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その不調、ストレスかも?体に起こる危険な異変と対処法

原因がわからない頭痛や胃の不快感、急な動悸、そして常にまとわりつく疲労感。「病院で検査しても異常なしと言われたけれど、確かにつらい…」そんな経験はありませんか?もしかしたら、その不調はストレスで起こる体の異変かもしれません。

心の問題だと思われがちなストレスですが、実は私たちの体に様々なサインを送り、心身のバランスを崩す大きな原因となります。この記事では、ストレスによって引き起こされる具体的な身体症状から、放置すると危険な「限界サイン」、そして長期化した場合に起こりうる病気までを詳しく解説します。

ご自身の体の声に耳を傾け、不調のサインにいち早く気づき、適切に対処するためのヒントを見つけていきましょう。

目次

ストレスが体に与える影響

なぜストレスが体に影響を及ぼすのでしょうか。その鍵を握るのが自律神経ホルモンバランスです。

私たちの体は、活動時に優位になる「交感神経」と、リラックス時に優位になる「副交感神経」という2つの自律神経がバランスを取りながら、内臓の働きや体温、血圧などをコントロールしています。

しかし、過度なストレス状態が続くと、交感神経ばかりが活発になり、このバランスが崩れてしまいます。その結果、常に体が緊張状態となり、血行不良や内臓機能の低下など、様々な身体的な不調が現れるのです。

また、ストレスを感じると「コルチゾール」というストレスホルモンが分泌されます。このホルモンは適量であれば体を守る働きをしますが、慢性的に分泌され続けると、免疫力の低下やホルモンバランスの乱れを引き起こし、さらなる不調の原因となります。

ストレスによる身体症状【一覧】

ストレスサインは人によって現れ方が異なります。ここでは、代表的な身体症状を部位ごとにご紹介します。複数の症状が当てはまる場合は、特に注意が必要です。

頭痛・めまい・耳鳴り

ストレスによって筋肉が過度に緊張することで、頭全体が締め付けられるような「緊張型頭痛」が起こりやすくなります。また、自律神経の乱れは平衡感覚や聴覚にも影響し、ふわふわするようなめまいや、「キーン」というような耳鳴りを引き起こすことがあります。

胃痛・腹痛・吐き気・下痢・便秘

胃や腸は「第二の脳」とも呼ばれるほど、ストレスの影響を受けやすい器官です。ストレスを感じると胃酸の分泌が過剰になって胃痛や胸やけを起こしたり、腸の動きが異常になることで突然の腹痛を伴う下痢や、逆に頑固な便秘になったりします。これらは過敏性腸症候群(IBS)の代表的な症状でもあります。

肩こり・腰痛・手足のしびれ・関節痛

無意識のうちに体に力が入り、常に筋肉が緊張している状態が続くと、血行が悪化し、慢性的な肩こりや腰痛につながります。ひどくなると、手足のしびれや原因不明の関節痛として現れることもあります。

動悸・息切れ・多汗・微熱

交感神経が優位になると、心臓の鼓動が速くなったり(動悸)、呼吸が浅く速くなったり(息切れ)します。また、体温調節機能が乱れて、暑くもないのに汗が止まらなくなったり、37度前後の微熱が続いたりすることもあります。

皮膚のかゆみ・喉の違和感

ストレスによる免疫機能の乱れは、皮膚にも影響を及ぼします。突然かゆみを伴う湿疹(じんましん)が出たり、アトピー性皮膚炎が悪化したりすることがあります。また、喉に何かが詰まっているような、飲み込みにくいような違和感(咽喉頭異常感症、ヒステリー球)も、ストレスによる代表的な症状の一つです。

疲労感・だるさ

「一晩寝ても疲れが取れない」「朝から体が鉛のように重い」といった、休息では回復しない強い疲労感もストレスのサインです。交感神経が常に高ぶっているため、睡眠の質が低下し、心身が十分に休めていない可能性があります。

生理不順・無月経

女性の場合、強いストレスはホルモンバランスを大きく乱し、生理周期が不規則になったり、一時的に生理が止まってしまったり(無月経)することがあります。

疲れ目・眼精疲労

自律神経は、目のピントを調節する筋肉にも関わっています。ストレスで自律神経が乱れると、この調節機能がうまく働かなくなり、目がかすむ、ピントが合いにくいといった眼精疲労の症状が出ることがあります。

要注意!ストレス限界サイン・前兆

「なんだか最近、いつもと違う…」その感覚は、心身が発する危険信号かもしれません。ストレスが限界に近づいているときに見られるサインを、「身体」「心」「行動」の3つの側面から見ていきましょう。

限界を示す身体の異変

  • 複数の身体症状が同時に、または次々と現れる
  • 症状が日を追うごとに悪化している
  • 夜中に何度も目が覚める、または全く眠れない
  • 朝、起き上がることができない
  • 食事が喉を通らない、または食べ過ぎてしまう
  • めまいや立ちくらみで倒れそうになる
  • 突然涙が出る

