、緑黄色野菜ジュースなどには、クロロフィルという緑色の色素が豊富に含まれています。これらは消化されずにそのまま便として排出されることがあり、便の色を緑色に変える原因となります。
  • 海藻類: わかめやひじき、海苔なども緑色や黒っぽい色をしており、これらを多く摂取すると便が緑色や黒っぽい緑色になることがあります。
  • 緑色の食品着色料: 緑色のキャンディー、ゼリー、ケーキ、飲料、アイスクリームなど、食品着色料として緑色が使われている加工食品を摂取した場合も、着色料が消化されずに便に排出され、便の色が緑色になることがあります。人工的な着色料は体内で分解されにくいため、影響が出やすい傾向があります。

これらの食品を摂取した後に便が緑色になったとしても、通常は一時的なもので、数日で元の色に戻ることがほとんどです。
特に他の症状がない場合は、食事内容が原因である可能性が高いと考えられます。

消化吸収や腸内環境の変化

消化や吸収のプロセス、あるいは腸内環境の変化も、便の色が緑になる要因となることがあります。

  • 消化吸収のスピード: 前述の胆汁色素の酸化と関連しますが、消化吸収のスピードが通常より速い場合、胆汁色素が十分に分解・変化する前に排出されます。これは、食べ過ぎや飲み過ぎ、特定の食品に対する過敏な反応、あるいは単に体調の変化などが原因で起こり得ます。
  • 腸内細菌のバランス: 腸内には多種多様な細菌が生息しており、これらの細菌が胆汁色素の分解や便の形成に関与しています。腸内細菌のバランスが崩れると、胆汁色素の代謝に影響が出て、便の色が変わることがあります。例えば、抗生物質の服用や、食生活の変化などが腸内細菌のバランスを変化させる原因となります。善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れることで、便の性状(硬さや回数)だけでなく、色にも影響が出ることが考えられます。
  • 特定の栄養素の吸収不良: 脂肪や炭水化物などの特定の栄養素がうまく吸収されない場合、消化不良を起こした食べ物が腸を素早く通過することがあります。この過程で、胆汁色素が十分に変化せず、緑色の便として排出されることがあります。

消化吸収や腸内環境の変化は、一時的なものから慢性的なものまでさまざまです。
他の症状(腹痛、ガス、便秘と下痢を繰り返すなど)を伴う場合は、後述する病気の可能性も考慮する必要があります。

ストレスや体調不良

心理的なストレスや体調不良も、間接的に便の色に影響を与えることがあります。

  • ストレスと腸の動き: ストレスは自律神経のバランスを崩し、腸の動きに影響を与えることが知られています。過度なストレスは、腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にし、消化物が腸を通過するスピードを速めることがあります。結果として、胆汁色素が酸化する前に排出され、「便の色 緑」という現象につながることがあります。いわゆる「ストレス性の下痢」と同様のメカニズムで色が変化するイメージです。
  • 体調不良: 風邪などの軽い体調不良でも、胃腸の働きが一時的に弱まったり、消化スピードが変化したりすることがあります。これにより、胆汁色素の代謝が影響を受け、便の色が変わる可能性があります。発熱や疲労感などの他の症状と同時に緑色の便が出た場合は、体調不良が原因である可能性も考えられます。

ストレスや一時的な体調不良による緑色の便は、原因が解消されれば自然に元の色に戻ることがほとんどです。
しかし、慢性的なストレスが続く場合や、体調不良が長引く場合は、便の色だけでなく他の症状にも注意が必要です。

薬剤の影響

特定の種類の薬剤が、便の色を緑色に変える原因となることがあります。

  • 鉄剤: 貧血の治療などで処方される鉄剤は、便を黒っぽい緑色、あるいは真っ黒に変色させることがよく知られています。これは、鉄分が消化液と反応して酸化することで生じる色であり、薬の効果によるもので、特に心配はいりません。ただし、黒っぽい便の場合、消化管からの出血との区別が重要になるため、自己判断せず医師に確認することも大切です。
  • 特定の抗生物質: 一部の抗生物質は、腸内細菌のバランスを大きく変化させることがあります。これにより、胆汁色素の代謝に影響が出たり、消化吸収のプロセスが変わったりして、便の色が緑色になることがあります。抗生物質を服用中に便の色が変わった場合は、医師や薬剤師に相談してみましょう。
  • 下剤: 強い下剤を使用した場合、腸の動きが非常に速くなり、消化物が急速に通過します。これにより、胆汁色素が酸化する時間がなくなり、緑色の便となることがあります。

