トリキュラーの副作用は? 主な症状から血栓症のリスクまで解説

低用量ピルであるトリキュラーは、避妊効果だけでなく、生理痛やPMS(月経前症候群)の改善、ニキビ治療など、様々な目的で多くの女性に利用されています。
しかし、初めて服用する方や服用を続けている方にとって、「副作用」はやはり気になる点のひとつでしょう。
トリキュラーの副作用にはどのようなものがあるのか、いつまで続くのか、また吐き気や頭痛、体重増加といった症状への対処法、そして最も注意すべき血栓症のリスクについて、詳しく解説します。
服用に関する不安を解消し、安心してトリキュラーを使用するための参考にしてください。

トリキュラーは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2種類の女性ホルモンが配合された低用量ピル(LEPまたはOC)です。一般的なトリキュラー28は、ホルモン配合錠が21錠と、偽薬(プラセボ錠)が7錠の合計28錠で1シートとなっています。

トリキュラーの特徴として、三相性ピルであることが挙げられます。三相性ピルとは、シート中のホルモン配合錠において、ホルモンの配合量が3段階に変化するように設計されているピルです。これは、自然な月経周期におけるホルモンバランスの変化を模倣することで、身体への負担を軽減し、不正出血を減らすことを目的としています。

主な効果としては、排卵の抑制、子宮内膜の変化による着床の阻害、子宮頸管粘液の変化による精子通過の妨げなどが挙げられ、これにより高い避妊効果が得られます。さらに、ホルモンバランスが安定することで、生理痛の軽減、月経量の減少、月経周期の安定、PMS(月経前症候群)症状の緩和、ニキビ・肌荒れの改善など、様々な副効用も期待できます。

目次

トリキュラーで起こりやすい一般的な副作用

飲み始めに多い症状とその原因

トリキュラー服用開始から最初の1~2周期は、身体がホルモンバランスの変化に慣れる過程で様々な副作用が現れることがあります。これらの副作用は、多くの場合一時的なもので、服用を続けるうちに軽減・消失することがほとんどです。

特に、エストロゲンの影響による吐き気や頭痛、プロゲステロンの影響による眠気や胸の張りなどが現れやすいとされています。また、ホルモン量の変化が原因で、不正出血が起こることも少なくありません。

吐き気

吐き気は、低用量ピルの副作用として比較的多くの人が経験する症状の一つです。主に、ピルに含まれるエストロゲンの影響で胃腸の動きが鈍くなることや、脳の嘔吐中枢が刺激されることで起こると考えられています。

軽度のムカムカ感から、実際に吐いてしまうケースまで程度は様々です。特に、初めてピルを服用する方や、空腹時に服用した際に感じやすい傾向があります。多くの場合、服用を続けるうちに身体が慣れて、数週間から数ヶ月で症状は落ち着きます。

頭痛

頭痛も、ピル服用初期によく見られる副作用です。ホルモンバランスの変化が脳の血管に影響を与えたり、神経系に作用したりすることが原因と考えられています。エストロゲン量の急激な変化によって偏頭痛が誘発されることもあります。

多くは軽度で、市販の鎮痛剤で対処可能な範囲です。吐き気と同様に、服用を続けるうちに軽減していくことが期待できます。ただし、後に詳しく述べますが、我慢できないほどの激しい頭痛や、いつもと違う頭痛が続く場合は、血栓症などの重篤な副作用の可能性もゼロではないため注意が必要です。

不正出血・消退出血

不正出血は、生理期間ではないのに性器から出血がある状態です。ピル服用中に最も頻繁に起こる副作用の一つで、特に飲み始めの数周期によく見られます。三相性ピルであるトリキュラーでも起こりえますが、一相性ピルに比べて発生頻度は低い傾向があります。

不正出血の原因は、子宮内膜がピルに含まれるホルモン量に完全に適応するまでに時間がかかるためです。ホルモン量の変動により子宮内膜が不安定になり、少量の出血が起こります。これは身体がピルに慣れていないサインであり、通常は服用を続けるうちにホルモンバランスが安定し、出血はなくなります。

