急にみぞおちが痛い!考えられる原因・危険な病気サインと対処法

急にみぞおちが痛くなると、何かの病気ではないかと不安になるものです。原因は何なのか、どうすれば痛みが和らぐのか、そしてすぐに病院に行くべき危険なサインはあるのかなど、疑問は尽きません。

みぞおちの痛みは、単なる食べ過ぎやストレスによるものから、緊急性の高い病気が隠れている場合まで、さまざまな原因が考えられます。この記事では、急なみぞおちの痛みの主な原因や痛みの特徴別の見分け方、家庭でできる応急処置、そして見逃してはいけない危険なサインについて詳しく解説します。いざというときに適切な判断ができるよう、ぜひ参考にしてください。

目次

急なみぞおちの痛みの原因とは?

胃や腸の機能的な問題

特に病変がないにも関わらず、胃や腸の働きが一時的に乱れることで痛みが起こることがあります。これを「機能性ディスペプシア」や「機能性胃腸症」と呼ぶこともあります。

胃や腸のけいれん・収縮
胃や腸の筋肉が異常に強く収縮したり、けいれんしたりすることで痛みを引き起こします。これは、自律神経の乱れや特定の食べ物、ストレスなどが引き金となることがあります。差し込むような、ぎゅっと掴まれるような痛みが特徴です。

胃酸の過剰な分泌
胃酸が過剰に分泌されると、胃の粘膜を刺激し、炎症を起こしたり、胃の動きを妨げたりすることがあります。これにより、みぞおちの焼けるような痛みや不快感につながります。逆流性食道炎や胃炎でも起こりやすい症状です。

食べ過ぎ、飲み過ぎ
急に大量の食事を摂ったり、脂っこいものを食べ過ぎたり、アルコールを飲み過ぎたりすると、胃や腸に大きな負担がかかります。消化が追いつかずに胃が引き伸ばされたり、胃酸が多く分泌されたりすることで、みぞおちの痛みを引き起こすことがあります。特に空腹状態からの急な飲食は、胃への刺激が強くなりやすい傾向があります。

ストレスや精神的な要因

心と体は密接に関わっており、精神的なストレスが消化器系の働きに悪影響を与え、みぞおちの痛みを引き起こすことがよくあります。

ストレス性胃炎
過度なストレスは自律神経のバランスを崩し、胃酸の分泌異常や胃の血行不良、粘膜の防御機能低下を引き起こすことがあります。これにより胃炎が悪化したり、ストレス性の胃痛が発生したりします。みぞおちのキリキリとした痛みや、重苦しさを感じることがあります。

過敏性腸症候群
ストレスや不安などが原因で、大腸の運動機能に異常が生じる病気です。腹痛やお腹の不快感を伴う下痢や便秘が特徴ですが、みぞおちのあたりに痛みや張りを感じることもあります。特に排便によって症状が和らぐことが多いですが、痛み自体は繰り返し起こります。

胃以外の臓器が原因の場合

みぞおちの周辺には胃以外にも重要な臓器が多く存在します。これらの臓器に問題が起こると、みぞおちに関連痛として痛みが現れることがあります。

心臓の病気
狭心症や心筋梗塞といった心臓の病気は、胸の痛みとして知られていますが、典型的な症状とは異なり、みぞおちのあたりに痛みが現れることがあります(放散痛)。特に労作時(運動中や階段を昇る時など)に痛みが生じ、安静にすると数分でおさまる場合は狭心症の可能性が、痛みが持続する場合は心筋梗塞の可能性も考えられます。冷や汗や吐き気、息苦しさなどを伴う場合は緊急性が高いです。

胆のうの病気
胆のうは肝臓の下にある小さな臓器で、胆汁を貯めています。胆石や胆のう炎などが起こると、右上腹部やみぞおち、背中にかけて強い痛みが現れることがあります。特に脂肪分の多い食事を摂った後に痛みが誘発されやすく、波があるような激しい痛みが特徴です。発熱や黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)を伴うこともあります。

膵臓の病気
膵臓は胃の裏側にある臓器で、消化酵素やホルモンを分泌しています。膵炎(急性膵炎、慢性膵炎)が起こると、みぞおちから左上腹部、そして背中にかけて強い痛みが現れます。特に急性膵炎は重症化することもあり、我慢できないほどの激痛、吐き気、発熱などが伴います。アルコールの大量摂取や胆石が原因となることが多いです。