薬剤による便の色変化は、通常は薬剤の服用を中止すれば元の色に戻ります。
服用中の薬と便の色変化に関連があるかどうか不安な場合は、処方した医師や薬剤師に相談することが重要です。

年齢別の緑色の便

便の色は、年齢によってその意味合いや原因の頻度が異なることがあります。
「便の色 緑」という現象も、赤ちゃん、子供、大人でそれぞれ考慮すべき点があります。

赤ちゃんの緑のうんち

赤ちゃんの便の色は、大人に比べて変化しやすく、特に生後間もない時期には様々な色や性状のうんちが見られます。
緑色のうんちも、赤ちゃんの時期には比較的よく見られる色です。

  • 胎便: 生まれて初めて出るうんちは「胎便」と呼ばれ、真っ黒でタール状をしています。これは、お腹の中にいる間に飲み込んだ羊水や腸の分泌物などが溜まったものです。生後数日で胎便の排出が終わり、徐々に黄色っぽい便に移行していきます。
  • 移行便: 胎便の次にみられるのが「移行便」で、黒っぽい緑色から茶色っぽい緑色、そして黄色へと変化していきます。これは、母乳やミルクを飲み始めたことで消化器が働き出し、腸内環境が整っていく過程で見られる便です。
  • 乳児の緑便: 母乳やミルクを飲んでいる時期の赤ちゃん、特に母乳を飲んでいる赤ちゃんでは、緑色のうんちがよく見られます。これは、消化が早く、胆汁色素が十分に酸化されないまま排出されるためと考えられています。また、母乳の質や量、赤ちゃんの飲むスピードなどによっても便の色は変化します。機嫌が良く、体重も増えている場合は、緑色のうんちでも特に心配ないことがほとんどです。
  • 離乳食開始後の緑便: 離乳食が始まると、食べたものの影響が便の色に現れやすくなります。ほうれん草やブロッコリーなどの緑色の野菜を食べた後に、緑色のうんちが出ることがあります。

ただし、赤ちゃんの緑色のうんちが、ひどい下痢を伴う場合や、ぐったりしている、食欲がない、発熱があるなどの症状を伴う場合は、感染症などの病気の可能性も考えられるため、小児科を受診する必要があります。

子供(幼児・小学生)の緑色のうんち

幼児や小学生の子供の「便の色 緑」も、多くの場合、食事内容や一時的な体調変化によるものです。

  • 食事やおやつ: 子供は緑色の濃い野菜(ピーマンやほうれん草など)や海藻類、あるいは緑色の食品着色料を使ったお菓子やジュースなどを大人よりも偏ってたくさん食べることがあります。これらの色素が便にそのまま排出され、緑色になることはよくあります。
  • 風邪や体調不良: 子供は大人に比べて胃腸の機能がまだ十分に発達していないため、風邪をひいたり、少し体調を崩したりしただけでも、消化吸収のスピードが変化しやすく、便の色が緑色になることがあります。特に、軽い下痢を伴う場合に緑色になりやすい傾向があります。
  • ストレス: 幼稚園や学校での人間関係、習い事、家庭環境の変化など、子供でもストレスを感じることはあります。ストレスが原因で腸の動きが活発になり、緑色の便が出ることも考えられます。

子供の緑色の便で注意が必要なのは、それが単なる色だけでなく、下痢や腹痛、発熱、嘔吐、食欲不振などを伴う場合です。
これらの症状がある場合は、感染性胃腸炎などの病気の可能性も考えられるため、早めに医療機関(小児科または消化器内科)を受診しましょう。

大人の緑色の便

大人の場合も、「便の色 緑」の主な原因は、食事内容、消化吸収のスピード(特に下痢の場合)、ストレスや体調不良、特定の薬剤の影響です。
これらの原因については、前述の「便の色が緑になる主な原因」で詳しく解説した通りです。