一方で、シートの最後に服用する偽薬期間や、ホルモン配合量の少ない錠剤を服用する時期に起こる出血は「消退出血」と呼ばれ、これは生理のようなもので、ピルによって人工的に作られた周期的な出血です。不正出血とは異なり、ピルが正しく作用しているサインの一つとも言えます。

眠気・だるさ

トリキュラーに含まれるプロゲステロンには、眠気を誘発したり、身体を休息モードにしたりする作用があります。この影響で、服用開始初期に日中の眠気や倦怠感、だるさを感じることがあります。

これらの症状も、身体がピルに慣れるにつれて軽減することが多いです。服用するタイミングを夜にするなどの工夫で、日中の眠気を避けやすくなる場合があります。

胸の張り・痛み

エストロゲンやプロゲステロンの作用により、乳腺組織が刺激されることで、胸の張りや痛みを感じることがあります。生理前にも同様の症状が出る方がいますが、ピル服用中も同様のメカニズムで起こります。

この症状も一時的な場合が多く、数周期で落ち着くことが一般的です。痛みが強い場合は、温めたり、締め付けない下着を選んだりするなどの対策が有効なこともあります。

その他(むくみ、肌荒れなど)

上記以外にも、トリキュラーの服用によって以下のような副作用が起こることがあります。

  • むくみ: ホルモンの影響で体内の水分バランスが変化し、手足や顔にむくみを感じることがあります。
  • 肌荒れ・ニキビ: ホルモンバランスの変化により、一時的に肌荒れやニキビが悪化する人もいますが、多くの場合、服用を続けることでホルモンバランスが整い、ニキビが改善される効果が期待できます。
  • 気分の落ち込み・イライラ: ホルモンの変動が自律神経や精神状態に影響し、気分の波や情緒不安定を感じることがあります。
  • 性欲の変化: 性欲が増加または減少する可能性がありますが、個人差が非常に大きいです。
  • 体重増加: これについては後述しますが、直接的な原因となることは稀とされています。

これらの一般的な副作用は、多くの場合軽度で、身体がピルに慣れるにつれて自然に消失するか、軽減していきます。

副作用はいつまで続く?軽減するための対処法

症状が続く期間の目安

トリキュラーの一般的な副作用(吐き気、頭痛、不正出血、胸の張りなど)は、服用開始から最初の1~3ヶ月程度で落ち着くことがほとんどです。これは、身体がピルに含まれるホルモン量に慣れるまでの期間に相当します。

ただし、症状の程度や続く期間には個人差があります。中には、1ヶ月以内に症状が消失する人もいれば、3ヶ月を過ぎても軽い症状が続く人もいます。もし、3ヶ月以上経っても副作用が改善しない場合や、症状が強く日常生活に支障をきたす場合は、後述するように医師に相談することが推奨されます。

対処法・軽減方法

副作用を完全にゼロにすることは難しいですが、いくつかの工夫で症状を軽減できる場合があります。

  • 規則正しい生活: 十分な睡眠をとり、バランスの取れた食事を心がけるなど、体調を整えることがホルモンバランスの安定を助け、副作用の軽減につながることがあります。
  • 適度な運動: 軽い運動は血行を促進し、むくみやだるさの軽減に役立つことがあります。また、ストレス解消にも効果的です。
  • リラックス: ストレスや過労はホルモンバランスを乱す要因となるため、リラックスする時間を持つことも大切です。

飲むタイミングの工夫

副作用の中でも特に吐き気が気になる場合、トリキュラーを飲むタイミングを工夫することで軽減できることがあります。

  • 夕食後や寝る前に服用する: 吐き気を感じやすい方は、胃の中に食べ物がある状態、特に夕食後や就寝前に服用することで、症状が出にくくなることがあります。寝ている間に吐き気のピークが過ぎることも期待できます。
  • 毎日同じ時間に服用する: 毎日決まった時間に服用することで、体内のホルモン濃度を一定に保ちやすくなり、ホルモンバランスの急激な変動による副作用を抑える効果が期待できます。

