翌朝の喉イガイガ解消!寝ている間の喉乾燥の原因と対策

寝ている間のつらい喉の乾燥。朝起きたときに喉がヒリヒリしたり、カラカラになっていたりすると、一日の始まりが憂鬱になりますよね。なぜ寝ている間に喉が乾燥するのか、その原因を知り、適切な対策を行うことで、快適な睡眠と健康な喉を取り戻すことができます。

この記事では、寝ている喉乾燥の主な原因から、今日から簡単に始められる具体的な対策、さらに病気の可能性まで、詳しく解説していきます。長年悩んでいる方も、最近気になり始めた方も、ぜひ参考にしてみてください。

主な原因は口呼吸

寝ている喉乾燥の最も一般的な原因の一つが「口呼吸」です。本来、人間は鼻で呼吸をするように体ができています。鼻には空気中のホコリや雑菌を取り除くフィルター機能や、吸い込む空気に湿度と温度を与える加湿・加温機能が備わっています。

しかし、睡眠中に無意識に口で呼吸をしてしまうと、これらの鼻の機能が Bypass されます。乾燥した空気が直接喉の粘膜に触れるため、喉の水分が奪われ、乾燥が進んでしまうのです。

では、なぜ睡眠中に口呼吸になってしまうのでしょうか?主な理由としては以下が考えられます。

  • 習慣: 子供の頃からの癖や、日常的に口が開きやすい状態にある。
  • 鼻呼吸の困難: 鼻炎、アレルギー、副鼻腔炎、鼻中隔湾曲症などにより鼻の通りが悪く、自然と口で呼吸するようになる。
  • 顎の構造: 出っ歯や受け口など、顎の骨格構造によって口が閉じにくい。
  • 疲労: 疲れていると、口元の筋肉が緩みやすくなる。
  • いびきや睡眠時無呼吸症候群: これらは口呼吸を伴うことが多く、喉の乾燥を引き起こしやすい。

口呼吸は喉の乾燥だけでなく、睡眠の質の低下や虫歯・歯周病のリスク上昇など、さまざまな健康問題につながる可能性があります。

寝室の空気の乾燥(湿度不足)

特に冬場やエアコン・暖房器具を多用する時期に顕著ですが、寝室の空気が乾燥していることも、寝ている喉乾燥の大きな原因です。室内の湿度が低いと、空気中の水分量が少ないため、体から水分が蒸発しやすくなります。睡眠中は長時間同じ空間で過ごすため、乾燥した空気が喉の粘膜から水分を奪い続け、乾燥を招いてしまうのです。

暖房器具の中でも、特にエアコンや電気ストーブは空気を乾燥させやすい傾向があります。加湿を行わずに暖房を使うと、あっという間に湿度が低下してしまいます。理想的な寝室の湿度は一般的に40~60%とされています。この範囲を下回ると、喉だけでなく肌や鼻腔も乾燥しやすくなります。

また、家の構造や換気システム、窓の断熱性能なども室内の湿度に影響します。密閉性の高い家や、換気が不十分な場合も空気が滞留し、乾燥が進むことがあります。

睡眠中の唾液分泌の減少

唾液は、口の中や喉の粘膜を潤し、細菌やウイルスの侵入を防ぐ重要な役割を担っています。しかし、睡眠中は覚醒時と比較して、唾液の分泌量が生理的に減少します。これは体の休息モードへの移行に伴う自然な変化です。

通常、この睡眠中の唾液分泌量の減少は問題になりませんが、他の原因(口呼吸や空気の乾燥など)と組み合わさると、喉の乾燥を感じやすくなります。

さらに、加齢に伴い唾液腺の機能が低下し、唾液全体の分泌量が減少する傾向があります。また、特定の疾患(シェーグレン症候群など)や、服用している薬の副作用として唾液分泌が抑制される場合もあります。こうした要因がある場合、睡眠中の生理的な唾液減少がより顕著になり、喉の乾燥を感じやすくなる可能性があります。

鼻づまりやアレルギー

先述の通り、鼻呼吸は喉の乾燥を防ぐ上で非常に重要です。しかし、鼻づまりがある状態では、意識していても鼻で十分な呼吸ができず、無意識のうちに口呼吸に頼らざるを得なくなります。

