喘息の発作は、突然の息苦しさや咳に襲われ、強い不安を感じるものです。
特に、いつ、どこで発作が起こるか分からないという恐れは、日常生活にも影響を与えます。
しかし、発作が起きた時に「すぐに」どうすれば良いかを知っていれば、落ち着いて対応することができます。
この記事では、喘息の発作が起きた際の応急処置、薬がない場合の対処法、そして日頃からできる予防策について、詳しく解説します。
いざという時のために、ぜひ知っておいてください。
喘息発作とは?知っておくべき基本
気管支喘息は、空気の通り道である気道が慢性的な炎症を起こし、様々な刺激に過敏になっている状態です。
この過敏になった気道が、アレルゲン(ダニ、ハウスダスト、花粉、ペットの毛など)、冷たい空気、タバコの煙、ストレス、運動などの刺激を受けると、急激に狭くなり、呼吸が困難になることがあります。
これが「喘息発作」です。
発作が起きると、主に以下のような症状が現れます。
- 呼吸困難: 息を吐き出すときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘鳴(ぜんめい)が聞こえたり、息を吸うのも困難になったりします。
- 激しい咳: 特に夜間や早朝にひどくなることがあります。
- 痰: 粘り気の強い痰が出ることがあります。
- 胸の圧迫感: 胸が締め付けられるような感覚を覚えることがあります。
喘息は一度発症すると完治が難しい病気ですが、適切な治療と管理によって、健康な人と変わらない日常生活を送ることが可能です。
しかし、発作が起きた場合は、気道の狭窄が急速に進行することもあり、放置すると重篤な状態になる危険性もあります。
そのため、発作時の迅速な対応が非常に重要となるのです。
喘息発作が起きたら!すぐにやるべき応急処置
喘息発作が起きた際に最も重要なのは、落ち着いて、あらかじめ決められた対処法を行うことです。
パニックになると、かえって呼吸が乱れ、症状が悪化する可能性があります。
まずは深呼吸を意識し、冷静に対応しましょう。
処方された薬(吸入薬など)がある場合
喘息と診断されている方は、発作時に使用する速効性のある薬(リリーバー)を医師から処方されているはずです。
発作が起きたら、まずはこの薬を指示通りに使用することが最優先です。
吸入薬の正しい使用方法
喘息の発作治療薬として最も一般的に使用されるのは、吸入ステロイド薬と短時間作用性β2刺激薬(SABA)です。
発作時に「すぐに」効果を発揮するのはSABAを含む吸入薬(リリーバー)です。
代表的なものに、サルブタモールやテルブタリンなどがあります。
これらの薬は、狭くなった気道を広げる作用があります。
吸入薬には、いくつかの種類があります。
ご自身が処方されている吸入薬の種類を確認し、医師や薬剤師から指導された正しい方法で使用することが非常に重要です。
-
定量噴霧式吸入器(pMDI): 一般的なスプレータイプ。
薬を噴霧するタイミングと息を吸い込むタイミングを合わせる必要があります。
タイミングが難しい場合は、スペーサー(補助器具)を使用することで、より確実に薬を肺に届けることができます。-
使い方(pMDIのみの場合):
- 吸入器をよく振る。
- 息をしっかり吐き出す。
- 吸入器の吸入口を口にくわえ、唇でしっかり閉じる。
- 吸入器のボタンを押すと同時に、ゆっくりと深く息を吸い込む。
- 吸入器を口から離し、数秒間(可能であれば10秒程度)息を止める。
- ゆっくりと息を吐き出す。
- 必要に応じて、医師の指示に従い、決められた間隔(通常は30秒〜1分程度)をあけて繰り返し吸入する。
-
使い方(pMDIのみの場合):
-
ドライパウダー式吸入器(DPI): 粉末状の薬を吸い込むタイプ。
吸い込む力が必要です。
種類によって吸入方法が異なります(カプセルをセットするもの、レバーを操作するものなど)。-
使い方(一般的なDPIの場合):
- 吸入器をセットする(カプセルを装填したり、レバーを操作したりする)。
- 吸入器を水平に持ち、息をしっかり吐き出す(吸入器に息を吹き込まない)。
- 吸入口を口にくわえ、唇でしっかり閉じる。
- 素早く、強く息を吸い込む。
