ピルと一口に言っても、その種類は多岐にわたり、それぞれ目的や効果、服用方法などが異なります。主に避妊のために使われるイメージが強いかもしれませんが、生理痛やPMS(月経前症候群)の改善、ニキビ治療など、女性特有の様々な悩みに対応するために処方されることもあります。
どのピルが自分に合っているのかを知るためには、それぞれのピルの特徴を理解することが大切です。この記事では、ピルの主な種類とその違い、効果、副作用、選び方、そして処方方法について詳しく解説します。自分にぴったりのピルを見つけるための参考にしてください。
ピルは主に3種類に分類される
ピルは、含まれるホルモンの量や種類、目的によっていくつかの種類に分けられます。大きく分けると、主に以下の3種類があります。
- 低用量ピル: ホルモン量が少なく、長期的な避妊や生理痛・PMSなどの改善に用いられます。毎日決まった時間に服用することで効果が得られます。
- 中用量ピル: 低用量ピルよりもホルモン量が多く含まれており、月経移動や緊急避妊(現在では主流ではありません)などに短期間使用されることが多いです。
- アフターピル(緊急避妊薬): 避妊に失敗した場合に、妊娠を防ぐために緊急で服用するピルです。性交後できるだけ早く服用する必要があります。
これらのピルは、医師の処方が必須となる医薬品です。自己判断での服用は、健康上のリスクを伴う可能性があるため絶対に避けましょう。
低用量ピルの種類と世代別の違い
低用量ピルは、現在最も一般的に使用されているピルです。含まれる女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の量が少なく抑えられており、長期間服用することで高い避妊効果が得られるほか、生理に関する様々なトラブルの改善にも効果を発揮します。
低用量ピルの中にも、含まれるプロゲステロン(黄体ホルモン)の種類や配合量、飲み方によっていくつかの種類があります。特にプロゲステロンの種類によって「世代」に分けられることが特徴です。
低用量ピルの世代とは?
低用量ピルは、開発された時期や、含まれるプロゲステロンの種類によって第1世代から第4世代に分類されます。それぞれの世代のピルには、ホルモンの特性に応じた特徴や副作用の傾向があります。世代が上がるにつれて、より副作用が軽減されるように改良が進められてきました。
ただし、どの世代のピルが優れているというわけではなく、個人の体質や目的に合わせて最適なものが異なります。
第1世代低用量ピル
第1世代の低用量ピルは、ノルエチステロンというプロゲステロンを主成分としています。比較的古くから使われており、実績があります。
- 特徴:
- 不正出血が比較的少ない傾向があります。
- 子宮内膜が安定しやすいと言われています。
- 現在では種類が少なくなっています。
代表的な薬剤: ルナベル配合錠LD、フリウェル配合錠LD(いずれも後発品あり)など。これらは主に月経困難症の治療に用いられますが、避妊効果も期待できます(日本では月経困難症治療薬として承認されています)。
第2世代低用量ピル
第2世代の低用量ピルは、レボノルゲストレルというプロゲステロンを主成分としています。避妊目的で広く使われており、世界的に最も実績のある世代の一つです。
- 特徴:
- 避妊効果が高く、最も信頼性が高いとされています。
- 不正出血のリスクは比較的低いです。
- 男性ホルモンを抑制する作用は弱めです。
- 黄体ホルモン特有のニキビなどの副作用が出やすい場合があります。
代表的な薬剤: トライキュラー、ラベルフィーユ、アンジュ、ジェミーナなど。避妊目的のほか、月経困難症治療薬としても承認されているもの(ラベルフィーユ、アンジュの後発品であるフリウェル配合錠ULDなど)もあります。ジェミーナは連続服用が可能なタイプです。
第3世代低用量ピル
第3世代の低用量ピルは、デソゲストレルやゲスチデンといったプロゲステロンを主成分としています。第2世代よりも副作用が軽減されるよう開発されました。
