ステンドラは市販されている?安全な購入方法と注意点

ステンドラは、勃起不全(ED)の治療に使用される薬剤の一つで、その効果の速さから注目を集めています。しかし、「ステンドラは薬局やドラッグストアで市販されているのだろうか?」と疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれません。

結論から申し上げると、ステンドラは日本国内の薬局やドラッグストアでは市販されていません。これは、ステンドラが医師の処方箋が必要な「処方箋医薬品」に分類されているためです。この記事では、ステンドラが市販されていない理由から、安全かつ合法的に入手する方法、ステンドラの特徴や注意点について詳しく解説します。ステンドラの利用を検討している方は、ぜひ最後までお読みください。

ステンドラは、日本国内において薬局やドラッグストアなどの小売店で自由に購入できる薬剤ではありません。これは、ステンドラが「処方箋医薬品」に指定されているためです。処方箋医薬品とは、その使用にあたり専門的な知識や判断が必要であり、医師の診察に基づいた処方箋がなければ入手できない医薬品のことです。

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)により、処方箋医薬品は医師や歯科医師の処方箋に基づき、薬剤師が対面で薬剤情報を提供した上で交付することが義務付けられています。このため、医師の診察を受けずにステンドラを薬局で購入したり、自分で判断して使用したりすることは認められていません。

日本国内ではステンドラ(アバナフィル)は未承認

ステンドラの有効成分は「アバナフィル」です。このアバナフィルを有効成分とするED治療薬は、欧米諸国では承認され使用されていますが、残念ながら2024年6月現在、日本国内ではアバナフィルを含有するED治療薬(ステンドラを含む)は公的な承認を得ていません。

つまり、日本国内で合法的に製造・販売されているアバナフィル製剤は存在しないということです。市販が認められていない理由の一つは、この「国内未承認」という点にあります。

薬局やドラッグストアでの販売は不可

前述のように、ステンドラ(有効成分アバナフィル)は日本国内で未承認であり、かつ処方箋医薬品に分類されるため、薬局やドラッグストアで販売されることはありません。

「市販」という言葉は、処方箋なしで一般の店舗で購入できる医薬品(一般用医薬品)や、医薬品以外の健康食品などを指すことが一般的です。ステンドラはこれらのカテゴリには該当しないため、店頭に並ぶことはありません。もし薬局やドラッグストアで見かけた場合、それは正規の医薬品ではない可能性が極めて高く、服用は大変危険です。

目次

安全にステンドラを入手する方法

ステンドラ(アバナフィル)は日本国内で未承認ですが、医師の判断に基づき、特定の条件下で個人輸入した薬剤を患者に処方することが可能です。このため、ステンドラを安全かつ合法的に入手するためには、医療機関(クリニック)を受診し、医師の診方に基づいて処方を受ける必要があります。

医療機関(クリニック)での処方

ステンドラを含む海外で承認されている未承認医薬品を、医師の判断で患者に処方することは、日本の医師法において認められています(ただし、医師の責任において行われ、患者への十分な説明が必要です)。ED治療を専門とするクリニックなどでは、海外のED治療薬の中から、日本で未承認であっても有効性や安全性が確認されていると医師が判断した薬剤を扱っている場合があります。

【重要な注意点】

海外で承認されていても、日本の公的な承認を得ていない医薬品については、その品質、有効性、安全性が日本の基準で確認されていません。また、もし副作用による健康被害が生じた場合でも、公的な補償制度である「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となります。この点を十分に理解し、医師からリスクも含めた十分な説明を受けた上で処方を受けることが極めて重要です。

対面診療とオンライン診療

ステンドラを処方してもらうためには、まずED治療を行っている医療機関を探し、受診する必要があります。受診の方法としては、以下の二通りがあります。

  • 対面診療: 医療機関に直接出向いて医師の診察を受ける方法です。医師や医療スタッフと直接コミュニケーションを取れるため、不安な点や疑問点をその場で詳しく相談しやすいというメリットがあります。
  • オンライン診療: スマートフォンやパソコンを使って、自宅などからインターネット経由で医師の診察を受ける方法です。移動時間や待ち時間が不要で、周囲の目を気にせず受診できるため、忙しい方や遠方にお住まいの方にとって非常に便利です。ED治療薬の処方においては、オンライン診療を導入しているクリニックが増えています。