鼻づまりの原因は多岐にわたります。

  • 風邪や感染症: 鼻の粘膜が腫れて鼻腔が狭くなる。
  • アレルギー性鼻炎: 花粉、ハウスダスト、ペットの毛などが原因で鼻の粘膜が炎症を起こし、鼻水や鼻づまりを引き起こす。特に季節性の花粉症などは、寝ている間に症状が悪化することもあります。
  • 副鼻腔炎(蓄膿症): 副鼻腔に炎症が起こり、鼻水や鼻づまり、顔面の痛みなどを引き起こす。
  • 鼻ポリープ: 鼻腔や副鼻腔にできる良性の腫瘍で、大きくなると鼻の通りを妨げる。
  • 鼻中隔湾曲症: 鼻腔を左右に分ける鼻中隔が曲がっている状態で、片方または両方の鼻の通りが悪くなる。多くの人が多少の湾曲はありますが、程度が強い場合は呼吸に影響します。

これらの鼻のトラブルがあると、日中だけでなく睡眠中も鼻呼吸が困難になり、結果として口呼吸による喉の乾燥を招きやすくなります。

その他考えられる原因(加齢など)

上記の主要な原因以外にも、寝ている喉乾燥には様々な要因が関わっている可能性があります。

  • 加齢: 加齢に伴い、唾液分泌量の減少に加え、口周りの筋肉が衰えて口が閉じにくくなったり、喉の粘膜の水分保持能力が低下したりすることがあります。
  • 喫煙: タバコの煙は喉や肺の粘膜を刺激し、炎症や乾燥を引き起こします。喫煙者は非喫煙者に比べて喉の乾燥を感じやすい傾向があります。
  • 飲酒: アルコールには利尿作用があるため、体の水分を奪い、脱水状態になりやすくなります。また、アルコールの影響で睡眠中のいびきや口呼吸が悪化することもあります。寝る前の飲酒は喉の乾燥を招きやすい習慣です。
  • 特定の疾患: 糖尿病(口渇感が強くなる)、シェーグレン症候群(自己免疫疾患で全身の乾燥症状が出る)、特定の神経疾患などが喉の乾燥の原因となることがあります。
  • 服用している薬: 抗ヒスタミン薬(アレルギー薬)、精神安定剤、降圧剤、利尿剤など、多くの種類の薬に唾液分泌を抑制する副作用があります。常用している薬がある場合は、医師や薬剤師に相談してみましょう。
  • 寝具や寝間着: 通気性の悪い寝具や、寝間着の素材によっては、体温調整がうまくいかず、口を開けて呼吸してしまうことがあります。

これらの要因が単独であるいは複合的に作用し、寝ている間の喉の乾燥を引き起こしていると考えられます。自分の生活習慣や体の状態を振り返り、心当たりのある原因がないかチェックしてみることが大切です。

目次

寝ている喉乾燥を放置するリスク

風邪や感染症にかかりやすくなる

喉の粘膜は、空気中のウイルスや細菌が体内に侵入するのを防ぐバリア機能を持っています。粘膜が適度に潤っていると、線毛(せんもう)と呼ばれる細かい毛が異物を絡め取り、体外へ排出する働きがスムーズに行われます。また、唾液にはリゾチームなどの抗菌物質が含まれており、病原体の増殖を抑える役割もあります。

しかし、喉が乾燥すると、このバリア機能が低下します。粘膜が傷つきやすくなり、線毛の動きが鈍くなることで、ウイルスや細菌が付着・侵入しやすくなります。また、唾液による防御機能も弱まるため、風邪やインフルエンザ、その他の感染症にかかりやすくなるリスクが高まります。特に空気が乾燥し、ウイルスが活発になる季節は、喉の乾燥予防が重要になります。

喉の痛みやイガイガ感

乾燥した喉の粘膜は非常にデリケートです。空気中の微細なホコリや刺激によって炎症を起こしやすくなります。その結果、朝起きたときに喉がヒリヒリする、チクチクする、イガイガするといった不快な痛みを伴うことがあります。ひどい場合は、食事や水分を摂る際にも痛みを感じることがあります。

また、声枯れ(嗄声)につながることもあります。声帯も乾燥の影響を受けるため、スムーズな振動が妨げられ、声がかすれたり、出にくくなったりすることがあります。

これらの症状が慢性化すると、日常生活の質を低下させるだけでなく、気分も沈みがちになります。

睡眠の質の低下

喉の乾燥による不快感は、睡眠中に無意識のうちに体を動かしたり、浅い眠りから覚醒させたりすることがあります。喉のイガイガやかゆみで目が覚める、水を飲みたくなって起きる、といった経験がある方もいるかもしれません。

