ズキズキする頭痛の原因と治し方|タイプ別対処法・セルフケア

頭がズキズキする痛みに突然襲われたり、繰り返し悩まされたりしていませんか?そのズキズキする痛みは、多くの場合「片頭痛」と呼ばれるタイプの頭痛かもしれません。片頭痛は非常に一般的ですが、そのつらい症状は日常生活に大きな影響を与えることがあります。しかし、適切な知識があれば、痛みを和らげたり、痛みの頻度を減らしたりすることが可能です。

この記事では、頭がズキズキする頭痛の主な原因である片頭痛に焦点を当て、なぜズキズキするのかといった特徴から、今すぐできる即効性のある対処法、さらには痛みを繰り返さないための予防策までを詳しく解説します。つらい頭痛から解放され、快適な毎日を送るためのヒントを見つけてください。

目次

頭がズキズキする頭痛の原因とは?多くは「片頭痛」

「頭がズキズキする」「脈打つように痛む」と感じる頭痛は、多くの場合「片頭痛(へんずつう)」に該当します。片頭痛は、日本人の約8.4%、実に1000万人以上が悩んでいると言われるほど身近な病気です。命にかかわる病気ではないものの、日常生活や仕事に支障をきたす、つらい症状が特徴です。

片頭痛の原因は、まだ完全には解明されていませんが、脳の血管や神経の働きが一時的に過敏になることで起こると考えられています。特に、脳の血管が拡張し、その周りの神経(三叉神経)が刺激されることによって痛みが引き起こされるという説が有力です。この血管の拡張と拍動に合わせて、ズキンズキンという脈打つような痛みが生まれると考えられています。

脳内の神経伝達物質であるセロトニンも片頭痛に関与していると考えられています。セロトニンの量が変動することで脳血管が収縮・拡張し、痛みを引き起こすというメカニズムです。

片頭痛は体質的な要因が大きいと考えられており、遺伝的な傾向も指摘されています。また、疲労、ストレス、特定の食べ物、天気や気圧の変化、女性の場合はホルモンバランスの変化(月経周期など)など、様々な要因が引き金(トリガー)となって片頭痛発作を誘発することが知られています。

頭痛には片頭痛の他にも、肩や首の筋肉の緊張によって起こる「緊張型頭痛」や、目の奥がえぐられるように痛む「群発頭痛」など、いくつかの種類があります。ズキズキとした拍動性の痛みが特徴であることから、まずは片頭痛の可能性を考えるのが一般的です。しかし、中には脳の病気など、すぐに治療が必要な危険な頭痛が隠れている場合もありますので注意が必要です。(「こんな頭痛は要注意!病院へ行く目安」の項目で詳しく解説します)

頭がズキズキンするのはなぜ?片頭痛の特徴

片頭痛の最大の特徴は、「ズキンズキン」「ガンガン」といった脈打つような、拍動性の痛みです。この痛みは、心臓の拍動に合わせてズキン、ズキンと感じられることが多いです。先述の通り、これは脳の血管が拡張し、血管周囲を通る神経を刺激するために起こると考えられています。

片頭痛の痛みは、頭の片側だけに現れることが多いですが、両側に生じることもあります。痛みの程度は中等度から重度で、寝込んでしまうほどひどい場合もあります。体を動かしたり、階段を上り下りしたりすると痛みが悪化するのも特徴の一つです。

痛み以外にも、片頭痛発作時には様々な随伴症状が現れることがあります。代表的なものとして、吐き気や嘔吐が挙げられます。痛みがひどくなると気分が悪くなり、実際に吐いてしまう方も少なくありません。また、光や音に対して過敏になる「光過敏(ひかりかびん)」や「音過敏(おとかびん)」もよく見られる症状です。発作中は、明るい場所や騒がしい場所にいるのがつらくなり、暗く静かな場所で横になりたくなることが多いです。

片頭痛発作は、一般的に数時間から3日間(72時間)持続すると言われています。発作の頻度は人によって大きく異なり、月に数回起こる人もいれば、年に数回程度の人もいます。痛みの前兆として、目の前がチカチカする閃輝暗点(せんきあんてん)や、手足のしびれなどが現れる方もいます(前兆のある片頭痛)。前兆は痛みが始まる数分から1時間前に現れ、通常は痛みが始まる頃には消えます。ただし、すべての人に前兆が現れるわけではありません。

このように、片頭痛は単なる頭痛ではなく、拍動性の痛みに加えて様々な随伴症状を伴う、脳の機能的な病気と言えます。ご自身の頭痛がこれらの特徴に当てはまるか確認してみましょう。