- 吸入器を口から離し、数秒間(可能であれば10秒程度)息を止める。
- ゆっくりと息を吐き出す。
- カプセルタイプの場合は、薬が残っていないか確認する。
-
使い方(一般的なDPIの場合):
いずれのタイプも、使用後に口の中に薬が残らないよう、うがいをすることが推奨されています(特にステロイドを含む吸入薬の場合ですが、発作治療薬使用後も行う習慣をつけるのが良いでしょう)。
発作が起きたら、医師から指示された回数をすぐに吸入してください。
通常は1〜2吸入ですが、症状に応じて複数回行うように指示されている場合があります。
吸入後、数分で効果が現れることが多いです。
吸入しても症状が改善しない時の対応
指示された回数を吸入しても、症状が改善しない、または悪化する場合は、追加の吸入が必要となることがあります。
あらかじめ医師と相談し、最大何回まで、どのくらいの間隔で追加吸入して良いかを確認しておくことが重要です。
例えば、「5分おきに2吸入ずつ、最大3回まで」といった具体的な指示を受けているはずです。
その指示に従って追加吸入を行います。
しかし、追加吸入を繰り返しても症状が改善しない場合、あるいは以下のような状況が見られる場合は、直ちに医療機関に連絡するか、救急車を呼ぶなどの対応が必要です。
- 吸入しても全く効果がない、または症状がさらに悪化する
- 呼吸が非常に速い、または遅い
- 話しをするのが困難(一言二言しか話せない、息切れで話せない)
- 唇や爪が紫色になる(チアノーゼ)
- 顔色が悪い、冷や汗が出る
- 意識が朦朧としている、落ち着きがない、あるいはぐったりしている
- 肩やのどを大きく動かさないと息ができない(陥没呼吸、奇異呼吸)
これらのサインは、発作が重症化している可能性を示しています。
迷わずに救急対応を要請してください。
薬がない場合の応急処置・対処法
外出先などで、うっかり吸入薬を持ち忘れてしまった、あるいは急な発作で手元に薬がない、といった状況も起こり得ます。
このような場合でも、すぐにできる対処法をいくつか知っておくことで、少しでも息苦しさを和らげることができます。
ただし、これはあくまで一時的なしのぎであり、速やかに医療機関を受診するか、薬が手に入るように手配することが必要です。
息苦しさが楽になる体勢
呼吸が苦しい時は、楽な体勢をとることが重要です。
特に、上半身を起こし、少し前かがみになる体勢が推奨されます。
-
椅子に座っている場合: 椅子に座り、テーブルに肘をついて上半身を少し前かがみにします。
または、椅子の背もたれに寄りかからず、前に傾いて膝の上に手を置くような姿勢も楽になることがあります。 - 立っている場合: 壁にもたれたり、どこかに手をついて体を支え、上半身を少し前かがみにします。
これらの体勢は、呼吸を助ける筋肉(補助呼吸筋)が働きやすくなり、横隔膜の動きも妨げられにくくなるため、少しでも楽に呼吸ができる可能性があります。
横になるのは、かえって呼吸が苦しくなることが多いため避けましょう。
その場でできる呼吸を整える工夫
発作で息苦しい時は、つい呼吸が速く浅くなりがちです。
これも呼吸をさらに困難にする要因の一つです。
意識して呼吸を整えることで、少し落ち着きを取り戻し、呼吸筋の負担を減らすことができます。
-
口すぼめ呼吸: 鼻からゆっくりと息を吸い込み、口をすぼめて(ストローを通して息を吐くように)ゆっくりと長く(吸うときの倍くらいの時間をかけて)息を吐き出します。
吐き出すことに意識を集中することで、肺の中に溜まった空気を効率良く出すことができます。 -
ゆっくりと深呼吸: 可能であれば、ゆっくりと鼻から息を吸い込み、口からゆっくりと吐き出します。
腹式呼吸(息を吸うときにお腹を膨らませ、吐くときにお腹をへこませる)を意識できるとさらに良いですが、苦しい時は無理せず、自分が少しでも楽に感じるペースで呼吸をしましょう。
呼吸を整える際は、無理せず、「ゆっくり」「長く」息を吐き出すことを意識してください。
パニックにならず、落ち着いて行うことが重要です。
誰か一緒にいる人がいれば、背中をさすってもらうなど、安心できるサポートを受けることも有効です。
体を温めると良い場所(肺兪など)