こうした中途覚醒が増えると、睡眠の連続性が失われ、深い眠りの時間が減少します。結果として、睡眠時間は十分なのに熟睡感が得られない、朝起きても体がだるい、日中に眠気を感じるといった、睡眠の質の低下を招きます。

睡眠の質の低下は、集中力や判断力の低下、疲労感、免疫力の低下など、全身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。単なる喉の不快感として軽視せず、快適な睡眠のためにも対策を行うことが重要です。

寝ている喉乾燥の今日からできる対策

寝ている喉乾燥の原因が分かったところで、次に今日からすぐに実践できる具体的な対策を見ていきましょう。原因に応じていくつかの方法を組み合わせることが効果的です。

寝室の湿度を適切に保つ

乾燥対策の基本は、寝室の湿度を適切な範囲に保つことです。理想的な湿度は40~60%と言われています。

加湿器を使う

最も効果的で確実な方法の一つが加湿器の使用です。様々な種類の加湿器がありますが、寝室での使用には、安全性が高く、音が静かなものがおすすめです。

  • 超音波式: 比較的安価で消費電力が少ないですが、タンクの水が雑菌繁殖の原因になりやすいため、こまめな清掃が必要です。
  • 気化式: ファンで湿らせたフィルターに風を送る方式。安全で消費電力も少ないですが、加湿能力は他の方式に比べて控えめな場合があります。フィルターの手入れが必要です。
  • スチーム式: ヒーターで水を沸騰させて蒸気を出す方式。衛生的ですが、吹き出し口が熱くなるため取り扱いに注意が必要です。消費電力はやや高めです。

加湿器を設置する際は、部屋全体に湿気が行き渡るように、エアコンの風が当たる場所や部屋の中央付近が理想です。ただし、壁や家具から離して設置しないと、結露やカビの原因になることがあります。また、加湿器のタンクは毎日水を交換し、こまめに清掃して雑菌の繁殖を防ぐことが非常に重要です。不衛生な加湿器は、かえって健康を害する可能性があります。

部屋干しや濡れタオルを活用

加湿器がない場合や、補助的に湿度を上げたい場合に手軽にできるのが、部屋干しや濡れタオルを活用する方法です。

  • 洗濯物の部屋干し: 寝室に洗濯物を干すことで、洗濯物から水分が蒸発し、湿度を上げることができます。特に冬場は洗濯物も乾きにくいため、一石二鳥の対策です。ただし、部屋干し臭やカビの原因にならないよう、換気を組み合わせるなど工夫が必要です。
  • 濡れタオルを吊るす: 洗面器に水を入れてタオルを浸し、固く絞らずにハンガーなどにかけて寝室に吊るします。これも手軽に湿度を上げられる方法です。タオルの表面積が大きいほど効果があります。ただし、こまめにタオルを洗い、清潔に保つことが大切です。

これらの方法は加湿器ほどの効果は期待できませんが、何もしないよりは効果があります。乾燥がそれほどひどくない場合や、一時的な対策として有効です。

エアコンや暖房の設定を見直す

エアコンや電気ストーブなどの暖房器具は空気を乾燥させやすい性質があります。設定温度を必要以上に高くしない、長時間つけっぱなしにしない、といった工夫で乾燥をある程度抑えることができます。

  • 設定温度の目安: 快適な睡眠のための室温は18~22℃程度と言われています。設定温度が高すぎると、その分空気中の水分が減り、乾燥が進みやすくなります。少し肌寒く感じる場合は、重ね着をする、厚手の布団を使うなど、寝具で調整することも検討しましょう。
  • タイマー機能の活用: 就寝後しばらくして暖房が切れるようにタイマーを設定することで、乾燥しすぎる時間を減らせます。ただし、寒さで目が覚めてしまう場合は、睡眠の質を優先し、加湿器との併用を強くおすすめします。

マスクを着けて寝る

寝るときにマスクを着けることも、喉の乾燥対策として非常に効果的です。マスクをすることで、自分の息に含まれる水分がマスク内に留まり、吸い込む空気の湿度を高めることができます。これは特に口呼吸をしてしまう傾向がある方におすすめです。