頭がズキズキする時の対処法【即効性あり】

片頭痛発作が起きてしまったら、できるだけ早く痛みを和らげたいものです。ここでは、ズキズキする頭痛に即効性が期待できる対処法をご紹介します。

安静にして光や音の刺激を避ける

片頭痛発作中は、光や音、においなどの外部からの刺激に非常に敏感になります。これらの刺激は痛みを悪化させる要因となるため、できるだけ避け、安静にすることが大切です。

  • 暗く静かな場所へ移動する: 自宅なら、カーテンを閉めた部屋や寝室などが適しています。職場であれば、休憩室などで横になれる場所を探しましょう。
  • 横になって休む: 横になることで、頭への血流の負担を軽減できる場合があります。
  • 目を休める: スマートフォンやパソコンの画面を見るのは避け、目を閉じましょう。

こうした環境調整を行うだけでも、痛みが和らぐことがあります。可能であれば、仮眠をとることも効果的です。

こめかみなど痛む場所を冷やす

ズキズキと脈打つ痛みの原因が血管の拡張にあると考えられているため、痛む場所を冷やすことで血管を収縮させ、痛みを軽減できる可能性があります。

  • 冷却シートやアイスパックを使う: 冷却シートを貼ったり、布などで包んだアイスパックを、こめかみや額、首筋など痛む場所に当ててみましょう。冷やしすぎると逆効果になることもあるため、気持ち良いと感じる程度に留めます。
  • 冷たいタオルを使う: 冷たい水で濡らして絞ったタオルを当てるのも良いでしょう。

カフェインを含む飲み物で痛みを和らげる

コーヒーや紅茶に含まれるカフェインには、血管を収縮させる作用があります。この血管収縮作用が、拡張した脳血管に作用して片頭痛の痛みを和らげる効果が期待できます。

  • 少量のコーヒーや紅茶を飲む: 頭痛が始まった初期段階で、コーヒーや紅茶を少量(マグカップ1杯程度)飲んでみると効果がある場合があります。
  • ただし飲みすぎには注意: カフェインを過剰に摂取すると、逆に頭痛を引き起こしたり、カフェイン依存による頭痛(カフェイン離脱性頭痛)の原因になったりすることもあります。また、普段からカフェインをよく飲む人が急にやめると頭痛が起きることもあります。あくまで一時的な対処法として、適量に留めることが重要です。

頭痛薬(市販薬)の選び方と服用タイミング

片頭痛発作が起きたときに痛みを和らげるために、頭痛薬(鎮痛剤)を使用することも有効です。市販薬でも片頭痛に効果が期待できるものがあります。重要なのは、自分の症状に合った薬を選び、適切なタイミングで服用することです。

市販薬の主な成分と特徴

成分名 特徴 片頭痛への効果 注意点
アセトアミノフェン 比較的穏やかな効き目で、胃への負担が少ない。眠くなりにくい。 効き目が弱いと感じる人もいる。他の解熱鎮痛薬との併用に注意。肝臓に負担をかける可能性があるため、用法・用量を守る。
イブプロフェン NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の一種。炎症を抑える作用もある。痛みに比較的よく効く。 胃腸障害の副作用が出やすい場合がある。空腹時の服用は避けるのが望ましい。腎臓への負担に注意。
ロキソプロフェン NSAIDsの一種。鎮痛作用が比較的強い。プロドラッグ製剤のため胃への負担が比較的少ない。 胃腸障害の副作用が出やすい場合がある(イブプロフェンよりは少ないとされる)。腎臓への負担に注意。
アスピリン NSAIDsの一種。血小板凝集抑制作用もある。 胃腸障害の副作用が出やすい。子供(特にインフルエンザや水痘時)への使用はライ症候群のリスクがあるため避ける。
イソプロピルアンチピリン
アリルイソプロピルアセチル尿素
無水カフェイン (混合薬)
複数の成分を組み合わせることで、より強い効果を目指したもの。 眠気を催すことがある(アリルイソプロピルアセチル尿素)。カフェインの過剰摂取に注意。依存性のある成分が含まれている場合があるため、連用は避ける。

NSAIDsは、片頭痛の発作時に脳の血管周囲で起こる炎症を抑える作用もあると考えられています。

服用タイミング

市販の頭痛薬は、痛みが軽いうち、つまり頭痛が始まったばかりの「予兆期」や「初期段階」で飲むのが最も効果的です。痛みがひどくなってから飲むと、薬が効きにくくなることがあります。痛みの感覚や前兆などを把握し、早めに服用することを心がけましょう。

