「吐かないけどえずく」原因は?考えられる病気と対処法

「えずく」という経験は、誰にとっても不快で、不安を感じさせるものです。「おえっとなる」「空えずき」といった表現で日常的に使われますが、その原因は一時的なものから、何らかの病気が隠れている場合まで多岐にわたります。この記事では、「えずく」という現象について、その意味から、考えられる様々な原因、自宅でできる対処法、そしてどのような場合に医療機関を受診すべきかまで、詳しく解説していきます。えずきに悩んでいる方、ご自身の症状について詳しく知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

目次

えずくとは?意味と「えづく」との違い

「えずく」の基本的な意味

「えずく」とは、吐き気を感じ、実際に吐くには至らないものの、胃の内容物が逆流しそうになる感覚や、それに伴う筋肉の収縮(いわゆる「おえっ」となる動作)を指します。医学的には「嘔吐反射」や「催吐(さいと)」と呼ばれる現象の一部であり、体内に異物が入ったり、不快な刺激を受けたりした際に、それを排出しようとする防御反応です。

この反応は、喉の奥(咽頭)や舌の付け根、胃などに刺激が加わることで起こりやすくなります。例えば、歯ブラシを喉の奥に入れすぎたときや、不快な臭いを嗅いだときなどに反射的に「おえっ」となるのは、典型的なえずきです。

「えづく」との言葉の違い

「えずく」と似た言葉に「えづく」がありますが、一般的に広く使われ、標準語とされるのは「えずく」です。「えづく」は「えずく」の誤用とされることが多いですが、地域によっては方言として使われる場合もあります。インターネットで検索する際にも「えづく」で検索する人もいますが、正しい言葉としては「えずく」を使うのが適切でしょう。この記事でも「えずく」という言葉に統一して解説を進めます。

「えずく」の漢字や方言について

「えずく」に対応する漢字表記としては、「嘔吐く」「噦く」などがあります。これらの漢字からも、吐き気や嘔吐に関連する言葉であることがわかります。

方言については、地域によって様々な表現がある可能性が考えられますが、「えずく」またはそれに類する音が、広く共通語として使われているのが現状です。特定の地域だけで使われる方言として「えづく」や他の表現があるかもしれませんが、標準的な日本語としては「えずく」が一般的です。

えずく(空えずき・おえっとなる)の様々な原因

えずく、あるいは空えずきや「おえっとなる」という症状は、非常に多様な原因によって引き起こされます。一時的なものから、何らかの病気のサインである場合まであります。ここでは、考えられる主な原因について、病気が原因のものとそうでないものに分けて詳しく見ていきましょう。

病気が原因のえずき

えずきが持続する場合や、他の症状を伴う場合は、何らかの病気が隠れている可能性があります。

胃や食道の病気(逆流性食道炎など)

消化器系の病気は、えずきの一般的な原因の一つです。

  • 逆流性食道炎: 胃酸が食道に逆流し、食道の粘膜を刺激することで炎症が起こる病気です。胸焼けや呑酸(口の中に酸っぱいものが上がってくる感覚)と共に、吐き気やえずきを伴うことがあります。特に食後や夜間に症状が出やすい傾向があります。
  • 胃炎・胃潰瘍: 胃の粘膜が炎症を起こしたり、傷ついたりする病気です。胃の痛みやもたれに加え、吐き気やえずき、ひどい場合は実際に吐いてしまうこともあります。ピロリ菌感染や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用が主な原因となります。
  • 機能性ディスペプシア: 胃の痛みやもたれ、吐き気などの症状があるにも関わらず、内視鏡検査などで明らかな異常が見つからない状態です。胃の動きが悪くなったり、胃酸に対する知覚過敏があったりすることが原因と考えられています。えずきも症状の一つとして現れることがあります。
  • 胃下垂: 胃が正常な位置より垂れ下がっている状態です。胃の内容物の排出が遅れやすくなり、消化不良や胃もたれ、吐き気、えずきなどを引き起こすことがあります。
  • 食道アカラシア: 食道の下部にある括約筋がうまく弛緩せず、食べ物が胃へ送られにくくなる病気です。食べ物のつかえ感や逆流に加え、吐き気やえずきを伴うことがあります。

これらの病気によるえずきは、食事との関連が深い場合が多く、慢性的に続く傾向があります。

呼吸器系の病気(喘息、COPDなど)