大人の緑色の便が一時的なもので、他の症状を伴わない場合は、特定の食品を食べすぎた、少しお腹の調子が悪かった、ストレスを感じていた、といった生理的な原因であることがほとんどです。
数日様子を見て、便の色が元の黄色や茶色に戻るようであれば、特に心配ないと考えられます。

しかし、大人の緑色の便が長期間続く場合や、以下の表のような注意すべき症状を伴う場合は、病気が隠れている可能性も考慮し、医療機関を受診することが重要です。

便の色が緑に加えて見られる症状 考えられる状態(注意が必要)
激しい下痢、水っぽい便 感染性胃腸炎、食中毒
持続する腹痛 感染性胃腸炎、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患など
発熱 感染性胃腸炎
嘔吐、吐き気 感染性胃腸炎
血便(便に血液が混じる) 感染性腸炎、大腸炎、その他の消化器疾患
体重減少、食欲不振 慢性の消化器疾患
便の色が緑と白っぽい便を繰り返す 胆汁の分泌異常(まれなケース)

緑色の便自体が直接的に重篤な病気を強く示唆するサインであることは稀ですが、上記のような随伴症状がある場合は、早めに医療機関を受診して原因を特定することが大切です。

注意が必要な緑の便:病気の可能性

多くの「便の色 緑」は心配のない一時的なものですが、特定の病気が原因で便の色が緑になることもあります。
特に、便の色だけでなく、体の他の症状(下痢、腹痛、発熱など)を伴う場合は注意が必要です。

感染性胃腸炎

緑色の便が、急激な下痢、腹痛、発熱、嘔吐といった症状とともに現れた場合、最も可能性が高い病気の一つが感染性胃腸炎です。

感染性胃腸炎は、ウイルス(ノロウイルス、ロタウイルスなど)や細菌(サルモネラ菌、カンピロバクター、病原性大腸菌など)の感染によって起こる胃腸の炎症です。
これらの病原体に感染すると、腸の粘膜が炎症を起こし、食べ物の消化吸収がうまくいかなくなります。
また、腸の動きが異常に活発になり、消化物が急速に腸を通過する「下痢」が発生します。

この急速な腸の通過が、胆汁色素が酸化される前に便として排出される主な原因となり、結果として緑色の水っぽい便が出ることがよくあります。
特にロタウイルスによる胃腸炎では、白っぽい便や緑っぽい便が見られることが知られています。

感染性胃腸炎の場合、緑色の便自体よりも、脱水を招く可能性のある激しい下痢や嘔吐、体力を消耗させる発熱や腹痛の方が、注意すべき重要な症状です。
これらの症状がある場合は、自己判断せず、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。

肝臓や胆道の病気

便の色は胆汁によって大きく影響されるため、肝臓や胆道の病気が便の色異常を引き起こすことがあります。
ただし、肝臓や胆道の病気が原因で便が緑色になるケースは、比較的まれです。
むしろ、胆汁の分泌や流れが悪くなった場合には、便の色が「白っぽい」「灰色っぽい」といった色になることが多いです。
これは、便に十分な胆汁色素が届かないために起こります。

しかし、まれに胆汁の組成や分泌のタイミングが病気によって影響を受け、便の色に変化が出る可能性はゼロではありません。
例えば、胆汁が何らかの原因で急速に排出されたり、腸内での胆汁色素の代謝が異常になったりする場合などが考えられます。

もし「便の色 緑」とともに、皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)、全身のかゆみ、尿の色が濃くなる、右上腹部の痛みといった肝臓や胆道の病気を疑わせる症状がある場合は、すぐに医療機関を受診して詳しい検査を受ける必要があります。

肝臓や胆道の病気と便の色異常の関係は複雑なため、専門医による診断が不可欠です。

その他の消化器疾患

感染性胃腸炎以外にも、いくつかの消化器疾患が間接的に「便の色 緑」と関連することがあります。
これらの疾患では、便の色が緑色になること自体が主要な症状というよりは、消化吸収の異常や腸の機能障害に伴って二次的に便の色が変化するケースが多いです。