- 特徴:
- 男性ホルモンを抑制する作用が比較的強く、ニキビや多毛の改善効果が期待できます。
- 不正出血が比較的少ない傾向があります。
- 第2世代に比べて血栓症のリスクがやや高い可能性が指摘されていますが、全体的なリスクは依然として非常に低いです。
代表的な薬剤: マーベロン、ファボワール(後発品)など。避妊目的で用いられます。
第4世代低用量ピル
第4世代の低用量ピルは、ドロスピレノンというプロゲステロンを主成分としています。ヤーズフレックスに用いられるレボノルゲストレル/エチニルエストラジオール・ベータデクス配合錠もこの世代に分類されることがあります。
- 特徴:
- 抗ミネラルコルチコイド作用があり、PMSによるむくみや体重増加の軽減効果が期待できます。
- 男性ホルモンを抑制する作用もあり、ニキビ改善効果も期待できます。
- 血栓症のリスクは、第3世代と同様に第2世代よりやや高い可能性が指摘されています。
- ヤーズフレックスのように、生理のタイミングをある程度コントロールできる連続服用タイプの製品もあります。
代表的な薬剤: ヤーズ、ヤーズフレックス、ドロエチ(ヤーズの後発品)など。これらは月経困難症、PMS、避妊(ヤーズフレックスのみ)などに用いられます。
低用量ピルの周期タイプ(21錠・28錠)
低用量ピルには、1シートあたりに含まれる錠剤の数によって主に21錠タイプと28錠タイプがあります。どちらのタイプを選ぶかは、飲み忘れのしやすさや個人の習慣によって異なります。
タイプ | 錠剤数 | 飲み方 | 特徴 |
---|---|---|---|
21錠タイプ | 21錠 | 毎日1錠服用し、21日服用+7日間休薬 | 休薬期間中は生理が来ます。飲み忘れに注意が必要ですが、休薬期間が明確です。 |
28錠タイプ | 28錠 | 毎日1錠服用し、服用を続ける | 21錠の実薬と、7錠の偽薬(ホルモンは含まれていない)が含まれます。 |
28錠タイプの場合、最後の7錠は有効成分を含まない偽薬(プラセボ錠)です。これは、毎日決まった時間に錠剤を飲む習慣を継続させることで、飲み忘れを防ぐ目的があります。偽薬を飲んでいる期間中に生理(正しくは消退出血)が来ます。
どちらのタイプを選んでも、正しく服用すれば避妊効果やその他の効果に違いはありません。飲み忘れを防ぎたい、毎日何かを飲む習慣をつけたいという方には28錠タイプが推奨されることが多いです。
低用量ピルのジェネリック医薬品
低用量ピルにも、先発医薬品(新薬)と同等の有効成分、効果、安全性が認められたジェネリック医薬品(後発医薬品)が存在します。ジェネリック医薬品は、開発費用がかからないため、先発医薬品よりも安価に提供されることが多いのが特徴です。
- メリット: 先発薬と同じ効果をより安価に利用できる可能性があります。長期的に服用する場合、費用負担を軽減できます。
- 注意点: 医師や薬剤師と相談し、ジェネリック医薬品を選択できるか確認が必要です。また、特定の製剤にこだわりがある場合は、ジェネリックがないこともあります。
例えば、第1世代のルナベル配合錠LDにはフリウェル配合錠LD、第2世代のラベルフィーユ・アンジュにはフリウェル配合錠ULD、第3世代のマーベロンにはファボワール、第4世代のヤーズにはドロエチといったジェネリック医薬品があります。
中用量ピルの種類と特徴
中用量ピルは、低用量ピルよりも多くのホルモン(特にエストロゲン)を含んでいます。避妊目的で長期間服用することは少なく、主に短期間の治療や特殊な目的で使用されます。
- 主な使用目的:
- 月経移動: 旅行やイベントなどで生理のタイミングをずらしたい場合に、服用期間を調整することで生理を早めたり遅らせたりすることができます。
- 緊急避妊(過去の主な用途): 以前はヤッペ法という中用量ピルを使った緊急避妊法がありましたが、現在は効果が高く副作用が少ないアフターピルが主流となっています。
