多くの人が毎日経験する「睡眠」。なんとなく寝て、なんとなく起きているけれど、その睡眠の間に私たちの体や脳の中で何が起こっているのか、具体的に知っている人は意外と少ないかもしれません。
実は、睡眠は大きく分けて「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」という二つの異なる状態が繰り返されています。これらの睡眠状態にはそれぞれ重要な役割があり、私たちの心身の健康に深く関わっています。この記事では、レム睡眠とノンレム睡眠の違いや周期、それぞれの役割を詳しく解説し、今日からできる質の高い睡眠のためのヒントをご紹介します。あなたの睡眠への理解を深め、より快適で健康的な毎日を送るための一助となれば幸いです。
レム睡眠とノンレム睡眠の基本的な違い
睡眠は一様な状態ではなく、生理機能や脳波の状態によって「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の大きく二つに分けられます。これらの睡眠状態は、一晩の間に規則的に繰り返され、私たちの体と脳にそれぞれ異なる影響を与えています。
違いのポイント(脳波、眼球運動、筋緊張)
レム睡眠とノンレム睡眠を区別する上で、最も重要な指標となるのが「脳波」「眼球運動」「筋緊張」の3つです。睡眠ポリグラフ検査(PSG)と呼ばれる精密な検査では、これらの生理的活動を測定することで、睡眠の状態を詳細に分析します。
脳波:
脳波は、脳の神経細胞の電気活動を記録したものです。
- ノンレム睡眠: 睡眠が深まるにつれて、脳波はゆっくりとした大きな波(徐波)が主体となっていきます。特に最も深いノンレム睡眠の段階では、この徐波が多く出現します。脳の活動は全体的に低下し、休息している状態と言えます。
- レム睡眠: 脳波は覚醒時や活動しているときに近い、速くて小さな波が主体となります。脳は活発に活動している状態であり、「活動電位」と呼ばれる神経細胞の電気活動が頻繁に見られます。このため、レム睡眠は「パラドキシカル睡眠(逆説睡眠)」と呼ばれることもあります。脳は起きているように活動しているのに、体は眠っているという逆説的な状態だからです。
眼球運動:
眼球の動きも、レム睡眠とノンレム睡眠で大きく異なります。
- ノンレム睡眠: 眼球の動きはほとんどありません。
- レム睡眠: 閉じられたまぶたの下で、眼球が素早く左右に動くのが特徴です。このRapid Eye Movement(急速眼球運動)が、レム睡眠(REM sleep)の名前の由来となっています。
筋緊張:
体の筋肉の状態、特に首や手足の筋肉の緊張度合いも異なります。
- ノンレム睡眠: 体はある程度の筋緊張を保っており、寝返りを打つこともあります。
- レム睡眠: 首や体幹の筋肉はほぼ完全に脱力し、麻痺に近い状態になります。これは、夢を見ている最中に体が動いてしまうのを防ぐための重要な仕組みと考えられています。ただし、呼吸に関わる筋肉や、手足の小さな筋肉は活動を保っています。
これらの違いをまとめると、以下のようになります。
指標 | ノンレム睡眠 | レム睡眠 |
---|---|---|
脳波 | ゆっくりとした大きな波(徐波)、活動低下 | 速くて小さな波、覚醒時に近い活動レベル |
眼球運動 | ほとんどなし | 素早い左右の動き(Rapid Eye Movement) |
筋緊張 | ある程度保たれている | ほぼ完全に脱力(麻痺に近い状態) |
体の状態の違い(呼吸、心拍、血圧、体温)
脳波、眼球運動、筋緊張に加え、呼吸、心拍、血圧、体温といった自律神経系の働きにも、レム睡眠とノンレム睡眠で顕著な違いが見られます。
- ノンレム睡眠: 体の機能は全体的に鎮静化し、安定した状態になります。
- 呼吸: ゆっくりと規則正しい呼吸になります。
- 心拍: ゆっくりと安定した拍動になります。
- 血圧: 低下し、安定します。
- 体温: 脳と体の代謝が低下し、体温も緩やかに低下します。体温調節機能は比較的保たれています。
- レム睡眠: 脳の活動が活発になるにつれて、体の機能も不安定になります。
- 呼吸: 浅く、速く、不規則な呼吸になります。一時的に無呼吸になることもあります。
- 心拍: 不規則で、変動しやすくなります。速くなったり遅くなったりします。
- 血圧: 不規則で、変動しやすくなります。急激に上昇・下降することもあります。
- 体温: 体温調節機能がほとんど働かなくなります。このため、外部の温度変化に対して弱くなり、暑すぎたり寒すぎたりすると、レム睡眠から覚醒しやすい傾向があります。
これらの身体状態の違いは、それぞれの睡眠状態が果たしている異なる役割と深く関連しています。ノンレム睡眠で体全体を休息・修復する一方、レム睡眠では脳が活発に働き、覚醒に近い状態でありながらも、体が脱力することで安全を確保していると考えられます。
夢を見るのはどちらか?
