生理中、なんとなく体が重い、むくんでいる気がする、体重が増えたかもしれない…そう感じた経験はありませんか?
毎月訪れる生理は、女性の体にさまざまな変化をもたらします。
その中でも、「生理中に太る気がする」という悩みは、多くの方が抱えているものです。
しかし、この生理中の体重増加は、必ずしも体脂肪が増えたことを意味するわけではありません。
一時的な体の変化によるものであることがほとんどです。
この記事では、生理中に体重が増えやすく感じる原因や、その体重がいつ頃元に戻るのか、そしてつらい時期を少しでも楽に過ごすための対策について詳しく解説します。
生理中の体の変化を正しく理解し、心穏やかに過ごすための一助となれば幸いです。
生理中に太る主な原因とは?
生理中に体重が増えたと感じる現象には、いくつかの主な原因があります。
これらの原因は複合的に影響し合い、体の変化として現れます。
女性ホルモンの影響(プロゲステロン)
女性の体は、約28日周期で変動する2つの主要な女性ホルモン、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」によってコントロールされています。
生理中に体重が増えやすいのは、特に「プロゲステロン」の影響が大きいと考えられています。
生理周期は大きく分けて、「月経期(生理中)」「卵胞期(生理後~排卵まで)」「排卵期」「黄体期(排卵後~生理前)」の4つの期間があります。
プロゲステロンは、排卵後から生理が始まるまでの「黄体期」に分泌が増加するホルモンです。
妊娠に備えて子宮内膜を厚くしたり、体温を上げたりする働きがあります。
このプロゲステロンの働きが、生理前の不調(月経前症候群、PMS)の原因となると同時に、体重増加にも関わっているのです。
プロゲステロンによる水分貯留
プロゲステロンの重要な働きの一つに、体内に水分や塩分をため込む作用があります。
これは、妊娠した場合に備えて体に栄養や水分を蓄えようとする自然な体の準備機能です。
プロゲステロンの分泌量が増える黄体期、特に生理の1週間ほど前になると、この水分貯留作用が強まります。
体組織の間に余分な水分がたまりやすくなり、その結果、顔や手足、お腹などがむくみやすくなります。
このむくみによって、一時的に体重が増加します。
水分貯留による体重増加は、脂肪が増えたわけではありません。
体が水分を普段より多く抱え込んでいる状態です。
むくみの程度には個人差がありますが、見た目の変化だけでなく、体がだるく感じたり、指輪がきつく感じたり、靴がきつくなったりすることもあります。
プロゲステロンによる食欲増加と血糖値変動
プロゲステロンは、食欲にも影響を与えます。
プロゲステロンの分泌が増える黄体期には、脳内の神経伝達物質である「セロトニン」のレベルが低下しやすいと言われています。
セロトニンは精神安定や幸福感に関わる物質ですが、そのレベルが低下すると、気分が落ち込んだりイライラしたりしやすくなるだけでなく、甘いものや炭水化物など、「幸せを感じやすい食べ物」を求める欲求が強まることがあります。
これは、セロトニンを生成する材料となるトリプトファンが、炭水化物と一緒に摂取されると吸収されやすくなるためと考えられています。
また、プロゲステロンは血糖値をコントロールするインスリンの働きを妨げる(インスリン抵抗性を高める)可能性も指摘されています。
これにより、血糖値が不安定になりやすく、急激な上昇と下降を繰り返すことで、さらに甘いものが欲しくなるという悪循環を生むことがあります。
食欲が増加し、特にカロリーの高いものや糖質の多いものをいつもより多く摂取してしまうと、それが直接的なカロリー過多につながり、一時的な体重増加の一因となる可能性があります。
むくみによる体重増加
前述のプロゲステロンによる水分貯留は、むくみの主な原因ですが、それ以外の要因もむくみに関わります。
- 塩分の過剰摂取: 塩分を摂りすぎると、体は水分をため込んで塩分濃度を調整しようとします。