民間療法や東洋医学的な観点では、体を温めることが気道を広げる手助けになる、あるいはリラックス効果で呼吸が楽になると考えられる場所があります。
これらは医学的な治療法に代わるものではありませんが、薬がない状況で試してみる価値はあるかもしれません。
-
肺兪(はいゆ): 背中側の、左右の肩甲骨の下端を結んだ線の高さで、背骨から指2本分外側に位置するツボです。
肺の機能に関わると考えられています。 -
天突(てんとつ): のど仏の下、胸骨のくぼみの中央にあるツボです。
咳や呼吸困難の緩和に良いとされています。 -
膻中(だんちゅう): 左右の乳首を結んだ線の中央、胸骨の上にあるツボです。
胸のつかえや息苦しさに良いとされています。
これらの場所を、カイロ(やけどに注意して服の上から当てる)、温かいタオルなどでじんわりと温めてみるのも一つの方法です。
また、温かい飲み物(ただし、刺激の少ないもの)をゆっくり飲むことも、体を内側から温め、リラックス効果をもたらす可能性があります。
重要な注意点: これらの対処法は、あくまで薬がない場合の「一時的な」しのぎです。
症状が改善しない場合は、ためらわずに医療機関を受診してください。
これらの方法だけで発作を完全に抑えることは期待できません。
喘息発作時に絶対に避けるべき行動
発作が起きた際に、良かれと思って行う行動が、かえって症状を悪化させてしまうことがあります。
次に挙げる行動は、発作時には絶対に避けてください。
-
慌てて走り回る、激しい運動をする: 運動は呼吸数を増やし、気道の負担を増大させます。
発作時は安静にし、体力の消耗を避けることが最優先です。 -
横になる: 前述の通り、仰向けに寝る体勢は気道を狭くし、呼吸筋の動きを妨げることがあります。
上半身を起こした楽な体勢をとりましょう。 -
冷たい空気を吸う: 冷たい空気は気道を刺激し、収縮を招くことがあります。
できるだけ温かい、湿度の高い空気を吸うように心がけましょう。
寒い場所であれば、マフラーやハンカチで口元を覆うなどの工夫も有効です。 -
タバコを吸う、副流煙を吸い込む: タバコの煙は気道を強く刺激し、発作を悪化させる最大の要因の一つです。
発作時はもちろん、日頃からタバコは完全に避けるべきです。 -
香水や芳香剤、強い洗剤などの化学物質を吸い込む: これらの刺激臭も気道を刺激することがあります。
発作時は換気を心がけ、刺激臭のある場所から離れましょう。 -
不必要な会話をしたり、笑ったりする: 大きな声を出したり、長く話したり、笑ったりすることも呼吸を乱し、負担をかけることがあります。
発作時はできるだけ静かに、呼吸を整えることに集中しましょう。 -
自己判断で処方されていない薬を飲む: 発作治療薬以外の薬(例えば、風邪薬や咳止めなど)が、かえって喘息の症状を悪化させることもあります。
必ず医師から処方された喘息の薬を使用し、自己判断での服用は避けてください。 -
飲食をする: 飲食によって誤嚥(ごえん)し、気道を刺激する可能性があります。
発作時は無理に飲食せず、呼吸が落ち着いてからにしましょう。
温かい飲み物は一部有効な場合もありますが、むせたりしないよう十分に注意が必要です。
これらの行動を避けることで、発作のさらなる悪化を防ぎ、落ち着いて対処するための基盤を作ることができます。
病院にすぐに受診するべき目安・サイン
喘息発作の症状が重い場合や、自宅での応急処置で改善しない場合は、ためらわずに医療機関を受診することが重要です。
特に以下のようなサインが見られる場合は、一刻も早い受診が必要です。
サイン(症状) | 緊急度 | 対応 |
---|---|---|
吸入薬を使っても効果がない | 高 | すぐに医療機関に連絡または救急車を呼ぶ |
呼吸が非常に苦しく、話せない | 最も高い | 直ちに救急車を呼ぶ |
横になれない、座っていないと息ができない | 高 | すぐに医療機関に連絡または救急車を呼ぶ |
唇や爪が紫色になっている(チアノーゼ) | 最も高い | 直ちに救急車を呼ぶ |
顔色が悪い、冷や汗が出ている | 高 | すぐに医療機関に連絡または救急車を呼ぶ |
意識が朦朧としている、ぐったりしている | 最も高い | 直ちに救急車を呼ぶ |
