急性胃腸炎は何日で治る?回復までの日数と早く治す方法

急性胃腸炎は、突然の吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などで非常に辛い思いをする病気です。
一度かかると、「この辛い症状はいつまで続くのだろう」「何日で治るのだろう」と不安になる方も多いでしょう。
急性胃腸炎の症状がどのくらい続くのか、また、早く回復するためにはどう過ごせば良いのかを知っておくことは、症状の緩和や回復の促進につながります。
この記事では、急性胃腸炎の一般的な回復期間の目安や、大人と子供での違い、原因による差、さらに自宅でできるケアや医療機関を受診すべきサインについて詳しく解説します。
回復までの道のりを知り、適切な対応をすることで、少しでも早く辛い症状から解放されましょう。

目次

急性胃腸炎の一般的な回復期間

急性胃腸炎は、胃や腸の粘膜が炎症を起こすことで発症します。
原因の多くはウイルス感染ですが、細菌やアレルギー、薬剤などが原因となることもあります。
症状が現れてから改善するまでの期間は、原因や個人の体調、年齢などによって大きく異なります。

症状のピークと主な持続期間

急性胃腸炎の症状は、一般的に急激に始まり、数時間から1日程度でピークを迎えることが多いです。
最も辛く感じるのはこのピーク時で、激しい嘔吐や下痢、強い腹痛などが特徴です。

主な症状の一般的な持続期間の目安

症状 ピークを迎えるまでの時間 主な持続期間(ピーク後) 特徴
嘔吐 数時間~1日 12時間~24時間程度 比較的早く落ち着く傾向。脱水の原因となりやすい。
下痢 1日~2日 数日~1週間程度 嘔吐より長引くことが多い。
腹痛 数時間~1日 数日程度 症状の程度により個人差が大きい。
発熱 数時間~1日 1日~2日程度 必ずしも伴う症状ではない。ウイルス性では軽度なことも。
吐き気 数時間~1日 数日程度 嘔吐が落ち着いても続くことがある。
全身倦怠感 1日~2日 数日~1週間程度 体力回復と共に徐々に改善する。

ただし、これはあくまで一般的な目安です。
症状の現れ方や続く期間は、原因となる病原体や個人の免疫力などによって大きく変動することを理解しておくことが重要です。
特に下痢は、他の症状が改善した後も比較的長く続く傾向があります。

大人・子供別の治るまでの日数目安

急性胃腸炎の回復期間は、大人と子供でも違いが見られます。
一般的に、子供、特に乳幼児は大人に比べて回復に時間がかかる傾向があり、脱水症などの合併症を起こしやすいため注意が必要です。

回復までの日数目安(一般的な軽症~中等症の場合)

対象 症状が最も辛い期間 主要症状(嘔吐・下痢)が概ね落ち着くまでの目安 完全に回復し普段通りの生活に戻るまでの目安
大人 1日~2日 2日~3日 3日~5日
子供 1日~2日 3日~5日 5日~1週間以上

注:重症度や原因、個人の体調により大きく異なります。

大人の場合:
多くの場合、発症から1~2日で症状のピークを迎え、主要な症状である嘔吐や下痢は2~3日程度で峠を越えることが多いです。
その後、腹痛や吐き気、全身倦怠感などが徐々に改善し、3日~5日程度で普段の生活に戻れる方が多い傾向にあります。
しかし、体力的な回復にはもう少し時間がかかることもあります。

子供の場合:
子供、特に乳幼児は、大人に比べて症状が強く出やすく、脱水症を起こしやすいリスクがあります。
嘔吐や下痢といった主要症状が落ち着くまでに3日~5日程度かかることも珍しくありません。
完全に食事が摂れるようになり、活力が戻って普段通り遊べるようになるまでには、1週間以上かかることもあります。
また、感染力の問題から、症状が改善しても一定期間は保育園や学校を休む必要がある場合が多いです(後述)。

原因(ウイルス性・細菌性など)による回復の違い

急性胃腸炎の原因によっても、症状の現れ方や回復期間には違いがあります。

主な原因と回復期間の傾向

原因 代表的な病原体 特徴的な症状の傾向 回復期間の傾向
ウイルス性胃腸炎 ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど 嘔吐が強い、下痢が水っぽい、発熱は比較的軽度なことが多い 比較的短期間で症状が改善する傾向(数日程度)
細菌性胃腸炎 カンピロバクター、サルモネラ、腸管出血性大腸菌など 発熱が高い、腹痛が強い、血便が見られることもある ウイルス性より長引く傾向、抗生剤治療が必要な場合も

