熱と関節痛、原因は？【風邪？コロナ？】考えられる病気と対処法

熱と関節痛が同時に現れる場合、体内で何らかの異変が起きているサインかもしれません。
これは比較的よく見られる症状の組み合わせですが、その原因は単純な風邪から、緊急性の高い病気まで多岐にわたります。
この記事では、熱と関節痛が同時に起こるメカニズム、考えられる主な病気、そしてご自身やご家族がこのような症状に見舞われた際に、いつ、どこで、どのように対処すべきかについて、SEOライターとして培った知識と、読者の検索意図に寄り添う視点から詳しく解説します。
体の不調に不安を感じている方が、適切な対応を取るための助けとなれば幸いです。

熱と関節痛はなぜ起こる？主な原因

熱（発熱）は、通常、体の深部体温が正常範囲（一般的に腋窩で36℃台前半）を超えて上昇した状態を指します。
発熱は病気そのものではなく、体が病原体と戦っている、あるいは体内で異常が起きているサインとして現れることが多いです。

関節痛は、文字通り関節に痛みを感じる状態です。
関節は骨と骨をつなぎ、滑らかな動きを可能にしていますが、ここになんらかの障害が生じると痛みを伴います。
熱と関節痛が同時に現れる場合、その原因はいくつかのメカニズムが複合的に関わっていると考えられます。

体内で炎症が起きているサイン

熱と関節痛の共通の原因として最も多いのは、「炎症」です。
炎症は、体内の組織が損傷したり、病原体（ウイルスや細菌など）が侵入したりした際に起こる防御反応です。
炎症が起きると、その部位だけでなく、全身に影響が及ぶことがあります。

• 発熱と炎症:
  炎症が起こると、サイトカインと呼ばれる情報伝達物質が放出されます。
  これらのサイトカインは脳の視床下部にある体温調節中枢に作用し、体温の設定温度を上昇させます。
  これが発熱のメカニズムの一つです。
  体温を上げることで、病原体の増殖を抑えたり、免疫細胞の働きを活発にしたりする効果があると考えられています。

• 関節痛と炎症:
  炎症が関節で起きると、関節を構成する滑膜（関節を包む膜）が腫れたり、関節液が増えたりします。
  これにより、関節内の圧力が高まり、神経を刺激して痛みが生じます。
  また、炎症性サイトカインが関節の組織を傷つけることも関節痛の原因となります。
  熱を伴う場合は、全身性の炎症反応が関節にも影響を及ぼしている可能性が高いです。

免疫反応による影響

熱と関節痛は、体の免疫システムが病原体や異常な細胞と戦っている過程でも起こり得ます。

• 免疫細胞の活性化:
  体内に病原体が侵入すると、白血球などの免疫細胞が活性化されます。
  これらの免疫細胞は病原体を攻撃するために、さまざまな物質を放出しますが、その中には発熱や炎症を引き起こすサイトカインも含まれます。

• 全身症状としての関節痛:
  免疫反応が全身に及ぶと、筋肉痛や関節痛といった症状が現れることがあります。
  これは、免疫細胞が全身を巡る過程で、関節の周辺組織に炎症を引き起こしたり、炎症性物質が痛覚神経を刺激したりするためと考えられています。
  特に、ウイルス感染症の場合、関節そのものに直接的な問題がなくても、全身のだるさや痛みの一環として関節痛を感じやすい傾向があります。

つまり、熱と関節痛が同時に現れるのは、多くの場合、体内で病原体に対する防御反応や組織の修復反応としての「炎症」や「免疫反応」が起きているサインと言えます。

熱と関節痛で考えられる代表的な病気

熱と関節痛を同時に引き起こす病気の中で、比較的よく見られるものをいくつかご紹介します。
これらの病気は感染症が原因であることが多いです。

インフルエンザ

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる呼吸器感染症です。
一般的な風邪よりも症状が重くなりやすく、特に冬場に流行します。