生理前に食欲が増し、濃い味付けのものや加工食品を多く摂りがちになると、むくみが悪化することがあります。 - 血行不良: 同じ姿勢で長時間いたり、冷えたりすると血行が悪くなります。
生理前は体の冷えを感じやすい人も多く、血行不良がむくみを助長する場合があります。 - 運動不足: 適度な運動は血行を促進し、余分な水分や老廃物の排出を助けます。
生理前や生理中は体調が優れず、運動量が減りがちになることもむくみにつながります。
これらの要因が重なることで、体内に余分な水分が滞留し、体重が増加します。
体重計の数値としては現れますが、これは「むくみ」によるものであり、脂肪が増えたわけではありません。
便秘による体重増加
プロゲステロンは、腸の動きを抑制する働きも持っています。
これは、妊娠した場合に子宮の収縮を抑える作用と関連していると考えられますが、その影響で生理前は腸のぜん動運動が鈍くなり、便秘になりやすい人が多くいます。
便がスムーズに排出されず、腸内に長く留まると、その分だけ体重が増加します。
また、便秘は腹部の張りや不快感、肌荒れなど、他の不調も引き起こすことがあります。
便秘による体重増加もまた、一時的なものであり、排便があれば解消されるものです。
生理周期と体重変化のタイミング
女性の体重は、1ヶ月の生理周期の中で常に一定ではなく、ホルモンバランスの変化に合わせて変動するのが自然なことです。
この変動のパターンを知っておくと、「生理中に太った!」と過度に心配する必要がなくなります。
生理前が最も体重が増加しやすい時期
生理周期の後半、特に排卵後から生理が始まるまでの約2週間を「黄体期」と呼びます。
この期間は、妊娠の準備のためにプロゲステロンの分泌がピークを迎えます。
前述のように、プロゲステロンには水分貯留や食欲増加、腸の動きを鈍らせる作用があります。
そのため、黄体期、特に生理が始まる1週間〜数日前にかけて、むくみや便秘が強まり、食欲が増加することで、体重が最も増加しやすい時期となります。
体調も不安定になりやすく、だるさや眠気、イライラなどのPMS症状も現れやすい時期です。
生理中に体重が元に戻り始めるタイミング
生理が始まると、プロゲステロンの分泌量が急激に減少します。
代わりに、エストロゲンの分泌が徐々に増加し始めます。
プロゲステロンの影響が弱まることで、体内に溜め込まれていた余分な水分が排出されやすくなります。
トイレに行く回数が増えたり、尿の量が増えたりすることで、むくみが解消に向かいます。
また、腸の動きを抑制していたプロゲステロンが減ることで、便秘も改善しやすくなります。
個人差はありますが、多くの場合、生理が始まってから数日以内(生理が始まって2日目〜5日目頃)にかけて、むくみが取れ始め、体重も元に戻り始める傾向があります。
生理が終わる頃には、ほとんどの方が黄体期に増加した体重が元に戻っていることを実感するでしょう。
生理中の平均的な体重増加は何キロ?(1〜2kg/3kg)
生理前の黄体期に一時的に増加する体重の平均的な範囲は、1〜2kg程度と言われています。
これは、主に水分貯留や便秘によるものが原因です。
体質やその月の体調、生活習慣によって個人差はありますが、この範囲内の変動であれば、生理による自然な体の変化として特に心配する必要はありません。
まれに、3kgあるいはそれ以上に体重が増加したと感じる方もいらっしゃいます。
これは、水分貯留や便秘が特にひどかったり、生理前の食欲増加によっていつもより大幅に摂取カロリーが増えてしまったりした場合に起こりえます。
ただし、一時的な体重増加が3kgを超えていても、それが生理周期に伴って自然に戻るのであれば、過度に心配する必要はない場合が多いです。
しかし、もし生理が終わっても体重が戻らない場合や、体重増加以外にもPMSの症状が非常に重い、生理が不順であるなどの場合は、婦人科など専門医に相談してみることをおすすめします。
何らかの疾患が隠れていたり、ホルモンバランスを整える治療が必要であったりする可能性も考えられます。
生理中の体重増加は気にしすぎなくて大丈夫?
