ステンドラ 副作用は少ない?効果と安全な飲み方を徹底解説

ステンドラは、勃起不全(ED)治療に用いられる薬剤の一つです。比較的速効性があり、食事の影響を受けにくいという特徴を持つ一方、他のED治療薬と同様に副作用のリスクも伴います。安全にステンドラを服用するためには、どのような副作用があるのか、もし副作用が出た場合はどう対処すれば良いのか、そして服用上の注意点などを正しく理解しておくことが非常に重要です。

この記事では、ステンドラの副作用に焦点を当て、その種類や対処法、他のED治療薬との比較、さらに安全な服用に必要な禁忌や注意点について詳しく解説します。ステンドラの服用を検討している方や、現在服用中で不安を感じている方は、ぜひ最後までお読みください。

ステンドラは、有効成分としてアバナフィルを含んでいます。このアバナフィルは、PDE5(ホスホジエステラーゼタイプ5)という酵素の働きを阻害することで、陰茎の血管を拡張させ、血流量を増加させることで勃起をサポートします。PDE5は陰茎海綿体だけでなく、全身の血管や平滑筋にも存在しているため、その働きを阻害することで陰茎以外の部位にも影響が及び、これが副作用として現れることがあります。

ステンドラの副作用は、一般的に軽度で一時的なものが多いとされています。国内外の臨床試験では、様々な副作用が報告されていますが、その種類や発現頻度は、服用量や個人の体質、体調によって異なります。

発現しやすい副作用症状(頭痛、ほてり、鼻づまりなど)

ステンドラの服用で比較的高い頻度で報告されている副作用としては、以下のようなものがあります。これらは、ステンドラが全身の血管を拡張させる作用によるものと考えられています。

  • 頭痛: 最も一般的に報告される副作用の一つです。血管拡張作用により、脳の血管が一時的に拡張することで生じやすいとされています。多くの場合、軽度から中等度で、時間とともに軽減します。
  • ほてり・顔面紅潮: 顔や首、胸のあたりが赤くなる、熱く感じる症状です。皮膚の毛細血管が拡張することによって起こります。これも一時的な症状で、時間とともに治まることがほとんどです。
  • 鼻づまり: 鼻腔内の血管が拡張し、粘膜が腫れることで鼻づまりが生じることがあります。風邪をひいている時のような感覚になることがありますが、これも一時的です。
  • 動悸: 心拍数が一時的に増加したように感じる症状です。血管拡張に伴う体の反応として現れることがあります。

これらの副作用の発現頻度は、国内外の臨床試験のデータに基づいて算出されますが、厳密な数字は製薬会社の公式発表や添付文書で確認する必要があります。ただし、一般的にはこれらの副作用は全体の数%から十数%の範囲で報告されることが多いようです。多くの場合、服用から数時間以内に現れ、効果が持続する時間よりも早く軽減する傾向があります。

まれに起こる副作用症状

発現頻度は低いものの、ステンドラの服用で報告されている副作用には以下のようなものがあります。

  • 消化不良: 胃のむかつきや不快感、胸焼けなどの症状です。消化管の平滑筋にもPDE5が存在するため、その影響が考えられます。
  • 背部痛・筋肉痛: シアリスに比べて頻度は低いとされていますが、ステンドラでも報告があります。原因は完全には解明されていませんが、PDE11という酵素の阻害が関連している可能性が指摘されています。
  • めまい: 一時的な血圧低下などにより、めまいを感じることがあります。特に立ちくらみなどに注意が必要です。
  • 視覚異常: 光に敏感になる、色がついて見える(青視症など)、かすみ目といった視覚に関する異常が報告されることがあります。これらは他のED治療薬(特にバイアグラ)に比べて頻度は低いとされていますが、注意が必要です。
  • 耳鳴りや聴力低下: まれな副作用として報告されています。もしこのような症状が出た場合は、すぐに服用を中止し医師に相談が必要です。
  • 持続勃起症(Priapism): 非常に稀ですが、性的な刺激がないにも関わらず勃起が4時間以上継続する状態です。放置すると陰茎組織へのダメージや不可逆的な勃起機能障害につながる可能性があるため、緊急の対応が必要です。もし4時間以上勃起が続く場合は、速やかに医療機関を受診してください。
  • NAION(非動脈炎性前部虚血性視神経症): これも極めて稀ですが、視力低下や視野欠損を引き起こす重篤な眼の副作用として、他のPDE5阻害薬でも報告されています。特に、もともと眼疾患や心血管系のリスク因子を持つ方で発生リスクが高まる可能性が指摘されています。ステンドラとの明確な因果関係は確立されていませんが、もし急激な視力低下などが起きた場合は直ちに服用を中止し、眼科医の診察を受けてください。