インフルエンザの特徴的な症状

インフルエンザの典型的な症状は、突然の38℃以上の高熱、全身の倦怠感、筋肉痛、そして関節痛です。
これらの全身症状が強く現れるのが特徴です。
その他、咳、鼻水、喉の痛みなども伴いますが、発熱や体の痛みが先行することが多いです。

• 関節痛との関連:
  インフルエンザウイルスに対する免疫反応として、体内で炎症性サイトカインが大量に放出されます。
  これらのサイトカインが関節周辺の組織や神経に作用し、強い関節痛や筋肉痛を引き起こします。
  関節の腫れや熱感は伴わないことが多いですが、節々が痛む、体がだるくて動かせない、といった形で現れます。

• 合併症:
  インフルエンザは、肺炎や脳炎などの重い合併症を引き起こすことがあります。
  特に高齢者や基礎疾患のある方は注意が必要です。
  熱や関節痛に加え、呼吸困難や意識障害などの症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。

新型コロナウイルス感染症

新型コロナウイルス感染症（COVID-19）は、SARS-CoV-2というウイルスによって引き起こされる感染症です。
インフルエンザと同様に、発熱や全身の倦怠感、関節痛を伴うことがあります。

新型コロナウイルスの主な症状

新型コロナウイルスの症状は非常に多様で、無症状の場合から重症化する場合まで幅があります。
一般的な症状としては、発熱、咳、倦怠感、喉の痛み、鼻水・鼻づまり、味覚・嗅覚障害などがあります。
関節痛や筋肉痛も比較的よく報告されている症状の一つです。

• 関節痛との関連:
  新型コロナウイルスも体内で強い免疫反応を引き起こし、炎症性サイトカインの放出を促します。
  これにより、全身の痛み、特に筋肉痛や関節痛が現れることがあります。
  関節痛の程度や部位は人によって異なりますが、インフルエンザと同様に、関節そのものに炎症性の変化が見られないことも多いです。

• 注意点:
  新型コロナウイルス感染症は、肺だけでなく全身の臓器に影響を及ぼす可能性が指摘されています。
  息苦しさや胸の痛み、意識の変化など、重症化を示唆する症状が現れた場合は、速やかに医療機関に相談してください。

風邪（普通感冒）

一般的に「風邪」と呼ばれる普通感冒は、ライノウイルスやコロナウイルス（新型コロナウイルスとは異なります）、アデノウイルスなど、さまざまなウイルスの感染によって引き起こされる上気道（鼻や喉）の炎症です。

風邪による関節痛の特徴

風邪の主な症状は、喉の痛み、鼻水、鼻づまり、咳、くしゃみなどで、発熱は比較的軽度か、全くない場合もあります。
関節痛も起こり得ますが、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症に比べて、全身の倦怠感や筋肉痛・関節痛は一般的に軽いです。

• 関節痛との関連:
  風邪による関節痛は、ウイルス感染に対する全身の免疫反応や、炎症性サイトカインの影響によるものと考えられます。
  多くの場合は軽度で、安静にしていれば数日で改善します。

• 見分け方:
  熱と関節痛がある場合、風邪かインフルエンザかを見分けるのは難しいことがあります。
  インフルエンザは症状がより突然で、全身症状（高熱、強い倦怠感、関節痛）がより強い傾向があります。
  しかし、確実な診断には医療機関での検査が必要です。

その他の感染症

インフルエンザや新型コロナウイルス以外にも、熱と関節痛を伴う感染症は多数あります。

ウイルス性・細菌性感染症の場合

• ウイルス性疾患:

  • サイトメガロウイルス感染症、EBウイルス感染症（伝染性単核球症）:
    これらのウイルス感染症でも、発熱、全身の倦怠感、筋肉痛、関節痛が見られることがあります。
    リンパ節の腫れや喉の痛みなどを伴うこともあります。