ウイルス性胃腸炎:
冬季に流行しやすいノロウイルスやロタウイルスなどが代表的です。
これらのウイルスによる胃腸炎は、吐き気や嘔吐が突然強く現れるのが特徴で、その後水様性の下痢が続きます。
発熱は比較的軽度か、ない場合もあります。
通常、症状は1~2日でピークを迎え、数日(3~5日程度)で改善に向かうことが多いです。
ただし、ロタウイルスは乳幼児に多く、症状が重くなりやすく、下痢が1週間以上続くこともあります。

細菌性胃腸炎:
夏季に多く見られるカンピロバクター、サルモネラ菌、腸管出血性大腸菌(O157など)が代表的です。
食中毒として発症することが多いです。
ウイルス性に比べて、発熱が高く、腹痛が強く、血便が見られることもあるのが特徴です。
原因菌によっては、抗生剤による治療が必要となる場合もあり、回復までにウイルス性より時間がかかる傾向があります(1週間以上かかることも)。
O157のような特定の菌では、重篤な合併症を引き起こすリスクもあるため、特に注意が必要です。

このように、急性胃腸炎が何日で治るかは、年齢や原因によって大きく異なることが分かります。
あくまで目安として捉え、自身の体調や症状に合わせて適切に対応することが大切です。

急性胃腸炎を早く治す方法と自宅での過ごし方

急性胃腸炎には特効薬がなく、基本的には脱水を防ぎながら、症状が自然に回復するのを待つ対症療法が中心となります。
自宅での過ごし方が回復を早める鍵となります。

水分補給(脱水対策)のポイント

嘔吐や下痢が続くと、体から多くの水分と電解質が失われます。
これが脱水症を引き起こし、症状を悪化させたり、重篤な状態になったりする原因となります。
何よりも優先すべきは、水分と電解質の補給(脱水対策)です。

効果的な水分補給のコツ

  1. 何を飲むか?
    • 最も推奨されるのは経口補水液です。
      水だけでなく、失われたナトリウムやカリウムなどの電解質、糖分がバランス良く含まれており、体への吸収効率が良いです。
      ドラッグストアや薬局、コンビニなどで購入できます。
    • 経口補水液が手に入らない場合や飲みにくい場合は、スポーツドリンクでも代用できますが、糖分が多めなので水で薄めるのが良いとされています。
    • 薄い麦茶ほうじ茶なども良いですが、電解質は含まれていません。
    • ジュース、炭酸飲料、牛乳、濃いお茶(カテキンが多い)は胃腸に負担をかけたり、下痢を悪化させたりすることがあるため避けた方が無難です。
    • 子供には、子供用の経口補水液や、月齢に合わせたイオン飲料などが良いでしょう。
  2. どのように飲むか?
    • 嘔吐がある場合は、一度に大量に飲むとまた吐いてしまう可能性があります。
      スプーン1杯、コップに数口程度のごく少量を、10分~15分おきに頻繁に飲むのが効果的です。
    • 吐き気が落ち着いてきたら、飲む量を少しずつ増やしていきます。
    • 冷たすぎると胃腸への刺激になるため、常温か、少し冷やす程度が良いでしょう。
    • 子供の場合、泣かせると脱水が進みやすいので、落ち着かせて少量ずつ飲ませます。
  3. いつまで続けるか?
    • 嘔吐や下痢が続いている間はもちろん、症状が落ち着いてきても、普段通りの食事がしっかり摂れるようになるまでは水分補給を続けることが大切です。

水分補給に適した飲み物・避けるべき飲み物

適した飲み物 避けるべき飲み物
経口補水液 ジュース(果汁100%含む)
スポーツドリンク(薄めて) 炭酸飲料
薄い麦茶、ほうじ茶 牛乳、乳製品
子供用の経口補水液、イオン飲料(月齢に合わせる) 濃いお茶(カテキンが多いもの)、コーヒーなどのカフェイン飲料
薄い野菜スープ、味噌汁(具なし) アルコール

回復期の食事の注意点(絶食や再開タイミング)