これらの稀な副作用は、大多数の人が経験するものではありませんが、リスクとして認識しておくことが重要です。

副作用の重症度と継続性について

ステンドラの副作用は、多くの場合、軽度から中等度であり、服用後数時間で自然に軽減または消失します。特に頭痛やほてり、鼻づまりといった一般的な副作用は、薬剤の作用による一時的な生理反応であり、体が慣れてくると軽減することも少なくありません。

しかし、副作用の感じ方や継続時間には個人差があります。普段から偏頭痛持ちの方や、特定の薬剤に対して過敏な体質の方などは、副作用がやや強く出たり、長く続いたりする可能性もゼロではありません。

重要なのは、副作用の症状が日常生活に支障をきたすほど強い場合、または数時間経過しても改善しない場合、あるいは前述したようなまれな重篤な副作用(持続勃起症、急激な視力・聴力低下など)が現れた場合は、決して自己判断せず、速やかに処方医または最寄りの医療機関に相談することです。副作用を我慢したり、放置したりすることは危険です。

目次

ステンドラで副作用が出た場合の対処法

ステンドラを服用して副作用が出た場合、まずは落ち着いて症状を確認することが重要です。多くの副作用は一時的なものですが、適切な対処を知っておくことで、不快感を軽減したり、より深刻な事態を防いだりすることができます。

症状別の具体的な対処法

ステンドラの服用で起こりやすい一般的な副作用に対する対処法を以下に示します。ただし、これらの対処法は症状を緩和するためのものであり、根本的な治療ではありません。

  • 頭痛: 軽度な頭痛であれば、静かな場所で休息をとる、水分を十分に摂るといったことが有効な場合があります。もし痛みが強い場合は、医師に相談して指示された市販の鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)を服用できるか確認することも可能ですが、自己判断での服用は避けましょう。
  • ほてり・顔面紅潮: 体温が上昇しているわけではないので、無理に冷やす必要はありませんが、涼しい場所で安静にする、ゆったりとした服装にするなどで不快感を軽減できることがあります。一時的な現象として受け止めることも大切です。
  • 鼻づまり: 鼻をかむ、蒸しタオルで鼻を温める、軽い運動をするなどで改善することがあります。市販の点鼻薬の使用は、ステンドラとの相互作用も考えられるため、必ず医師に相談してください。
  • 消化不良: 食後すぐに横にならず、しばらく体を起こしておく、消化の良いものを少量食べる、といったことが有効な場合があります。

これらの対処法は、あくまで軽度の症状に対するものです。症状が強い場合や、これらの対処で改善しない場合は、次に述べるように医療機関への相談が必要です。

副作用が続く・重い場合の医師への相談

以下のような場合は、自己判断せず、速やかにステンドラを処方した医師や最寄りの医療機関に連絡し、指示を仰いでください。

  • 一般的な副作用(頭痛、ほてり、鼻づまりなど)が非常に強い場合
  • 一般的な副作用が数時間以上経過しても軽減せず、持続する場合
  • 背部痛や筋肉痛が強く、我慢できない場合
  • めまいが強く、立っているのが困難な場合
  • 視覚異常(急激な視力低下、視野の異常、色がいつもと違って見えるなど)が現れた場合
  • 聴覚異常(耳鳴り、急激な聴力低下など)が現れた場合
  • 胸痛や息切れなど、心臓に関連すると思われる症状が現れた場合
  • 性的な刺激がないにも関わらず、勃起が4時間以上継続する場合(持続勃起症の可能性。緊急の対応が必要)
  • その他、「いつもと違う」「おかしい」と感じる症状が現れた場合