  • デング熱、チクングニア熱:
    熱帯・亜熱帯地域で蚊を介して感染するウイルス感染症です。
    高熱、強い関節痛（特にチクングニア熱では特徴的）、筋肉痛、発疹などを伴います。
    海外渡航歴がある場合は考慮する必要があります。

  • パルボウイルスB19感染症:
    特に小児に頬の紅斑（リンゴ病）を引き起こすことで知られていますが、成人の場合は発熱や関節痛（特に手の指や手首、足首など）が主な症状となることがあります。
    関節痛は数週間から数ヶ月続くこともあります。

• 細菌性疾患:

  • 敗血症:
    細菌が血流に入り込み、全身に広がることで起こる重篤な状態です。
    高熱、悪寒、全身の倦怠感、意識障害などとともに、関節痛や筋肉痛を伴うことがあります。
    急速に進行し、生命に関わる状態となるため、緊急での対応が必要です。

  • 化膿性関節炎:
    細菌が直接関節に感染して起こる炎症です。
    激しい関節の痛み、腫れ、熱感、発熱が特徴です。
    一カ所の大きな関節（膝、股関節など）に起こることが多いですが、複数の関節に起こることもあります。
    診断と早期の治療が非常に重要です。

  • ライム病:
    ダニによって媒介される細菌感染症です。
    発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛に加え、特徴的な皮膚の発疹（遊走性紅斑）が見られることがあります。
    放置すると関節炎や神経症状を引き起こす可能性があります。

このように、熱と関節痛の原因となる感染症は非常に多岐にわたります。
症状だけでは特定の病気を断定するのは難しく、適切な診断には医師による診察と検査が必要です。

熱や関節痛を伴う可能性のある病気（感染症以外）

熱と関節痛は感染症のサインとして現れることが多いですが、感染以外の原因でこれらの症状が現れることもあります。
特に、関節そのものに慢性の炎症が起こる病気では、熱や全身症状とともに繰り返す関節痛が見られます。

関節リウマチなど膠原病

膠原病（こうげんびょう）は、体の免疫システムが自分自身の組織を攻撃してしまう「自己免疫疾患」の一種です。
関節、皮膚、血管、内臓など、全身の様々な場所に炎症を引き起こします。
関節リウマチは膠原病の代表的な病気です。

初期症状と関節痛

関節リウマチの典型的な症状は、手や足の小さな関節の痛み、腫れ、こわばり（特に朝）、そして進行すると関節の変形です。
しかし、病気の初期には、関節症状よりも前に、微熱（37℃台前半のことが多い）、全身の倦怠感、食欲不振、体重減少といった非特異的な症状が現れることがあります。
この微熱とともに、関節の痛みや違和感を感じ始めるケースも見られます。

• 膠原病と熱・関節痛:
  関節リウマチ以外の膠原病（全身性エリテマトーデス、多発性筋炎・皮膚筋炎など）でも、活動期には発熱や全身症状が現れ、関節痛を伴うことがよくあります。
  膠原病による関節痛は、単なるウイルス感染後の痛みとは異なり、特定の関節に継続的に炎症（腫れや熱感）を伴うことが多いのが特徴です。

• 注意点:
  膠原病は慢性的な経過をたどり、早期に適切な治療を開始することが、関節破壊の進行を防ぎ、全身症状をコントロールするために非常に重要です。
  原因不明の熱が続いたり、複数カ所の関節に痛みや腫れが見られたりする場合は、膠原病の可能性も考慮して医療機関を受診することが大切です。

その他の疾患

膠原病以外にも、熱と関節痛を伴うことのある病気は存在します。

• 悪性腫瘍（がん）:
  一部の悪性腫瘍（特に白血病やリンパ腫など血液の癌）では、原因不明の発熱（腫瘍熱）や、癌の関節への転移や炎症性サイトカインの影響による関節痛が見られることがあります。
  倦怠感や体重減少など、全身症状を伴うことが多いです。