服用上の注意点

  • 用法・用量を守る: 添付文書に記載されている用法・用量を必ず守ってください。効果がないからといって勝手に増やしたり、続けて飲んだりするのは危険です。
  • 連用を避ける: 頻繁に頭痛薬を服用しすぎると、「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」を引き起こす可能性があります。月に10日以上頭痛薬を服用している場合は注意が必要です。
  • 薬剤師に相談する: どの薬を選べば良いかわからない場合や、持病がある方、他の薬を服用している方は、必ず薬剤師や登録販売者に相談してから購入・使用してください。

これらの対処法を試しても痛みが改善しない場合や、痛みが非常に強い場合は、医療機関を受診することを検討しましょう。

頭痛を和らげるセルフケアとツボ

薬に頼るだけでなく、日頃からできるセルフケアや、体の特定の場所を刺激することで頭痛を和らげる方法もあります。片頭痛発作の緩和や、緊張型頭痛との合併がある場合のケアに有効です。

頭痛に効く代表的なツボ(百会、合谷、太陽など)

東洋医学における「ツボ(経穴)」を刺激することで、血行を促進したり、筋肉の緊張を和らげたりする効果が期待できます。頭痛に効果があると言われる代表的なツボを紹介します。

  • 百会(ひゃくえい): 頭のてっぺんにあるツボです。左右の耳の一番高いところを結んだ線と、眉間の中央からまっすぐ上がった線が交わるところにあります。親指や中指の腹で、頭の中心に向かってゆっくりと垂直に押したり、円を描くように揉んだりします。リラックス効果も期待できます。
  • 合谷(ごうこく): 手の甲側にあるツボです。親指と人差し指の骨が合流するところから、人差し指側に少し窪んだところにあります。反対側の親指と人差し指で挟むようにして、少し強めに押します。様々な症状に効くとされる万能のツボです。
  • 太陽(たいよう):こめかみにあるツボです。眉尻と目尻のちょうど真ん中あたりから、指一本分外側にあります。人差し指や中指の腹で、心地よいと感じる強さで優しく押したり、円を描くように揉んだりします。片頭痛で痛むことが多い場所です。
  • 天柱(てんちゅう):首の後ろ、髪の生え際にあるツボです。太い首の筋肉(僧帽筋)の外側、くぼんでいるところにあります。両手の親指で、頭を支えるようにしながら下から上に押上げます。首や肩の血行不良にも効果が期待できます。
  • 風池(ふうち):天柱の外側、耳の後ろにある骨(乳様突起)の下と、天柱の間のくぼみにあるツボです。こちらも首の後ろの、髪の生え際にあります。両手の親指で、頭の中心に向かって押上げます。首や肩のこり、目の疲れにも良いとされます。

これらのツボを刺激する際は、痛みを感じるほど強く押す必要はありません。気持ち良いと感じる程度の力で、ゆっくりと数回押したり揉んだりしましょう。ただし、片頭痛の痛みが強い急性期にツボ押しやマッサージを行うと、かえって痛みが悪化する場合もあります。無理に行わず、ご自身の体調に合わせて行うことが大切です。特に痛みが強い時は、安静を優先しましょう。

首や肩のストレッチ・マッサージ

首や肩の筋肉の緊張は、片頭痛発作の引き金になったり、緊張型頭痛と合併したりすることがあります。日頃から首や肩周りをストレッチしたり、優しくマッサージしたりすることで、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげることができます。

  • 首のストレッチ:
    • 頭をゆっくりと前、後ろ、左右に倒す。
    • 首をゆっくりと左右に回す。
    • 片手を頭の上に乗せ、反対側に軽く引っ張り、首筋を伸ばす。
    • 肩甲骨を意識して、肩をゆっくりと大きく回す。
  • 肩のマッサージ:
    • 肩や首の後ろの凝っている部分を、指の腹で優しく揉む。
    • テニスボールなどを背中の床に置いて、体重をかけてコロコロと転がし、筋肉の緊張をほぐす。

デスクワークなどで同じ姿勢を長時間続けている方は、こまめに休憩を取り、軽いストレッチを行うだけでも効果があります。入浴中に湯船に浸かりながら行うと、体が温まってより筋肉がほぐれやすくなります。

ただし、片頭痛の痛みが激しい時には、これらのセルフケアは逆効果になることがあります。痛みが増す場合はすぐに中止し、安静を心がけましょう。セルフケアは、痛みのないときや痛みが比較的軽いときに行うことで、予防効果や痛みの緩和が期待できます。