医師に相談する際は、以下の情報を伝えられるように準備しておくとスムーズです。

  • ステンドラをいつ、どのくらいの量服用したか(例: ○月○日 午後○時に100mgを1錠)
  • どのような副作用症状が出ているか(具体的な症状、部位、程度など)
  • その症状はいつから始まり、どのくらい続いているか
  • 症状に対して何か対処をしたか、その結果はどうか
  • 他に服用している薬やサプリメントはあるか
  • 既往歴やアレルギーの有無

医師はこれらの情報をもとに、症状の原因を判断し、適切な指示(服用中止、減量、対症療法、他のED治療薬への変更、医療機関への受診指示など)を出します。副作用を恐れすぎず、しかし軽く見ることなく、専門家の指示に従うことが安全なED治療には不可欠です。

他のED治療薬(バイアグラ・レビトラ・シアリス)との副作用比較

ステンドラは、バイアグラ(シルデナフィル)、レビトラ(バルデナフィル)、シアリス(タダラフィル)と同様に、PDE5阻害薬に分類されるED治療薬です。しかし、それぞれ有効成分が異なるため、作用の強さや持続時間、そして副作用のプロファイルにも違いがあります。

ステンドラが副作用が少ないとされる理由

ステンドラ(アバナフィル)は、比較的後発のED治療薬であり、PDE5に対する選択性が他の薬剤よりも高い(PDE5以外の酵素、特にPDE6やPDE11への影響が少ない)ことが特徴の一つとされています。

  • PDE6への影響: PDE6は眼の網膜に多く存在し、視覚に関わる酵素です。バイアグラなどがPDE6も阻害することで、視覚異常(青視症など)が起こりやすいとされています。ステンドラはPDE6への影響が少ないため、視覚系の副作用が起こりにくいと考えられています。
  • PDE11への影響: PDE11は筋肉(特に背中や手足)や精巣などに存在するとされています。シアリスなどがPDE11も阻害することで、背部痛や筋肉痛が起こりやすい可能性が指摘されています。ステンドラはPDE11への影響も少ないとされており、これらの副作用も比較的起こりにくいとされています。

このように、ステンドラはED治療に必要なPDE5を選択的に阻害する作用が強いため、他の酵素への影響が少なく、結果として全体的に副作用の発現率が低く、副作用の種類も少ない傾向があると考えられています。特に、視覚異常や背部痛・筋肉痛といった副作用が気になる方にとっては、ステンドラが適している場合があります。

バイアグラ、レビトラ、シアリス各薬剤の副作用プロファイル

主要なED治療薬の一般的な副作用プロファイル(傾向)を比較してみましょう。ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、個人差が非常に大きいことに注意が必要です。

薬剤名(有効成分) 代表的な副作用の傾向 主な特徴(副作用以外)
バイアグラ(シルデナフィル) 頭痛、ほてり、顔面紅潮、視覚異常(青視症など)、鼻づまり 速効性(服用後30分~1時間)、食事の影響を受けやすい
レビトラ(バルデナフィル) 頭痛、ほてり、顔面紅潮、鼻づまり、動悸 速効性(服用後15分~30分)、食事の影響は比較的少ない
シアリス(タダラフィル) 頭痛、ほてり、顔面紅潮、鼻づまり、背部痛、筋肉痛 長時間作用型(30~36時間)、食事の影響をほとんど受けない
ステンドラ(アバナフィル) 頭痛、ほてり、顔面紅潮、鼻づまり 速効性(服用後15分~30分)、食事の影響を受けにくい、副作用が少ない傾向