嘔吐や下痢が続いている時は、無理に食事を摂る必要はありません。
胃腸を休ませることが回復につながります。
しかし、脱水を防ぐための水分補給は続けましょう。

食事再開と回復期食事のポイント

  1. 食事を再開するタイミング:
    • 嘔吐が治まり、少し空腹感が出てきたり、食べたい気持ちになったりしたら、食事を再開しても良いサインです。
    • 下痢が続いていても、少量であれば消化の良いものから始めてみましょう。
  2. どのような食事が良いか?
    • 消化の良いものを選びましょう。
    • 炭水化物中心で、脂肪分が少なく、食物繊維も控えめなものが良いです。
    • 柔らかく調理したものがおすすめです。

回復期におすすめの食事リスト

種類 具体例 備考
炭水化物 おかゆ、うどん(やわらかく煮たもの)、食パン(トースト、耳なし) ご飯よりおかゆの方が消化が良い。
たんぱく質 白身魚(煮る・蒸す)、鶏ひき肉(やわらかく煮る)、豆腐 脂身の多い肉は避ける。
野菜 じゃがいも、にんじん、かぶ、大根(やわらかく煮る) 繊維の多い野菜は避ける。
果物 りんご(すりおろし)、バナナ ビタミン補給に。
その他 具なしの味噌汁、コンソメスープ 温かい汁物は胃腸を温める。

避けるべき食事

  • 脂肪分の多いもの: 揚げ物、炒め物、肉の脂身、バター、生クリームなど
  • 食物繊維の多いもの: ごぼう、きのこ、海藻、こんにゃく、生の野菜など
  • 刺激物: 香辛料、カレー、熱すぎるもの、冷たすぎるものなど
  • 乳製品: 牛乳、ヨーグルト、チーズなど(一時的に消化吸収が悪くなることがある)
  • 生もの: 刺身、生卵など(抵抗力が落ちている時期は食中毒のリスクも考慮)
  • アルコール
  • 甘いもの: ケーキ、チョコレート、アイスクリームなど(下痢を悪化させることがある)
  1. 食事量の増やし方:
    • 最初はごく少量から始め、症状が悪化しないか様子を見ながら、ゆっくりと量と種類を増やしていきます。
    • 普段通りの食事に戻すまでには、数日かかるのが一般的です。
      焦らず、胃腸の調子に合わせて進めましょう。

仕事・学校は何日休むべき?

急性胃腸炎になった場合、自身の回復だけでなく、周囲への感染拡大を防ぐことも重要です。
特にウイルス性胃腸炎は感染力が強いため、仕事や学校への復帰時期には注意が必要です。

仕事・学校を休む目安

  • 症状が強い時期: 嘔吐や下痢が頻繁にある、発熱がある、全身がだるいなど、症状が辛い間は自宅で安静にすることが最優先です。
    無理に出勤・登校しても、体調が悪化したり、周囲に感染を広げたりするリスクが高いです。
  • 復帰の目安:
    • 解熱していること。
    • 嘔吐が完全に止まっていること。
    • 下痢の回数が減り、食事も少量ながら摂れるようになっていること。
    • 体力的な回復も考慮し、普段通りの活動ができる状態に近いこと。
  • 感染性の問題: ウイルス性胃腸炎の場合、症状が改善した後も数日から数週間、便の中にウイルスが排泄される(排菌)可能性があります。
    • 特に保育園や学校などの集団生活においては、症状が完全に治まってから原則として48時間(2日間)以上経過していることを登園・登校の目安とする場合が多いです。
      これは多くの感染症において、症状改善後も一定期間の観察が必要とされるためです。
      具体的な日数は、学校保健安全法や各施設の規定によって異なる場合があるため、必ず確認しましょう。
    • 職場の場合、明確な基準がないことが多いですが、食料品を扱う仕事や医療・介護関係など、感染拡大のリスクが高い職種では、より慎重な対応が求められることがあります。
      症状が落ち着いてから出勤するまでは、手洗いを徹底するなど、感染予防に努めましょう。
  • 体力回復: 症状が治まっても、体力はすぐに元通りになるわけではありません。
    無理をして早く復帰すると、ぶり返したり、他の病気にかかりやすくなったりすることもあります。
    完全に回復したと感じられるまで、可能であれば数日間は休息を取りましょう。

目安としては、症状が落ち着いてからプラス1〜2日程度の自宅待機が推奨されることが多いです。
ただし、これはあくまで一般的な目安であり、原因(ウイルス性か細菌性かなど)や職種、学校の規定によって判断が異なるため、迷う場合は医師や職場、学校に相談しましょう。