市販薬の使用について

トリキュラー服用中に起こる一般的な副作用(吐き気、頭痛、生理痛のような下腹部痛など)に対して、市販薬を使用することも可能です。ただし、以下の点に注意が必要です。

  • 鎮痛剤: 頭痛や下腹部痛には、アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの成分を含む市販の鎮痛剤を使用できます。ただし、アスピリン(アセチルサリチル酸)は血栓予防効果があるため、ピルと併用すると血栓予防効果が強くなりすぎる可能性があるという意見もありますが、一般的には問題ないとされています。念のため医師や薬剤師に相談するとより安心です。
  • 吐き気止め: 吐き気には、乗り物酔い用や胃のむかつきを抑えるタイプの市販薬が有効な場合があります。
  • 飲み合わせの確認: 市販薬の中には、ピルの効果を弱めたり、相互作用を起こしたりする可能性のある成分が含まれている場合があります(例: セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)を含むサプリメントなど)。市販薬を購入する際は、必ず薬剤師にトリキュラーを服用中であることを伝え、飲み合わせに問題がないか確認してください。
  • 症状が改善しない場合: 市販薬を使用しても症状が改善しない場合や、症状が悪化する場合は、自己判断で服用を続けずに医師に相談しましょう。

見過ごせない重大な副作用のリスク

血栓症とは?なぜピルでリスクが高まる?

血栓症とは、血管の中に血の塊(血栓)ができ、血管が詰まってしまう病気です。血栓ができる場所によって、肺塞栓症(肺の血管が詰まる)、深部静脈血栓症(主に足の静脈に血栓ができる)、脳梗塞(脳の血管が詰まる)、心筋梗塞(心臓の血管が詰まる)など、様々な病気を引き起こします。

低用量ピルに含まれるエストロゲンには、血液を固まりやすくする作用があります。これにより、ピルを服用していない女性に比べて、血栓ができるリスクがわずかに高まります。ただし、そのリスクは妊娠中や出産後の期間と比較すると低いとされています。ピルの種類によってもリスクの程度は異なるとされていますが、トリキュラーのような第2世代の低用量ピルは、第3世代以降のピルに比べて血栓症のリスクが低いという報告もあります。

血栓症の初期症状(SOSサイン)

血栓症は、早期に発見して治療を開始することが非常に重要です。以下の「SOSサイン」と呼ばれる初期症状に気づいたら、すぐにピルの服用を中止し、医療機関を受診してください。

  • S udden, severe headache(突然の激しい頭痛)
    • いつもと違う種類の頭痛、突然の激しい頭痛、吐き気を伴う頭痛など。
  • O phtalmic problems(眼の症状)
    • かすみ目、視野狭窄、光視症、突然の視力低下など。
  • S evere leg pain(激しい足の痛み)
    • 片方の足のふくらはぎや太ももに起こる、歩くと痛む、押すと痛む、腫れや赤みを伴う。
  • A bd(お腹の痛み)※実際は胸痛(Chest pain)に含まれることが多い
    • 激しい腹痛。
  • C hest pain(胸の痛み)
    • 息切れ、呼吸困難、締め付けられるような胸の痛み。

これらの症状は血栓症以外の原因でも起こりえますが、ピル服用中に現れた場合は、血栓症を疑い、迷わず医療機関(救急病院など)に連絡して、ピルを服用していることを伝えてください。

