扁桃腺發炎原因、症狀完整解析|會自己好嗎?治療與照護一次懂

扁桃炎は、喉の奥にある扁桃腺が炎症を起こす病気です。喉の強い痛みや発熱など、つらい症状が現れることが多く、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。この記事では、扁桃炎の症状、原因、自宅でできる緩和ケア、病院に行くべき目安、そして治療法について、医師監修のもと詳しく解説します。扁桃炎を早く治したい、繰り返し起こる症状に悩んでいる、といった方はぜひ参考にしてください。

扁桃炎とは、正式には口蓋扁桃という部分に炎症が起きる病気です。風邪によく似た症状が出ますが、扁桃腺の腫れや痛みがより強く現れるのが特徴です。適切な治療を受けないと、症状が長引いたり、まれに合併症を引き起こしたりすることもあります。

扁桃腺の役割と場所

扁桃腺は、口を開けたときに見える喉の奥、左右にあるこぶのような組織です。正式には「口蓋扁桃」と呼ばれます。これ以外にも、アデノイド(咽頭扁桃)、舌根扁桃など、喉や鼻の奥にはいくつかの扁桃組織があります。
扁桃腺は、リンパ組織の集まりであり、体の免疫機能の一部を担っています。口や鼻から侵入しようとする細菌やウイルスといった病原体を捕まえ、免疫反応を起こして撃退する「関所」のような役割を果たしています。特に子供の頃は免疫機能が発達段階にあるため、扁桃腺が大きく、病原体と戦う機会も多いため炎症を起こしやすい傾向があります。

目次

扁桃炎の主な症状をチェック

扁桃炎の典型的な症状は、急な喉の強い痛み発熱です。風邪の初期症状と似ていますが、扁桃炎の場合、喉の痛みが非常に強く、ものを飲み込むときに激痛が走ることが多いのが特徴です。

その他にも、以下のような様々な症状が現れることがあります。

  • 発熱: 38℃以上の高熱が出ることが一般的です。
  • 全身の倦怠感: 体がだるく、起き上がるのがつらく感じられます。
  • 関節痛や筋肉痛: 熱に伴って、全身が痛むことがあります。
  • 頭痛: 炎症や発熱により、頭痛を感じることがあります。
  • 首のリンパ節の腫れと痛み: 炎症が波及し、首の付け根にあるリンパ節が腫れて押すと痛むことがあります。
  • 声の変化: 声がかすれたり、しゃがれたりすることがあります。
  • 耳の痛み: 喉の痛みに関連して、耳に痛みが放散することがあります(放散痛)。
  • 扁桃腺の腫れと発赤: 喉の奥を見ると、扁桃腺が赤く腫れ上がっているのが確認できます。表面に白い膿栓(プラーク)が付着していることもあります。

これらの症状の出方や程度には個人差があります。また、原因がウイルス性か細菌性かによっても症状の傾向が異なる場合があります。

片側だけ腫れることはある?

はい、扁桃炎は片側の扁桃腺だけが強く腫れたり痛んだりすることもあります。両方が同時に炎症を起こすのが一般的ですが、片側だけに症状が強く出るケースも珍しくありません。
片側性の扁桃炎の場合、単なる炎症だけでなく、扁桃腺の周りに膿が溜まる「扁桃周囲膿瘍(へんとうしゅういのうよう)」という合併症が疑われることがあります。扁桃周囲膿瘍では、片側の喉の激しい痛みに加え、口を開けにくい(開口障害)や、声がこもる(含み声)といった特徴的な症状が現れることがあります。片側だけの症状が特に強い、または上記のような特徴的な症状が見られる場合は、速やかに医療機関を受診することが非常に重要です。

扁桃炎を引き起こす原因

扁桃炎の主な原因は、扁桃腺へのウイルスや細菌の感染です。これらの病原体が扁桃腺に付着し、炎症を引き起こします。

ウイルス性と細菌性の違い

扁桃炎の原因は、大きく分けてウイルス性と細菌性があります。それぞれの特徴や治療法には違いがあります。

特徴 ウイルス性扁桃炎 細菌性扁桃炎
原因 ライノウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルスなど様々なウイルス 主に溶血性レンサ球菌(溶連菌)、ブドウ球菌、肺炎球菌など
症状 比較的軽度なことが多い(風邪症状に近い) 喉の痛みが非常に強い、高熱が出やすい、首のリンパ節が腫れやすい
扁桃腺 赤く腫れることが多い 赤く腫れ、白い膿が付着することが多い
治療法 対症療法(痛み止め、解熱剤など)、自然治癒を待つ 抗生物質による治療が必要
抗生物質 効果なし 有効
合併症 まれ 注意が必要(急性腎炎、リウマチ熱など)