  • 過敏性腸症候群(IBS): ストレスや特定の食品によって、下痢や便秘、腹痛などを繰り返す病気です。IBSの下痢型では、腸の動きが非常に速くなり、食べたものが急速に通過するため、胆汁色素が酸化されずに緑色の便となることがあります。この場合、緑色の便はIBSに伴う症状の一つとして現れます。
  • 炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎): 腸に慢性的な炎症が起こる病気です。炎症により腸の機能が障害され、消化吸収不良や下痢が起こることがあります。重症の場合や、炎症が広範囲に及ぶ場合には、便の色や性状に異常が見られることがあり、消化が追いつかないことによる緑色の便が出る可能性も考えられます。
  • 吸収不良症候群: 小腸で栄養素が十分に吸収されない状態を指します。特定の栄養素の吸収が障害されることで、消化不良を起こした食べ物が腸を速く通過したり、腸内環境が変化したりして、便の色や性状に異常が出ることがあります。

これらの病気の場合、緑色の便以外にも、慢性的な腹痛、下痢、体重減少、貧血、全身倦怠感など、さまざまな症状を伴うことがほとんどです。
緑色の便が続く場合や、他の気になる症状がある場合は、自己判断せずに消化器内科を受診し、適切な検査を受けることが重要です。

黒っぽい緑色の便について

便の色が「黒っぽい緑色」や「暗い緑色」に見える場合も、「便の色 緑」の範疇として捉えられることがあります。
しかし、この色の場合、注意が必要な別の可能性も考慮する必要があります。

健康な便は茶色ですが、鉄分の多い食品(レバーなど)や特定の薬剤(鉄剤、一部の胃薬など)を摂取すると、便の色が黒っぽくなることがあります。
また、緑色の濃い野菜や海藻類を大量に摂取した場合も、濃い緑色や黒っぽい緑色に見えることがあります。
これらは生理的なもので心配ありません。

しかし、便がタールのように真っ黒で粘り気がある場合(タール便)は、食道、胃、十二指腸など、上部消化管からの出血が考えられます。
血液が消化酵素や腸内細菌と反応して黒く変色するためです。

「黒っぽい緑色」の場合、上記の生理的な原因と、微量な出血による色の変化が混ざり合っている可能性もゼロではありません。
見た目だけで出血を判断するのは難しいため、「黒っぽい緑色」の便が続く場合や、めまい、立ちくらみ、全身倦怠感、貧血症状などを伴う場合は、念のため医療機関を受診して相談することをおすすめします。
特に、消化器系の病歴がある方や、抗凝固薬などを服用中の方は、より注意が必要です。

便の色だけでなく、便の硬さ、量、臭い、排便の頻度、そして自身の体調全体を総合的に判断することが大切です。

便の色が緑の場合の受診目安と対処法

「便の色 緑」が出た場合、すぐに病院に行くべきか、それとも様子を見ても良いのか、判断に迷うことがあるかもしれません。
ここでは、心配ないケースと、医療機関を受診すべきケース、そして受診する際の診療科について解説します。

一時的な緑の便で心配ない場合

以下のような場合は、便の色が緑色であっても、多くの場合心配なく、数日様子を見ても問題ないと考えられます。

  • 特定の食品を摂取した後: 緑色の濃い野菜(ほうれん草など)や海藻類、緑色の食品着色料を使った食品をたくさん食べた後に緑色の便が出た場合。これは食品の色素がそのまま出た可能性が高く、一時的なものです。
  • 一時的な下痢や軟便を伴う場合: 風邪の引き始めや、少しお腹の調子が悪かった、寝冷えしたなど、一時的に腸の動きが活発になり、消化物が速く通過したことによる緑色の便。下痢がおさまれば便の色も戻るはずです。
  • 特定の薬剤を服用中: 鉄剤や一部の抗生物質などを服用中に便の色が緑色や黒っぽい緑色になった場合。薬剤による影響である可能性が高いです。
  • 他の症状を伴わない場合: 便の色が緑色であること以外に、腹痛、発熱、嘔吐、血便、体重減少、食欲不振などの気になる症状が全くない場合。

これらのケースでは、体調が回復したり、原因となる食品や薬剤の摂取を止めたりすれば、自然に便の色が元の黄色や茶色に戻ることがほとんどです。
無理に便の色を元に戻そうとせず、通常の生活を送りながら様子を見ましょう。