  • 効果: マスク内の湿度が高まることで、乾燥した空気が直接喉に当たるのを防ぎ、喉の粘膜を保湿する効果が期待できます。
  • マスクの種類:
    • ガーゼマスク: 通気性が良く、肌触りが優しいのが特徴です。洗って繰り返し使えます。保湿効果は不織布マスクよりも高い傾向があります。
    • 不織布マスク: 使い捨てで衛生的です。通気性はガーゼマスクより劣りますが、ある程度の保湿効果はあります。
    • 就寝用マスク: 最近では、寝る時の乾燥対策に特化したマスクも販売されています。顔にフィットしやすい形状や、耳への負担が少ない素材が使われているものがあります。

ただし、マスクを着けて寝ると息苦しさを感じたり、耳が痛くなったりすることがあります。自分に合った素材やサイズのマスクを選び、快適に眠れるか試してみることが大切です。特に鼻づまりがひどい場合は、マスクを着けると息がしづらくなる可能性があるため注意が必要です。

寝る前と就寝中の水分補給

体の水分が不足すると、当然ながら口や喉の粘膜も乾燥しやすくなります。寝る前にコップ一杯の水分を摂る習慣をつけることで、寝ている間の体の水分不足をある程度防ぐことができます。

  • 寝る前の水分補給: 就寝30分前〜1時間前に、常温の水や白湯をコップ一杯(150~200ml程度)ゆっくりと飲むのがおすすめです。冷たい水は体を冷やす可能性があるため避けましょう。また、カフェインを含む飲み物(コーヒー、紅茶、緑茶など)やアルコールは利尿作用があり、かえって脱水を招く可能性があるため、寝る前に飲むのは控えた方が良いでしょう。
  • 枕元に飲み物を置く: 夜中に喉の乾燥を感じて目が覚めたときのために、枕元に飲み物(水やカフェインの入っていないお茶など)を用意しておくと安心です。すぐに水分補給ができることで、再び眠りにつきやすくなります。ただし、飲みすぎると夜間頻尿の原因になる可能性もあるため、量は控えめにしましょう。

水分補給は乾燥対策の基本であり、体全体の健康維持にも繋がります。

口呼吸を改善・鼻呼吸を意識する

口呼吸が主な原因の場合、口呼吸を鼻呼吸に変えることが根本的な解決策となります。これは意識的に行うトレーニングや、補助グッズの活用で改善が期待できます。

口呼吸防止テープやマウスピース

  • 口呼吸防止テープ: 寝る前に口に貼ることで、物理的に口が開くのを防ぎ、鼻呼吸を促すテープです。様々なメーカーから出ていますが、肌に優しく、剥がしやすいものを選びましょう。最初は慣れないかもしれませんが、続けることで鼻呼吸の習慣が身につくことがあります。ただし、鼻づまりがひどい場合は使用できません。
  • マウスピース: 歯科医院などで作成するマウスピースの中には、睡眠中の舌の位置を調整したり、下顎を前に固定したりすることで気道を確保し、いびきや口呼吸を軽減するものがあります。歯並びや顎の状態によって適応が異なるため、歯科医師に相談が必要です。

鼻呼吸を習慣づけるトレーニング

日中から意識的に鼻呼吸を心がけることも大切です。

  • 姿勢の意識: 猫背など姿勢が悪いと気道が圧迫され、口呼吸になりやすくなります。背筋を伸ばし、正しい姿勢を保つように意識しましょう。
  • 軽い運動: ウォーキングなどの軽い有酸素運動は、鼻の通りを良くする効果が期待できます。
  • 鼻うがい: 鼻腔内の洗浄は、鼻づまりの原因となるアレルゲンや分泌物を洗い流し、鼻の通りを良くするのに役立ちます。慣れるまでは少し抵抗があるかもしれませんが、正しく行えば効果的です。
  • 鼻呼吸エクササイズ: 片方の鼻を押さえて反対側の鼻で呼吸する練習など、鼻呼吸筋を鍛える簡単なエクササイズもあります。

これらの方法を継続することで、睡眠中だけでなく、日常的に鼻呼吸が習慣づき、喉の乾燥改善につながる可能性があります。

唾液の分泌を促す工夫

唾液分泌の減少が乾燥の原因の一つである場合、唾液腺を刺激して唾液の分泌を促すことも有効です。

唾液腺マッサージ

唾液腺は耳の下や顎の下、舌の下にあります。これらの部分を優しくマッサージすることで、唾液の分泌が促されます。

  • 耳下腺: 耳の前、上の奥歯のあたり。人差し指から小指までの4本の指で、頬全体を後ろから前へ円を描くように優しくマッサージします。
  • 顎下腺: 顎の骨の内側、柔らかい部分。親指を顎の骨の内側に当て、耳の下から顎の先まで優しく押しながらさすります。
  • 舌下腺: 顎の先端、舌の付け根の裏側。両手の親指を顎の真下に当てて、舌を突き出すようにしながら、下から上に優しく押し上げます。