この表からもわかるように、ステンドラは頭痛やほてりといった一般的な副作用は他の薬剤と同様に報告されていますが、視覚異常や背部痛・筋肉痛といった特定の副作用は比較的少ない傾向にあります。

どの薬剤が自分に合っているかは、効果の感じ方、持続時間、食事やアルコールの影響、そして副作用の出方など、様々な要素を考慮して判断する必要があります。初めてED治療薬を服用する場合や、他のED治療薬で副作用が強く出た経験がある場合は、医師とよく相談し、自身の体質や希望に合った薬剤を選択することが重要です。医師は、これらの薬剤の特性と患者さんの健康状態を総合的に判断し、最適な薬剤を処方してくれます。

ステンドラ服用における副作用以外の注意点・禁忌

ステンドラを安全に服用するためには、副作用に関する情報だけでなく、併用してはいけない薬や服用してはいけない人など、その他の重要な注意点や禁忌事項についても理解しておく必要があります。

併用してはいけない薬(併用禁忌薬)

ステンドラと特定の薬剤を併用すると、重篤な健康被害を引き起こす危険性があるため、これらの薬剤を服用中の場合は絶対にステンドラを服用してはいけません。これを「併用禁忌」と言います。

最も重要な併用禁忌薬は、硝酸剤および一酸化窒素供与剤です。これらは主に狭心症や心筋梗塞などの心臓病の治療に使用される薬剤で、血管を拡張させて血流を改善する働きがあります。

  • 硝酸剤の例: ニトログリセリン(ニトロペン、ミオコールスプレーなど)、硝酸イソソルビド(ニトロール、アイトロールなど)、ニコランジル(シグマート)など
  • 一酸化窒素供与剤の例: ニプロールなど

ステンドラも血管拡張作用を持つため、これらの薬剤と併用すると、相乗効果で急激かつ重度な血圧低下を引き起こし、めまい、失神、さらには心臓発作や脳卒中につながる可能性があります。過去に、ED治療薬と硝酸剤の併用による死亡事故も報告されています。

現在、これらの薬剤を服用している方はもちろん、頓服薬として携帯している方も、ステンドラを服用することはできません。必ず医師に現在服用中または使用している全ての薬剤を申告してください。

注意が必要な併用薬(併用注意薬)

併用禁忌薬ほど危険性は高くないものの、ステンドラと併用する際に注意が必要な薬剤もあります。これを「併用注意」と言います。これらの薬剤とステンドラを併用すると、ステンドラの血中濃度が上昇して副作用が出やすくなったり、あるいはステンドラの効果が弱まったりする可能性があります。

  • 特定の抗生物質: クラリスロマイシン、エリスロマイシンなど
  • 特定の抗真菌薬: イトラコナゾール、ケトコナゾールなど
  • 特定の抗HIV薬: リトナビル、インジナビルなど
  • α遮断薬: 高血圧や前立腺肥大症の治療薬(タムスロシンなど)。併用により血圧が過度に下がる可能性があります。
  • チトクロームP450 3A4 (CYP3A4) 阻害作用を持つ薬剤: これらの薬剤はステンドラの代謝を遅らせ、血中濃度を上昇させる可能性があります。

これらの薬剤を服用している場合は、必ず医師にその旨を伝え、ステンドラの用量調整や慎重な経過観察が必要になるかを判断してもらう必要があります。自己判断で併用したり、勝手に薬剤の服用を中止したりすることは危険です。

飲酒や食事(アルコール・油物)が副作用や効果に与える影響

ステンドラは他のED治療薬(特にバイアグラ)に比べて、食事の影響を受けにくいとされています。軽い食事であれば、食後に服用しても効果の発現が大きく遅れたり、効果が弱まったりすることは少ないと言われています。しかし、脂っこい食事を大量に摂った直後の服用は、薬の吸収を多少遅らせる可能性が否定できません。確実な効果を得たい場合は、空腹時の服用が推奨されます。