- 不正出血の治療: ホルモンバランスの乱れによる不正出血の止血や治療に用いられることがあります。
- 更年期障害の治療: ホルモン補充療法(HRT)として用いられることもあります。
- 特徴:
- ホルモン量が多いため、吐き気やめまい、だるさ、頭痛などの副作用が低用量ピルよりも出やすい傾向があります。
- 血栓症のリスクも低用量ピルより高いため、長期的な避妊には適していません。
- 服用方法や期間は、使用目的によって医師の指示に従う必要があります。
代表的な薬剤: プラノバール、ノアルテンなど。
中用量ピルは、低用量ピルよりもホルモン量が多いため、体への負担も大きくなる可能性があります。必ず医師の指示に基づき、正しく使用することが重要です。
アフターピルの種類と服用方法
アフターピル(緊急避妊薬)は、避妊に失敗した場合や、コンドームが破れた、避妊をせずに性交してしまったなど、意図しない妊娠を防ぐために緊急で服用するピルです。性交後できるだけ早く服用することで、妊娠の可能性を低減させます。
- 主な種類:
- レボノルゲストレル錠(ノルレボ、レボノルゲストレル): 世界的に最も広く使われているアフターピルです。性交後72時間以内(3日以内)に1錠服用します。時間経過と共に効果は低下しますが、72時間以内の服用で高い効果が期待できます。
- ウリプリスタール酢酸エステル錠(エラワン): 性交後120時間以内(5日以内)に1錠服用することで効果が期待できます。レボノルゲストレル錠よりも服用可能な時間が長く、より高い効果が期待できるという報告もあります。日本では認可されていませんが、一部の医療機関で個人輸入薬として処方される場合があります(医師の判断によります)。
- 服用方法:
- 指定された時間(レボノルゲストレルは72時間以内、エラワンは120時間以内)内に、水またはぬるま湯で1錠服用します。
- 服用後、吐き気や嘔吐が起こることがあります。服用後2時間以内に嘔吐してしまった場合は、再度服用する必要がある場合があるため、必ず医師に相談してください。
- 服用後数日から3週間程度で生理のような出血(消退出血)が見られることが一般的ですが、出血がなくても効果がなかったとは限りません。服用から3週間経過しても生理が来ない場合は、必ず医療機関を受診して妊娠の有無を確認してください。
- 効果と注意点:
- アフターピルは、あくまで緊急時の避妊薬であり、100%妊娠を防げるわけではありません。効果は服用までの時間によって変動します。
- 既に妊娠が成立している場合や、性交から時間が経ちすぎている場合には効果がありません。
- 繰り返し使用するものではありません。長期的な避妊には、低用量ピルやIUS(子宮内避妊システム)など、継続的な避妊法を選択することが重要です。
- アフターピルは、産婦人科などの医療機関でのみ処方されます。薬局などで市販されていません。
アフターピルは、予期せぬ妊娠の不安を軽減するための重要な手段ですが、その効果には限界があり、体への負担や副作用のリスクも伴います。最も大切なのは、普段から信頼できる避妊法を継続して行うことです。
自分に合ったピルを選ぶポイント
ピルは種類が多く、どれを選べば良いか迷ってしまうかもしれません。自分に合ったピルを選ぶためには、いくつかのポイントを考慮し、最終的には必ず医師と相談することが重要です。
目的(避妊・生理痛・PMS改善など)で選ぶ
ピルを服用する一番の目的は何でしょうか?避妊、生理痛の緩和、PMS(月経前症候群)の改善、ニキビ治療、月経移動など、目的によって適したピルの種類や、低用量ピルの中でも推奨される世代や製剤が異なります。
- 長期的な避妊: 低用量ピルが最も一般的です。世代による避妊効果の大きな違いはありませんが、体質や副作用の傾向を考慮して選びます。