• 薬剤熱:
  特定の薬剤に対するアレルギー反応として、発熱とともに筋肉痛や関節痛が現れることがあります。
  薬剤の服用開始後、比較的短い期間で症状が出現するのが特徴です。

• 痛風発作:
  痛風は、血液中の尿酸値が高い状態が続くことで、関節に尿酸の結晶が沈着し、急激な炎症（痛風発作）を引き起こす病気です。
  通常は一カ所の関節（足の親指の付け根が多い）に激しい痛み、腫れ、熱感が生じますが、発熱を伴うこともあります。

このように、熱と関節痛の原因は非常に多様であり、単なる一時的な体調不良から、専門的な診断と治療が必要な病気まで含まれます。
症状が長引く場合や、他の気になる症状を伴う場合は、自己判断せず医療機関を受診することが重要です。

熱と関節痛がある場合の受診目安

熱と関節痛がある場合、病院に行くべきか、それとも自宅で様子を見ても良いのか迷うことがあると思います。
多くの場合は安静と水分補給で改善しますが、中には早期の医療介入が必要なケースも含まれます。
ここでは、受診を検討すべき目安について詳しく解説します。

すぐに医療機関を受診すべき症状

熱と関節痛に加えて、以下の症状が一つでも見られる場合は、重症化している可能性や、緊急性の高い病気が隠れている可能性があるため、速やかに医療機関を受診してください。

症状の種類	具体的な状態	考えられるリスク（一部）
呼吸器症状	息苦しい、呼吸が速い、胸が痛む、咳が止まらない	肺炎、心血管系の問題、重い感染症
意識・精神症状	意識がもうろうとしている、呼びかけへの反応が鈍い、錯乱、強い頭痛	脳炎、髄膜炎、敗血症、脱水
循環器症状	動悸がする、脈が異常に速いまたは遅い、血圧が低い（立ちくらみがひどい）	心筋炎、敗血症性ショック、脱水
消化器症状	激しい嘔吐や下痢が続き、水分が摂れない	高度な脱水、重症の感染性胃腸炎
関節の状態	特定の関節がひどく腫れている、皮膚が赤く熱を帯びている、関節が動かせない、激しい痛みで我慢できない	化膿性関節炎、結晶性関節炎（痛風など）、重い炎症性関節炎
その他の症状	けいれん、首が硬い（項部硬直）、体に紫色のあざや点状出血がある、排尿時の強い痛み、特定の部位の強い痛み（腹痛など）	髄膜炎、敗血症、血管炎、腎盂腎炎、急性腹症
基礎疾患	糖尿病、心臓病、腎臓病、免疫抑制状態など、持病がある方	免疫力が低下しており、感染症が重症化しやすい

特に高齢者や小さなお子さん、妊娠中の方、基礎疾患のある方は、症状が急変したり重症化したりするリスクが高いため、上記の症状がなくても慎重な判断が必要です。

夜間・休日診療を検討すべき場合

上記のような緊急性の高い症状ではないものの、日中の受診が難しい場合や、症状が強く日常生活に支障をきたしている場合は、夜間・休日診療や救急外外来の受診を検討しましょう。

• 高熱（38.5℃以上）が続き、解熱剤を使っても下がりにくい場合
• 全身の倦怠感が非常に強く、水分や食事が十分に摂れない場合
• 関節痛が強く、安静にしていても痛みが改善せず、眠れない場合
• 症状が数日間続き、改善傾向が見られない場合

これらの場合は、無理せずに医師の診察を受け、適切な診断と治療方針を確認することが安心につながります。

様子を見ても良い場合

熱が比較的軽度（38℃未満程度）で、関節痛も軽度であり、上記の「すぐに受診すべき症状」に当てはまらない場合は、自宅で数日間様子を見ても良いかもしれません。

• 発熱や関節痛の他に、鼻水や喉の痛みなど、一般的な風邪の症状が主体である
• 水分や食事が通常通り摂れている
• 安静にしていれば、症状が少しずつでも緩和されている
• 意識がはっきりしており、会話や行動に問題がない