血栓症のリスク因子と予防策

血栓症のリスクは、ピル服用以外の要因によっても高まります。特に注意が必要なリスク因子は以下の通りです。

  • 喫煙: 喫煙は血栓症のリスクを著しく高めます。ピル服用中の喫煙は、血栓症の最大のリスク因子と言われており、特に35歳以上で1日15本以上喫煙する方は、ピルの服用は禁忌とされています。ピルを服用する場合は、禁煙することが強く推奨されます。
  • 肥満: BMIが高い方はリスクが高まります。
  • 高齢: 35歳以上になるとリスクが徐々に高まります。
  • 長時間の不動: 旅行などで長時間座りっぱなし、寝たきりの状態などは、血栓ができやすくなります。
  • 脱水: 水分不足は血液をドロドロにし、血栓のリスクを高めます。
  • 特定の病気: 高血圧、脂質異常症、糖尿病、血栓症の家族歴、自己免疫疾患などがある方はリスクが高まります。

血栓症を予防するためには、ピル服用に関わらず、以下の点を心がけることが重要です。

  • 禁煙: 最も重要です。
  • 適正体重の維持: バランスの取れた食事と運動。
  • 水分補給: 特に夏場や運動時、長時間の移動時など。
  • 適度な運動: 定期的な運動や、長時間座っている際の休憩・ストレッチ。
  • 定期的な健康診断: 血圧や脂質などのチェック。

疑わしい症状が出たらすぐに医療機関へ

前述の「SOSサイン」のような血栓症が疑われる症状が現れた場合は、救急車を呼ぶか、速やかに医療機関を受診してください。この際、必ずピルを服用中であることを医師に伝えてください。 血栓症は早期診断と早期治療が予後を左右します。ためらわずに専門家の判断を仰ぎましょう。

その他の気になるトリキュラーの副作用

体重増加・太るという噂は本当?

「ピルを飲むと太る」という話を耳にすることがありますが、これは科学的には証明されていません。トリキュラーを含む現在の低用量ピルは、昔のピルに比べてホルモン量が大幅に抑えられているため、直接的な体重増加の原因となることは稀です。

ただし、以下のような要因が「太った」と感じる原因となる可能性があります。

  • 水分貯留: ピルの影響で一時的に体内の水分が保持されやすくなり、むくみとして体重が増加したように見えることがあります。これは脂肪が増えたわけではありません。
  • 食欲増進: 個人差はありますが、ピルの影響で食欲が増す可能性が指摘されることもあります。これにより摂取カロリーが増え、結果的に体重が増えることはあり得ます。
  • 生活習慣の変化: ピルの服用を開始した時期に、偶然生活習慣(食事内容や運動量)が変化し、それが体重増加につながるケースもあります。

もし体重増加が気になる場合は、ピルのせいだと決めつけず、まずは食生活や運動習慣を見直すことが大切です。それでも改善しない場合や、不安が続く場合は医師に相談してみましょう。ピルの種類を変更することで改善することもあります。

PMS(月経前症候群)への影響と効果

PMS(月経前症候群)は、月経前に心身に様々な不調が現れる状態です。ホルモンバランスの急激な変動が原因と考えられており、トリキュラーのような低用量ピルは、このホルモンバランスを安定させることで、PMSの症状を軽減する効果が期待できます。

特に、気分の落ち込み、イライラ、胸の張り、むくみ、腹痛などのPMS症状に悩む方にとって、トリキュラーは有効な治療法の一つとなります。ただし、効果の現れ方には個人差があります。

ニキビ・肌への影響

トリキュラーは、男性ホルモンの作用を抑える効果も持つため、ニキビや肌荒れの改善に効果が期待できることがあります。特にホルモンバランスの乱れによる大人ニキビに悩む方にとっては、福音となる可能性があります。

ただし、服用開始初期はホルモンバランスが不安定なため、一時的にニキビが悪化する人もいます。多くの場合、服用を続けることで肌の状態は安定し、改善が見られます。

性欲への影響

トリキュラーの服用によって性欲が変化する可能性が指摘されることがありますが、個人差が非常に大きい副作用の一つです。

  • 性欲の減少: ピルの影響で女性ホルモンが安定しすぎることで、一時的に性欲が低下する方もいます。
  • 性欲の増加: 生理痛やPMS、不正出血の心配がなくなり、より安心して性行為に臨めるようになることで、結果的に性欲が増加したと感じる方もいます。

性欲の変化はデリケートな問題であり、ピルが直接の原因ではない可能性もあります(ストレスやパートナーとの関係など)。もし性欲の変化が気になる場合は、医師に相談してみるか、パートナーとよく話し合ってみることも大切です。

トリキュラーが合わないと感じたら?