意外に思われるかもしれませんが、呼吸器系の病気がえずきを引き起こすこともあります。

  • 慢性的な咳: 喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎など、慢性的に咳が続く病気では、激しい咳が喉の奥を刺激し、えずきや嘔吐を誘発することがあります。特に夜間や早朝に咳がひどくなる場合に起こりやすいです。
  • 多量の痰: 気管支拡張症など、痰が多く出る病気では、痰が喉に絡むことでえずきが生じやすくなります。痰を排出しようとする反射的な動作が、えずきにつながることもあります。
  • 咽頭炎・扁桃炎: 喉の炎症が強い場合、喉の刺激によってえずきやすくなることがあります。痛みや発熱といった他の症状を伴うのが一般的です。

脳や神経の病気

脳や神経の異常が、吐き気やえずきの中枢を刺激し、症状を引き起こすことがあります。

  • 片頭痛: 片頭痛の発作時には、ズキンズキンとした頭痛と共に、吐き気や嘔吐を伴うことが少なくありません。脳の血管や神経の活動異常が原因と考えられています。
  • 脳腫瘍: 脳腫瘍が脳圧を上昇させたり、嘔吐中枢を刺激したりすることで、吐き気やえずき、嘔吐を引き起こすことがあります。特に朝方に強い症状が出やすい傾向があります。頭痛や手足の麻痺、視覚異常などの神経症状を伴うことが多いです。
  • 髄膜炎・脳炎: 脳や髄膜の炎症性の病気です。高熱、強い頭痛、首の硬直などと共に、吐き気やえずき、嘔吐が現れることがあります。重篤な病気であり、早期の診断・治療が必要です。
  • てんかん: てんかん発作の一部として、吐き気やえずき、嘔吐が現れることがあります。意識の変化やけいれんを伴うのが一般的です。

その他(乗り物酔い、メニエール病など)

  • 乗り物酔い: 乗り物の揺れなどによって、内耳の平衡感覚器が刺激され、脳の嘔吐中枢が活性化することで吐き気やえずき、嘔吐が起こります。視覚情報とのずれも影響します。
  • メニエール病: 内耳のリンパ液の異常によって起こる病気です。回転性のめまい発作と共に、吐き気やえずき、嘔吐、難聴、耳鳴りなどを繰り返します。
  • 薬剤の副作用: 一部の薬剤(抗がん剤、抗生物質、痛み止めなど)は、副作用として吐き気やえずきを引き起こすことがあります。
  • 急性虫垂炎: いわゆる盲腸炎です。初期症状としてみぞおちの痛みや吐き気、えずきが現れ、次第に右下腹部に痛みが移動するのが典型的です。
  • 心筋梗塞: 虚血性心疾患の一つですが、胸痛や息切れだけでなく、吐き気やえずき、みぞおちの痛みとして症状が現れることもあります。特に高齢者や女性では非典型的な症状が出やすいと言われています。
  • 腎盂腎炎: 腎臓や腎盂の細菌感染症です。発熱、悪寒、背中の痛みと共に、吐き気やえずきを伴うことがあります。

病気以外の原因のえずき

特定の病気ではないものの、日常生活の様々な要因によってえずきが引き起こされることも多くあります。

精神的・心因性ストレス

ストレスや不安、緊張といった精神的な要因は、えずきの非常に一般的な原因です。

  • 自律神経の乱れ: ストレスは自律神経のバランスを崩します。自律神経は胃腸の働きもコントロールしているため、バランスが崩れると胃の動きが悪くなったり、胃酸の分泌が過剰になったりして、吐き気やえずきを引き起こすことがあります。
  • 不安や緊張: 人前での発表や試験、苦手な状況などに直面した際に、緊張や不安から「お腹が痛くなる」「吐きそうになる」といった身体症状が現れることがあります。これはストレス反応の一つです。
  • 心因性嘔吐: 強いストレスや精神的なショックなどが原因で、えずきや嘔吐を繰り返す状態です。身体には器質的な異常が見られないのが特徴です。

ストレスによるえずきは、特定の状況で悪化したり、ストレスが軽減されると改善したりする傾向があります。

喫煙・飲酒などの生活習慣

  • 喫煙: タバコの煙に含まれるニコチンなどの有害物質は、胃の粘膜を刺激したり、胃酸の分泌を促進したりします。また、タバコの煙を飲み込んでしまうことで、直接的に胃や喉を刺激し、吐き気やえずきを引き起こすことがあります。特に朝一番の喫煙でえずきやすいという人もいます。
  • 飲酒: 過剰なアルコール摂取は、胃の粘膜を傷つけ、胃炎を引き起こします。また、アルコールは吐き気をもよおす作用もあります。二日酔いの際に吐き気やえずきが起こるのは、アルコールの影響や脱水などが複合的に関わっているためです。
  • 不規則な食事: 食事時間が不規則だったり、一度に大量に食べたりすると、胃に負担がかかり、吐き気やえずきにつながることがあります。特に脂っこい食事や消化の悪いものは要注意です。
  • 睡眠不足: 睡眠不足は体調不良を引き起こし、自律神経の乱れを招きやすくなります。これにより、吐き気やえずきを感じやすくなることがあります。