アルコールについては、適量であればステンドラと併用しても大きな問題にならないことが多いとされています。しかし、過度な飲酒は、アルコール自体の血管拡張作用とステンドラの作用が合わさって、血圧を過度に低下させるリスクを高める可能性があります。これにより、めまいや立ちくらみといった副作用が出やすくなったり、ED改善効果が弱まったりすることがあります。また、アルコールの分解には肝臓が関わるため、肝臓に負担がかかるとステンドラの代謝にも影響が出ないとも限りません。ステンドラ服用時は、大量の飲酒は避け、体調と相談しながら節度ある飲酒にとどめるのが賢明です。

服用してはいけない人(禁忌)

以下に該当する方は、ステンドラを服用してはいけません。これらの条件下で服用すると、重篤な健康被害や副作用のリスクが非常に高まります。

  • ステンドラの有効成分(アバナフィル)やその他の成分に対して、過去に過敏症(アレルギー反応)を起こしたことがある方
  • 硝酸剤または一酸化窒素供与剤を服用中の方(前述の併用禁忌薬を参照)
  • 心血管系障害により、性行為が不適当と考えられる方(不安定狭心症、重度の心不全など)
  • 不安定狭心症のある方、または性行為中に狭心症を起こしたことがある方
  • コントロール不良な不整脈のある方
  • 低血圧(収縮期血圧90mmHg未満または拡張期血圧50mmHg未満)の方
  • コントロール不良な高血圧(安静時収縮期血圧170mmHg以上または拡張期血圧100mmHg以上)の方
  • 最近3ヶ月以内に心筋梗塞を起こしたことがある方
  • 最近6ヶ月以内に脳梗塞・脳出血を起こしたことがある方
  • 重度の肝機能障害のある方
  • 重度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)のある方
  • 網膜色素変性症など、遺伝性の網膜変性疾患のある方
  • 女性の方(ステンドラは男性専用の薬剤です)

これらの項目に一つでも該当する場合は、必ず医師にその旨を伝え、ステンドラの服用が可能か、他の治療法がないかなどを相談してください。自己申告が、自身の安全を守るために最も重要です。

心臓病など持病がある場合の注意点と副作用リスク

心臓病や高血圧といった循環器系の疾患だけでなく、様々な持病がある場合、ステンドラの服用に際して慎重な判断が必要となります。

  • 心臓病: 狭心症や心筋梗塞、心不全、不整脈などの既往や現在の病状は、ステンドラの禁忌や注意点の中心となります。性行為そのものが心臓に負担をかける運動であり、そこにステンドラの血管拡張作用が加わることで、病状が悪化したり、心臓関連の副作用リスクが高まったりする可能性があります。必ず循環器専門医とも連携しながら、ステンドラの服用が自身の心臓の状態にとって安全であるかを確認する必要があります。
  • 肝臓病・腎臓病: ステンドラは主に肝臓で代謝され、腎臓から排泄されます。肝機能や腎機能が著しく低下している場合、薬剤が体内に蓄積しやすくなり、効果が強く出すぎたり、副作用が出やすくなったりするリスクがあります。重度の場合は禁忌ですが、軽度や中等度の場合でも用量調整や慎重な経過観察が必要です。
  • 血液疾患: 鎌状赤血球性貧血、多発性骨髄腫、白血病など、血液の病気がある場合、持続勃起症のリスクが高まる可能性があります。
  • 陰茎の物理的異常: 陰茎の湾曲(ペイロニー病)や線維化などがある場合、持続勃起症のリスクが高まる可能性があるほか、勃起が正常に行われない原因がステンドラでは解決できない構造的な問題である可能性もあります。
  • 消化性潰瘍: 消化管の出血リスクが高まる可能性があります。
  • 脳卒中: 最近脳卒中を起こした方は禁忌です。過去の脳卒中の既往がある場合も、医師に相談が必要です。