生理中の体重増加は、多くの方が経験する一時的な現象です。
前述のように、その主な原因は水分貯留や便秘であり、体脂肪が急激に増えたわけではありません。
この点を理解することで、「生理中=太る」とネガティブに捉えすぎず、心穏やかに過ごすことができます。
ほとんどは生理終了後に自然に戻る理由
生理中に増えた体重のほとんどは、生理が終了する頃までには自然に元に戻ります。
これは、生理が始まることでプロゲステロンの分泌が減少し、体内の水分や塩分をため込む作用が弱まるためです。
体内に滞留していた余分な水分が尿として排出され、むくみが解消されます。
また、腸の動きも正常に戻り、便秘が解消されることで、腸内に溜まっていた内容物も排出されます。
これらの変化により、体重は生理前の状態に自然に戻るのです。
黄体期に体重が増えたとしても、それは体が妊娠に備えて行っていた一時的な準備の結果であり、生理が来ればその準備が不要になった証拠とも言えます。
体の自然なメカニズムが働いているだけなので、「太った」と落ち込む必要はありません。
体脂肪が増えたわけではない可能性
生理前の体重増加は、ほとんどの場合が水分と内容物(便など)によるものであり、短期間で体脂肪が劇的に増えることは考えにくいです。
体脂肪が1kg増えるためには、約7,200kcalを過剰に摂取する必要があります。
生理前の数日間で、通常の食事に加えてそこまでのカロリーを摂ることは、現実的には難しいでしょう。
もちろん、生理前の食欲増加に任せて大幅なカロリーオーバーを続けてしまえば、一時的な水分増加だけでなく、体脂肪が増えてしまう可能性もゼロではありません。
しかし、通常の範囲での体重増加であれば、それは水分や便によるものだと考えて大丈夫です。
体重計の数値に一喜一憂せず、体の感覚(むくみ具合、お腹の張りなど)にも注意を向けてみましょう。
「生理前だからむくんでいるな」「生理が来たらスッキリするだろう」と、体のサイクルとして受け止めることが大切です。
生理中の体重増加を抑える対策
生理周期による体の変化は自然なものですが、むくみやだるさ、イライラといった不調はつらいものです。
生理中の体重増加やそれに伴う不快感を少しでも軽減するために、日常生活でできる対策をいくつかご紹介します。
完全にゼロにすることは難しくても、「抑える」ことは可能です。
食事内容の工夫でむくみや食欲をコントロール
生理前のつらい時期は、食事内容を意識することが非常に有効です。
- むくみ対策:
- 塩分を控える: 味の濃いもの、加工食品、インスタント食品の摂取を控えましょう。
外食が多い場合は、薄味のものを選んだり、汁物を残したりする工夫も効果的です。 - カリウムを摂取: カリウムは体内の余分なナトリウム(塩分)の排出を助け、むくみ解消に役立ちます。
バナナ、アボカド、ほうれん草、海藻類(わかめ、昆布)、きのこ類などに豊富に含まれます。 - 水分をしっかり摂る: むくんでいる時でも、むしろ水分をしっかり摂ることが大切です。
水分不足は体を水分をため込もうとする状態にしてしまいます。
カフェインの少ないお茶や水をこまめに飲みましょう。
- 塩分を控える: 味の濃いもの、加工食品、インスタント食品の摂取を控えましょう。
- 食欲コントロール:
- 血糖値の急上昇を避ける: 甘いものや精製された炭水化物(白いご飯、パン、麺類)は血糖値を急激に上げやすいです。
血糖値が急上昇すると、その後急降下し、再び強い空腹感や甘いものへの欲求を引き起こしますます。
食物繊維を多く含む野菜やきのこ類、海藻類を食事の最初に摂る、玄米や全粒粉を選ぶなどの工夫で、血糖値の変動を緩やかにしましょう。 - バランスの取れた食事: 3食を規則正しく、主食・主菜・副菜を揃えたバランスの良い食事を心がけましょう。
