更年期は、女性なら誰もが経験する可能性のある体の変化の時期です。
多くの人が何らかの不調を感じると言われていますが、「更年期障害にならなかった」「症状がとても軽かった」という人も確かに存在します。
一体、そのような人たちにはどのような共通点があるのでしょうか。
生まれ持った体質なのか、それとも日頃の生活習慣や心の持ち方によるものなのか。
この記事では、更年期障害になりにくい人や症状が軽い人の特徴を探りながら、症状の予防や緩和に繋がる具体的な対策についても詳しく解説します。
更年期への漠然とした不安を抱えている方、これから更年期を迎える方は、ぜひ参考にしてみてください。
更年期障害にならない人の特徴
更年期障害にならない人・軽い人の共通点
更年期症状の出方には、本当に大きな個人差があります。
「ほとんど何も感じなかった」という人もいれば、日常生活に支障が出るほどの重い症状に悩まされる人もいます。
この違いはどこから来るのでしょうか。
更年期障害になりにくい人や症状が軽い人には、いくつかの共通点が見られます。
これらの特徴を知ることは、ご自身の更年期をより快適に過ごすためのヒントになるかもしれません。
更年期障害になりにくい体質やホルモンバランス
更年期は、卵巣機能の低下に伴い女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少することで起こります。
このホルモンバランスの変化に対する体の反応は、遺伝的な要因や元々の体質によって差があると考えられています。
例えば、卵巣機能の低下が比較的緩やかで、ホルモンバランスの変動が急激ではない体質の人は、症状が出にくい傾向があると言われています。
また、エストロゲン以外のホルモン(例えば副腎皮質ホルモンなど)が、エストロゲンの減少をある程度補う働きを持つ人も、症状が軽く済む可能性があります。
ただし、これらの体質的な要素は、現時点では個人の努力で大きく変えられるものではありません。
自分がどのような体質であるかを知ることは難しいですが、過度に不安になる必要はありません。
体質だけでなく、日頃の生活習慣や考え方も、更年期症状の程度に大きく影響することが分かっています。
ストレスを上手に管理できる考え方
更年期症状には、体の変化だけでなく、精神的な要因も大きく関わっています。
女性ホルモンの減少は、自律神経の乱れを引き起こしやすく、これが精神的な不調に繋がることがあります。
しかし、同じようなホルモン状態でも、ストレスに対する考え方や向き合い方によって、症状の感じ方が大きく変わることがあります。
ストレスを上手に管理できる人は、更年期症状が軽く済む傾向があります。
具体的には、以下のような考え方や特徴が挙げられます。
- ポジティブな思考や柔軟性: 変化を受け入れ、前向きに捉えることができる。完璧主義すぎず、ある程度「まあいいか」と受け流せる。
- ストレスコーピング能力が高い: ストレスを感じたときに、自分なりの解消法(趣味、運動、友人との会話など)を持っており、実践できる。
- 感情のコントロールができる: 不安やイライラといった感情に振り回されず、客観的に自分を観察したり、感情を適切に表現したりすることができる。
- 自己肯定感が高い: 年齢を重ねることや体の変化を否定的に捉えすぎず、自分自身の価値を認められる。
更年期は、体の変化だけでなく、子育てが一段落したり、仕事での立場が変わったりと、ライフステージの変化と重なる時期でもあります。
このような変化に対して、どのように向き合うか、ストレスをどのように処理するかが、症状の程度に大きく影響を与えるのです。
健康的な生活習慣(運動・睡眠など)
更年期障害の症状を軽くするための最も重要な要素の一つが、健康的な生活習慣です。
バランスの取れた食事、適度な運動、質の高い睡眠は、心身の健康を維持し、ホルモンバランスの乱れからくる影響を和らげる助けとなります。
更年期障害にならない人や症状が軽い人は、若い頃からこれらの習慣が身についていることが多いようです。
- バランスの取れた食事習慣: 特定の食品に偏らず、様々な種類の食品から栄養をバランス良く摂取している。特に、女性ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボンや、自律神経を整えるビタミンB群、カルシウムなどを意識的に摂ることで、更年期特有の不調を和らげる効果が期待できます。