このような場合は、多くの場合、ウイルス感染などによる一過性の症状であり、安静と対症療法で改善が期待できます。
ただし、数日経っても症状が改善しない、あるいは悪化する場合は、改めて医療機関を受診してください。

熱と関節痛は何科を受診すべきか

熱と関節痛を同時に伴う場合、最初に受診すべき科は、多くの場合「内科」です。

• 内科:
  発熱や全身症状を伴う感染症（風邪、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症など）は内科の専門分野です。
  また、膠原病や一部の悪性腫瘍、代謝性疾患なども内科で診断や初期治療が行われることがあります。
  まずはかかりつけの内科医に相談するのが最もスムーズなことが多いでしょう。

• 感染症科:
  感染症の専門的な診療が必要な場合や、特殊な感染症（海外から持ち帰ったものなど）が疑われる場合は、感染症科のある医療機関が適しています。

• リウマチ・膠原病科:
  慢性的な関節の痛みや腫れが強く、膠原病が疑われる場合は、リウマチ・膠原病科の専門医の診察を受けることが望ましいです。
  内科医から紹介されることもあります。

• 整形外科:
  関節そのものに外傷や変形がある場合、あるいは痛風発作のように特定の関節に急激な炎症が起きている場合は、整形外科でも診察を受けることがあります。
  ただし、発熱を伴う場合は、まず感染症や全身性の炎症を疑って内科を受診するのが一般的です。

迷う場合は、まずかかりつけ医や最寄りの内科を受診し、必要に応じて専門医への紹介を受けるのが良いでしょう。
受診する際は、症状がいつから始まったか、どのような症状があるか、他に既往症や内服薬があるかなどを正確に伝えられるように整理しておくとスムーズです。

熱と関節痛の対処法

熱と関節痛がある場合、原因を特定し、適切な治療を受けることが最も重要ですが、症状を和らげるために自宅でできる対処法や、市販薬の活用方法もあります。

自宅での過ごし方

原因が感染症などであり、緊急性の高い症状がない場合は、自宅で安静に過ごすことが回復を早めるために大切です。

• 安静:
  体力を消耗しないように、十分な休息を取りましょう。
  睡眠時間をしっかり確保し、無理な外出や運動は避けてください。

• 水分補給:
  発熱時は体から水分が失われやすいため、脱水症状を防ぐためにこまめな水分補給が非常に重要です。
  水、お茶、経口補水液などを少しずつ頻繁に飲みましょう。

• 栄養:
  食欲がない場合でも、消化の良いものを中心に、できるだけ栄養を摂るように心がけましょう。
  温かいスープやおかゆ、ゼリーなどがおすすめです。

• 体温管理:
  発熱でつらい場合は、無理に厚着せず、心地よい温度で過ごせるように衣服や寝具を調整しましょう。
  ただし、寒気（悪寒）がある場合は、体温がさらに上昇しようとしているサインですので、温かくして体温上昇を助けても良いでしょう。
  熱が上がりきって体が熱い状態になったら、冷やすと楽になることがあります。

• 関節のケア:
  痛む関節は無理に動かさず、安静にしましょう。
  炎症がある場合は、冷湿布などで冷やすと痛みが和らぐことがあります。
  ただし、冷やすのが良いか温めるのが良いかは原因によって異なる場合もあります。
  迷う場合は医師や薬剤師に相談してください。

市販薬の使用について

熱や関節痛を和らげるために、市販の解熱鎮痛薬を使用することができます。
ただし、使用には注意が必要です。

• 解熱鎮痛薬:
  アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs）などが含まれる市販薬があります。
  これらの薬は、発熱を下げたり、痛みを和らげたりする効果が期待できます。