特に、タンパク質は腹持ちが良く、満腹感を持続させるのに役立ちます。 - 小分けにして食べる: 1回の食事量を減らし、間食を上手に取り入れることで、空腹感を抑え、血糖値の急変動を防ぐことができます。
間食には、ナッツ類、フルーツ、ヨーグルトなど、栄養価が高く腹持ちの良いものがおすすめです。 - 生理前に不足しやすい栄養素を意識: カルシウムやマグネシウムは、生理前の不調を和らげる可能性があると言われています。
乳製品、大豆製品、緑黄色野菜、ナッツ類などを積極的に摂りましょう。
ビタミンB6もセロトニンの生成に関わるとされており、赤身肉、魚、バナナなどに含まれます。
- 血糖値の急上昇を避ける: 甘いものや精製された炭水化物(白いご飯、パン、麺類)は血糖値を急激に上げやすいです。
- 避けるべき食品: 過剰なカフェイン(利尿作用があるものの、逆に体を冷やすことも)、アルコール(むくみを悪化させる、睡眠の質を下げる)、加工食品やジャンクフード(塩分・糖分・脂質が多く、栄養バランスが偏る)は控えるのが賢明です。
体調に合わせた適度な運動
生理中や生理前は体調が優れないこともありますが、全く動かないよりは、体調に合わせて軽い運動を取り入れることが推奨されます。
- 血行促進: ウォーキング、ストレッチ、軽いジョギング、ヨガなど、無理なくできる有酸素運動は血行を促進し、むくみの解消を助けます。
また、体の冷えを改善する効果も期待できます。 - ストレス軽減: 適度な運動はストレス解消にもつながります。
生理前のイライラや気分の落ち込みを和らげ、それに伴う過食を防ぐ効果も期待できます。 - 運動の種類と強度: 生理中は経血があったり、お腹が痛くなったり、だるさを感じたりすることがあります。
激しい運動や無理な筋トレは避け、自分の体と相談しながら行いましょう。
体調が特に悪い日は、無理せず休むことが最も大切です。
十分な休養とリラックス
生理前や生理中は、体が休息を求めているサインでもあります。
十分な休養をとることで、体の回復を促し、不調を軽減することができます。
- 睡眠: 質の良い睡眠を十分にとることは、ホルモンバランスを整え、食欲をコントロールするためにも重要です。
生理前は眠気が増すこともありますが、できるだけ決まった時間に寝起きし、7〜8時間程度の睡眠を目指しましょう。 - ストレス管理: ストレスはホルモンバランスを乱し、PMS症状や生理中の不調を悪化させる要因となります。
自分なりのリラックス方法を見つけ、積極的に実践しましょう。
アロマセラピー、ぬるめのお湯での入浴、好きな音楽を聴く、読書、軽いストレッチや深呼吸などがおすすめです。 - 無理をしない: 仕事や家事なども、完璧を目指さず、できる範囲で行うようにしましょう。
周囲の協力を得ることも大切です。
この時期は「体を労わる期間」と割り切るのも良いでしょう。
体重以外の変化にも目を向ける
生理中の体重増加にばかり注目すると、ストレスを感じやすくなります。
体重計の数値だけでなく、体の他の変化にも目を向けてみましょう。
- 体組成: 体重が増えていても、体脂肪率が大きく変わっていない場合は、水分増加によるものである可能性が高いです。
体組成計で測ってみるのも一つの方法です。 - むくみ具合: 体のむくみ具合(手足の張り、顔のむくみなど)を確認することで、体重増加が水分によるものかどうかの判断材料になります。
- 体調や気分: 生理中の体の状態は、体重だけでなく、だるさ、眠気、お腹の痛み、気分の変動など、さまざまな形で現れます。
これらの変化全体を捉え、「今は生理期間だからこんな体の状態なんだな」と客観的に受け止めるようにしましょう。