ズキズキする頭痛の予防策

片頭痛のつらい発作をできるだけ起こさないようにするためには、日頃からの予防策が非常に重要です。生活習慣の見直しや、自身の頭痛の誘発因子(トリガー)を知ることが、予防の鍵となります。

日常生活の見直し(睡眠、食事、水分補給)

規則正しい生活は、片頭痛の予防に大きく役立ちます。特に以下の点に注意しましょう。

  • 規則正しい睡眠: 寝すぎも寝不足も片頭痛のトリガーになることがあります。毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きるように心がけましょう。休日に寝だめする習慣がある人は、少しずつ改善することをおすすめします。
  • バランスの取れた食事: 決まった時間に食事を摂り、血糖値の急激な変動を避けることが大切です。特に、食事を抜くと低血糖になり、片頭痛を誘発することがあります。3食規則正しく食べるようにしましょう。
  • 十分な水分補給: 脱水も片頭痛のトリガーの一つです。こまめに水分を摂取し、体を冷やさないように注意しながら、適度な水分量を保ちましょう。
  • 適度な運動: ウォーキングや軽いジョギングなど、適度な有酸素運動は片頭痛の予防に効果があると言われています。ただし、激しい運動はかえって頭痛を誘発することがあるため、無理のない範囲で行いましょう。

疲労やストレスを軽減する方法

心身の疲労やストレスは、片頭痛の大きなトリガーとなります。ストレスを完全にゼロにすることは難しいですが、上手に管理し、軽減する方法を見つけることが大切です。

  • リラクゼーション: 好きな音楽を聴く、アロマセラピーを取り入れる、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる、瞑想や深呼吸を行うなど、自分に合ったリラックス方法を見つけましょう。
  • 趣味や楽しい時間を持つ: 仕事や日常生活から離れて、趣味に没頭したり、友人や家族と楽しい時間を過ごしたりすることで、気分転換を図り、ストレスを軽減できます。
  • 休息をしっかり取る: 疲労を感じたら無理せず休憩を取り、十分な休息を確保しましょう。
  • ストレスの原因に対処する: 可能であれば、ストレスの原因となっている問題そのものに対処するための方法を考え、実行に移してみましょう。

ズキズキ頭痛の誘発因子(triggers)を知る

片頭痛は、特定の状況や飲食物によって誘発されることが多いです。ご自身の頭痛がどのような状況で起こりやすいかを知ることは、予防のために非常に役立ちます。頭痛が起きた日時、持続時間、痛みの程度、どのような状況だったか(食事、睡眠、天気、活動内容など)を記録する「頭痛ダイアリー」をつけるのがおすすめです。

片頭痛の代表的な誘発因子には以下のようなものがあります。

  • 飲食物:
    • チーズ、チョコレート
    • アルコール(特に赤ワイン)
    • カフェイン(摂りすぎ、または摂取の中止)
    • 人工甘味料、食品添加物(亜硝酸塩など)
  • 環境因子:
    • 天気や気圧の変化(低気圧、台風など)
    • 強い光や点滅する光
    • 大きな音や特定のにおい
    • 温度の変化(暑すぎる場所、寒すぎる場所)
  • 生理的因子:
    • 疲労、寝不足、寝すぎ
    • 空腹、食事を抜くことによる低血糖
    • 女性ホルモンの変動(月経、排卵、妊娠、閉経など)
    • ストレスとその後の解放(週末頭痛など)
  • その他:
    • 首や肩のこり
    • 特定の薬(経口避妊薬など)
    • 視覚的な刺激(パソコン作業、読書など)

頭痛ダイアリーをつけることで、ご自身の片頭痛のトリガーを特定しやすくなります。トリガーが分かれば、それをできるだけ避けるように生活を工夫することで、発作の頻度を減らすことができる可能性があります。ただし、特定の食品を極端に避けることなど、過度な制限は栄養バランスを崩す原因にもなりかねませんので、無理のない範囲で行いましょう。

また、予防薬として、片頭痛の発作頻度を減らすための薬もあります。これらの薬は医師の処方が必要です。頻繁に片頭痛が起こり、日常生活に支障が大きい場合は、医療機関で相談し、予防薬の使用を検討するのも有効な予防策です。

こんな頭痛は要注意!病院へ行く目安

ズキズキする頭痛の多くは片頭痛である可能性が高いですが、中には命に関わる病気の前兆である「二次性頭痛」の可能性も否定できません。以下のような症状を伴う頭痛の場合は、すぐに医療機関を受診し、専門医の診察を受ける必要があります。