妊娠中のつわり

妊娠初期には、多くの女性がつわりを経験します。ホルモンバランスの急激な変化が原因と考えられており、吐き気やえずき、実際に吐いてしまうといった症状が現れます。特定の臭いや食べ物に対してえずきやすくなることもあります。通常は妊娠中期に入ると症状は落ち着いてきます。

特定の刺激(歯磨き、痰など)

物理的な刺激によって嘔吐反射が強く誘発されることもあります。

  • 歯磨き: 歯ブラシを舌の奥や喉の近くに入れた際に、反射的にえずくことがあります。これは非常に一般的な嘔吐反射の例です。えずきやすい人は、奥歯を磨く際に歯ブラシを深く入れすぎない、ヘッドの小さな歯ブラシを使うなどの工夫が必要かもしれません。
  • 痰: 風邪や気管支炎などで痰が絡みやすいとき、痰を排出しようとする際にえずきやすくなることがあります。喉の奥に痰が張り付いている感覚もえずきを誘発します。
  • 不快な臭い: 腐敗した臭い、タバコの煙、強い香水など、不快な臭いを嗅ぐことで吐き気やえずきを感じることがあります。
  • 視覚的な刺激: 嘔吐物を見たり、気分が悪くなるような映像を見たりすることで、つられてえずいてしまうこともあります。

「えずき癖」について

上記のような原因がきっかけとなり、えずくことが癖になってしまう場合があります。これは、一度えずいた経験が脳に記憶され、特定の状況(例えば、歯磨きの際に歯ブラシが口に入っただけで)で条件反射のようにえずきが起こるようになるためと考えられます。

えずき癖がある人は、えずくこと自体に対する不安や恐怖心を抱いていることも多く、その不安がさらにえずきを誘発するという悪循環に陥っている場合があります。精神的な要因が深く関わっていることも少なくありません。

えずきの主な原因の分類

えずきの主な原因を分かりやすく表にまとめました。

分類 具体的な原因(例) 特徴
病気が原因 逆流性食道炎、胃炎、胃潰瘍、機能性ディスペプシア、喘息、COPD、片頭痛、脳腫瘍、腎盂腎炎、心筋梗塞 症状が持続的、慢性的なことが多い。他の様々な症状(痛み、発熱、体重減少など)を伴うことがある。隠れた重篤な病気の可能性。
病気以外の原因 ストレス、不安、緊張、喫煙、飲酒、不規則な食事、睡眠不足、妊娠(つわり)、歯磨き、痰、不快な臭い 特定の状況で起こりやすい。一過性の場合が多い。生活習慣の改善やセルフケアで軽減できる可能性がある。

えずく症状への対処法とセルフケア

えずきの症状が出た場合、まずは原因を特定することが重要ですが、すぐに原因が分からない場合や、原因が特定された場合でも症状を和らげるための対処法やセルフケアがあります。

原因に応じた対処法

えずきの原因が病気である場合は、その病気に対する治療を行うことが最も効果的な対処法です。

  • 消化器系の病気: 逆流性食道炎や胃炎、胃潰瘍などの場合は、胃酸を抑える薬や胃の動きを改善する薬などが処方されます。ピロリ菌が原因であれば除菌療法を行います。
  • 呼吸器系の病気: 喘息やCOPDによる咳が原因であれば、吸入薬や内服薬で咳をコントロールします。痰が多い場合は去痰薬が処方されることもあります。
  • 脳や神経の病気: 片頭痛の場合は鎮痛薬や片頭痛治療薬、脳腫瘍など他の病気の場合は原因疾患に対する専門的な治療が必要です。
  • 精神的な原因: ストレスや不安が原因の場合は、カウンセリングや認知行動療法などの心理療法が有効な場合があります。必要に応じて抗不安薬などが処方されることもあります。