- 生理痛・PMSの改善: 低用量ピルや、ヤーズ、ヤーズフレックス、ルナベルなどの月経困難症治療薬として承認されている低用量/超低用量ピルが有効です。特にPMSによるむくみや精神症状が気になる場合は、第4世代(ドロスピレノン含有)のピルが選択肢になることがあります。ニキビが気になる場合は、男性ホルモン抑制作用のある第3世代や第4世代も考慮されます。
- 月経移動: 中用量ピルが主に用いられます。生理を早めるか遅らせるかで服用開始時期や期間が異なります。
- 緊急避妊: アフターピル(レボノルゲストレル錠など)を性交後速やかに服用します。
自分の主な目的を明確にして医師に伝えることで、より目的に合ったピルを提案してもらえます。
体質や副作用のリスクで選ぶ
ピルに含まれるホルモンの種類や量によって、現れやすい副作用の傾向が異なります。個人の体質や既往歴、喫煙習慣などによって、服用できるピルや注意すべき点が変わってきます。
- 吐き気や不正出血: 低用量ピルの中でも、エストロゲン量が少ない超低用量ピル(ヤーズ、ヤーズフレックス、ルナベルなど)や、配合量が段階的に変化する三相性のピル(トライキュラーなど)は、不正出血が少ない傾向があると言われています。ただし、これは個人差が大きいため、実際に服用して様子を見る必要があります。
- 血栓症のリスク: ピル服用中の最も注意すべき副作用の一つが血栓症です。特に喫煙者、肥満の方、高血圧の方、家族に血栓症の既往がある方などはリスクが高まります。第3世代や第4世代のピルは、第2世代に比べて血栓症のリスクがわずかに高い可能性が指摘されていますが、全体的なリスクは依然として低く、過度に心配する必要はありません。ただし、リスク因子がある場合は、医師としっかり相談し、適切なピルを選択することが重要です。また、血栓症の初期症状(ふくらはぎの痛み・腫れ、急な息切れ・胸の痛み、激しい頭痛、視力障害など)を知っておくことも大切です。
- その他の副作用: 頭痛、乳房の張り、気分の変動、体重増加(むくみによる一時的なものが多い)など、様々な副作用が起こる可能性があります。これらの副作用の出やすさもピルの種類や個人によって異なります。
初めてピルを服用する場合や、以前ピルで合わない経験がある場合は、医師に正直に伝えましょう。医師は、問診や診察、必要に応じて血液検査などを行い、健康状態や体質を考慮した上で、最も適したピルを提案してくれます。自己判断でピルを選択したり、知人からもらったりすることは絶対に避けましょう。
ピルを処方してもらうには?オンライン診療も
ピルは、日本の法律では医師の処方箋が必要な「医療用医薬品」に分類されます。そのため、薬局やドラッグストア、インターネット通販(個人輸入代行サイトなど)で購入することはできません。必ず医療機関を受診して、医師の診察を受けた上で処方してもらう必要があります。
ピルを処方してもらえる医療機関は、主に婦人科や産婦人科です。最近では、プライベートクリニックなどでも処方を行っているところが増えています。
医療機関を受診する以外に、オンライン診療を利用してピルを処方してもらうことも可能です。特に以下のような方には、オンライン診療が便利です。
- 近くに婦人科がない
- 忙しくて受診する時間がない
- 人目を気にせず相談したい
- 過去にピルを服用したことがあり、継続して処方してもらいたい
オンライン診療の流れ(一般的な例):
- オンライン診療の予約: クリニックのWebサイトやアプリから、希望の日時でオンライン診療を予約します。
- 問診票の入力: 事前にWeb上で問診票に回答します。現在の体調、既往歴、服用中の薬、アレルギーの有無、喫煙習慣、ピル服用の目的などを正確に入力します。
- 医師によるオンライン診察: 予約した時間に、ビデオ通話や電話で医師の診察を受けます。問診票の内容をもとに、医師が健康状態を確認し、ピルの種類や服用方法について説明します。疑問点や不安な点があれば、この時に医師に相談できます。