- 適度な運動習慣: 定期的に体を動かす習慣がある。運動は血行を促進し、冷えや肩こり、むくみといった身体症状の改善に役立ちます。また、エンドルフィンといった脳内物質が分泌され、気分の落ち込みやイライラといった精神症状の緩和にも繋がります。さらに、骨密度の維持にも不可欠です。
- 質の高い睡眠習慣: 毎日決まった時間に就寝・起床し、十分な睡眠時間を確保している。睡眠は体の回復に不可欠であり、自律神経やホルモンバランスを整える上で非常に重要です。質の高い睡眠は、疲労回復を促し、日中の活動性を高め、精神的な安定にも寄与します。
- 規則正しい生活リズム: 毎日ほぼ同じ時間に食事、仕事や活動、休息をとるなど、規則正しい生活を送っている。これにより体内時計が整い、ホルモン分泌や自律神経の働きが安定しやすくなります。
これらの健康習慣は、更年期だけでなく、人生を通して心身の健康を維持するために非常に重要です。
更年期を機に、ご自身の生活習慣を見直すことは、その後の人生の質を高めることにも繋がります。
更年期障害になりやすい人との違い
更年期障害になりにくい人がいる一方で、症状が重くなりやすい人もいます。
両者の違いを知ることで、ご自身がどのような点に気を付ければ良いのかが見えてくるかもしれません。
症状が出やすい人には、いくつかの傾向が見られます。
ストレス耐性と向き合い方
更年期症状が重く出る人は、ストレスを溜め込みやすかったり、ストレスに対する耐性が低い傾向があると言われます。
真面目で責任感が強く、物事を完璧にこなそうとするタイプの人、あるいは感受性が豊かで、些細なことにも深く心を痛めてしまうタイプの人は、ストレスの影響を受けやすいと考えられます。
このようなタイプの人は、体の変化や予期せぬ不調に対して、過剰に不安を感じたり、自分を責めてしまったりすることがあります。
また、自律神経のバランスが乱れやすいため、精神的なストレスが身体症状として現れやすい傾向もあります。
例えば、漠然とした不安感、集中力の低下、イライラ、気分の落ち込みといった精神症状だけでなく、ホットフラッシュやめまい、動悸といった身体症状も、ストレスによって悪化することがあります。
ストレスをゼロにすることは不可能ですが、ストレスの原因を特定し、自分に合った解消法を見つけ、適切に休息をとることが、更年期症状の緩和には非常に重要です。
過去の月経周期に伴う体調変化
若い頃からの月経周期に関連した体調の変化も、更年期症状の出やすさに影響を与える可能性があります。
例えば、月経前症候群(PMS)が重かった人、生理不順が頻繁にあった人、あるいは冷え性やむくみといった体質的な不調を常に抱えていた人は、更年期に症状が出やすい傾向があると言われています。
これは、女性ホルモンの変動に対して体が敏感に反応する体質である可能性や、元々自律神経のバランスが乱れやすい体質である可能性が考えられるためです。
PMSが重いということは、月経周期に伴うホルモンの変動に体が大きく影響を受けていることを示唆します。
また、冷え性やむくみは血行不良や体内の水分バランスの乱れに関連しており、これらが更年期に現れる様々な身体症状と共通する部分があるため、症状が出やすい素地があると考えられます。
ただし、過去の月経に関する不調があったからといって、必ず更年期障害が重くなるわけではありません。
あくまで「傾向」であり、これからの生活習慣や対策によって十分に症状を和らげることは可能です。
過去の経験は、ご自身の体の傾向を知る上での参考程度にとどめ、過度に気に病む必要はありません。
更年期障害を予防・緩和するための対策
更年期は避けられない体の変化ですが、その時期をいかに快適に過ごすかは、日頃からの心がけや対策によって大きく変わります。
更年期障害にならない人・軽い人の特徴を踏まえ、私たちにできる具体的な対策をご紹介します。
これらの対策は、更年期を迎える前から始めることで、予防にも繋がります。
食事や栄養バランスで体の中からケア
毎日の食事は、体の基本を作るものです。
バランスの取れた食事は、ホルモンバランスを整え、更年期に不足しがちな栄養素を補い、心身の不調を和らげる助けとなります。