自宅でできるセルフケア

原因がはっきりしない場合や、病気以外の原因による一時的なえずきの場合は、自宅でのセルフケアで症状を和らげられることがあります。

  • 安静にする: 吐き気やえずきがあるときは、無理せず横になったり座ったりして安静にしましょう。体を締め付ける服装は避け、楽な姿勢で過ごします。
  • 水分補給: 吐き気やえずきがあると、食事が摂りにくくなったり、脱水を起こしやすくなったりします。少量ずつでも構わないので、水や経口補水液などでこまめに水分を補給しましょう。冷たい飲み物は胃を刺激することがあるため、常温かぬるま湯が良いでしょう。
  • 消化の良いものを少量食べる: 吐き気が強い場合は無理に食べる必要はありませんが、少し落ち着いたら、お粥やうどん、すりおろしりんごなど、消化の良いものを少量から試してみましょう。一度にたくさん食べず、数回に分けて摂るのがおすすめです。
  • 刺激物を避ける: 辛いもの、脂っこいもの、甘すぎるもの、カフェイン、アルコール、炭酸飲料、タバコなど、胃や喉を刺激するものは避けましょう。
  • 換気をする: 部屋の空気を入れ替え、新鮮な空気を取り入れましょう。不快な臭いがある場合は、換気することで症状が和らぐことがあります。
  • ツボを刺激する: 手首の内側にある「内関(ないかん)」というツボは、吐き気や乗り物酔いに効果があると言われています。手首のしわから指3本分くらい肘側に行った中央にあり、ここを優しく押したり揉んだりすることで症状が和らぐことがあります。乗り物酔い防止リストバンドなどもこのツボを刺激するものです。
  • リラクゼーション: ストレスや不安が原因の場合は、深呼吸、軽いストレッチ、音楽鑑賞など、自分がリラックスできる方法を試してみましょう。アロマテラピーなども効果がある場合があります。
  • 歯磨きの工夫: 歯磨きの際にえずきやすい場合は、ヘッドの小さな歯ブラシを使ったり、前かがみになって磨いたり、舌の奥の方を無理に磨きすぎないようにしたりといった工夫をしてみましょう。歯磨き粉の風味を控えめにすることも有効な場合があります。

これらのセルフケアは、症状の軽減に役立ちますが、原因となる病気がある場合は根本的な解決にはならないことを理解しておきましょう。

えずきに関するよくある質問(Q&A)

ここでは、えずきに関するよくある質問にお答えします。

「えずく」は医療用語で何と呼ばれますか?

「えずく」という状態は、医学的には主に「嘔吐反射(おうとはんしゃ)」「催吐(さいと)」といった言葉で表現されます。

  • 嘔吐反射: 喉の奥や胃などに刺激が加わることで反射的に起こる、胃の内容物を排出しようとする体の防御反応全体を指します。「えずく」という動作や感覚はその一部です。
  • 催吐: 吐き気を催すこと、または吐き気を催させることを意味します。薬剤などが原因で吐き気やえずきが起こる場合などに使われることがあります。

何もしてないのにおえっとなるのはなぜですか?

特定の刺激がないにも関わらず、「おえっとなる」「空えずきする」という場合は、以下のような原因が考えられます。

  • 精神的な要因: ストレス、不安、緊張などが自律神経のバランスを乱し、胃腸の働きに影響を与えている可能性があります。特に何もしていないリラックスした状態でも、心の中で不安を抱えていると症状が出ることがあります。
  • 自律神経の乱れ: 生活リズムの乱れ(睡眠不足、不規則な食事など)によって自律神経が乱れている場合も、胃腸の不調としてえずきが現れることがあります。
  • 隠れた病気: 胃や食道の病気、脳の病気、あるいは全身性の病気などが原因で、持続的に吐き気やえずきを感じている可能性も否定できません。
  • 空気嚥下症(呑気症): 無意識のうちに空気を大量に飲み込んでしまい、それが胃に溜まって不快感や吐き気、えずき、ゲップなどを引き起こす状態です。ストレスや早食いが原因となることがあります。

何もしていないのにえずく状態が続く場合は、一度医療機関を受診して原因を調べてもらうことをお勧めします。

「えずく」はどこの方言ですか?

「えずく」は特定の地域の方言ではなく、全国的に使われる標準的な日本語です。先述の通り、「えづく」という誤用や、地域によっては異なる表現が使われる場合があるかもしれませんが、「えずく」自体は広く通じる言葉です。

空えずきが続く場合はどうすればいいですか?