どちらの診療方法を選択する場合でも、ステンドラ(アバナフィル)の処方を行っているかどうかを事前に医療機関に確認することをお勧めします。

処方を受けるメリットと流れ

医療機関でステンドラ(または他のED治療薬)の処方を受ける最大のメリットは、医師の専門的な診断に基づき、ご自身の健康状態や他の服用薬との飲み合わせなどを考慮した上で、最も適切で安全な薬剤を選択してもらえる点です。また、服用方法や副作用、注意点について医師や薬剤師から直接説明を受けられるため、安心して治療に取り組めます。

一般的な処方の流れは以下の通りです。

  1. クリニックの予約: オンラインまたは電話で診療の予約を入れます。オンライン診療の場合は、アプリのダウンロードなどが必要なこともあります。
  2. 問診票の記入: 現在の症状、既往歴、服用中の薬剤、アレルギーの有無などを問診票に記入します。オンライン診療の場合は、事前にWeb上で入力することが多いです。
  3. 医師による診察: 問診票の内容に基づき、医師が症状や健康状態を確認します。ステンドラの希望を伝え、医師の判断を仰ぎます。他のED治療薬が適していると判断される場合もあります。
  4. 処方: 医師が患者に合った薬剤と用量を決定し、処方します。
  5. 薬剤の受け取り: 対面診療の場合はクリニック内の薬局または近隣の薬局で薬を受け取ります。オンライン診療の場合は、自宅など指定した場所に配送されます。

このプロセスを経ることで、偽造品のリスクを避け、医師の管理のもとで安全にED治療を行うことができます。

個人輸入代行サイトを利用する方法

インターネット上には、「ステンドラ」と称する薬剤を販売している個人輸入代行サイトが多数存在します。「市販されていないなら、ここで買えるのでは?」と考えてしまう方もいるかもしれませんが、これらのサイトを通じたステンドラ(アバナフィル)の購入は、推奨できません。

オオサカ堂などの個人輸入の現状

「オオサカ堂」をはじめとする個人輸入代行サイトは、海外の医薬品を個人の使用目的で輸入する手続きを代行するサービスを提供しています。確かに、日本の薬機法では、個人が自分で使用するために未承認の医薬品を少量輸入することは認められています。しかし、これはあくまで「個人が自己責任において行う」ものであり、これらのサイトを通じて販売されている薬剤の品質や安全性が保証されているわけではありません。

個人輸入における健康被害や偽造品のリスク

個人輸入代行サイトで販売されている医薬品には、以下のような非常に高いリスクが伴います。

  • 偽造品の可能性: 国外の製造元や流通経路が不明瞭なため、有効成分が全く含まれていなかったり、表示とは異なる成分や有害物質が含まれていたりする「偽造品」である可能性が否定できません。偽造品を服用しても効果が得られないだけでなく、重篤な健康被害を引き起こす危険があります。厚生労働省の調査でも、インターネット等で購入したED治療薬の約半分が偽造品だったという報告もあります。
  • 品質の劣化: 不適切な保管や輸送方法により、薬剤の品質が劣化している可能性があります。
  • 副作用や健康被害のリスク: 医師の診断なしに自己判断で服用するため、自身の健康状態や他の薬剤との飲み合わせを考慮できません。これにより、予期せぬ強い副作用が現れたり、持病が悪化したりするリスクが高まります。
  • 医薬品副作用被害救済制度の対象外: 個人輸入した医薬品による健康被害は、日本の公的な救済制度の対象外となります。万が一重篤な副作用が発生しても、十分な補償を受けることができません。
  • 法律違反のリスク: 個人の使用目的であっても、輸入量に制限があります。また、他人に譲渡したり販売したりすることは明確な法律違反です。