ウイルス性扁桃炎は、風邪の原因となるウイルスなどによって引き起こされます。症状は比較的軽度なことが多く、特別な治療薬はなく、安静にして体の回復を待つ「対症療法」(痛み止めや解熱剤などで症状を和らげる治療)が中心となります。

一方、細菌性扁桃炎は、特に溶血性レンサ球菌(溶連菌)によって引き起こされることが多く、症状が強い傾向があります。この場合、原因菌を死滅させるために抗生物質による治療が不可欠です。抗生物質を適切に使用しないと、症状が長引くだけでなく、まれに急性腎炎やリウチ熱といった全身性の重篤な合併症を引き起こすリスクがあります。したがって、扁桃炎の疑いがある場合は、原因がウイルス性か細菌性かを判断するために医療機関を受診することが推奨されます。

感染経路は、咳やくしゃみによる飛沫感染や、ウイルス・細菌が付着した手で口や鼻を触る接触感染が主です。免疫力が低下している時や、空気が乾燥している時期、疲れている時などに感染しやすくなります。

扁桃炎の種類(急性・慢性)

扁桃炎は、症状の経過によって急性と慢性に分けられます。

急性扁桃炎の特徴

急性扁桃炎は、突然発症する扁桃炎です。前述したような喉の強い痛み、高熱、倦怠感などの典型的な症状が、比較的急激に現れます。多くの場合は、原因となるウイルスや細菌に対する適切な治療(細菌性の場合は抗生物質)や自宅での安静・ケアによって、数日〜1週間程度で症状は改善し治癒に向かいます。しかし、重症化したり、適切な治療を受けなかったりすると、症状が長引いたり、扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍などの合併症を引き起こすことがあります。

慢性扁桃炎とは?

慢性扁桃炎は、扁桃腺の炎症が長く続いている状態や、扁桃炎を短期間に繰り返す状態を指します。

慢性扁桃炎にはいくつかのパターンがあります。

  • 習慣性扁桃炎: 年に4回以上、または2年続けて年に3回以上など、頻繁に急性扁桃炎を繰り返すケースです。急性期の症状は強いですが、症状が治まると普段は比較的元気なことが多いです。
  • 扁桃病巣感染症(へんとうびょうそうかんせんしょう): 扁桃腺自体はそれほど大きく腫れていなくても、扁桃腺に慢性的な炎症があり、その炎症が原因となって体の別の場所に病気(アレルギー性の紫斑病、IgA腎症、掌蹠膿疱症など)を引き起こす状態です。この場合、常に微熱があったり、体がだるかったりといった症状があることもあります。
  • 慢性単純性扁桃炎: 扁桃腺が慢性的に少し腫れていたり、喉の奥に不快感や異物感があったりする状態です。急性扁桃炎のような強い症状はあまりありません。

慢性扁桃炎、特に習慣性扁桃炎や扁桃病巣感染症の場合は、扁桃腺を摘出する手術が検討されることがあります。

扁桃炎になったら?病院での治療法

扁桃炎が疑われる場合、特に喉の痛みが強い、高熱が出ている、といった場合は、早めに耳鼻咽喉科や内科を受診しましょう。適切な診断を受け、原因に応じた治療を行うことが早く治すために重要です。