これらの持病がある方は、問診の際に漏れなく医師に申告することが必須です。医師は、持病の種類や程度、現在服用中の薬剤などを総合的に判断し、ステンドラの服用が適切であるか、あるいは他の治療法を選択すべきかを慎重に判断します。持病を隠して服用することは、非常に危険な行為です。

ステンドラに関するよくある質問(Q&A)

ステンドラの副作用や安全性に関する疑問は多いものです。ここでは、よくある質問とその回答をご紹介します。

ステンドラに副作用以外のデメリットはありますか?

ステンドラには、副作用以外にも以下のような点がデメリットと感じられる場合があります。

  • 保険適用外であること: ED治療は原則として保険適用外となるため、ステンドラの薬剤費は全額自己負担となります。そのため、費用が高額になる場合があります。ただし、勃起不全が男性不妊の原因と診断され、治療の一環としてED治療薬が処方される場合は保険適用となるケースがあります(特定の条件下のみ)。
  • 医師の処方箋が必要であること: 薬局やドラッグストアでは購入できず、必ず医師の診察を受け、処方箋を発行してもらう必要があります。
  • 個人輸入の危険性: インターネットなどで海外から個人輸入するルートも存在しますが、偽造薬や品質の保証されない薬剤であるリスクが非常に高く、健康被害につながる危険があるため絶対におすすめできません。日本の医療機関で処方された正規品を服用することが最も安全です。
  • 効果の感じ方には個人差があること: 全ての人が期待通りの効果を実感できるわけではありません。体質やEDの原因、服用時の体調などによって効果の出方には個人差があります。

ステンドラは心臓に負担をかけますか?

適切な用法・用量を守り、禁忌事項に該当しない方が服用する場合、ステンドラが直接的に心臓に過度な負担をかけることは基本的にありません。ステンドラは血管を拡張させますが、これは心臓の働きを強めるわけではなく、むしろ血管抵抗を減らす方向に作用することもあります。

ただし、前述のように、心臓病(狭心症、心筋梗塞、重度の心不全、不整脈など)がある方、コントロール不良な高血圧や低血圧の方は、心血管系のイベントリスクが高まる可能性があるため、ステンドラの服用は禁忌または注意が必要です。

また、ED治療薬を服用するかどうかにかかわらず、性行為そのものは心臓にある程度の負担をかける運動です。普段から運動不足である方や、心臓に不安がある方は、性行為が可能なくらい心臓が健康な状態であるか、あらかじめ医師に相談しておくことも大切です。

結論として、健康な方が正しい方法で服用する限り、ステンドラが特段に心臓に負担をかける薬ではありませんが、心臓に持病がある場合は必ず医師に相談し、安全性を確認することが不可欠です。

ステンドラ服用中にお酒は飲めますか?

適量であれば、ステンドラ服用中にお酒を飲んでも問題ないことが多いとされています。しかし、過度な飲酒は避けるべきです。

前述したように、アルコールも血管拡張作用を持ち、血圧を低下させる可能性があります。ステンドラとアルコールを同時に大量に摂取すると、相乗効果で血圧が過度に下がり、めまい、ふらつき、立ちくらみ、さらには意識を失うといった副作用が出やすくなるリスクがあります。また、過度の飲酒は中枢神経の機能を抑制するため、性的な興奮が得られにくくなり、結果的にステンドラのED改善効果が弱まってしまう可能性も考えられます。

ステンドラの効果を最大限に引き出し、かつ安全に服用するためには、服用前後の大量飲酒は控えることが推奨されます。リラックス目的で少量のお酒を楽しむ程度であれば問題ないことが多いですが、体調やアルコールへの耐性には個人差があるため、自身の体と相談しながら慎重に判断してください。