その他の消化器疾患

  • 十二指腸潰瘍: 胃の出口付近にある十二指腸に潰瘍ができる病気です。空腹時にみぞおちの痛みが強くなることが多く、食事を摂ると和らぐ傾向があります。夜中に痛むこともあります。
  • 虫垂炎(盲腸): 初期にはみぞおちやへそのあたりに痛みが現れることがあります。時間が経つにつれて痛みが右下腹部に移動するのが特徴です。吐き気や微熱を伴うこともあります。
  • 腹部大動脈瘤: お腹の中にある大動脈にこぶができる病気です。破裂すると激痛とともに命に関わります。通常は無症状ですが、こぶが大きくなったり、破裂寸前になったりすると、みぞおちや腹部、腰に痛みが現れることがあります。拍動性の痛み(脈打つような痛み)を感じることもあります。

このように、みぞおちの痛みの原因は様々であり、単なる胃の不調と思い込まず、痛みの特徴や他の症状にも注意を払うことが重要です。

痛みの種類・特徴で原因を推測

みぞおちの痛みがどのような種類の痛みか、いつ、どこで、どのように痛むかといった特徴を把握することで、ある程度の原因を推測することができます。

キリキリ、ズキズキする痛み

比較的軽い炎症や機能的な問題で感じやすい痛みです。

  • 考えられる原因: ストレス性胃炎、機能性ディスペプシア、軽い胃炎、食べ過ぎ・飲み過ぎによる胃の不調。
  • 特徴: 痛みの程度は様々ですが、我慢できる範囲であることが多いです。空腹時や食後に痛みが強くなるなど、食事との関連が見られることもあります。

締め付けられるような痛み

胃や腸の筋肉が強くけいれんしたり、収縮したりしている可能性が考えられます。

  • 考えられる原因: 胃や腸のけいれん、過敏性腸症候群(みぞおち付近で感じる場合)、胆石発作(激しい締め付け感)。
  • 特徴: 痛みが突然現れ、強く感じる傾向があります。波があることもあります。胆石発作の場合は右季肋部(右あばら骨の下)や背中にも痛みが広がる(放散痛)ことも多いです。

波がある痛み

痛みが強くなったり弱くなったりを繰り返す痛みです。臓器の管が詰まったり、強く収縮したりすることで起こることが多いです。

  • 考えられる原因: 胆石発作、尿管結石(みぞおち付近に放散痛として現れることがある)。
  • 特徴: 数分から数十分間隔で激しい痛みが襲ってくることが多いです。冷や汗や吐き気を伴うこともあります。

押すと痛い場所

みぞおちのどのあたりを押すと痛いか、あるいは押さなくても痛むかでも原因を推測できます。

  • みぞおち自体を押すと痛い: 胃や十二指腸の問題(胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍)や腹膜炎など。
  • みぞおちの右側(右上腹部)も押すと痛い: 胆のうや肝臓の問題(胆のう炎、胆石、肝炎)など。
  • みぞおちの左側(左上腹部)も押すと痛い: 膵臓や脾臓の問題(膵炎、脾臓の腫れや損傷)など。
  • 押さなくても強い痛みがある: 炎症や重篤な病気の可能性。

痛くて寝れないほどの強さ

痛みの強さは病気の重症度と必ずしも一致しませんが、あまりに強い痛みは緊急性の高い病気のサインである可能性があります。

  • 考えられる原因: 急性膵炎、胆石発作、胃・十二指腸潰瘍の穿孔(穴が開く)、腹部大動脈瘤の破裂、心筋梗塞など。
  • 特徴: 救急車を呼ぶべきか悩むほどの激痛で、姿勢を変えても楽にならない、冷や汗を伴うなどの特徴が見られることがあります。

痛みに伴う他の症状

みぞおちの痛みに加えて他の症状があるかどうかも、原因を特定する上で非常に重要な情報です。

痛みに伴う症状 考えられる主な原因
発熱 胆のう炎、膵炎、胃腸炎、虫垂炎など感染や炎症性の病気
吐き気、嘔吐 胃腸炎、胆石発作、膵炎、胃潰瘍、心筋梗塞など
下痢、便秘 胃腸炎、過敏性腸症候群、食中毒など
冷や汗、息苦しさ 心筋梗塞、腹部大動脈瘤の破裂、急性膵炎、重度の胃腸炎など緊急性の高い病気
黄疸(皮膚や白目が黄色くなる) 胆管が詰まる病気(胆石、腫瘍など)、肝炎など
血便やタール便(黒い便) 胃潰瘍や十二指腸潰瘍からの出血など
体重減少 慢性の病気(胃がん、膵がん、クローン病など)の可能性を示唆
胸や背中への放散痛 心臓の病気(狭心症、心筋梗塞)、膵炎、胆石発作、大動脈解離など