検査と診断の流れ

病院での診断は、まず問診と視診から始まります。

  1. 問診: いつからどのような症状があるか、熱の高さ、痛みの程度、他の持病や服用している薬などを医師に伝えます。
  2. 視診: 口を開けてもらい、喉の奥にある扁桃腺の状態を観察します。赤く腫れているか、白い膿が付着していないかなどを確認します。首のリンパ節を触って腫れがないかも確認します。
  3. 迅速検査: 細菌性扁桃炎の代表的な原因菌である溶連菌に感染しているかどうかを調べるために、喉の奥を綿棒でこすって検体を採取し、簡易キットで検査を行うことがあります。結果は数分〜10分程度で判明します。この検査で陽性であれば、細菌性扁桃炎(溶連菌感染症)と確定診断され、抗生物質による治療が必要になります。
  4. 細菌培養検査: より詳しい原因菌を特定するために、採取した検体を培養して調べる検査を行うこともあります。結果が出るまでに数日かかります。
  5. 血液検査: 炎症の程度(CRPなどの値)や白血球の数、ウイルスの抗体などを調べるために血液検査を行うことがあります。特に症状が重い場合や、原因がはっきりしない場合に行われます。

これらの検査結果や症状から、医師が扁桃炎と診断し、原因がウイルス性か細菌性かを判断して適切な治療法を決定します。

薬による治療(抗生物質など)

扁桃炎の治療は、原因がウイルス性か細菌性かによって大きく異なります。

  • ウイルス性扁桃炎: 原因ウイルスに直接効く薬はないため、対症療法が中心となります。
    • 解熱鎮痛剤: 発熱や喉の痛みを和らげるために使用します。アセトアミノフェンやロキソプロフェン、イブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が処方されます。
    • うがい薬: 喉の炎症を抑えたり、清潔に保ったりするために使用します。
  • 細菌性扁桃炎: 特に溶連菌が原因の場合、抗生物質による治療が必須です。
    • 抗生物質: 溶連菌に有効なペニシリン系の薬が第一選択薬としてよく用いられます。ペニシリンアレルギーがある場合は、セフェム系やマクロライド系の抗生物質が使用されます。抗生物質は、症状が改善しても医師に指示された期間(通常5日〜10日程度)しっかりと飲み切ることが非常に重要です。これは、原因菌を完全に死滅させ、再発や合併症(急性腎炎、リウマチ熱など)を防ぐためです。自己判断で服用を中止しないようにしましょう。
    • 解熱鎮痛剤: 熱や痛みがつらい場合に、抗生物質と並行して使用します。

この他にも、炎症を抑える消炎剤や、喉の腫れを和らげる薬、痰を切りやすくする薬などが処方されることもあります。

重症の場合の手術について

多くの場合、薬物療法で扁桃炎は改善しますが、以下のような特定のケースでは、扁桃腺を摘出する手術(口蓋扁桃摘出術)が検討されます。

  1. 習慣性扁桃炎: 扁桃炎を頻繁に繰り返す場合(例: 年に4回以上など)。扁桃炎を繰り返すことで、学校や仕事などを休む頻度が高くなり、生活に支障をきたす場合に手術が考慮されます。
  2. 扁桃周囲膿瘍: 扁桃炎が進行し、扁桃腺の周りに膿が溜まって強い痛み、開口障害、嚥下困難などが生じた場合。この場合は、まず膿を出す処置(穿刺や切開)と抗生物質による治療を行いますが、繰り返し膿瘍ができる場合は予防的な手術が検討されます。
  3. 扁桃病巣感染症: 慢性的な扁桃腺の炎症が原因で、体の別の場所(腎臓、皮膚、関節など)に病気を引き起こしていると診断された場合。
  4. 睡眠時無呼吸症候群: 子供の場合、扁桃腺やアデノイドが大きいことが原因で、睡眠中に呼吸が止まることがある場合。
  5. 扁桃腺の腫れが非常に大きく、飲み込みや呼吸に支障をきたしている場合。

手術は全身麻酔で行われることが一般的です。入院期間は数日〜1週間程度です。手術後は、しばらく喉の痛みや違和感がありますが、徐々に改善します。手術によって、扁桃炎を繰り返すリスクや合併症のリスクを減らすことが期待できます。手術の適応については、医師とよく相談して決定します。