- 決済: 診察後、処方される薬代や診察料、配送料などを決済します。クレジットカード決済が一般的です。
- 薬剤の配送: 決済完了後、自宅など指定した場所にピルが郵送されます。プライバシーに配慮し、品名に医薬品名が記載されないように対応しているクリニックが多いです。
オンライン診療は手軽で便利な反面、対面での診察がないため、医師が体全体の詳細な状態を把握しにくいという側面もあります。そのため、オンライン診療では処方できるピルに限りがある場合や、初めてピルを服用する場合、既往歴によっては対面診療を勧められることもあります。
また、オンライン診療でピルを購入する際は、信頼できる医療機関を選ぶことが非常に重要です。公式サイトで医師の経歴や診療方針が明確に示されているか、プライバシー保護に配慮しているかなどを確認しましょう。安易な個人輸入代行サイトや、医師の診察なしで薬を販売しているサイトは、偽造薬や品質の劣る薬を掴まされるリスクが高く、健康被害につながる可能性があるため絶対に利用しないでください。
ピルに関するよくある質問
ピルに関して、多くの方が疑問に思う点をいくつかご紹介します。
ピル服用中に中出しで妊娠する可能性は?
低用量ピルを毎日正しく服用した場合、1年間の避妊成功率は理論上99.7%と非常に高いです。一般的な使用状況でも91%程度とされています。これは、排卵を抑制したり、子宮内膜を受精卵が着床しにくい状態に変化させたりする効果によるものです。
したがって、ピルを毎日決まった時間に飲み忘れなく服用していれば、性交時に腟内に射精(中出し)しても妊娠する可能性は極めて低いと言えます。
しかし、100%ではありません。飲み忘れがあった場合、他の薬(抗生物質やセントジョーンズワートなど)との飲み合わせが悪かった場合、または激しい下痢や嘔吐があった場合は、ピルの効果が低下し、妊娠する可能性が高まります。
ピルを正しく服用しているにも関わらず妊娠が不安な場合は、医師に相談して、ピルの種類や服用方法を見直したり、他の避妊法との併用を検討したりすることも可能です。
ジエノゲストとピルはどちらが良い?
ジエノゲスト(ディナゲストなど)と低用量ピルは、どちらもホルモン剤ですが、主な目的と効果が異なります。どちらが良いかは、使用する方の目的や疾患によって決まります。
- ジエノゲスト(ディナゲスト):
- 主な目的: 子宮内膜症、子宮腺筋症の治療薬です。不正出血や生理痛、骨盤痛などの症状緩和に用いられます。
- 効果: 子宮内膜の増殖を抑え、病巣を縮小させる効果があります。生理を止めることで症状をコントロールします。
- 避妊効果: 厳密には避妊薬として承認されていません。排卵が抑制されることで結果的に避妊効果が得られることもありますが、避妊目的での処方はできません。
- 特徴: 黄体ホルモン単剤の製剤です。不正出血が起こりやすいという副作用があります。
- 低用量ピル:
- 主な目的: 避妊、月経困難症(生理痛)の治療、PMSの改善、ニキビ治療などです。
- 効果: 排卵を抑制し、高い避妊効果を発揮します。また、ホルモンバランスを整えることで生理痛やPMS、不正出血などを改善します。
- 避妊効果: 日本で唯一承認されている避妊薬です(ただし、月経困難症治療薬として承認されている製剤も避妊効果はあります)。
- 特徴: エストロゲンとプロゲステロンの複合ホルモン剤です。血栓症のリスクがあります(低いですが)。
結論として、どちらが良いかは目的次第です。
- 子宮内膜症や子宮腺筋症による症状(特に生理痛や不正出血)の治療が主な目的で、避妊は副次的でも良い、または他の方法で避妊する場合はジエノゲストが適している可能性があります。
- 避妊が主な目的で、同時に生理痛やPMS、ニキビなども改善したい場合は低用量ピルが適しています。
どちらの薬が自分に適しているかは、医師が診断に基づいて判断します。必ず医師と相談し、自分の症状や希望を伝えて最適な治療法を選択してください。
低用量ピルはどれがおすすめ?