肩やのどを大きく動かして呼吸している | 高 | すぐに医療機関に連絡または救急車を呼ぶ |
呼吸数が異常に速い(子供の場合) | 高 | すぐに医療機関に連絡または救急車を呼ぶ |
呼吸が浅く速い、あるいは逆に遅く浅い | 高 | すぐに医療機関に連絡または救急車を呼ぶ |
心拍数が異常に速い | 高 | すぐに医療機関に連絡または救急車を呼ぶ |
発作が長引いている(数時間以上) | 高 | すぐに医療機関に連絡または救急車を呼ぶ |
上記のサインが見られる場合は、重症発作の可能性が高く、迅速な医療介入が必要です。
「このくらいなら大丈夫だろう」と自己判断せず、迷ったらすぐに医療機関に連絡するか、救急車を要請してください。
特に、お子さんや高齢者の場合は、症状の進行が早いこともあるため、注意が必要です。
かかりつけの医師にあらかじめ、発作時の対応について具体的な指示(どのくらいの症状で連絡するか、夜間や休日の連絡先など)を確認しておくと安心です。
また、地域の休日夜間診療所や救急外来の情報も控えておくと良いでしょう。
日頃からできる喘息の予防と改善
喘息の発作を「すぐに」抑えることも重要ですが、そもそも発作を起こさないように日頃から予防と体調管理を行うことが最も大切です。
継続的な治療と生活習慣の改善によって、気道の過敏性を抑え、発作が起きにくい状態を維持することができます。
喘息悪化の要因となる環境を整備する
喘息の発作は、様々な環境要因によって引き起こされたり悪化したりします。
主な要因を取り除く、あるいは避けるための環境整備を行いましょう。
-
ハウスダスト・ダニ対策:
- 寝具(布団、枕、毛布)や布製のソファは、ダニの温床になりやすいです。
防ダニ加工の寝具を使用したり、定期的に洗濯や乾燥機にかける、天日干しをするなどが有効です。 - 掃除機をこまめにかける(週に2回以上が目安)。
特に、ダニが多く潜むカーペットや畳は念入りに。
排気がクリーンなタイプの掃除機が望ましいです。 - 室内の湿度を適切に保つ(50%以下が目安)。
除湿機を使用したり、晴れた日には換気を行ったりします。
- 寝具(布団、枕、毛布)や布製のソファは、ダニの温床になりやすいです。
-
カビ対策:
- 湿気がこもりやすい場所(浴室、洗面所、台所、窓際など)の換気を徹底します。
- 結露が発生しやすい窓には、結露防止シートを貼るなどの対策を。
- エアコンのフィルターや内部のカビもアレルゲンとなります。
定期的な清掃が必要です。
-
ペット(犬、猫など)対策:
- ペットの毛やフケは強力なアレルゲンとなることがあります。
可能であればペットとの接触を避け、難しい場合は、寝室には入れない、こまめにブラッシングをする、空気清浄機を使用するなどの対策が必要です。
アレルギー検査で原因となっているか確認することも重要です。
- ペットの毛やフケは強力なアレルゲンとなることがあります。
-
タバコの煙(受動喫煙含む)対策:
- 喫煙している場合は、完全に禁煙することが最も重要です。
ご家族や周囲の方にも禁煙をお願いするか、分煙を徹底してもらいましょう。
受動喫煙も喘息を悪化させます。
- 喫煙している場合は、完全に禁煙することが最も重要です。
-
化学物質・刺激臭対策:
- 芳香剤、香水、殺虫剤、強力な洗剤、ペンキやシンナーの臭いなども気道を刺激することがあります。
できるだけ使用を控えたり、使用時には十分に換気を行ったりしましょう。
- 芳香剤、香水、殺虫剤、強力な洗剤、ペンキやシンナーの臭いなども気道を刺激することがあります。
-
花粉対策:
- 花粉症を合併している喘息患者さんは、花粉の飛散時期に症状が悪化しやすいです。
花粉情報をチェックし、飛散量の多い時期には外出を控える、マスクやメガネを着用する、帰宅時には服をよく払う、うがい・手洗いをするなどの対策が必要です。
- 花粉症を合併している喘息患者さんは、花粉の飛散時期に症状が悪化しやすいです。
これらの環境要因をコントロールすることで、気道の炎症を抑え、発作が起きにくい状態を維持することができます。
発作を抑えるための体調管理
体の状態を良好に保つことも、喘息の発作予防に繋がります。
-