早く治すには?自宅でできる対処法

病院での治療と並行して、自宅で適切に対処することで、症状の緩和や早期回復を促すことができます。

痛みを和らげる方法

扁桃炎のつらい症状の一つが喉の痛みです。痛みを和らげるためには、以下のような方法があります。

  • 処方された薬を正しく服用する: 医師から処方された痛み止めや解熱鎮痛剤は、痛みを効果的に和らげ、熱を下げるのに役立ちます。用法・用量を守って服用しましょう。
  • うがい: 喉の炎症を抑え、清潔に保つためにうがいは有効です。刺激の少ないうがい薬(アズレン系など)や生理食塩水、またはぬるま湯で、こまめにうがいをしましょう。イソジンなどの刺激が強いものは、かえって粘膜を傷つけることもあるので注意が必要です。
  • のど飴やトローチ: 唾液の分泌を促し、喉の乾燥を防ぎ、痛みを一時的に和らげる効果があります。メントールなどが含まれている刺激が強いものは避けた方が良い場合もあります。
  • 喉の冷却: 喉の痛みが強い場合、首の前側を冷たいタオルやアイスパックなどで冷やすと痛みが和らぐことがあります。ただし、冷やしすぎには注意しましょう。
  • 加湿: 空気が乾燥していると喉の粘膜が乾燥し、痛みが悪化することがあります。加湿器を使用したり、濡れタオルを干したりして、部屋の湿度を適切に保ちましょう。
  • 刺激物を避ける: 辛いもの、酸っぱいもの、熱すぎるもの、冷たすぎるもの、炭酸飲料など、喉を刺激する飲食物は避けましょう。

食事と水分補給のポイント

扁桃炎で喉が痛いときは、食事や水分補給にも注意が必要です。

  • 喉ごしの良い食事: 喉が痛くて固形物が食べにくいときは、おかゆ、うどん、スープ、ゼリー、プリン、豆腐、茶碗蒸しなど、柔らかく喉ごしの良いものを選びましょう。
  • 刺激の少ない味付け: 薄味で、辛味や酸味の少ないものがおすすめです。
  • 温度に注意: 熱すぎるものや冷たすぎるものは喉を刺激するので、人肌程度の温かいものや、常温に近いものが良いでしょう。
  • 十分な水分補給: 発熱や食事量の減少により脱水になりやすいので、こまめな水分補給が非常に重要です。水、麦茶、イオン飲料、薄めたOS-1などの経口補水液などがおすすめです。スポーツドリンクは糖分が多いので、飲み過ぎに注意が必要です。ジュースや柑橘系の飲み物は喉にしみることがあるので避けましょう。
  • 休養: 十分な睡眠をとり、体を休めることが回復を早めます。無理な活動は避け、安静に過ごしましょう。

これらの自宅での対処法は、あくまでも症状を和らげ、体の回復をサポートするためのものです。症状が改善しない場合や悪化する場合は、必ず医療機関を受診してください。

扁桃炎は何日で治る?治癒期間の目安

扁桃炎が治るまでの期間は、原因、重症度、治療法、個人の免疫力などによって異なります。

一般的に、急性扁桃炎の場合、適切な治療を行えば数日〜1週間程度で症状は改善し、治癒に向かうことが多いです。特に細菌性扁桃炎で抗生物質による治療を開始した場合、通常2〜3日で熱が下がり、喉の痛みも徐々に和らいできます。

しかし、以下のような場合は治癒期間が長引いたり、回復に時間がかかったりすることがあります。

  • 原因がウイルス性の場合: ウイルス性の場合は特効薬がないため、体の免疫力でウイルスを排除するのを待つことになります。症状が比較的軽度でも、完全に回復するまでに1週間以上かかることもあります。
  • 重症の場合: 高熱が続いたり、扁桃腺の腫れがひどかったりする場合は、回復に時間がかかります。
  • 治療が遅れた場合: 特に細菌性扁桃炎で抗生物質の服用が遅れると、炎症が広がり、治癒が遅れることがあります。
  • 合併症を起こした場合: 扁桃周囲膿瘍などの合併症を起こすと、さらに治療期間が長くなります。
  • 免疫力が低下している場合: 高齢者や他の病気で免疫力が低下している方は、回復に時間がかかる傾向があります。
  • 喫煙や飲酒: 喫煙や過度の飲酒は喉の粘膜に負担をかけ、治癒を遅らせることがあります。

抗生物質を服用している場合でも、症状が改善しない、または悪化する場合は、原因菌が抗生物質に耐性を持っている、別の病気が隠れている、合併症を起こしている、といった可能性も考えられます。必ず医師に相談し、再診を受けましょう。