ステンドラ 副作用に関するまとめ

ステンドラは、速効性があり食事の影響を受けにくいというメリットを持つED治療薬ですが、他の薬剤と同様に副作用のリスクがあります。しかし、ステンドラは比較的後発の薬剤であり、PDE5への選択性が高いため、視覚異常や背部痛・筋肉痛といった特定の副作用が他の薬剤よりも少ない傾向にあると考えられています。

最も一般的な副作用は、頭痛、ほてり、顔面紅潮、鼻づまりなどであり、これらは薬剤の血管拡張作用によるもので、多くの場合軽度で一時的です。しかし、まれに消化不良、めまい、視覚異常、聴力低下などが起こることもあります。非常に稀ではありますが、持続勃起症やNAIONのような重篤な副作用のリスクもゼロではありません。

もしステンドラを服用して副作用が出た場合は、軽度であれば安静にするなどの対処で改善することが多いですが、症状が強い場合、長く続く場合、あるいは視覚異常や持続勃起症などの重篤な症状が現れた場合は、速やかに医師に相談することが極めて重要です。自己判断は避け、専門家の指示に従ってください。

ステンドラを安全に服用するためには、副作用だけでなく、併用禁忌薬(特に硝酸剤)、併用注意薬、そして服用してはいけない人(心血管系に重篤な疾患がある方など)についても正しく理解し、厳守する必要があります。持病がある場合や、現在服用中の薬剤がある場合は、必ず医師に正直に申告してください。過度な飲酒や脂っこい食事も、効果を弱めたり副作用を増強させたりする可能性があるため注意が必要です。

ED治療は、薬剤の特性を理解し、自身の体の状態に合わせて正しく行うことが何よりも大切です。ステンドラは多くの人にとって有効で比較的安全性の高い選択肢となり得ますが、不安な点や疑問点があれば、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。

ステンドラ処方をご希望の方へ

ステンドラの処方を受けるためには、医師の診察が必須です。これは、ステンドラがあなたの体の状態に適しているか、他の病気や現在服用している薬との相互作用がないかなどを医師が専門的な知識に基づいて判断する必要があるためです。

医療機関を受診する方法には、クリニックに直接来院する方法と、オンライン診療を利用する方法があります。

クリニックへの来院
直接医師と顔を合わせて相談できる安心感があります。その場で疑問点を詳しく質問したり、体の状態を直接診てもらったりすることが可能です。

オンライン診療
ED治療薬の処方において、近年利用者が増加しているのがオンライン診療です。オンライン診療には以下のようなメリットがあります。

  • 手軽さ: インターネット環境があれば、自宅や外出先など場所を選ばずに診察を受けられます。通院時間や待ち時間を気にせず、都合の良い時間に受診しやすいのが利点です。
  • プライバシーへの配慮: クリニックへの来院に抵抗がある方や、顔見知りに会いたくないという方でも、他の人に知られずに診察・処方を受けることができます。
  • 迅速な対応: クリニックによっては、予約から診察、薬の発送までスピーディーに対応してくれるため、すぐに薬が必要な場合に便利です。
  • 費用の負担軽減: 多くのオンライン診療クリニックでは、初診料や再診料が無料、あるいは比較的安価に設定されています。

オンライン診療の流れはクリニックによって異なりますが、一般的にはウェブサイトやアプリから予約し、問診票を入力した後、ビデオ通話や電話で医師の診察を受けます。医師が処方を決定したら、支払い手続きを行い、薬が自宅や指定の場所に配送されます。

ステンドラの処方をご希望される場合は、ご自身のライフスタイルや希望に合わせて、来院またはオンライン診療を選択してください。どちらの方法を選ぶにしても、必ず医師の診察を受け、正しい情報を得て、安全なED治療を行いましょう。

(免責事項:本記事は情報提供を目的としたものであり、医学的なアドバイスや診断に代わるものではありません。ステンドラの服用に際しては、必ず医師の診察を受け、専門家の指示に従ってください。本記事の情報によって生じたいかなる結果についても、筆者および公開者は一切の責任を負いません。)

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