更年期におすすめの食べ物・避けたい食べ物
おすすめの食品 | 理由 |
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大豆製品(豆腐、納豆、豆乳、味噌など) | 大豆イソフラボンは女性ホルモン(エストロゲン)と似た働きをすると言われ、ホットフラッシュや骨粗しょう症予防に期待できます。 |
魚類(特に青魚:サバ、イワシなど) | オメガ3脂肪酸(EPA、DHA)は、血行促進、悪玉コレステロール低下、精神安定に役立つと言われています。 |
野菜・果物 | ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富で、抗酸化作用や腸内環境改善に貢献します。免疫力アップや便秘解消にも。 |
乳製品、小魚 | カルシウムが豊富で、骨粗しょう症予防に不可欠です。ビタミンDを一緒に摂ると吸収率がアップします。 |
きのこ類、海藻類 | 食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富。低カロリーで満腹感が得やすく、体重管理にも役立ちます。 |
避けたい食べ物 | 理由 |
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カフェイン(コーヒー、紅茶、エナジードリンクなど) | 自律神経を刺激し、ホットフラッシュや不眠、イライラを悪化させる可能性があります。摂りすぎに注意が必要です。 |
アルコール | 睡眠の質を低下させ、肝臓に負担をかけます。ホットフラッシュを引き起こしたり悪化させたりすることも。適量を心がけましょう。 |
高脂肪食、加工食品 | 消化に負担がかかり、肥満や生活習慣病のリスクを高めます。ホルモンバランスにも影響を与える可能性があります。 |
刺激物(香辛料など) | 人によってはホットフラッシュを誘発したり悪化させたりすることがあります。 |
過剰な糖分 | 血糖値の急激な上昇・下降は気分の変動や疲労感につながることがあります。 |
これらの食品バランスを意識し、3食規則正しく摂ることが大切です。
トマトジュースなど特定の食品の効果
近年、トマトジュースに含まれる成分、特にリコピンやGABA(γ-アミノ酪酸)が更年期症状の緩和に役立つ可能性があるとして注目されています。
リコピンは強力な抗酸化作用を持ち、血管の健康を保つ働きが期待されています。
GABAはリラックス効果や血圧を下げる効果があると言われており、これらが更年期に起こりやすい不調(ホットフラッシュやイライラなど)の緩和に繋がる可能性が研究されています。
ただし、これらの食品を摂取するだけで更年期症状が劇的に改善するわけではありません。
あくまでバランスの取れた食事の一部として取り入れることが重要です。
特定の食品に過度に期待せず、食生活全体の質を高めることを目指しましょう。
必要に応じて、医師や薬剤師に相談の上、サプリメントで栄養を補うことも検討できます。
適度な運動習慣を取り入れる
運動は、更年期の様々な不調に有効な対策です。
体を動かすことで血行が良くなり、自律神経の働きが整いやすくなります。
また、骨密度の低下を抑え、筋力を維持することで、将来的な寝たきりや骨折のリスクを減らすことにも繋がります。
- 運動が更年期症状に効く理由:
- 血行促進: 冷えや肩こり、むくみなどの身体症状を緩和します。
- 骨密度維持: 骨に適度な負荷をかけることで、骨を強く保ちます。
- メンタル安定: セロトニンなどの脳内物質が分泌され、気分の落ち込みやイライラを和らげ、ストレス解消になります。
- 体重管理: 基礎代謝の低下しやすい更年期において、適正体重を維持するのに役立ちます。
- 睡眠の質の向上: 適度な疲労感は、寝付きを良くし、深い睡眠を促します。
- おすすめの運動の種類:
- 有酸素運動: ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳など。血行促進や心肺機能向上に効果的です。毎日20~30分程度続けるのが理想です。