これらのマッサージを、寝る前にそれぞれ10回程度ずつ行うのを習慣にしてみましょう。

枕元に飲み物を置く

これも水分補給と関連しますが、枕元に飲み物があることで、乾燥を感じたときにすぐに口を潤すことができます。口に水を含むだけでも、一時的に唾液の分泌を促す効果が期待できます。

また、日中から意識的に水分をこまめに摂ることも、体全体の水分量を保ち、唾液分泌をサポートすることにつながります。

鼻呼吸なのに寝ている喉が乾燥する場合

「自分は鼻呼吸をしているはずなのに、なぜか寝起きに喉が乾燥する」という場合、原因は一つではない可能性が高いです。

複合的な原因の可能性

鼻呼吸ができている自覚があっても喉が乾燥する場合、考えられるのは複数の原因が組み合わさっているケースです。

例えば、

  • 完璧な鼻呼吸ではない: 無意識のうちに時々口が開いている可能性がある。特に深い眠りに入った時や、疲れている時に口呼吸になってしまうことがあります。
  • 寝室の空気が非常に乾燥している: 鼻での加湿だけでは追いつかないほど、室内の湿度が低い場合。
  • 唾液分泌が少ない: 体質的に唾液の分泌量が少なめ、または加齢や薬の影響で分泌量が減っている場合。鼻呼吸で空気中の水分を補っても、口内の潤いが不足している可能性があります。
  • 寝具や寝間着: 寝ている間に暑すぎたり、寒すぎたりすると、体温調節のために口を開けて呼吸してしまうことがあります。

このように、鼻呼吸ができていても、空気の乾燥度合い、自身の体質、睡眠環境、その日の体調など、複数の要因が複合的に作用して喉の乾燥を引き起こしていると考えられます。鼻呼吸ができているから大丈夫、と決めつけず、他の対策も組み合わせて試してみる価値があります。

湿度が高いのに寝ている喉が乾燥する場合

加湿器を使っている、部屋干しをしているなど、寝室の湿度を適切に保っているはずなのに喉が乾燥するという場合も、湿度がすべてではない可能性を考える必要があります。

原因は湿度がすべてではない

寝室の湿度が高い状態(理想的には40~60%)にもかかわらず喉が乾燥する場合、原因は湿気不足以外の要因にあると考えられます。

  • 口呼吸が主原因である: 湿度が高くても、乾燥した空気が直接喉に当たる口呼吸をしている場合は、湿度対策の効果が限定的になります。マスク着用など、口呼吸を防ぐ対策を優先して行う必要があります。
  • 体質的なもの: 元々唾液の分泌量が少ない体質である、口や喉の粘膜が乾燥しやすい体質である、といった個人差も関係します。
  • 病気や薬の影響: 前述したように、特定の病気(シェーグレン症候群、糖尿病など)や、服用している薬の副作用で唾液分泌が低下している場合は、加湿だけでは追いつきません。
  • 自律神経の乱れ: ストレスや生活習慣の乱れは自律神経のバランスを崩し、唾液分泌や全身の水分バランスに影響を与えることがあります。
  • 脱水: 日中の水分摂取量が不足している場合や、寝る前にアルコールを飲んだ場合などは、体が脱水状態になりやすく、湿度が高くても喉が乾燥することがあります。
  • 睡眠時無呼吸症候群など: 睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりを繰り返す病気です。多くの場合、いびきや口呼吸を伴い、喉の乾燥の強い原因となります。湿度対策だけでは改善が難しい病気です。

このように、湿度対策だけでは改善しない場合は、口呼吸の有無、体質、生活習慣、そして病気の可能性など、他の原因をより深く検討する必要があります。

寝ている喉乾燥の裏に隠れた病気の可能性

多くの寝ている喉乾燥は、環境や習慣の改善で良くなります。しかし、中には病気が原因となっている場合もあります。単なる乾燥だと見過ごさず、注意が必要な症状がある場合は医療機関を受診することが大切です。

注意が必要な症状(夜間頻尿、口渇感など)