風邪やインフルエンザの予防: 呼吸器感染症は喘息を悪化させる大きな要因です。
手洗い、うがい、人混みを避けるなどの基本的な予防策を徹底しましょう。
インフルエンザの予防接種や、肺炎球菌ワクチンの接種も推奨されます。 -
適度な運動: 体力をつけることは喘息の管理にも有効ですが、運動によって発作が誘発される「運動誘発喘息」もあります。
ご自身の体調や喘息の状態に合った運動強度を医師と相談し、準備運動や整理運動をしっかりと行うことが重要です。
運動前に予防的に吸入薬を使用することもあります。 -
ストレス管理: ストレスは喘息の症状を悪化させることがあります。
趣味やリラクゼーションなど、自分に合った方法でストレスを解消する時間を作りましょう。 -
睡眠の質向上: 規則正しい生活と十分な睡眠は、体の免疫力を保ち、体調を整える上で重要です。
寝室の環境(温度、湿度、空気の質)も快適に保ちましょう。 - 規則正しい生活: 毎日決まった時間に寝起きし、バランスの取れた食事を心がけるなど、生活リズムを整えることも大切です。
-
適切な吸入薬の継続使用: 喘息の治療の基本は、毎日定時的に使用する吸入ステロイド薬などの長期管理薬(コントローラー)です。
症状が落ち着いている時でも、自己判断で中断せず、医師の指示通りに継続して使用することが、気道の炎症を抑え、発作を予防するために最も重要です。
喘息の方が気をつけたい飲み物
特定の飲み物が喘息の症状に影響を与えることがあります。
- 冷たい飲み物: 冷たい刺激が気道を収縮させる可能性があるため、特に発作を起こしやすい方は、冷たい飲み物よりも常温や温かい飲み物を選ぶ方が良い場合があります。
-
アルコール: アルコールを摂取すると、一部の人で喘息が悪化することがあります。
また、アルコールに含まれる添加物(亜硫酸塩など)が原因となることもあります。 -
特定の添加物を含む飲み物: 一部の清涼飲料水などに含まれる亜硫酸塩(酸化防止剤)や安息香酸ナトリウム(保存料)が、喘息発作を誘発する可能性があると言われています。
これらに敏感な方は、成分表示を確認し、摂取を控えるようにしましょう。
基本的にはバランスの取れた水分補給が重要ですが、ご自身の経験から特定の飲み物で症状が悪化する場合は、注意が必要です。
まとめ:喘息発作に備え、すぐに対応できるように準備しよう
喘息発作は突然起こり、強い不安や苦痛を伴います。
しかし、発作が起きた時に「すぐに」何をすべきかを知っておくことで、落ち着いて適切に対応し、重症化を防ぐことができます。
発作が起きたら、まずは冷静になること。
そして、処方された吸入薬(リリーバー)を指示通りに使用することが最優先です。
吸入薬がない場合でも、楽な体勢をとったり、呼吸を整える工夫をしたりすることで、一時的な症状を和らげられる可能性があります。
ただし、これはあくまで応急処置であり、薬が手に入るように手配するか、医療機関を受診する必要があります。
特に、吸入薬の効果がない場合や、呼吸困難がひどい、顔色が悪い、意識がはっきりしないなどのサインが見られる場合は、迷わずすぐに医療機関に連絡するか、救急車を呼んでください。
そして最も大切なのは、発作を起こさないように日頃から予防と体調管理を継続することです。
アレルゲン対策を含む環境整備を行い、風邪予防や規則正しい生活を心がけ、そして何よりも医師の指示通りに長期管理薬(コントローラー)を継続して使用することが、喘息を安定させ、発作のリスクを減らすことに繋がります。
いざという時に備え、発作時の対処法、緊急連絡先、かかりつけ医の情報などをまとめた「喘息日誌」や「アクションプラン」を作成しておくと、より安心です。
これらの情報を家族や周囲の人と共有しておくことも重要です。
喘息と上手に付き合っていくためには、正しい知識を持ち、日頃からの適切な管理と、発作時の迅速な対応が不可欠です。
この記事が、皆様の喘息管理の一助となれば幸いです。
免責事項: この記事の情報は、一般的な医学知識に基づいていますが、個々の病状や体質によって適切な治療法や対処法は異なります。
必ず医師の診断を受け、医師の指示に従ってください。
この記事の情報によって生じたいかなる結果についても、一切の責任を負いかねます。