睡眠と聞いて多くの人が連想するのが「夢」です。では、夢はレム睡眠とノンレム睡眠のどちらで見やすいのでしょうか。
一般的に、鮮明でストーリー性のある夢は、レム睡眠中に見ることが多いとされています。レム睡眠中は脳が覚醒時に近い活動レベルにあり、視覚や聴覚に関わる脳領域も活動しているため、このような夢を見やすいと考えられています。また、レム睡眠中に途中で目覚めさせられると、約80%の人が夢を見ていたと報告すると言われています。
一方で、ノンレム睡眠中にも夢を見ることはあります。しかし、ノンレム睡眠中に見る夢は、断片的で具体的なイメージが少なく、思考に近い内容である場合が多いとされます。また、ノンレム睡眠中に目覚めさせられた場合、夢を見ていたと報告する割合は約20%程度と、レム睡眠に比べて低い傾向があります。ノンレム睡眠中に見る夢は、内容をあまり覚えていないことも多いでしょう。
したがって、私たちが「夢を見た!」と鮮明に記憶しているものの多くは、レム睡眠中に出現したものであると考えられます。レム睡眠中に体が脱力しているのは、鮮明な夢の内容に合わせて体が動いてしまい、危険な状況になるのを防ぐためとも言われています。
睡眠中の周期とサイクル
一晩の睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠が単発で存在するのではなく、特定の周期とサイクルを繰り返しながら進行していきます。この周期的な変化が、私たちの睡眠の質や目覚めの感覚に影響を与えます。
90分周期の繰り返し
健康な成人の睡眠は、約90分周期でレム睡眠とノンレム睡眠が繰り返されるのが一般的です。この周期は、年齢や個人差、その日の体調などによって多少変動することがあります。
具体的な流れとしては、まず眠りに入るとノンレム睡眠から始まり、徐々に深い段階へと移行していきます(ステージ1→2→3)。最も深いノンレム睡眠であるステージ3(徐波睡眠)が出現した後、再び浅いノンレム睡眠に戻り、その後にレム睡眠が出現します。このノンレム睡眠の浅い段階から深い段階への移行と、その後のレム睡眠の出現までの一連の流れが、約90分をかけて繰り返されるのです。
この約90分の周期を1サイクルとして、一晩に4~5回繰り返すことで、約6~7時間半の睡眠時間が確保されることになります。例えば、7時間半睡眠をとった場合、約5サイクルの睡眠を経験することになります。
一晩のサイクルの変化
睡眠中の周期は一定ではなく、一晩を通してその構成が変化していきます。
- 睡眠前半: 眠りについた後の最初の数サイクルでは、深いノンレム睡眠(徐波睡眠)が最も多く出現します。この時間の深いノンレム睡眠は、脳と体の疲労回復にとって特に重要とされています。
- 睡眠後半(明け方にかけて): 眠りのサイクルが進むにつれて、深いノンレム睡眠の時間は短くなり、浅いノンレム睡眠(ステージ1, 2)とレム睡眠の時間が長くなっていきます。特に明け方近くになると、レム睡眠の割合が増え、ノンレム睡眠はほとんどが浅い段階になります。
この変化は、私たちの体が一晩かけて異なる種類の休息を必要としていることを示唆しています。睡眠前半で体と脳の基本的な疲労回復を行い、睡眠後半では脳の整理や記憶の定着、感情の処理といったレム睡眠の役割がより重要になる、と考えられています。
理想的な目覚めは、最後のサイクルの浅いノンレム睡眠かレム睡眠から訪れることが多いとされています。深いノンレム睡眠中に無理に目覚めさせられると、目覚めが悪く、しばらくぼうぜんとした状態(睡眠慣性)が続いたり、不快感を感じたりすることがあります。これは、一晩のサイクルの変化が、私たちの覚醒準備にも影響を与えていることを示しています。
レム睡眠とノンレム睡眠それぞれの役割
レム睡眠とノンレム睡眠は、それぞれ異なる生理的役割を担っており、どちらも健康な心身を維持するためには欠かせません。単に体を休めるだけでなく、脳の機能維持や向上にも重要な役割を果たしています。