- 筋力トレーニング: スクワット、腕立て伏せ(壁を使ってでもOK)、腹筋など。全身の筋力を維持・向上させ、基礎代謝アップや姿勢改善に繋がります。週に2~3回行いましょう。
- ストレッチ、ヨガ: 筋肉の柔軟性を高め、リラックス効果があります。自律神経を整えるのにも役立ちます。
「運動する時間がない」「何をすればいいか分からない」という方もいるかもしれません。
まずは「エスカレーターではなく階段を使う」「一駅分歩く」など、日常生活の中で活動量を増やすことから始めてみましょう。
好きな音楽を聴きながらウォーキングしたり、友人や家族と一緒に運動したりするのも継続のコツです。
質の高い睡眠と休息
更年期には、不眠や中途覚醒といった睡眠に関する悩みを抱える人が増えます。
睡眠不足は心身の疲労を蓄積させ、更年期症状を悪化させる大きな要因となります。
質の高い睡眠を確保することは、心身のバランスを整える上で非常に重要です。
- 質の高い睡眠のための方法:
- 毎日同じ時間に寝起きする: 休日も平日との差を1~2時間以内にするなど、生活リズムを整えることが重要です。
- 寝室環境を快適にする: 室温、湿度、照明、音などを調整し、リラックスできる空間を作ります。
- 寝る前の習慣を見直す: 寝る前にカフェインやアルコールを摂取しない、寝る直前のスマホやパソコンの使用を控える、軽いストレッチや読書などでリラックスするなど、自分なりの入眠儀式を作ります。
- 日中に適度に体を動かす: 昼間の活動は夜の睡眠の質を高めます。ただし、寝る直前の激しい運動は避けましょう。
- 朝日を浴びる: 朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、覚醒と睡眠のリズムが整います。
また、睡眠だけでなく、日中の短い休息も大切です。
疲れたと感じたら無理せず休憩を取り、心身をリフレッシュさせましょう。
例えば、昼食後に15~20分程度の昼寝をする(ただし、長い昼寝は夜の睡眠に影響することがあるので注意)、静かな場所で瞑想するなど、自分に合った休息方法を見つけることが、更年期を乗り切るエネルギーになります。
更年期に関する正しい知識を持つ
更年期に関する正しい知識を持つことは、不必要な不安を減らし、体の変化に冷静に対応するために非常に重要です。
自分の体に何が起こっているのかを理解することで、「これは更年期の症状かもしれない」と早期に気づき、適切な対策や医療機関への相談に繋げることができます。
インターネットや書籍、医療機関の情報を参考に、以下のような知識を身につけましょう。
- 更年期とは何か、なぜ起こるのか
- 更年期に起こりうる様々な症状(身体的なもの、精神的なもの)
- 更年期症状の個人差
- 自分でできるセルフケア(食事、運動、睡眠など)
- 婦人科など、専門の医療機関を受診する目安
- ホルモン補充療法(HRT)などの治療法について
正しい知識は、更年期に対する漠然とした不安を「知っていること」に変え、安心感を与えてくれます。
また、周囲の人(家族や職場の人など)に自分の状況を説明する際にも役立ちます。
信頼できる情報源を選び、必要に応じて専門家からアドバイスを受けるようにしましょう。
更年期に関するよくある疑問
更年期については、様々な疑問や不安を持つ方がいらっしゃいます。
ここでは、特によくある疑問にお答えします。
更年期障害にならない人の割合は?
「更年期障害にならない人」という表現は少し語弊があるかもしれません。
なぜなら、更年期は女性の体に起こる自然な変化であり、程度の差こそあれ、多くの人が何らかの体の変化や不調を感じるからです。
完全に無症状で更年期を終える人は、ごく少数(諸説ありますが、1~2割程度とも言われます)と言われています。
しかし、「更年期障害」として、日常生活に支障が出るほどの重い症状に悩まされる人の割合は、全体の2~3割程度と言われています。
残りの多くの人は、何らかの症状を感じるものの、セルフケアで対応できたり、日常生活に大きな支障がない程度の軽い症状で済んでいます。
したがって、「更年期障害にならない人」というよりも、「更年期症状が軽い人」が多く存在すると理解するのが適切です。
そして、症状が軽い人には、これまで述べたような体質、考え方、生活習慣の共通点が見られるのです。
更年期症状のピークはいつ?
