不眠症は、多くの方が経験する睡眠に関する悩みの一つです。夜眠りにつけない、眠りが浅くて何度も目が覚める、朝早くに目が覚めてしまうなど、その症状はさまざまです。単なる寝不足と軽く考えてしまいがちですが、不眠が続くと心身の健康に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。では、「不眠症になったら何科を受診すれば良いのだろうか？」と疑問に思う方も多いでしょう。不眠の原因は一つではなく、体の病気、ストレス、精神的な要因、生活習慣など多岐にわたるため、症状や背景によって最適な診療科が異なります。この記事では、不眠症で受診できる主な診療科の特徴や、病院に行くべき目安、診断・治療方法、そして自分に合った病院の選び方について詳しく解説します。
不眠症は、その原因や症状によって様々な診療科で相談することができます。ここでは、不眠症の際に一般的に受診が検討される主な診療科とその特徴をご紹介します。
内科で相談する場合
不眠の原因が、体の病気に関連している可能性がある場合や、日頃からかかりつけの医師がいる場合は、まず内科で相談してみるのが良いでしょう。例えば、以下のようなケースです。
- 体の病気が不眠を引き起こしている: 喘息による咳や息苦しさ、アトピー性皮膚炎によるかゆみ、胃食道逆流症による胸焼け、関節リウマチによる痛み、頻尿などが原因で夜中に目が覚めてしまうことがあります。これらの体の病気が疑われる場合は、内科医が診断や治療を行います。
- 服用中の薬の副作用: 現在服用している薬が不眠を引き起こす副作用を持っている可能性もあります。内科医であれば、他の疾患で処方されている薬との関連性を判断できます。
- まずは気軽に相談したい: どこに相談すべきか迷う場合や、まずは身近なかかりつけ医に相談したいという場合も、内科は良い選択肢です。内科医が初期的な問診や検査を行い、必要に応じて専門医を紹介してくれることもあります。
内科では、一般的な体の状態を把握するための問診や、血液検査などが行われることがあります。不眠の原因が特定できれば、その原因疾患の治療を行うか、不眠症状に対する一時的な薬の処方などが検討されます。しかし、不眠の原因が身体的なものでない場合や、より専門的な診断・治療が必要な場合は、他の診療科への紹介となる可能性が高いです。
心療内科・精神科で相談する場合
不眠の原因が、ストレス、不安、うつ病などの精神的な要因と深く関連していると考えられる場合は、心療内科または精神科を受診するのが適切です。
- 精神的なストレスや悩み: 仕事や人間関係のストレス、将来への不安などが原因で考え事をしてしまい、眠りにつけない、あるいは夜中に目が覚めてしまうといった不眠は、心療内科や精神科の得意とする分野です。
- うつ病や不安障害などの精神疾患: うつ病では不眠（特に早朝覚醒）が高頻度で現れる症状の一つです。また、不安障害では入眠困難や夜間の覚醒が見られることがあります。これらの精神疾患が不眠の原因となっている場合は、疾患自体の治療が不眠の改善につながります。
- 心身症: 精神的なストレスが原因で体に症状が現れる「心身症」（例：過敏性腸症候群、一部の頭痛など）に不眠を伴う場合も、心療内科が適しています。
心療内科や精神科では、患者さんの精神状態や抱えている悩み、ストレスについて詳しく問診を行います。心理的なアプローチや、必要に応じて抗不安薬や抗うつ薬、睡眠薬などの薬物療法を組み合わせて治療を進めます。
心療内科と精神科の違い
不眠症で心療内科と精神科のどちらを受診すべきか迷う方もいるかもしれません。両者には overlapping（重なり合う）部分も多いですが、一般的に以下のような違いがあります。
| 特徴 | 心療内科 | 精神科 |
|---|---|---|
| 得意分野 | 主に心身症（精神的な要因で体に症状が現れる疾患） | うつ病、統合失調症、双極性障害、不安障害、パニック障害、発達障害など幅広い精神疾患 |
| アプローチ | 体の症状に焦点を当てつつ、その背景にある精神的な要因を探り治療する。 | 精神症状や精神疾患そのものに焦点を当て、診断・治療を行う。 |
| 対象疾患 | 胃潰瘍、過敏性腸症候群、円形脱毛症、気管支喘息、一部の高血圧や不整脈など、精神的な要因が関与する身体疾患。 | 上記の精神疾患全般。不眠症も主要な対象の一つ。 |
| 不眠の場合 | ストレスや悩みが原因で、頭痛や胃痛など他の身体症状と共に不眠がある場合など。 | 不眠そのものが主な症状である場合や、うつ病などの精神疾患に伴う不眠など。 |
どちらの科が良いか迷う場合は、かかりつけ医に相談するか、不眠症専門のクリニックを探すのが一つの方法です。最近では、不眠症を専門的に診ている心療内科や精神科も増えています。
睡眠外来（専門医療機関）で相談する場合
不眠の原因が複雑である、他の診療科でなかなか改善しない、睡眠時無呼吸症候群など他の睡眠障害が疑われるといった場合は、睡眠外来や睡眠センターといった専門医療機関を受診するのが最も適しています。
- 専門的な診断が必要: 睡眠外来では、睡眠の専門医が詳細な問診や検査を行います。問診だけでは分からない不眠の原因（例：むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害など）を特定するために、終夜睡眠ポリグラフ検査（PSG検査）などの専門的な検査を行うことができます。