治ったと判断できるサイン

急性胃腸炎が「治った」と判断するサインは、単に症状がなくなっただけでなく、普段の生活に近い状態に戻れたかどうか、そして感染性のリスクがどの程度なくなったかを含めて考える必要があります。

嘔吐・下痢などが落ち着く目安

身体的な回復のサインとしては、主に以下の点が挙げられます。

  • 嘔吐が完全に止まる: 最後の嘔吐から少なくとも半日~1日以上経過し、水分や少量の食事を摂っても吐き気が起こらなくなった状態。
  • 下痢の回数が減少し、便の形状が改善する: 水様便から泥状便、そして徐々に形のある便に戻ってくる。
    1日の排便回数が普段と比べて大きく変わらなくなる。
  • 腹痛や吐き気がなくなる: 胃腸の不快感や痛みが消失する。
  • 食欲が出てくる: 少量からでも良いので、食べたいという気持ちが自然と湧いてくる。
  • 全身倦怠感が和らぐ: 身体のだるさが軽減し、起き上がったり動いたりするのが楽になる。
  • 平熱に戻る: 発熱があった場合、解熱している状態。

これらの症状が概ね見られれば、急性期の辛い状態は脱したと言えるでしょう。
ただし、下痢は他の症状より長引くことが多いため、下痢が完全に止まっていなくても、回数が減り、水分・食事が摂れるようになれば回復に向かっているサインと捉えられます。

感染性胃腸炎の排菌期間について

特にウイルス性胃腸炎の場合、症状が治まった後も、しばらくの間便の中にウイルスが排泄されることがあります。
これを排菌期間と呼びます。
この期間、本人は元気でも、排泄物などを介して周囲の人に感染を広げる可能性があります。

  • ノロウイルス: 症状が改善した後も、通常1週間程度、長い場合は1ヶ月以上にわたって便からウイルスが検出されることがあります。
  • ロタウイルス: 症状が改善した後も、数週間にわたって便からウイルスが検出されることがあります。
  • アデノウイルス: 症状が改善した後も、数週間から数ヶ月にわたって便からウイルスが検出されることがあります。

細菌性胃腸炎の場合も、原因菌によっては抗生剤による治療を行わないと長期間排菌が続くことがあります。

排菌期間中の注意点

完全に排菌がなくなることを確認するのは難しいため、特に集団生活を送る場合は、症状が治まった後も以下の感染予防策を徹底することが非常に重要です。

  • 手洗い: トイレの後、食事の前、調理の前など、石鹸を使って流水で丁寧に手洗いする。
    特にノロウイルスにはアルコール消毒の効果が限定的なため、石鹸と流水による手洗いが最も重要です。
  • 排泄物の処理: 下痢や嘔吐物の処理は使い捨て手袋などを着用し、次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤などで適切に消毒する。
  • タオルの共有禁止: 家族間でもタオルの共有は避けましょう。
  • 入浴: 症状がある人や回復期にある人は、他の家族の後に最後に入浴するか、シャワーで済ませるのが良いでしょう。

症状が落ち着いても、排菌の可能性があることを理解し、油断せずに感染対策を続けることが、「周囲への感染を広げない」という意味での「治癒」には不可欠です。
特に小さなお子さんがいる家庭や、高齢者と同居している場合は、より慎重な対応が求められます。

こんな症状は要注意!医療機関を受診すべきケース

急性胃腸炎の多くは自宅での安静と適切なケアで回復しますが、中には重症化したり、合併症を引き起こしたりする場合があります。
以下の症状が見られる場合は、迷わず医療機関を受診しましょう。

死亡リスクなど重症化のサイン

特に注意が必要な、命に関わる可能性のある重症化のサインには以下のようなものがあります。

  • 激しい脱水症状:
    • 口や舌がひどく乾燥している。
    • 尿量が極端に少ない、あるいは全く出ない(特に8時間以上尿が出ていない場合)。
    • 皮膚のハリがなくなり、つかむとすぐに戻らない(ツルゴール低下)。
    • 眼が落ちくぼんでいる。
    • ぐったりとして元気がない、反応が鈍い、意識がもうろうとしている。
    • 泣いても涙が出ない(小児の場合)。
    • 手足が冷たい、脈が速い・弱い。
  • 強い腹痛: 市販薬で抑えられないほどの激しい腹痛が続く場合。
    腸閉塞や他の重篤な腹部疾患の可能性がある。
  • 血便: 明らかに血液が混じった便が出る場合。
    細菌性胃腸炎の中でも、腸管出血性大腸菌など重篤な感染症の可能性がある。
  • 高熱が続く: 38.5℃以上の高熱が数日以上続く場合。
  • けいれん: 特に小児で、発熱に伴いけいれんを起こした場合。
  • 意識障害: 呼びかけへの反応が鈍い、意味不明な言動がある、眠ってばかりいるなど。