病院を受診すべきケースとは

便の色が緑であることに加えて、以下のような症状が見られる場合や、緑色の便が長期間続く場合は、病気が隠れている可能性も考えられるため、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

  • 緑色の便が2~3日以上続く場合: 原因がはっきりしないのに緑色の便が続く場合は、何か体の内部で変化が起きている可能性があります。
  • 激しい下痢や水っぽい便を伴う場合: 特に、何度もトイレに行く、水分しか出てこないような下痢は、脱水を招く危険性があります。
  • 強い腹痛や腹部の張りがある場合: 感染症や炎症など、腸に何らかのトラブルが起きているサインかもしれません。
  • 発熱や嘔吐を伴う場合: 感染性胃腸炎など、全身症状を伴う病気が疑われます。
  • 便に血が混じっている場合(血便): 明らかに赤い血が混じっている、または黒っぽいタールのような便、あるいは目に見えなくても便潜血検査で陽性となる場合は、消化管からの出血が考えられ、緑色の便と同時に見られる場合は特に注意が必要です。
  • 体重が減少している、食欲がない場合: 慢性の消化器疾患など、体の栄養状態に影響を与える病気が隠れている可能性があります。
  • 全身倦怠感やめまい、立ちくらみがある場合: 貧血(出血による場合も含む)や脱水など、全身的な状態悪化のサインかもしれません。
  • 便の色が緑と白っぽい便を繰り返す、または交互に出る場合: 胆汁の分泌や流れに関する問題がまれに考えられます。

特に、高齢の方や小さなお子さん、免疫力が低下している方、慢性疾患をお持ちの方の場合は、症状が重くなりやすいため、早めに医療機関を受診することが大切です。

何科を受診すればよいか

便の色や性状に関する相談は、一般的に「消化器内科」を受診するのが適切です。

消化器内科は、食道、胃、小腸、大腸といった消化管、そして肝臓、胆嚢、膵臓などの消化に関わる臓器の病気を専門とする診療科です。
便の色や性状の異常は、これらの臓器の働きと密接に関わっているため、消化器内科医が原因を詳しく調べ、適切な診断と治療を行います。

もし、小さなお子さんの「便の色 緑」が気になる場合は、まず「小児科」を受診しましょう。
小児科医は子供の消化器系の問題にも対応しており、必要に応じて専門医療機関を紹介してくれます。

受診する際は、緑色の便が出始めた時期、どのくらいの頻度で出ているか、便の硬さや量、臭い、そして便の色以外にどのような症状(腹痛、下痢、発熱、嘔吐、食欲不振など)があるかを具体的に医師に伝えられるように準備しておくと、スムーズな診察につながります。
可能であれば、便の色が分かる写真を持参するのも良いでしょう。

まとめ

便の色が緑になることは、多くの場合、食事内容や一時的な体調の変化、消化吸収のスピードに関わる生理的な現象であり、心配ないことがほとんどです。
緑色の濃い食品や緑色の着色料、あるいは軽い下痢などが原因で、胆汁色素が酸化する前に便として排出されるために起こります。
特に、他の症状を伴わない一時的な「便の色 緑」であれば、数日様子を見ても問題ないでしょう。

しかし、緑色の便が長期間続く場合や、激しい下痢、強い腹痛、発熱、嘔吐、血便、体重減少といった気になる症状を伴う場合は、感染性胃腸炎などの病気が隠れている可能性も考えられます。

年齢によっても考慮すべき点は異なります。
赤ちゃんの時期には緑色のうんちは比較的よく見られますが、ひどい下痢や全身症状を伴う場合は小児科医に相談が必要です。
大人の場合も、随伴症状の有無が受診判断の重要なポイントとなります。

便の色が緑色であることに対する不安や、気になる症状がある場合は、自己判断せずに「消化器内科」または「小児科」を受診し、専門医に相談することが最も安心できる対処法です。
ご自身の体の声に耳を傾け、適切な対応を心がけましょう。

免責事項: この記事の情報は一般的な知識を提供するものであり、特定の個人に対する医学的なアドバイスや診断に代わるものではありません。
便の色に関する不安や具体的な症状がある場合は、必ず医療機関を受診し、医師の診断と指導を受けてください。
記事の情報に基づいて行った行為によって生じた問題については、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

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