更年期は、閉経を挟んだ前後10年間の期間を指し、一般的に45歳から55歳頃と言われています。
この期間の中で、最も更年期症状が出やすい時期は、閉経前の数年間と閉経後の数年間、つまり閉経を挟んだ前後の約5年間と言われています。
この時期は、女性ホルモンの分泌量が最も大きく、そして急激に変動するため、体の適応が追いつかずに様々な症状が現れやすくなります。
特にホットフラッシュや発汗などの血管運動神経症状は、閉経前後に最も頻繁に起こりやすい症状の一つです。
ただし、症状のピーク時期や症状の種類、程度には大きな個人差があります。
40代前半から症状が出始める人もいれば、閉経後しばらくしてから症状が現れる人もいます。
また、症状の波も個人によって異なります。
周りの人と比較しすぎず、ご自身の体の変化に耳を傾け、必要に応じて専門家に相談することが大切です。
男性にも更年期はある?
女性の更年期は、卵巣機能の低下による女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少が原因ですが、男性にも加齢に伴い男性ホルモン(テストステロン)が減少することで起こる「男性更年期障害(LOH症候群)」が存在します。
男性更年期障害は、女性の更年期のように急激なホルモン変動ではなく、テストステロンの緩やかな減少によって起こることが多いです。
症状としては、性欲減退、勃起不全、疲労感、気力の低下、イライラ、抑うつ、集中力低下、不眠、発汗、ほてり、筋肉量減少などがあります。
女性の更年期と同様、症状の出方には個人差があり、ストレスや生活習慣も大きく影響します。
HRT(ホルモン補充療法)ってどんなもの?
HRT(Hormone Replacement Therapy)とは、更年期症状の原因である女性ホルモンの不足を、薬で補う治療法です。
エストロゲン製剤を中心に、必要に応じてプロゲステロン製剤を組み合わせて使用します。
HRTは、ホットフラッシュや発汗、動悸などの身体症状、イライラや気分の落ち込みなどの精神症状に対して高い効果が期待できます。
また、更年期以降のリスクが高まる骨粗しょう症や、血管の健康維持にも良い影響を与える可能性が指摘されています。
ただし、HRTにはメリットだけでなく、血栓症や乳がんのリスク上昇といったデメリットも指摘されています。
HRTを受けるかどうかは、医師とよく相談し、ご自身の健康状態や症状の程度、リスクとベネフィットを十分に理解した上で慎重に判断することが重要です。
HRT以外にも、漢方薬やサプリメント、カウンセリングなど、様々な治療・対策方法があります。
まとめ:更年期を快適に過ごすために
更年期は、女性なら誰もが避けて通れない自然な体の変化の時期です。
症状の出方には大きな個人差があり、中には「更年期障害にならなかった」と感じる人もいます。
そのような症状が軽い人たちは、遺伝や体質といった先天的な要素に加え、ストレスを上手に管理できる考え方や、健康的な生活習慣を身につけているという共通点があることが分かりました。
更年期に起こる様々な不調は、女性ホルモンの減少という体の変化だけでなく、精神的なストレスやこれまでの生活習慣が複雑に絡み合って現れます。
だからこそ、これらの要因に対して積極的に働きかけることで、症状を予防したり、和らげたりすることが可能です。
この記事でご紹介した「食事や栄養バランス」「適度な運動習慣」「質の高い睡眠と休息」「更年期に関する正しい知識」といった対策は、更年期を迎える前から意識することで、症状が出にくい体質や心の状態を作る助けとなります。
また、すでに更年期症状を感じている方にとっても、これらの対策を実践することで、症状の軽減や、より快適な毎日を送ることにつながります。
更年期はネガティブなものとして捉えられがちですが、人生の新しいステージへ向かうための準備期間と捉えることもできます。
ご自身の体と心に丁寧に向き合い、できることから一つずつ対策を取り入れてみましょう。
一人で悩まず、家族や友人、そして専門家(婦人科医など)に相談することも大切です。
正しい知識を持ち、適切なケアを行うことで、更年期を自分らしく、そして快適に過ごしていくことができるはずです。