ノンレム睡眠の役割(脳と体の休息)
ノンレム睡眠は、主に「脳と体の休息」を担っています。特に睡眠前半に多く出現する深いノンレム睡眠は、その役割が顕著です。
- 脳の休息: ノンレム睡眠中、脳の代謝活動は低下し、エネルギー消費が抑えられます。これにより、日中の活動で疲弊した脳の機能を回復させることができます。また、脳内に蓄積された老廃物(例: アミロイドβ)を排出するメカニズムも、睡眠中、特にノンレム睡眠中に活発になると考えられています。
- 体の休息と修復: 心拍数、呼吸、血圧などが安定し低下することで、体全体がリラックスし、疲労回復を促進します。また、成長ホルモンが多く分泌されるのもノンレム睡眠中です。成長ホルモンは、子供の成長だけでなく、大人の体の細胞の修復や再生、筋肉の維持、脂肪分解などにも重要な役割を果たしており、まさに「眠っている間に体が作られる、修復される」という状態です。免疫機能もノンレム睡眠中に活発になると考えられており、病気への抵抗力を高める上でも重要です。
- 記憶の固定: ノンレム睡眠は、日中に獲得した情報の中から重要なものを長期記憶として固定するプロセスに関わっていると考えられています。特に、事実や出来事に関する「宣言的記憶」の定着に貢献するとされています。
つまり、ノンレム睡眠は、私たちの体と脳が物理的な疲労から回復し、日中の活動で生じたダメージを修復するための、最も基本的な休息の段階と言えるでしょう。十分なノンレム睡眠が取れないと、体の疲労感が取れなかったり、集中力や判断力が低下したりすることがあります。
レム睡眠の役割(脳の整理・記憶)
レム睡眠は「脳の整理」や「記憶の定着・統合」に深く関わっています。体は脱力して休んでいるのに、脳は活発に活動している、この特殊な状態が脳の重要な機能を担います。
- 記憶の整理・統合: レム睡眠は、ノンレム睡眠で固定された記憶を、既存の知識や経験と結びつけて整理・統合する役割を担うと考えられています。これにより、新しい情報をより深く理解し、応用できるようになります。特に、自転車の乗り方のような体の動かし方に関する「手続き的記憶」や、感情を伴う記憶の処理・定着に関与すると言われています。
- 学習能力の向上: 記憶の整理・統合と関連して、レム睡眠は学習した内容を定着させ、問題を解決するための創造性を高めることにも貢献すると考えられています。十分なレム睡眠をとることで、学んだことが身につきやすくなったり、新しいアイデアが閃きやすくなったりすることが示唆されています。
- 感情の処理: レム睡眠中に夢を見やすいこととも関連して、日中に経験した感情を処理し、心の安定を図る役割があると考えられています。レム睡眠中の脳では、感情に関わる扁桃体などが活発に活動している一方、論理的な思考に関わる前頭前野の活動が低下しており、これが感情を安全に処理するのに役立つとされています。
- 脳の発達: 乳幼児期にはレム睡眠の割合が非常に高く、全睡眠時間の約半分を占めると言われています。これは、レム睡眠が脳の発達、特に神経回路の形成に重要な役割を果たしていることを示唆しています。
- 覚醒への準備: 睡眠後半にレム睡眠の割合が増えるのは、体が徐々に覚醒に向けて準備しているためとも考えられています。レム睡眠から覚醒すると、比較的スムーズに活動状態へ移行しやすい傾向があります。
レム睡眠は、単に「夢を見る時間」というだけでなく、脳が日中の経験を整理し、精神的な安定を保ち、学習能力を高めるための重要なプロセスなのです。ノンレム睡眠で脳と体を休ませ、レム睡眠で脳内の情報を整理する、この二つのバランスが取れていることが、質の高い睡眠には不可欠と言えます。
理想的な睡眠時間と割合
質の高い睡眠を得るためには、単に長時間眠るだけでなく、レム睡眠とノンレム睡眠のバランスが取れていることが重要です。「理想」とされる睡眠時間や、各睡眠段階の割合について見ていきましょう。