これらの痛みの特徴や随伴症状を注意深く観察し、記録しておくと、病院で医師に症状を伝える際に役立ちます。

急なみぞおちの痛みの応急処置と対処法

急にみぞおちが痛くなった時、病院に行く前にできる応急処置や痛みを和らげるための対処法があります。ただし、これらはあくまで一時的なものであり、痛みが続く場合や強い場合は医療機関を受診することが大切です。

安静にして様子を見る

急な痛みを感じたら、まずは安静にするのが最も重要です。体を動かしたり、無理な姿勢をとったりすると、かえって痛みが増すことがあります。座るか横になるかして、楽な姿勢を見つけましょう。しばらく安静にすることで、痛みが自然と和らぐこともあります。

痛みを和らげる姿勢

  • 体を少し丸める: 胃や腸のけいれんによる痛みの場合は、体を少し丸めることで腹部の緊張が和らぎ、痛みが軽減されることがあります。
  • クッションや枕を使う: 横になる際に、膝を立ててクッションを入れたり、背中にクッションを当てたりするなど、お腹に負担がかからないような姿勢を探してみましょう。

食事や飲み物に注意する

痛みが治まるまでは、胃腸に負担をかけるような食事や飲み物は避けましょう。

  • 絶食する: 一時的に食事を中断し、胃腸を休ませます。
  • 消化の良いものを少量摂る: 痛みが少し和らいできたら、おかゆやうどん、スープなど、刺激が少なく消化の良いものを少量から試してみましょう。
  • 水分補給: 脱水を防ぐために、水や薄いお茶などで水分を少量ずつ摂るようにしましょう。ただし、冷たすぎる飲み物は胃腸を刺激することがあるので、常温か温かいものがおすすめです。
  • 避けるべきもの: アルコール、カフェイン、炭酸飲料、刺激物(香辛料など)、脂っこいもの、冷たい飲み物、熱すぎる飲み物、喫煙は避けてください。これらは胃酸分泌を増やしたり、胃腸の動きを乱したりする可能性があります。

市販薬を使う場合の注意点

市販薬で痛みを和らげたいと考える人もいるかもしれません。しかし、みぞおちの痛みの原因は様々であるため、安易な市販薬の使用は避けるべきです。

  • 胃酸を抑える薬: 胃酸過多や胃炎による痛みの場合は、胃酸分泌抑制薬や制酸薬が効果的なことがあります。
  • 胃腸の動きを整える薬: 胃のけいれんや動きの悪さによる痛みの場合は、胃腸機能調整薬が役立つことがあります。
  • 鎮痛剤: 痛み止めは、原因によっては効果がなかったり、かえって胃を荒らしたりすることがあります。特にロキソニンなどの非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)は胃に負担をかけるため、胃炎や潰瘍が疑われる場合は避けるべきです。アセトアミノフェン系の鎮痛剤の方が胃への負担は少ないですが、いずれにしても医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
  • 自己判断の危険性: 痛みの原因が心臓病や膵炎など、緊急性の高い病気だった場合、市販薬で一時的に痛みが和らいでも、病状が進行してしまう危険性があります。市販薬を使用する際は、薬剤師に相談し、症状に適しているか、危険なサインはないかなどを確認することが非常に重要です。

重要な注意点: 応急処置や市販薬の使用は、あくまで一時的なものです。痛みが改善しない場合や、後述する「危険なサイン」が見られる場合は、迷わず医療機関を受診してください。

こんな時は危険!すぐに病院へ行くべき目安

急なみぞおちの痛みの中には、放置すると命に関わる病気が隠れていることもあります。以下のような「危険なサイン」が見られる場合は、ためらわずに救急車を呼ぶか、速やかに医療機関を受診してください。

痛みが続く期間

  • 数時間以上、痛みが持続・悪化している: 一過性の痛みではなく、数時間経っても痛みが軽快しない、あるいはどんどん強くなっている場合は要注意です。特に激しい痛みが30分以上続く場合は、胆石発作や膵炎などの可能性も考えられます。