体重計の数値に振り回されず、自分の体の声に耳を傾け、労わることが、生理中を快適に過ごすためには非常に大切です。
生理中のダイエットについて
「生理中に体重が増えたから、すぐにでもダイエットしなきゃ!」と思う方もいるかもしれません。
しかし、生理中は体がデリケートな時期であり、無理なダイエットは逆効果になることがあります。
生理周期に合わせた賢明なダイエット計画を立てることが重要です。
生理中の無理なダイエットは非推奨
生理中は、体調が不安定になりやすく、心身ともにデリケートな状態です。
このような時期に過度な食事制限やハードな運動を行うことは、いくつかのリスクを伴います。
- 体調の悪化: 生理痛やだるさ、貧血などが強まる可能性があります。
免疫力が低下し、風邪をひきやすくなることも。 - 精神的なストレス: 食欲が増しやすい時期に無理な食事制限をすると、我慢によるストレスが大きくなります。
これが反動となり、生理後にリバウンドしてしまうリスクを高めます。
また、体重が減らないことに焦りやイライラを感じやすくなります。 - 栄養バランスの偏り: 極端な食事制限は、生理に必要な栄養素(特に鉄分)が不足する原因となり、生理不順や体調不良を招く可能性があります。
- パフォーマンスの低下: 体調が優れない状態での運動は、本来のパフォーマンスを発揮できないだけでなく、怪我のリスクも高まります。
生理中は、体を「休ませる」「整える」ことを優先すべき時期です。
無理に体重を減らそうとするのではなく、現状維持を目標にするか、体調管理に重点を置くことをおすすめします。
生理周期に合わせた効果的なダイエット計画
女性の体は生理周期によってホルモンバランスが変動し、体の状態が変化します。
この周期を理解し、それぞれの時期に適したダイエット計画を立てることで、より効果的に、かつ無理なく体重管理を行うことができます。
女性のダイエットに適した時期とそうでない時期は、おおよそ以下のように分けられます。
時期 | ホルモンバランス | 体の状態 | ダイエットのポイント |
---|---|---|---|
月経期 (生理中) | エストロゲン・プロゲステロン低 | デリケート、体調不安定(生理痛、だるさ、眠気、むくみなど) | 無理しない! 体調最優先。十分な休息、体を温める。食事は栄養バランス重視。軽い運動はOKだが、無理は禁物。 目標:現状維持 |
卵胞期 (生理後〜排卵前) | エストロゲン優位 | 心身ともに安定、代謝UP、食欲安定 | 痩せやすい! 体調が回復し、気分も前向きになりやすい時期。代謝が上がりやすく、運動効果も出やすい。積極的に運動、食事管理を行う。 目標:積極的に減量 |
排卵期 | エストロゲン・LH・FSH増加 | 排卵による体調の変化(腹痛、出血など)がある人も | 個人差あり。体調が良ければ卵胞期と同様に活動的に。体調が悪ければ休息を優先。 目標:継続or休息 |
黄体期 (排卵後〜生理前) | プロゲステロン優位 | 体調不安定(PMS)、むくみ、便秘、食欲増進、イライラ、だるさ、眠気、体温上昇 | 痩せにくい…維持を目標 体に水分をため込みやすく、食欲が増しやすい時期。無理な食事制限はせず、バランスの良い食事で乗り切る。むくみ対策、ストレスケアを重視。激しい運動は控え、軽い運動やストレッチを。 目標:現状維持 |
この表からもわかるように、生理中(月経期)はダイエットに最も適していない時期です。
体が回復・準備期間に入るため、無理せず、体調を整えることに集中しましょう。
積極的にダイエットに取り組むなら、生理が終わってからの卵胞期が最も効果が出やすく、モチベーションも維持しやすい時期です。
生理中に消費カロリーは増える?