理想の睡眠割合(ノンレム睡眠とレム睡眠)
健康な成人の場合、一晩の睡眠時間全体に対して、レム睡眠とノンレム睡眠の割合は概ね決まっています。
- ノンレム睡眠: 全睡眠時間の約75%~80%
- レム睡眠: 全睡眠時間の約20%~25%
この割合は、約90分周期の繰り返しの中で自然に達成されるバランスです。特に睡眠前半に深いノンレム睡眠が多く出現し、後半にレム睡眠が増えるという一晩のサイクルの変化も、この全体的な割合に寄与しています。
年齢によってこの割合は変化します。乳幼児期はレム睡眠の割合が高く、加齢とともに深いノンレム睡眠(徐波睡眠)が減少し、睡眠全体が浅くなる傾向が見られます。これは加齢による自然な変化であり、必ずしも異常とは限りません。
重要なのは、必要な睡眠時間の中で、このおおよその割合が保たれていることです。極端にレム睡眠やノンレム睡眠が不足すると、それぞれの睡眠段階が担う役割が十分に果たされず、心身の不調につながる可能性があります。
どちらが深い眠りか
睡眠の「深さ」という観点では、ノンレム睡眠、特にその中の「徐波睡眠(ステージ3/N3)」が最も深い眠りとされています。
ノンレム睡眠は、眠りの浅さから順にステージ1、ステージ2、ステージ3(NREM1, NREM2, NREM3とも表記される)に分けられます。
- ステージ1(N1): 眠り始めのごく浅い段階。まどろんでいるような状態。
- ステージ2(N2): 比較的浅い眠りだが、睡眠時間の約半分を占める段階。脳波に特徴的なパターン(睡眠紡錘波、K複合)が出現します。
- ステージ3(N3/徐波睡眠/深睡眠): 最も深い眠りの段階。脳波にゆっくりとした大きな波(徐波)が多く出現します。この段階で最も脳と体が休息し、成長ホルモンが多く分泌されます。目覚めさせられにくい状態です。
レム睡眠は、脳波が覚醒時に近い活動を示すことから、「浅い眠り」と表現されることがあります。しかし、脳は活発に活動しており、記憶の整理や感情の処理といった重要な作業を行っているため、単に浅い休息というわけではありません。体は脱力しているため、外見的には眠っているように見えます。
したがって、「深い眠り」という言葉が指すのは、一般的にノンレム睡眠のステージ3(徐波睡眠)であり、物理的な休息や体全体の修復に最も寄与する段階です。質の高い睡眠のためには、この深いノンレム睡眠が十分に出現することが重要視されます。
レム睡眠とノンレム睡眠の比較
特徴 | ノンレム睡眠 | レム睡眠 |
---|---|---|
脳波 | 眠りの段階によって異なるが、深まるにつれ徐波が増える。脳の活動低下。 | 覚醒時に近い速波。脳は活発に活動。 |
眼球運動 | ほとんどなし | 素早い左右の動き(Rapid Eye Movement) |
筋緊張 | ある程度保たれている | ほぼ完全に脱力(首・体幹) |
呼吸 | ゆっくり規則正しい | 浅く速く不規則 |
心拍・血圧 | ゆっくり安定、低下 | 不規則に変動 |
体温調節 | 保たれている | 低下 |
夢 | 断片的、思考的。あまり覚えていないことが多い。 | 鮮明、ストーリー性がある。覚えていることが多い。 |
主な役割 | 脳と体の休息、疲労回復、成長ホルモン分泌、免疫機能維持、宣言的記憶の固定 | 脳の整理、記憶の統合・定着(手続き的記憶・感情記憶)、感情処理、学習能力向上 |
一晩の割合 | 約75~80% | 約20~25% |
「深さ」 | 深い(特に徐波睡眠)。覚醒しにくい。 | 浅い。覚醒しやすい(後半)。 |
睡眠の質を高めるためのヒント
レム睡眠とノンレム睡眠のバランスが取れた、周期性の乱れが少ない睡眠が「質の高い睡眠」と言えます。では、どのようにすれば睡眠の質を高めることができるのでしょうか。今日から実践できるヒントをいくつかご紹介します。
快適な睡眠環境
睡眠の質は、寝ている環境に大きく左右されます。寝室の環境を整えることは、質の高い睡眠への第一歩です。