これらのリスクを考慮すると、個人輸入代行サイトを通じてステンドラ(アバナフィル)を入手することは、非常に危険であり、絶対に避けるべきです。

ステンドラ(アバナフィル)の特徴や効果

ステンドラの有効成分であるアバナフィルは、PDE5阻害薬と呼ばれる種類のED治療薬です。EDは、性的刺激があっても陰茎への血流が増えず、十分な勃起が得られない状態を指します。PDE5阻害薬は、この血流を妨げる酵素(PDE5)の働きを阻害することで、性的刺激があった際に陰茎の血管を拡張させ、血流を増加させて勃起をサポートします。

早い効果発現が特徴

ステンドラ(アバナフィル)の最大の特徴は、他のED治療薬と比較して効果の発現が非常に早いことです。一般的に、服用後わずか15分から30分程度で効果が現れ始めるとされています。これにより、性行為の直前に服用するという使い方が可能になります。

ただし、効果の発現時間には個人差があり、また空腹時の方が吸収が良く、効果が出やすい傾向があります。

硬さや持続時間について

ステンドラは、勃起の硬さをサポートし、性行為を成功させるために必要な硬さを得やすくします。効果の持続時間は、服用量にもよりますが、一般的に約6時間程度とされています。

効果のピークは服用後30分から1時間程度で訪れることが多いです。持続時間が約6時間というのは、必要に応じて勃起をサポートできる時間であり、勃起状態が6時間続くわけではありません。性的刺激がなければ勃起は収まります。

他のED治療薬との違いと比較(バイアグラ, シアリスなど)

ステンドラ(アバナフィル)は、バイアグラ(シルデナフィル)、シアリス(タダラフィル)、レビトラ(バルデナフィル)に次ぐ、比較的新しい世代のED治療薬です。それぞれの薬剤には異なる特徴があります。

以下の表で、主要なED治療薬の特徴を比較します。

薬剤名(有効成分) 効果発現時間 持続時間 食事の影響 主な副作用 特徴
バイアグラ(シルデナフィル) 服用後30分~1時間 約4~5時間 影響を受けやすい 頭痛、ほてり、視覚異常 世界初のED治療薬。しっかりとした効果が期待できる。食事の影響を受けやすい。
シアリス(タダラフィル) 服用後1時間~4時間 約30~36時間 ほとんど影響なし 頭痛、ほてり、背部痛、筋肉痛 最長の持続時間。「ウィークエンドピル」とも呼ばれる。食事の影響が少ない。
レビトラ(バルデナフィル) 服用後15分~30分 約5~8時間 比較的影響を受けにくい 頭痛、ほてり、鼻づまり、動悸 即効性が高い。バイアグラより食事の影響が少ない。日本では現在正規ルートでの入手が困難。
ステンドラ(アバナフィル) 服用後15分~30分 約6時間 比較的影響を受けにくい 頭痛、ほてり、鼻づまり 最速レベルの効果発現。副作用の発現率が比較的低いとも言われる。日本では未承認。

*上記は一般的な傾向であり、個人差があります。また、レビトラの先発薬は日本国内での販売が中止されています。*

ステンドラは、この表からもわかるように、特に「効果発現の速さ」において優れています。また、食事の影響を比較的受けにくく、副作用の発現率も他の薬剤に比べて低いとされることもあります。ただし、日本では未承認である点が大きな違いです。

ステンドラの副作用と安全な服用方法

ステンドラに限らず、ED治療薬には副作用が起こる可能性があります。安全に効果を得るためには、副作用について理解し、医師の指示に従って正しく服用することが重要です。

よくある副作用

ステンドラのよくある副作用は、他のPDE5阻害薬と同様に、血管拡張作用によるものです。具体的には以下のような症状が報告されています。

  • 頭痛
  • 顔のほてり(潮紅)
  • 鼻づまり
  • 消化不良(胃もたれなど)

これらの副作用は、一般的に軽度で一時的なものがほとんどです。薬の効果が切れるにつれて自然に解消することが多いですが、症状が強い場合や長く続く場合は医師に相談してください。

その他にも、背部痛、筋肉痛、目の充血、めまいなどが起こる可能性も報告されていますが、発生頻度は低いとされています。

併用禁忌薬や注意すべき人

ステンドラは、特定の薬剤や健康状態にある人にとっては、服用が危険となる場合があります。医療機関で処方を受ける際には、必ず医師に現在服用しているすべての薬剤(処方薬、市販薬、サプリメントを含む)やご自身の健康状態を正確に伝える必要があります。