痛みの程度と変化

  • 今まで経験したことのない激しい痛み: 我慢できないほどの激痛、脂汗が出るほどの痛みは、重篤な病気のサインである可能性が高いです。
  • 痛みの性質が変わった: 最初は軽かった痛みが急に強くなった、痛みの場所が変わった(例:みぞおちから右下腹部へ移動した場合は虫垂炎の可能性)などの変化も重要です。
  • 体を少し動かしただけで痛みが響く: 腹膜炎など、腹腔内に炎症が広がっている可能性があります。

痛みに加えて次の症状があるか

みぞおちの痛みに以下の症状が一つでも伴う場合は、危険信号です。

発熱や吐き気、嘔吐
高熱(38℃以上)や、繰り返す吐き気・嘔吐は、感染症や炎症性の病気(胆のう炎、膵炎、虫垂炎、重度の胃腸炎など)を示唆します。特に吐血や黒い便(タール便)を伴う嘔吐は、胃や十二指腸からの重度の出血のサインであり非常に危険です。

冷や汗や息苦しさ
冷や汗を大量にかく、顔色が悪い、呼吸が苦しい、胸が締め付けられる感じがするといった症状は、心筋梗塞や大動脈解離、腹部大動脈瘤の破裂など、心血管系の緊急疾患の可能性があります。みぞおちの痛みは、これらの病気の関連痛として現れることがあります。

血便やタール便
便に鮮血が混じる(血便)か、便が黒いタール状になる(タール便)場合は、消化管からの出血を示します。みぞおちの痛みとタール便がある場合は、胃や十二指腸からの出血性潰瘍などが強く疑われ、速やかな処置が必要です。

体重減少
急なみぞおちの痛みが、以前から続く漠然とした不調や体重減少を伴っている場合、慢性的な病気や悪性疾患(がんなど)が隠れている可能性も考えられます。

【すぐに救急車を呼ぶべきケース】

  • 今まで経験したことのない激痛で、我慢できない
  • 痛みに加えて、冷や汗、息苦しさ、胸の痛みがある
  • 吐血や黒いタール状の便が出た
  • お腹全体が硬く張っている
  • 意識がもうろうとしている

これらの危険なサインを認識し、ためらわずに医療機関を受診することが、命を守るために最も重要です。自己判断せず、専門家の助けを求めましょう。

病院での診察と治療

急なみぞおちの痛みで医療機関を受診する際の流れや、どのような診察・検査が行われるのか、そして主な治療法について解説します。

何科を受診すべきか

急なみぞおちの痛みの原因は多岐にわたるため、迷うことが多いかもしれません。基本的には以下の科を受診するのが一般的です。

  • 消化器内科: 胃、腸、胆のう、膵臓など、消化器系の病気が最も考えられるため、最初に受診するのに適しています。みぞおちの痛みの原因として最も可能性が高いのは消化器系のトラブルです。
  • 内科: まずはかかりつけの内科医に相談するのも良いでしょう。初期対応や専門医への紹介をしてもらえます。
  • 循環器内科: 特に胸の痛みや息苦しさを伴う場合、心臓の病気(狭心症、心筋梗塞など)の可能性も考慮し、循環器内科を受診することも検討します。
  • 救急科(救急外来): 夜間や休日、あるいは痛みが非常に強く、緊急性の高い症状(激痛、冷や汗、息苦しさ、吐血など)がある場合は、迷わず救急外来を受診してください。