繰り返し扁桃炎になる方へ:予防策

扁桃炎を繰り返す「習慣性扁桃炎」に悩まされている方もいます。扁桃炎を予防するためには、日頃から以下の点に気をつけましょう。

  1. 手洗い・うがい: 外出から帰った時や食事の前には、石鹸を使った丁寧な手洗いと、喉の奥まで届くうがいを習慣にしましょう。うがいは、水でも効果がありますが、殺菌成分の入っていないうがい薬を使用するのも良いでしょう。
  2. マスクの着用: 空気が乾燥している時期や、人混みに出かける際はマスクを着用することで、喉の乾燥を防ぎ、ウイルスや細菌の吸入を減らすことができます。
  3. 十分な睡眠と休養: 疲労や睡眠不足は免疫力を低下させ、感染しやすくなります。規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠をとり、体を休ませましょう。
  4. バランスの取れた食事: ビタミンやミネラルを豊富に含むバランスの取れた食事は、体の免疫力を高めます。特にビタミンCは粘膜を強くすると言われています。
  5. 喉の乾燥を防ぐ: 喉の粘膜が乾燥すると、バリア機能が低下し、ウイルスや細菌が付着しやすくなります。こまめな水分補給を心がけ、部屋の湿度を適切に保ちましょう。冬場は加湿器の使用が有効です。
  6. 禁煙・節酒: タバコの煙やアルコールは喉の粘膜を刺激し、炎症を起こしやすくします。扁桃炎を繰り返す方は、禁煙または節酒を強くお勧めします。
  7. 歯科口腔ケア: 口腔内の衛生状態が悪いと、細菌が増殖し、扁桃腺に感染が広がりやすくなります。日頃から丁寧に歯磨きを行い、定期的に歯科検診を受けることも大切です。
  8. 体の冷えを防ぐ: 体が冷えると免疫力が低下することがあります。特に首元を冷やさないように注意しましょう。
  9. ストレスを溜め込まない: ストレスも免疫力に関係します。適度な運動や趣味などでストレスを解消する工夫をしましょう。

これらの予防策を日頃から実践することで、扁桃炎にかかるリスクを減らすことが期待できます。それでも扁桃炎を繰り返す場合は、根本的な治療(手術など)について医師と相談することも考えてみましょう。

こんな症状が出たら要注意!病院を受診するタイミング

扁桃炎の症状が出た場合、特に以下のような症状が見られる場合は、早めに医療機関(耳鼻咽喉科または内科)を受診することが重要です。

  • 38℃以上の高熱が続く: 市販の解熱剤を飲んでも熱が下がらない、または高熱が数日続く場合。
  • 喉の痛みが非常に強く、水分や食事がほとんど摂れない: 脱水や栄養不足になる可能性があるため危険です。
  • 呼吸が苦しい、息苦しさを感じる: 扁桃腺の腫れがひどく、気道を圧迫している可能性があります。緊急性の高い状態です。
  • 首のリンパ節の腫れがひどく、痛みも強い: 炎症が周囲に広がっているサインかもしれません。
  • 口を開けにくい(開口障害): 扁桃周囲膿瘍などの合併症が疑われます。
  • 声がこもる(含み声): 扁桃周囲膿瘍の典型的な症状の一つです。
  • 症状が数日経っても改善しない、または悪化している: 自己判断で様子を見ていると重症化する可能性があります。
  • 扁桃炎を繰り返している: 習慣性扁桃炎の可能性があり、根本的な治療が必要かもしれません。
  • 発疹が出ている: 溶連菌感染症の場合、特徴的な発疹(猩紅熱)が出ることがあります。
  • 関節の痛みや体のむくみ: 溶連菌感染症の合併症(リウマチ熱、急性腎炎など)の初期症状の可能性があり、注意が必要です。

これらの症状が見られる場合は、迷わず医療機関を受診しましょう。特に、呼吸困難や開口障害、強い首の腫れなどは、重篤な状態である可能性が高いため、救急外を受診することも検討してください。早期に適切な診断と治療を受けることが、回復を早め、合併症を防ぐために最も大切です。

扁桃炎が引き起こす可能性のある合併症

急性扁桃炎が重症化したり、適切に治療されなかったりした場合、まれに様々な合併症を引き起こすことがあります。特に細菌性扁桃炎(溶連菌感染症など)の場合は注意が必要です。