医師に相談すべき目安

トリキュラーを服用していて、副作用が辛い、または効果を十分に感じられないなど、「自分には合わないかもしれない」と感じることがあるかもしれません。そのような場合は、自己判断で服用を中止せず、必ず医師に相談しましょう。

以下のような場合は、副作用が一時的なものではない可能性や、他の原因が考えられるため、速やかに医師に相談することが推奨されます。

  • 一般的な副作用(吐き気、頭痛、不正出血など)が3ヶ月以上経っても改善しない、または悪化する場合
  • 副作用の症状が強く、日常生活(仕事、学業、プライベートなど)に支障をきたす場合
  • 前述の血栓症のSOSサインのような、重篤な副作用が疑われる症状が現れた場合
  • トリキュラーの効果(避妊、生理痛軽減など)を十分に感じられない場合
  • 新しい症状が現れた場合

医師は、あなたの症状や状態を詳しく聞き、トリキュラーの服用を継続するか、他の治療法や他の種類のピルに変更するかなどを検討してくれます。

他のピルへの変更を検討する

トリキュラーが合わないと感じた場合、医師は他の種類のピルへの変更を提案することがあります。低用量ピルには、ホルモン配合量が一定の一相性ピルや、ホルモン配合量が2段階に変化する二相性ピル、そしてトリキュラーのような三相性ピルがあり、それぞれホルモンの種類や配合量が異なります。

例えば、トリキュラーで不正出血が多い場合は一相性ピルが適しているかもしれませんし、吐き気が強い場合は超低用量ピルや他の配合のピルが合うかもしれません。また、同じ三相性ピルでも、メーカーによって配合量がわずかに異なるものもあります。

医師と相談しながら、自分の身体に合ったピルを見つけることが大切です。焦らず、いくつかの選択肢を検討してみましょう。

トリキュラー服用時の注意点

飲み忘れ時の対応

低用量ピルは、毎日決まった時間に服用することで効果を発揮します。もしトリキュラーを飲み忘れてしまった場合は、飲み忘れに気づいた時間によって対応が異なります。

  • 1錠飲み忘れ: 飲み忘れに気づいた時点で、すぐに前日分のピルを服用し、当日のピルはいつもの時間に服用してください(最大で2錠同時に服用することになります)。この場合、避妊効果は維持されると考えられます。
  • 2錠以上飲み忘れ: 飲み忘れに気づいた時点で、前日分のピルを服用し、当日のピルはいつもの時間に服用します。ただし、2日以上連続で飲み忘れた場合は、避妊効果が低下する可能性があります。次の生理が来るまで、または新しいシートを飲み始めるまで、他の避妊法(コンドームなど)を併用する必要があります。詳細は、トリキュラーの添付文書や医師・薬剤師の指示に従ってください。

飲み忘れを防ぐためには、アラームを設定したり、服用の習慣をつけたりするなどの工夫が有効です。

服用できない人(禁忌)

以下のような方は、トリキュラーを服用することができません(禁忌)。安全のため、必ず医師に既往歴や現在の健康状態を正確に伝えてください。

  • 血栓症(静脈血栓症または動脈血栓症)の既往歴がある方
  • 血栓症になりやすい体質の方(遺伝性凝固異常など)
  • 重度の高血圧の方
  • 糖尿病で血管病変がある方
  • 前兆(オーラ)を伴う片頭痛がある方
  • 心臓病、脳卒中、腎臓病、肝臓病などの重篤な病気がある方
  • 診断の確定していない異常性器出血がある方
  • 妊婦または妊娠している可能性のある方、授乳中の方
  • 乳がん、子宮がんなどの性器がん、またはその疑いがある方
  • トリキュラーの成分に対して過敏症の既往歴がある方
  • 35歳以上で1日15本以上喫煙する方