  • 突然発症した、これまでに経験したことのないような激しい頭痛: 「バットで殴られたような」と表現されることもあります。くも膜下出血などの緊急性の高い病気の可能性があります。
  • 痛みが時間とともに悪化していく頭痛: 特に、数日~数週間の間に徐々に痛みが強くなる場合は注意が必要です。脳腫瘍などの可能性が考えられます。
  • 発熱、項部硬直(首の後ろが硬くなり、前に曲げにくくなる)を伴う頭痛: 髄膜炎などの感染症の可能性があります。
  • 手足の麻痺やしびれ、ろれつが回らない、ものが二重に見える、視野が欠けるなどの神経症状を伴う頭痛: 脳卒中(脳梗塞、脳出血)や一過性脳虚血発作などの可能性があります。
  • 頭を打った後に起こる頭痛: 頭部外傷後の硬膜下血腫などの可能性があります。
  • いつもと痛みのパターンが違う、頻度や程度が変わってきた頭痛: これまで経験したことのない種類の頭痛や、慢性的な頭痛でも急に様子が変わった場合は、一度医療機関で相談しましょう。
  • 50歳を過ぎて初めて経験する頭痛: 加齢に伴って起こりやすい病気(側頭動脈炎など)の可能性も考慮する必要があります。
  • がんの既往がある方の頭痛: 脳転移の可能性も考えられます。
  • 発熱や倦怠感を伴う頭痛で、インフルエンザなどの感染症の症状がない場合: 膠原病などの全身性の病気の可能性も考えられます。

これらの危険なサインが見られた場合は、迷わず救急車を呼ぶか、すぐに脳神経外科や神経内科などの専門医を受診してください。早期に適切な診断と治療を受けることが、予後を大きく左右します。

また、危険なサインが見られない場合でも、

  • 頭痛の頻度が多く、日常生活に支障が出ている
  • 市販薬では痛みが十分にコントロールできない
  • どのようなタイプの頭痛か知りたい

といった場合も、医療機関を受診することをおすすめします。頭痛専門医に相談することで、適切な診断を受け、個々の症状や生活習慣に合わせたより効果的な治療法や予防策についてアドバイスをもらうことができます。片頭痛は我慢するものではなく、適切にコントロールできる病気です。

まとめ:頭がズキズキする頭痛は原因を知って適切に対処しよう

頭がズキズキ、ガンガンと脈打つような痛みは、多くの場合、片頭痛の典型的な症状です。片頭痛は脳の血管や神経の働きが一時的に過敏になることで起こると考えられており、痛み以外にも吐き気や光・音過敏などを伴うことがあります。

片頭痛の発作が起きてしまった時は、暗く静かな場所で安静にする、痛む場所を冷やす、少量のカフェインを摂取するなどの対処法が即効性につながる可能性があります。また、市販の頭痛薬も有効ですが、痛みの初期段階で服用すること、そして用法・用量を守ることが非常に重要です。連用は薬物乱用頭痛のリスクを高めるため避けるべきです。

痛みを繰り返さないためには、規則正しい生活(睡眠、食事、水分補給)を心がけ、疲労やストレスを上手に管理することが大切です。また、ご自身の片頭痛を誘発する特定の要因(トリガー)を頭痛ダイアリーなどで把握し、可能な範囲で避けるように工夫することで、発作の頻度を減らすことが期待できます。ツボ押しや首・肩のストレッチなどのセルフケアも、痛みのないときに行うことで予防や緩和に役立ちます。

ただし、突然の激しい頭痛、麻痺やしびれなどの神経症状を伴う頭痛、発熱や項部硬直を伴う頭痛など、いつもと違う、または重篤な病気が疑われる頭痛の場合は、迷わずすぐに医療機関を受診してください。

ズキズキする頭痛の原因が片頭痛であれば、適切な診断と治療、そしてご自身の生活習慣の改善によって、痛みをコントロールし、より快適な生活を送ることが可能です。一人で悩まず、必要であれば専門医に相談しながら、ご自身に合った対処法や予防策を見つけていきましょう。

免責事項: 本記事は一般的な情報提供を目的としており、医師の診断や治療に代わるものではありません。頭痛でお悩みの方は、必ず医療機関を受診し、専門医の指示に従ってください。市販薬の使用に関しても、薬剤師や登録販売者に相談し、添付文書をよく読んでから使用してください。

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