合併症名 特徴・症状 危険性・注意点
扁桃周囲炎 扁桃腺の周囲の組織に炎症が広がった状態。扁桃炎よりも喉の痛みが強い、片側の喉が痛む、飲み込みが困難になる。 扁桃周囲膿瘍に移行する可能性がある。早期の治療が重要。
扁桃周囲膿瘍 扁桃腺の周囲に膿が溜まった状態。扁桃周囲炎が進行したもの。激しい喉の痛み(特に片側)、高熱、口を開けにくい(開口障害)、声のこもり(含み声)。 重篤な合併症。呼吸困難や、膿がさらに奥に広がって重い感染症を引き起こす危険がある。緊急での切開・排膿処置が必要となることが多い。
急性喉頭蓋炎 喉頭蓋(食べ物や飲み物が気管に入るのを防ぐ蓋)が炎症を起こし腫れる病気。強い喉の痛み、呼吸困難、声の変化、よだれが多い。 急速に進行し、気道を塞いで窒息する危険性がある非常に危険な病気。 扁桃炎から波及することもある。呼吸困難が少しでもあれば直ちに救急受診が必要。
頸部リンパ節炎 首のリンパ節が腫れて痛む状態。 扁桃炎に伴って起こる一般的で軽度な合併症だが、まれに化膿して膿瘍を形成することもある。
急性腎炎 細菌性扁桃炎(特に溶連菌感染症)の後、免疫反応によって腎臓に炎症が起こる病気。血尿、蛋白尿、むくみ、血圧上昇などの症状が現れる。 扁桃炎の症状が改善してから1~4週間後に発症することがある。多くは予後良好だが、適切な治療が必要。溶連菌感染症の場合は、予防のために抗生物質を最後まで飲み切ることが重要。
リウマチ熱 細菌性扁桃炎(特に溶連菌感染症)の後、免疫反応によって関節、心臓、脳、皮膚などに炎症が起こる病気。発熱、関節痛、不随意運動、心臓の弁膜症など。 扁桃炎の症状が改善してから2~3週間後に発症することがある。特に心臓の合併症(リウマチ性心炎)は後遺症が残ることがある。溶連菌感染症の場合は、急性腎炎と同様に、予防のために抗生物質を最後まで飲み切ることが非常に重要。
掌蹠膿疱症 手のひらや足の裏に膿疱が繰り返しできる病気。 慢性扁桃炎が病巣感染となり、掌蹠膿疱症の原因の一つとなることがある。
IgA腎症 腎臓病の一種。血尿や蛋白尿が現れる。 慢性扁桃炎が病巣感染となり、IgA腎症の悪化因子となることがある。
アレルギー性紫斑病 皮膚に紫斑(あざのようなもの)が現れる病気。関節痛や腹痛、腎臓の炎症などを伴うことがある。 細菌性扁桃炎(特に溶連菌感染症)の後、発症することがある。

これらの合併症を防ぐためにも、扁桃炎が疑われる場合は早期に医療機関を受診し、特に細菌性と診断された場合は、指示された期間、抗生物質をしっかりと服用することが非常に大切です。扁桃炎の症状が治まった後も、体調に異変を感じた場合は医療機関に相談しましょう。

扁桃炎に関するよくある質問

扁桃炎に関して、患者さんからよく聞かれる質問とその回答をまとめました。

Q1: 扁桃炎は人にうつりますか?

A: はい、うつります。扁桃炎の原因となるウイルスや細菌は、主に咳やくしゃみによる飛沫感染や、病原体が付着した手で口や鼻を触る接触感染によって広がります。特に発熱や咳などの症状がある間は、感染力が高いと考えられます。ご家族や周りの人にうつさないよう、マスクを着用したり、手洗いを徹底したり、食器やタオルの共有を避けたりといった感染対策を行いましょう。

Q2: 子供の扁桃炎で注意することは?

A: 子供は大人よりも扁桃腺が大きく、免疫機能も発達段階にあるため、扁桃炎にかかりやすい傾向があります。特に溶連菌による扁桃炎は、子供に多く見られます。子供の場合、症状をうまく伝えられないこともありますので、普段と違う様子(元気がない、食欲がない、機嫌が悪いなど)があれば注意が必要です。溶連菌感染症の場合、まれに合併症(急性腎炎、リウマチ熱など)を起こすことがあるため、医師の指示通りに抗生物質を最後まで飲み切ることが非常に重要です。また、喉の痛みが強く水分も摂れない場合は、脱水に注意が必要です。こまめに水分補給をさせましょう。

Q3: 抗生物質はいつまで飲むべきですか?