喫煙との関係

前述の通り、喫煙は低用量ピル服用中の血栓症リスクを著しく高めます。特に35歳以上で喫煙されている方は、血栓症のリスクが非常に高くなるため、ピルの服用は避けるべきです。ピルを安全に服用するためには、禁煙することが強く推奨されます。

他の薬との飲み合わせ

トリキュラーは、他の薬やサプリメントと相互作用を起こす可能性があります。一部の薬は、ピルの効果を弱めてしまう(避妊効果が低下する)ことが知られています。例えば、以下のようなものが挙げられます。

  • 一部の抗生物質
  • 一部の抗てんかん薬
  • セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ)を含むサプリメント

逆に、トリキュラーが他の薬の作用を強めてしまうこともあります。

現在服用している薬やサプリメントがある場合は、必ず医師や薬剤師に伝え、飲み合わせに問題がないか確認してください。お薬手帳を活用するのも良い方法です。

トリキュラーの副作用に関するよくある質問

トリキュラーはPMSに効く?

はい、トリキュラーはPMS(月経前症候群)の症状軽減に効果が期待できます。ピルによってホルモンバランスが安定することで、生理前の心身の不調が緩和されることが多いです。

トリキュラーは太りやすい?

医学的には、トリキュラーを含む低用量ピルが直接的な原因となって「太る」ことは稀とされています。一時的なむくみや、ピル以外の要因(食生活の変化など)による体重増加の可能性が考えられます。

トリキュラーのデメリットは?

トリキュラーを含む低用量ピルのデメリットとしては、以下の点が挙げられます。

  • 飲み始めに副作用(吐き気、頭痛、不正出血など)が出やすいことがある
  • 血栓症などの重篤な副作用のリスクがわずかにある
  • 毎日決まった時間に服用する必要がある
  • 医師の処方が必要で、費用がかかる(保険適用外の場合が多い)
  • 性感染症を予防する効果はない

トリキュラーが合わないとどんな症状が出る?

トリキュラーが合わないと感じる症状は人によって異なりますが、副作用が強く出る、または長期間続く場合が多いです。例えば、3ヶ月以上経っても吐き気や頭痛が改善しない、不正出血が続く、気分の落ち込みがひどいなどが挙げられます。また、期待していた効果(生理痛軽減など)が得られない場合も、「合わない」と感じることがあります。

副作用が心配な場合は医師に相談を

トリキュラーは、正しく服用すれば非常に有効な薬ですが、副作用のリスクも伴います。ここで解説したように、多くの一般的な副作用は一時的であり、身体が慣れるにつれて軽減・消失します。しかし、血栓症のような見過ごせない重大な副作用のリスクがあることも忘れてはいけません。

もし、トリキュラーの服用に関して少しでも不安な症状がある場合や、副作用が気になる場合は、自己判断で服用を中止したり、我慢したりせずに、必ず医師や薬剤師に相談してください。 医師は、あなたの健康状態やライフスタイル、服用中の症状などを総合的に判断し、最適なアドバイスや、場合によっては他のピルへの変更などを提案してくれます。

ピルは安全性の高い薬ですが、医師の適切な指導のもとで服用することが最も重要です。正しい知識を持ち、専門家と連携しながら、安心してトリキュラーを活用しましょう。

免責事項: 本記事の情報は、トリキュラーの副作用に関する一般的な知識を提供するものであり、医師による個別の診断や治療の代替となるものではありません。トリキュラーの服用に関しては、必ず医師の指示に従ってください。本記事の情報に基づいて行った行為によって生じたいかなる結果についても、一切の責任を負いかねます。

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