単なる寝室の乾燥や口呼吸による乾燥とは異なり、病気のサインかもしれない症状には以下のようなものがあります。

  • 非常に強い口渇感: 水分を摂ってもすぐに喉が渇く、常に口の中がカラカラしている。
  • 夜間頻尿: 寝ている間に何度もトイレに起きる。
  • 全身の乾燥症状: 口だけでなく、目や皮膚も乾燥する。
  • 疲労感や倦怠感: 十分な睡眠をとっているはずなのに、日中の眠気や強い疲労感がある。
  • 体重の減少: 特に理由なく体重が減る。
  • いびきや無呼吸: 睡眠中に大きないびきをかく、家族から呼吸が止まっていると言われる。
  • 口内や喉の痛み、腫れ: 炎症が強く、痛みが続く。
  • 原因不明の発熱: 感染症の兆候かもしれない。

これらの症状は、ドライマウス、糖尿病、シェーグレン症候群、睡眠時無呼吸症候群、または他の何らかの疾患の可能性を示唆している場合があります。

医療機関を受診する目安

以下のような場合は、一度医療機関を受診して相談することをおすすめします。

  • セルフケアで全く改善しない、または悪化する: 加湿やマスク、口呼吸対策などを試しても、数週間以上症状が変わらない、またはひどくなる場合。
  • 上記で挙げた注意が必要な症状がある: 強い口渇感、夜間頻尿、全身の乾燥、日中の強い眠気など、単なる乾燥以外の症状を伴う場合。
  • いびきがひどい、家族から無呼吸を指摘される: 睡眠時無呼吸症候群の可能性があり、放置すると様々な健康リスクがあるため専門医の診察が必要です。
  • 原因が特定できず不安を感じる: 様々な対策を試しても原因が分からず、心配な場合。
  • 常用している薬があり、それが原因かもしれないと思う場合: 自己判断せず、医師や薬剤師に相談しましょう。

受診する科としては、喉の乾燥や痛みが主な場合は耳鼻咽喉科、口の乾燥や口腔内の状態が気になる場合は歯科口腔外科、全身の乾燥や他の症状(頻尿、体重減少など)がある場合は内科が考えられます。睡眠中のいびきや無呼吸が気になる場合は、睡眠専門外来耳鼻咽喉科呼吸器内科などに相談すると良いでしょう。

医師に症状を詳しく伝え、適切な診断と治療を受けることが、根本的な解決に繋がる場合もあります。

まとめ|寝ている喉乾燥対策で快適な睡眠を

寝ている間の喉の乾燥は、多くの方が経験する不快な症状です。その原因は、口呼吸、寝室の空気の乾燥、睡眠中の唾液分泌の減少、鼻づまりやアレルギー、加齢や特定の疾患、薬の副作用など、様々なものが考えられます。原因が一つだけでなく、複数の要因が絡み合っていることも少なくありません。

喉の乾燥を放置すると、風邪などの感染症にかかりやすくなる、喉の痛みやイガイガ感が増す、睡眠の質が低下するといったリスクに繋がる可能性があります。

今日からできる対策としては、まず寝室の湿度を適切に保つこと(加湿器の使用、部屋干しなど)、寝るときにマスクを着けること、寝る前や就寝中に水分を補給することなどがあります。口呼吸が原因の場合は、口呼吸防止テープの使用や、日中の鼻呼吸を意識するトレーニングも有効です。また、唾液分泌を促すために唾液腺マッサージを試してみるのも良いでしょう。

鼻呼吸をしているつもりでも、湿度が高い環境でも乾燥する場合は、複合的な原因や湿度以外の要因が影響している可能性があります。自分の睡眠中の状態や、日中の症状なども含めて振り返ってみることが重要です。

セルフケアで改善しない場合や、強い口渇感、夜間頻尿、全身の乾燥、いびきや無呼吸など、気になる症状を伴う場合は、病気が隠れている可能性も考えられます。耳鼻咽喉科や歯科口腔外科、内科などの医療機関を受診して相談することをおすすめします。

自分の喉乾燥の原因を見つけ、適切な対策を継続することで、寝起きの不快感を解消し、快適な睡眠を取り戻すことができるでしょう。ぜひ、この記事を参考に、今日からできることから始めてみてください。

免責事項

この記事は情報提供のみを目的としており、医療行為や診断に代わるものではありません。個別の症状については、必ず医療機関で医師の診断を受けてください。記事の情報に基づいて行った行為によって生じたあらゆる損害について、当サイトは一切の責任を負いません。

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