A: 細菌性扁桃炎と診断され、抗生物質が処方された場合、症状が改善しても医師に指示された期間(通常5日〜10日程度)は必ず飲み切ってください。症状が軽くなったからといって途中で服用を中止すると、原因菌が完全に死滅せずに体内に残り、症状が再発したり、抗生物質が効きにくい耐性菌が増えたり、前述したような合併症(急性腎炎、リウマチ熱など)を引き起こすリスクが高まります。医師の指示を厳守することが、完全に治すために非常に大切です。

Q4: 扁桃炎のときにお酒やタバコは大丈夫ですか?

A: お酒もタバコも、扁桃炎の回復を遅らせる可能性がありますので、避けるべきです。アルコールは血管を拡張させ、炎症を悪化させることがあります。また、タバコの煙は喉の粘膜を直接刺激し、炎症をさらに悪化させ、治癒を妨げます。扁桃炎が治るまでは、禁酒・禁煙を強くお勧めします。

Q5: 扁桃炎は市販薬で治せますか?

A: 市販薬は、扁桃炎の症状(喉の痛みや発熱)を一時的に和らげるための対症療法としては有効な場合があります(痛み止め、解熱剤、うがい薬など)。しかし、扁桃炎の原因が細菌性である場合、原因菌を死滅させるためには抗生物質が必要です。市販薬には抗生物質は含まれていません。したがって、細菌性扁桃炎を市販薬だけで完治させることはできませんし、放置すると重症化や合併症のリスクがあります。喉の痛みが強い、高熱が出ているなど、扁桃炎が疑われる場合は、自己判断で市販薬に頼るのではなく、一度医療機関を受診して適切な診断と治療を受けることを強くお勧めします。

Q6: 慢性扁桃炎の場合、手術は必ず必要ですか?

A: 慢性扁桃炎でも、症状が軽度で日常生活に大きな支障がない場合は、必ずしも手術が必要というわけではありません。うがいや生活習慣の改善などで様子を見ることもあります。しかし、年に何度も扁桃炎を繰り返す場合(習慣性扁桃炎)や、扁桃腺が原因で体の他の場所に病気(扁桃病巣感染症)を引き起こしていると診断された場合、扁桃周囲膿瘍を繰り返す場合などは、手術(口蓋扁桃摘出術)が有効な治療法として検討されます。手術の適応は、患者さんの症状の程度、頻度、合併症のリスクなどを総合的に判断して医師が決定します。手術を受けるかどうかは、医師とよく相談して決めましょう。

まとめ

扁桃炎は、喉の奥にある扁桃腺の炎症で、喉の強い痛みや発熱などつらい症状を伴う病気です。原因はウイルス性と細菌性があり、特に細菌性(溶連菌など)の場合は抗生物質による治療が不可欠であり、放置するとまれに重篤な合併症を引き起こすリスクがあります。

扁桃炎かなと思ったら、自己判断せず、早めに医療機関(耳鼻咽喉科または内科)を受診し、原因を特定してもらうことが非常に重要です。医師の指示に従って適切な薬を服用し、十分な休養、喉に優しい食事、こまめな水分補給、うがい、加湿といった自宅でのケアを並行して行うことで、症状の緩和と早期回復が期待できます。

症状が改善しない場合や、呼吸困難、口が開けにくい、首の腫れがひどいといった重症化のサインが見られる場合は、速やかに再受診してください。また、扁桃炎を繰り返す場合は、手術などの根本的な治療について医師と相談することも可能です。

日頃から手洗いやうがい、十分な休養、バランスの取れた食事などを心がけ、免疫力を高めることで、扁桃炎の予防にもつながります。扁桃炎について正しく理解し、適切に対処することで、つらい症状を乗り越え、健康な毎日を送りましょう。

免責事項:本記事は扁桃炎に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の症状や病状については必ず専門の医師にご相談ください。本記事の情報のみに基づいて自己判断で治療を行うことは避けてください。

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