空えずきが一時的なものでなく、数日以上続く場合や頻繁に起こる場合は、自己判断せずに医療機関を受診することをお勧めします

考えられる原因は多岐にわたるため、医師の診察を受け、必要に応じて検査(胃カメラ、血液検査、画像検査など)を行うことで、正確な原因を特定することが重要です。特に、他の気になる症状(腹痛、胸やけ、体重減少、発熱、頭痛など)を伴う場合は、放置せずに早めに受診しましょう。

えずき症状で医療機関を受診する目安

えずきは日常生活でよく経験する症状ですが、中には医療機関での診察が必要な、あるいは緊急性の高い場合もあります。どのような場合に受診すべきか、目安を知っておくことが大切です。

すぐに受診すべきケース

以下のような症状を伴うえずきは、重篤な病気が隠れている可能性があり、すぐに医療機関を受診(救急受診も含む)すべきケースです。

  • 激しい腹痛や胸痛を伴う
  • 高熱がある
  • 血を吐いた(コーヒーのような色の場合も含む)または便に血が混じっている
  • 激しい頭痛があり、普段の頭痛と様子が違う
  • 手足の麻痺やしびれ、ろれつが回らないなど、神経症状を伴う
  • 意識がもうろうとしている、呼びかけへの反応が鈍い
  • 体重が急激に減少している
  • 全く水分や食事が摂れない
  • 症状が突然始まった
  • 以前に重い病気(心臓病、脳卒中、癌など)をしたことがある

これらの症状は、急性虫垂炎、腸閉塞、心筋梗塞、脳出血、脳腫瘍、髄膜炎などの重篤な病気のサインである可能性があります。迷わず医療機関に連絡し、指示を仰ぎましょう。

様子を見ても良いケース

以下のような場合は、一時的なものである可能性が高く、しばらく様子を見ても良いケースです。

  • 原因が明らか(例:乗り物酔い、歯磨き、二日酔いなど)で、原因を取り除けば改善する
  • 症状が軽い、または一時的である
  • 他の気になる症状を伴わない

ただし、様子を見ている間に症状が悪化したり、上記の「すぐに受診すべきケース」に該当する症状が現れたりした場合は、速やかに医療機関を受診してください。

えずきが続く場合、たとえ症状が軽くても、日常生活に支障が出ている場合や、不安を感じる場合は、医療機関を受診して相談することをお勧めします。

受診する診療科について

えずきの原因によって、受診すべき診療科が異なります。

  • 消化器系の病気が疑われる場合: 消化器内科
  • 呼吸器系の病気が疑われる場合: 呼吸器内科
  • 頭痛や神経症状を伴う場合: 脳神経外科または脳神経内科
  • めまいを伴う場合: 耳鼻咽喉科
  • 精神的な要因が疑われる場合: 心療内科または精神科
  • 原因が不明な場合や、どの科に行けば良いか分からない場合: まずはかかりつけ医や内科を受診し、専門医を紹介してもらうと良いでしょう。

まとめ

「えずく」という症状は、多くの場合一時的なもので心配ないことが多いですが、中には何らかの病気のサインであることもあります。

この記事では、えずくことの基本的な意味から、「えずく」との違い、そして病気や病気以外の様々な原因について詳しく解説しました。

  • えずくは、吐き気を感じ、吐きそうになる動作や感覚で、体の防御反応です。
  • 病気が原因の場合は、逆流性食道炎や胃炎などの消化器系の病気、喘息などの呼吸器系の病気、片頭痛や脳腫瘍などの脳・神経の病気などが考えられます。
  • 病気以外の原因としては、ストレスや不安といった精神的な要因、喫煙・飲酒などの生活習慣、妊娠中のつわり、歯磨きや痰といった特定の刺激、「えずき癖」などがあります。
  • 対処法としては、原因に応じた治療に加え、安静、水分補給、消化の良い食事、刺激物の回避、ツボ押し、リラクゼーションといったセルフケアが有効な場合があります。
  • 特に、激しい腹痛や高熱、血を吐く、強い頭痛、神経症状などを伴う場合は、重篤な病気の可能性があるため、すぐに医療機関を受診することが重要です。
  • 空えずきが続く場合や、症状が改善しない場合も、一度医療機関で相談することをお勧めします。

えずきは不快な症状ですが、適切な対処や医療機関での診断によって、原因を特定し、症状を和らげることが可能です。ご自身の症状とこの記事の内容を照らし合わせ、必要に応じて専門家へ相談することを検討してください。


免責事項:
この記事は一般的な情報提供のみを目的としており、医学的なアドバイスや診断、治療を意図したものではありません。個々の健康状態に関する懸念や症状がある場合は、必ず医師やその他の医療専門家にご相談ください。この記事の情報に基づいてご自身で判断し、医療機関を受診しなかったり、治療を中断したりすることは避けてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次