特に注意が必要な薬剤(併用禁忌薬)

  • 硝酸剤・一酸化窒素供与剤: ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビドなど、狭心症の治療などに用いられる薬剤です。これらの薬剤とステンドラを併用すると、急激な血圧低下を引き起こし、生命に関わる危険があるため、絶対に併用してはいけません。
  • リオシグアト: 肺高血圧症の治療薬です。こちらも併用により重篤な血圧低下を引き起こす可能性があります。

服用に注意が必要、または服用できない人

  • 心血管系の病気がある方(不安定狭心症、重度の心不全、最近半年以内に心筋梗塞や脳卒中を起こした方など)
  • 重度の肝機能障害がある方
  • 重度の腎機能障害がある方
  • 低血圧の方、またはコントロール不良の高血圧の方
  • 網膜色素変性症など、目の病気がある方
  • アバナフィルに対してアレルギー反応を起こしたことがある方

性的活動そのものが心臓に負担をかける場合があるため、心血管系の病気がある方は、まず性行為が可能かどうか医師に相談が必要です。

ステンドラのジェネリック医薬品

先発医薬品であるステンドラ(有効成分アバナフィル)には、いくつかの国でジェネリック医薬品が製造・販売されています。ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ有効成分を同じ量含み、同等の効果と安全性が確認されていますが、開発費用がかからないため、先発医薬品よりも安価であることが一般的です。

ただし、前述の通り、アバナフィルを含有する薬剤は2024年6月現在、日本国内では公的な承認を得ていません。 したがって、日本国内で正規に製造・販売されているアバナフィルのジェネリック医薬品は存在しません。

もし「アバナフィル ジェネリック」として販売されている薬剤を見かけた場合、それは海外で製造されたものを個人輸入代行などを利用して入手するものであり、日本の公的な品質管理基準を満たしている保証はありません。先発薬と同様に、個人輸入による入手は偽造品や健康被害のリスクが伴うため、避けるべきです。

安全にED治療薬を利用するためには、必ず日本の医療機関を受診し、医師の処方を受けるようにしましょう。医師は、患者の状態に合わせて、バイアグラ、シアリス、レビトラ(ジェネリックのみ)などの国内承認薬、または医師の判断で海外の未承認薬の中から最適なものを提案してくれます。

【まとめ】ステンドラの市販購入は不可能、医療機関へ相談を

本記事では、「ステンドラ 市販」という疑問に対し、以下の点を解説しました。

  • ステンドラは日本国内で市販されていません。
  • その理由は、ステンドラ(有効成分アバナフィル)が日本国内で未承認であり、かつ医師の処方箋が必要な処方箋医薬品であるためです。
  • 薬局やドラッグストアでの販売は法的に認められていません。
  • ステンドラを安全に入手する唯一の方法は、ED治療を行っている医療機関(クリニック)を受診し、医師の判断で処方を受けることです。
  • 受診方法には、医療機関に直接行く対面診療と、インターネットを利用したオンライン診療があります。オンライン診療は利便性が高く、おすすめです。
  • インターネット上の個人輸入代行サイトを利用して入手することは、偽造品や健康被害のリスクが極めて高く、絶対に避けるべきです。
  • ステンドラは効果発現の速さが特徴ですが、副作用や併用禁忌薬もあります。必ず医師の指示に従って服用してください。
  • アバナフィルのジェネリック医薬品は海外に存在しますが、日本国内では未承認であり、個人輸入による入手は危険です。

EDの悩みは一人で抱え込まず、専門の医療機関に相談することが解決への第一歩です。医師に症状を正確に伝え、ご自身に合った安全な治療法を見つけましょう。オンライン診療を活用すれば、より気軽に専門医の診察を受けることが可能です。

免責事項:

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、医学的アドバイスや診断、治療を推奨するものではありません。ED治療に関する具体的なご相談や薬剤の処方については、必ず医療機関を受診し、医師の判断に従ってください。本記事によって生じたいかなる損害についても、当方は一切の責任を負いかねます。情報は執筆時点のものであり、法規制や承認状況は変更される可能性があります。常に最新かつ信頼できる情報源をご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次