生理中の基礎代謝(生命維持に必要な最低限のエネルギー消費量)は、黄体期に比べてわずかに上昇するという研究もありますが、劇的に消費カロリーが増えるわけではありません。
一般的に、生理中の消費カロリーは普段と大きく変わらないと考えられます。
むしろ、生理痛や体のだるさから活動量が減ることで、総消費カロリーは普段より少なくなる可能性もあります。
生理中に無理に運動して消費カロリーを増やそうとするよりも、体調を優先し、休息を十分にとることが大切です。
生理中に痩せる人はいる?
生理中に体重計の数値が減る人もいます。
これは、主に生理が始まることで黄体期に溜め込んでいた余分な水分が排出され、むくみが解消されることによるものです。
体脂肪が減って痩せたわけではなく、一時的に増加していた体重が元に戻った、またはそれ以上に水分が抜けた結果です。
また、生理中の体調不良により食欲が落ち、食事量が減った結果として体重が減る人もいるかもしれません。
しかし、これも栄養不足による体重減少である可能性があり、健康的な痩せ方とは言えません。
健康的にダイエットを進めるためには、生理周期に合わせて、痩せやすい時期に積極的に取り組み、生理中や生理前は体を労わる期間とすることが重要です。
まとめ:生理中の体重変化を理解し適切に対処
生理中の体重増加は、多くの女性が経験する体の自然な変化です。
その主な原因は、女性ホルモン(特にプロゲステロン)の影響による水分貯留や食欲増加、そしてむくみや便秘です。
これらは一時的なものであり、生理が終わる頃には自然に元に戻ることがほとんどです。
生理中の体重増加は体脂肪が増えたことを意味するわけではないため、過度に心配したり、落ち込んだりする必要はありません。
むしろ、生理周期に伴う体の変化として受け止め、自分の体を労わることが大切です。
生理中の不快な症状や体重増加を少しでも軽減するためには、以下のような対策が有効です。
- 食事内容の工夫: 塩分を控える、カリウム豊富な食品を摂るなど、むくみ対策を。
血糖値の急変動を抑え、バランスの良い食事で食欲をコントロール。 - 体調に合わせた適度な運動: 軽いウォーキングやストレッチなどで血行促進。
無理せず、体の声を聞きながら行う。 - 十分な休養とリラックス: 質の良い睡眠を確保し、ストレスを溜め込まない工夫を。
体を温めることも効果的。 - 体重以外の変化にも目を向ける: 体重計の数値だけでなく、むくみ具合や体調、気分など、体の変化全体を把握する。
また、ダイエットを考える場合は、生理中を避けて、生理後の卵胞期に積極的に取り組むなど、生理周期に合わせた計画を立てることが賢明です。
生理中の体の変化は、一人ひとり異なります。
もし、生理中の体重増加以外にも、生理前後の不調(PMS)が非常に重い、生理周期が乱れている、あるいは生理が終わっても体重が全く戻らないなど、気になる症状がある場合は、自己判断せず、婦人科など専門医に相談することをおすすめします。
適切なアドバイスや治療を受けることで、つらい症状が改善される可能性があります。
自分の体のサイクルを理解し、適切な知識を持って対処することが、生理期間を快適に過ごすための第一歩です。
免責事項: 本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の個人の健康状態や疾患に対する診断、治療、アドバイスを行うものではありません。
ご自身の体調にご心配な点がある場合は、必ず医療機関にご相談ください。
本記事の情報に基づいて行われた行為によって生じた損害等に関し、当方は一切の責任を負いかねますのでご了承ください。