限界を示す心の異変

  • ささいなことでイライラし、怒りっぽくなる
  • 常に不安感や焦燥感にかられる
  • これまで楽しめていたことが、全く楽しく感じられない
  • 何事にも興味や関心がわかない(無気力)
  • 集中力が続かず、簡単な判断もできない
  • 「自分はダメだ」と自己否定感が強くなる

限界を示す行動の異変

  • 仕事や家事で、ありえないようなミスが増える
  • 遅刻や欠勤が増える
  • お酒やタバコの量が急激に増えた
  • 人付き合いが億劫になり、一人で引きこもりがちになる
  • 身だしなみや部屋の片づけに構わなくなる

これらのサインが複数当てはまる場合、心身が限界に達している可能性があります。一人で抱え込まず、早急な対策が必要です。

長引くストレスが引き起こす病気【一覧】

慢性的なストレスは、単なる不調に留まらず、様々な病気の発症リスクを高めることが知られています。

ストレス関連の精神疾患

ストレスは心の病気の大きな引き金となります。

  • うつ病: 気分の落ち込み、意欲の低下が長く続く。
  • 適応障害: 特定のストレスが原因で、情緒面や行動面に問題が生じる。
  • 不安障害(パニック障害など): 強い不安や恐怖が日常生活に支障をきたす。
  • 睡眠障害: 不眠、過眠など、睡眠に関する問題が続く。

ストレス関連の身体疾患

心と体は密接につながっており、ストレスが身体的な病気を引き起こすこともあります。

  • 消化器系の病気: 過敏性腸症候群、胃・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎など
  • 循環器系の病気: 高血圧、心筋梗塞、狭心症など
  • その他: メニエール病、円形脱毛症、緊張型頭痛、顎関節症など

免疫力低下と感染症リスク

ストレスホルモンであるコルチゾールの過剰分泌は、免疫細胞の働きを抑制します。その結果、免疫力が低下し、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなったり、治りにくくなったりします。

ストレスによる体の異変への対処法

体の異変に気づいたら、深刻な状態になる前に早めに対処することが大切です。

日常でできるストレス解消法

まずは、自分でできるセルフケアから始めてみましょう。

  • 質の良い睡眠を確保する: 就寝前のスマートフォン操作を控え、リラックスできる環境を整える。
  • バランスの取れた食事: 精神を安定させるセロトニンの材料となるトリプトファン(肉、魚、大豆製品など)やビタミンB群を意識して摂る。
  • 適度な運動: ウォーキングやジョギング、ヨガなどの軽い有酸素運動は、気分転換や血行促進に効果的。
  • リラックスできる時間を作る:
    • 深呼吸・瞑想: 腹式呼吸でゆっくり息を吐くことを意識する。
    • 入浴: ぬるめのお湯にゆっくり浸かり、心身の緊張をほぐす。
    • 趣味に没頭する: 音楽を聴く、本を読む、映画を観るなど、自分が心から楽しいと思える時間を持つ。
  • 信頼できる人に話す: 家族や友人に気持ちを打ち明けるだけでも、心が軽くなることがあります。

医療機関を受診すべき目安

セルフケアを試しても症状が改善しない場合や、日常生活に支障が出ている場合は、専門家の力を借りることが重要です。

症状・状態 受診を検討すべき科
どの科に行けばいいかわからない まずかかりつけ医内科に相談し、必要に応じて専門科を紹介してもらう。
頭痛、めまい、しびれなど 神経内科
胃痛、腹痛、下痢、便秘など 消化器内科
動悸、息切れなど 循環器内科
気分の落ち込み、不安、不眠など心の症状が強い 心療内科精神科

特に心療内科は、ストレスが原因の身体症状を専門的に診てくれる診療科です。心の症状と体の症状の両方がつらい場合に適しています。受診をためらう必要は全くありません。自分の心と体を守るために、勇気を出して相談してみましょう。

まとめ:体の異変に気づき、早めのケアを

ストレスで起こる体の異変は、私たちの心身が発する「少し休んで」という大切なサインです。頭痛や胃痛、疲労感といった些細な不調も、背景には大きなストレスが隠れているかもしれません。

この記事で紹介した症状や限界サインに心当たりがあれば、それは決して気のせいではありません。まずは生活習慣を見直し、自分なりのリラックス方法を見つけることから始めてみてください。それでも改善が見られない場合や、日常生活に支障が出ている場合は、迷わず医療機関を受診しましょう。

自分の体の声に耳を傾け、早めにケアをすることが、健やかな毎日を取り戻すための第一歩です。


免責事項:
この記事は情報提供を目的としたものであり、医学的な診断や治療を推奨するものではありません。体の不調が続く場合は、必ず専門の医療機関にご相談ください。

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