低用量ピルは様々な種類(世代、ホルモン配合量、周期タイプなど)があり、それぞれに特徴があります。一概に「このピルが一番おすすめ」と断言することはできません。なぜなら、最適なピルは個人の体質、健康状態、ピルを服用する目的(避妊、生理痛軽減、ニキビ治療など)、そして副作用への感受性によって大きく異なるからです。
- 避妊効果: 正しく服用すれば、どの低用量ピルでも高い避妊効果が得られます。世代による大きな差はありません。
- 生理トラブル(生理痛・PMS・不正出血)の改善: 月経困難症治療薬として承認されている製剤(ルナベル、ヤーズ、ヤーズフレックスなど)は、これらの症状改善に特に期待できます。世代やホルモン配合量の違いにより、効果の感じ方や副作用の出やすさが異なります。
- ニキビ・多毛の改善: 男性ホルモン抑制作用が比較的強いとされる第3世代や第4世代のピルが効果的な場合があります。
- 副作用: 吐き気、不正出血、頭痛、むくみなどの副作用の出やすさは、ピルの種類だけでなく個人差が大きいです。あるピルで副作用が出ても、他のピルなら問題ないということもあります。
最も重要なのは、自己判断で選ばず、必ず医師に相談することです。
医師は、あなたの年齢、既往歴、家族歴、喫煙習慣、現在の健康状態、そしてピルを服用する目的や気になる症状などを詳しく問診し、最適なピルを提案してくれます。服用を開始した後も、定期的な診察で体調の変化を確認し、必要に応じてピルの種類を変更したり、他の治療法を検討したりします。
まずは信頼できる医療機関を受診し、医師との相談を通じて、あなたにとって最適な低用量ピルを見つけましょう。
【まとめ】ピルは種類が豊富!自分に合ったものを医師と相談して選ぼう
ピルには、長期的な避妊や生理トラブルの改善に用いられる低用量ピル、月経移動などに短期間用いられる中用量ピル、そして緊急時のアフターピルといった主な種類があります。さらに、低用量ピルの中でも世代やホルモン配合量、錠剤数などによって様々な製剤が存在し、それぞれに異なる特徴やメリット・デメリットがあります。
ピルを安全かつ効果的に使用するためには、これらの種類の違いを理解し、自身の目的や体質に合ったピルを選ぶことが不可欠です。しかし、自己判断で最適なピルを選ぶことは難しく、健康上のリスクを伴う可能性があります。
最も重要なのは、必ず医師の診察を受け、相談しながらピルを選択することです。医師は、あなたの健康状態やニーズを考慮した上で、適切なピルを処方し、服用方法や注意点について丁寧に説明してくれます。
最近ではオンライン診療を利用すれば、自宅にいながら医師の診察を受け、ピルを処方してもらうことも可能です。忙しい方や医療機関への受診に抵抗がある方にとって、便利な選択肢の一つとなるでしょう。ただし、オンライン診療を利用する場合でも、信頼できる医療機関を選び、問診には正確に答え、医師とのコミュニケーションをしっかり行うことが大切です。
ピルは、女性の健康管理やライフプランにおいて、非常に有効な選択肢となり得ます。様々な種類があることを理解し、自分に合ったピルを医師と一緒に見つけて、より快適で安心な毎日を送りましょう。
免責事項:本記事はピルに関する一般的な情報提供を目的としており、特定の薬剤を推奨したり、医師の診断や治療に代わるものではありません。ピルの服用を検討される際は、必ず医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。副作用やリスクについても十分に理解した上で服用することが重要です。