まずは電話で病院に問い合わせて、症状を伝え、どの科を受診すべきか指示を仰ぐのが確実です。

どのような検査を行うか

病院では、問診や診察(お腹を触る触診など)の後、原因を探るために様々な検査が行われます。緊急性や疑われる病気によって必要な検査は異なります。

  • 血液検査: 炎症反応(白血球数、CRPなど)、膵臓や肝臓、胆のうに関連する酵素の値、貧血の有無などを調べます。
  • 尿検査: 尿路結石など、泌尿器系の問題がないか確認することがあります。
  • 腹部超音波検査(エコー): 胆のう、膵臓、肝臓、腎臓などの臓器に異常がないか、胆石や腫れがないかなどをリアルタイムで調べることができます。簡便で体への負担が少ない検査です。
  • 腹部X線検査(レントゲン): 腸閉塞や消化管穿孔(穴が開く)などがないか、お腹全体のガスや液体の貯留などを確認します。
  • 胃内視鏡検査(胃カメラ): 食道、胃、十二指腸の粘膜を直接観察し、炎症、潰瘍、ポリープ、腫瘍などがないか調べます。組織の一部を採取して病理検査に回すことも可能です。
  • 腹部CT検査/MRI検査: 腹部全体の臓器を詳しく調べることができます。膵炎や胆のう炎の重症度、腹部大動脈瘤の有無や大きさなどを確認するのに有用です。
  • 心電図検査: 心臓の電気的な活動を記録し、狭心症や心筋梗塞のサインがないか調べます。
  • 心臓超音波検査(心エコー): 心臓の動きや構造を詳しく調べます。

これらの検査を組み合わせて、痛みの正確な原因を診断します。

主な治療方法

みぞおちの痛みの治療は、その根本的な原因によって大きく異なります。

  • 薬物療法:
    • 胃酸分泌抑制薬: 胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎などが原因の場合に使用されます。プロトンポンプ阻害薬(PPI)やH2ブロッカーなどがあります。
    • 胃粘膜保護薬: 胃の粘膜を保護し、修復を助けます。
    • 消化管機能調整薬: 胃や腸の動きの異常を整えます。けいれんを抑える薬なども含まれます。
    • 鎮痛剤: 痛みが強い場合に使用されますが、原因によっては慎重に選びます。
    • 抗菌薬: 感染症(胆のう炎、虫垂炎など)が原因の場合に用いられます。
    • その他: 原因疾患に応じた専門的な薬(膵酵素補充薬、心臓病の薬など)が使用されます。
  • 生活習慣の改善: ストレスや食生活が原因の場合は、食習慣の見直し、禁煙、禁酒、ストレスマネジメントなどが指導されます。
  • 内視鏡治療: 胃や十二指腸からの出血性潰瘍に対して、内視鏡で止血処置を行うことがあります。胆管に詰まった胆石を内視鏡的に取り除くこともあります(ERCPなど)。
  • 手術: 胆石症(胆のう摘出術)、虫垂炎(虫垂切除術)、消化管穿孔、腹部大動脈瘤など、薬物療法だけでは対応できない場合や緊急性が高い場合に手術が必要となります。

痛みの原因を正確に診断し、それに合った適切な治療を行うことが、症状の改善と再発予防につながります。自己判断で市販薬に頼りすぎず、必ず医療機関で診断を受けるようにしましょう。

まとめ:急なみぞおちの痛みを感じたら医療機関へ相談を

急なみぞおちの痛みは、誰もが経験しうる症状ですが、その原因は多岐にわたり、中には緊急性の高い病気が隠れている可能性もゼロではありません。食べ過ぎやストレスといった比較的軽い原因の場合もあれば、胃炎、胃潰瘍、胆石発作、膵炎、さらには心筋梗塞など命に関わる病気のサインであることもあります。

痛みの性質(キリキリ、締め付け、波があるなど)や、痛みに伴う他の症状(発熱、吐き気、冷や汗、息苦しさ、血便など)は、原因を推測するための重要な手がかりとなります。

痛みが一時的で軽度な場合は、安静にしたり、消化の良いものを摂るなどして様子を見ることもできますが、自己判断にはリスクが伴います。特に、今まで経験したことのない強い痛み、痛みが数時間以上持続・悪化する場合、あるいは前述の「危険なサイン」が一つでも見られる場合は、迷わず医療機関を受診してください。

受診する際は、消化器内科が一般的ですが、症状によっては内科や循環器内科、夜間・休日の場合は救急外来が適切です。病院では、問診や触診に加え、血液検査、超音波検査、内視鏡検査、CT検査など様々な検査を行い、痛みの原因を特定します。診断に基づき、薬物療法、生活指導、あるいは内視鏡治療や手術といった適切な治療が開始されます。

急なみぞおちの痛みに不安を感じたら、一人で悩まず、まずは医師や薬剤師に相談することが大切です。適切な診断と治療を受けることで、安心して症状に向き合うことができます。

免責事項: 本記事の情報は一般的な知識を提供するものであり、個々の症状に対する医学的なアドバイスではありません。特定の症状や病気に関しては、必ず専門の医療機関を受診し、医師の診断と指導を受けてください。自己判断での治療や市販薬の使用は危険を伴う場合があります。

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