これらの症状は、体内での炎症が強い、脱水が進行している、あるいは他の重篤な病気が隠れているサインである可能性があります。
特に乳幼児や高齢者、慢性疾患(糖尿病、腎臓病、心臓病など)を持つ方は、脱水や重症化のリスクが高いため、注意が必要です。

病院へ行くタイミング

上記のような重症化サインが見られる場合は、救急病院も含めて直ちに医療機関を受診する必要があります。
それ以外でも、以下のような場合は早めに医療機関を受診することを検討しましょう。

  • 水分が全く摂れない: 吐き気が強く、経口補水液なども含め、水分を少量ずつでも飲むことができない場合。
    点滴による水分補給が必要になる可能性がある。
  • 症状が改善しない・悪化している: 一般的な回復期間(大人で数日、子供で1週間程度)を超えても症状が全く改善しない、あるいは徐々に悪化している場合。
  • 持病がある: 糖尿病、腎臓病、心臓病、免疫不全などの持病がある方が胃腸炎にかかった場合、病状が悪化したり、合併症を起こしたりするリスクがある。
  • 妊娠中: 妊娠中の胃腸炎は、脱水などが母体や胎児に影響を与える可能性があるため、自己判断せず医師に相談する。
  • 高齢者: 高齢者は脱水しやすく、体力も低下しやすいため、早めに医療機関を受診する。
  • 小児: 特に乳幼児は症状の変化が早く、脱水に陥りやすいため、活気がない、機嫌が悪い、おしっこが出ていないなど、少しでも心配な様子があれば受診する。
  • 診断がついていない: 初めての症状で、急性胃腸炎かどうかわからない場合。
    他の病気の可能性も考慮し、診断を受けるため。
  • 心配で仕方がない: 症状が辛く、自宅でのケアに不安を感じる場合。
    医師に相談することで安心できることもある。

医療機関を受診する際は、いつからどのような症状(嘔吐、下痢、発熱、腹痛など)があるか、その頻度や程度、水分はどれくらい摂れているか、排尿の状況などを具体的に伝えられるように準備しておくとスムーズです。
また、持病や服用中の薬がある場合は必ず伝えましょう。

まとめ:回復には個人差があります

急性胃腸炎が何日で治るかは、原因となる病原体、かかった人の年齢、体調、重症度など、様々な要因によって大きく異なります。
一般的には、ウイルス性胃腸炎で軽症~中等症であれば、発症から数日で症状のピークを越え、1週間以内には概ね回復に向かうことが多い傾向にあります。
しかし、下痢は他の症状より長引くことがあり、体力的な回復にはさらに時間がかかることもあります。

回復を早めるためには、以下の点が特に重要です。

  • 十分な休息: 身体を休ませ、胃腸への負担を最小限に抑えることが回復の基本です。
  • 徹底した脱水対策: 嘔吐や下痢で失われた水分と電解質を、経口補水液などで少量頻回に補給することが最も重要です。
  • 回復期には消化の良い食事を少量から: 症状が落ち着いたら、胃腸に優しいものからゆっくりと食事を再開しましょう。

また、特にウイルス性胃腸炎では、症状が改善しても排菌が続く可能性があるため、手洗いを徹底するなど、周囲への感染を防ぐための対策も重要です。

回復期間はあくまで目安であり、「必ず〇日で治る」と断言できるものではありません。
ご自身の体調をよく観察し、無理をせず、適切なケアを行うことが大切です。
もし、水分が全く摂れない、症状が長引く、激しい腹痛や血便がある、ぐったりしているなど、気になる症状が見られる場合は、迷わずに医療機関を受診してください。
特に、お子さんや高齢者、持病がある方は、早めの受診を検討することが重症化予防につながります。
急性胃腸炎の辛い時期を乗り越え、一日も早く回復されることを願っています。

免責事項: 本記事の情報は一般的な知識を提供するものであり、特定の疾患の診断や治療を推奨するものではありません。
個々の健康状態については、必ず医療機関で専門家の診断と指導を受けてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次