  • アセトアミノフェン:
    比較的副作用が少なく、子供から大人まで広く使われます。
    胃への負担が少ないのが特徴です。

  • NSAIDs:
    イブプロフェン、ロキソプロフェンなどが代表的です。
    炎症を抑える効果も期待できるため、炎症を伴う関節痛にも有効な場合があります。
    ただし、胃腸障害や腎臓への負担などの副作用に注意が必要です。

• 使用上の注意点:

  • 添付文書を必ず確認:
    用量や用法、注意事項をよく読んで使用してください。

  • 他の薬との飲み合わせ:
    すでに他の薬を服用している場合は、飲み合わせに注意が必要です。
    特に、抗凝固薬や他の解熱鎮痛薬などとの併用は危険な場合があります。
    薬剤師に相談することをお勧めします。

  • 持病がある場合:
    腎臓病、肝臓病、心臓病、消化性潰瘍などの持病がある方は、使用できない薬や注意が必要な薬があります。
    必ず医師や薬剤師に相談してください。

  • 対症療法であること:
    市販薬は症状を一時的に和らげるためのものであり、病気の原因を治すものではありません。
    症状が改善しない場合や悪化する場合は、必ず医療機関を受診してください。

  • 子供への使用:
    子供にアセトアミノフェン以外のNSAIDsを使用する際は、ライ症候群などのリスクが指摘されている成分もあるため、特に慎重な判断が必要です。
    子供用の市販薬は、必ず対象年齢や用法・用量を確認し、不安な場合は医師や薬剤師に相談してください。

薬の種類	主な効果	特徴	注意点
アセトアミノフェン	解熱、鎮痛	比較的安全、胃への負担が少ない、子供への使用も多い	肝臓への負担、過剰摂取に注意
NSAIDs（イブプロフェン、ロキソプロフェンなど）	解熱、鎮痛、抗炎症	炎症を伴う痛みに有効、効果が強い場合がある	胃腸障害、腎臓への負担、喘息発作の誘発、特定の疾患（心血管疾患など）がある場合は慎重な使用が必要、子供への使用に注意
漢方薬	体全体の調子を整えることで症状を緩和する	根本的な体質改善を目指すものもある、種類が多い	効果の発現に時間がかかる場合がある、体質に合わない場合がある、他の薬との飲み合わせに注意が必要な場合がある

市販薬で症状が一時的に改善しても、安心せず、症状が続く場合や気になる症状が現れた場合は、必ず医療機関で正確な診断を受けるようにしてください。

【まとめ】熱と関節痛を感じたら、まずは冷静に観察し、必要に応じて医療機関へ

熱と関節痛は、体の防御反応や炎症、免疫反応のサインとして同時に現れることが多い症状です。
風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症といった身近な感染症が原因である場合も多いですが、中には膠原病や重篤な感染症、その他の疾患が隠れている可能性もあります。

症状の程度や他にどのような症状を伴っているかによって、緊急性や考えられる病気は異なります。
息苦しさや意識障害、激しい関節の痛みや腫れなど、緊急性の高い症状が見られる場合は、迷わずすぐに医療機関を受診してください。
そうでない場合でも、症状が数日経っても改善しない、あるいは悪化する場合は、医療機関での診察が必要です。

最初に受診する科としては、発熱や全身症状を伴う場合はまず内科が適しています。
関節症状が主体で慢性的な経過をたどる場合は、リウマチ・膠原病科への受診が望ましいこともあります。

ご自身の判断で重症度を決めつけず、症状をよく観察し、少しでも不安を感じる場合は専門家である医師の意見を聞くことが、早期の回復と安心して過ごすために最も重要です。
適切なタイミングで医療機関を受診し、診断に基づいた治療を受けるようにしましょう。

免責事項: 本記事は一般的な情報提供を目的としており、病気の診断や治療方針を決定するものではありません。
個々の症状については、必ず医療機関で医師の診察を受けてください。
自己判断による不適切な対応は、病状の悪化を招く可能性があります。