- 温度と湿度: 寝室の快適な温度は、一般的に夏場は25~28℃、冬場は20℃前後とされています。湿度は50%前後が理想的です。暑すぎたり寒すぎたりすると、体温調節がうまくいかず、特にレム睡眠中に中途覚醒しやすくなります。エアコンや加湿器、除湿機などを活用して、一年を通して快適な状態を保ちましょう。
- 光: 睡眠を促すホルモンであるメラトニンは、光を浴びると分泌が抑制され、暗くなると分泌が促進されます。寝室はできるだけ暗くし、外部の光が入らないように遮光カーテンを利用するのがおすすめです。寝る前に強い光(特にスマートフォンのブルーライト)を浴びるのも避けましょう。
- 音: 静かで落ち着ける環境が理想です。外の騒音や室内の生活音などが気になる場合は、耳栓を使ったり、マスキング効果のあるホワイトノイズなどを利用したりするのも効果的です。
- 寝具: マットレス、枕、掛け布団などは、自分の体格や寝姿勢、季節に合ったものを選びましょう。体に合わない寝具は、寝ている間の不快感や体の痛みにつながり、睡眠の質を低下させる原因となります。
良い睡眠習慣
日中の過ごし方や寝る前の習慣も、睡眠の質に大きく影響します。以下の点を意識して、良い睡眠習慣を身につけましょう。
- 規則正しい生活リズム: 毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きることが最も重要です。特に「起きる時間」を一定にすることで、体内時計が整いやすくなり、自然な眠気や目覚めにつながります。週末の寝坊も、平日との差を1~2時間以内にとどめるのが望ましいです。
- 寝る前のカフェイン・アルコール・ニコチンを控える: カフェインには覚醒作用があり、摂取後数時間影響が残ります。寝る数時間前からは控えましょう。アルコールは一時的に眠気を誘いますが、睡眠の途中で目が覚めやすくなったり、レム睡眠が減少したりと、睡眠の質を著しく低下させます。ニコチンにも覚醒作用があり、夜間の喫煙は睡眠を妨げます。
- 寝る前のブルーライトを避ける: スマートフォンやパソコン、タブレットなどの画面から発せられるブルーライトは、メラトニンの分泌を抑制し、脳を覚醒させてしまいます。寝る1時間前からは使用を控えるのが理想です。
- 適度な運動: 日中に適度な運動を行うことは、夜間の睡眠の質を高める効果があります。ただし、寝る直前の激しい運動は体を興奮させてしまい、逆効果になることがあります。寝る2~3時間前までに済ませるのが良いでしょう。
- 寝る前のリラックス習慣: 寝る前にリラックスできる時間を作ることで、心身の緊張がほぐれ、スムーズな入眠につながります。ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる、軽い読書をする、ストレッチやヨガを行う、静かな音楽を聴く、アロマを焚くなど、自分に合った方法を見つけましょう。
- 日中の仮眠に注意する: 長時間または夕方以降の仮眠は、夜間の睡眠に影響を与える可能性があります。仮眠をとる場合は、20~30分程度の短い時間にとどめ、午後3時前までに済ませるのが良いでしょう。
- 眠れないときに無理に寝ようとしない: 寝床に入って20~30分経っても眠れない場合は、一度寝床から出て、リラックスできることをして、眠気を感じたら再び寝床に戻るようにしましょう。寝床で眠れないまま長時間過ごすと、「寝床=眠れない場所」というネガティブな関連付けができてしまい、さらに眠りにくくなることがあります。
これらのヒントを参考に、日々の生活の中で睡眠の質を高める工夫を取り入れてみましょう。すぐに効果が出なくても、継続することが大切です。
免責事項:本記事は、レム睡眠とノンレム睡眠に関する一般的な情報提供を目的としており、医学的なアドバイスを意図するものではありません。睡眠に関する悩みや健康上の不安がある場合は、必ず医師や睡眠専門家にご相談ください。