- 他の睡眠障害との鑑別: 不眠症だと思っていたら、実は睡眠時無呼吸症候群やナルコレプシーなど、他の睡眠障害が不眠として現れている場合もあります。睡眠外来ではこれらの疾患を正確に診断し、適切な治療につなげることができます。
- 難治性の不眠: これまでの治療で十分な効果が得られなかった不眠症に対して、専門的な知識に基づいた様々な治療選択肢（薬物療法の調整、認知行動療法など）を提供できます。
- 小児や高齢者の不眠: 小児期や高齢期特有の不眠の原因や治療法に詳しい専門医がいる場合が多いです。
睡眠外来は、大学病院や総合病院内に設置されている場合や、睡眠医療を専門とするクリニックとして独立している場合があります。専門的な検査設備が整っており、不眠症だけでなく、様々な睡眠障害に対して質の高い医療を提供しています。ただし、専門性が高いため、予約が取りづらい場合や、紹介状が必要な場合もあります。
不眠症で受診すべき目安・タイミング
「少し寝つきが悪いだけ」「たまに夜中に目が覚めるくらい」と感じていても、不眠が続くことで体に負担がかかっていることがあります。では、どのくらい不眠が続いたら病院に行くべきなのでしょうか？
どのくらい不眠が続いたら病院へ行くべきか
不眠が一時的なものではなく、ある程度の期間続いている場合は、医療機関への相談を検討しましょう。一般的に、不眠が週に3回以上あり、それが1ヶ月以上続いている場合は、慢性不眠症の可能性が考えられます。このような状態が続いている場合は、放置せずに専門家の意見を聞くことをおすすめします。
ただし、この目安はあくまで一般的なものです。たとえ1ヶ月経っていなくても、不眠によって日常生活に大きな支障が出ている場合は、早めに受診を検討するべきです。
日中の活動に支障が出ている場合
不眠が続くと、夜間の睡眠だけでなく、日中の活動にも様々な悪影響が出ます。以下のような症状が見られる場合は、不眠が深刻な状態になっているサインかもしれません。
- 強い疲労感や倦怠感: 十分な睡眠が取れていないために、日中常に体がだるい、疲れていると感じる。
- 集中力や注意力の低下: 仕事や勉強に集中できない、ミスが増える。
- 記憶力の低下: 物忘れが多くなる、新しいことを覚えにくい。
- 気分の落ち込みやイライラ: 不眠によって精神的に不安定になりやすい。
- 居眠り: 会議中や運転中など、眠ってはいけない場面で強い眠気に襲われる。
- 頭痛やめまいなどの身体症状: 不眠が原因で体調不良を感じる。
これらの日中の症状は、不眠が単なる「眠れない」という問題だけでなく、心身の機能に影響を及ぼしていることを示しています。このような状態を放置すると、学業や仕事のパフォーマンスが低下したり、人間関係に影響が出たりするだけでなく、思わぬ事故につながるリスクも高まります。
不眠が続き、「睡眠のことで頭がいっぱいになってしまい、生活を楽しめない」「眠れないことへの不安がさらに眠りを妨げる」といった悪循環に陥っている場合も、専門家のサポートが必要です。勇気を出して受診することで、適切な診断と治療につながり、不眠の苦痛から解放される可能性が高まります。
病院での不眠症の診断と治療方法
病院を受診すると、医師はまず不眠の症状やその背景について詳しく調べ、診断を行います。その後、診断結果に基づいて最適な治療法を提案してくれます。
不眠症の主な診断方法
不眠症の診断は、主に問診と睡眠日誌によって行われます。必要に応じて、より客観的な検査が行われることもあります。
- 問診: 医師が患者さんの不眠の症状（いつから、どのような不眠か）、睡眠習慣、日中の状態、既往歴、服用中の薬、ストレス状況、生活習慣（食事、運動、飲酒、喫煙など）について詳しく尋ねます。不眠の原因を探る上で最も重要なステップです。
- 睡眠日誌: 患者さんに毎日の睡眠時間、寝床に入った時間、寝つきにかかった時間、夜中に目覚めた回数と時間、朝起きた時間、日中の眠気や体調などを記録してもらいます。1～2週間記録することで、患者さん自身も気づいていない睡眠パターンや問題点が明らかになります。
- 不眠症に関する質問票（心理検査含む）: 不眠のタイプや重症度を評価するための質問票や、うつ病や不安障害の有無を確認するための心理検査を行うことがあります。
- 終夜睡眠ポリグラフ検査（PSG検査）: 睡眠外来などの専門医療機関で行われる精密検査です。脳波、眼球運動、筋電図、心電図、呼吸、血中酸素濃度などを一晩かけて測定し、睡眠の深さや質、睡眠中の体の状態を詳細に調べます。不眠の原因が睡眠時無呼吸症候群や周期性四肢運動障害など、睡眠中に起こる他の疾患によるものでないかを確認するために特に有効です。
- アクチグラフィー: 腕時計型や万歩計型の装置を身につけて、体の動きから睡眠・覚醒パターンを数日～数週間記録する検査です。客観的に睡眠時間やリズムを把握するのに役立ちます。
これらの診断方法を組み合わせて、医師は不眠症のタイプ（入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害など）や原因を特定し、診断名を確定します。
不眠症の治療法（薬物療法・非薬物療法など）
不眠症の治療は、不眠の原因やタイプ、重症度、患者さんの希望などを考慮して総合的に決定されます。主な治療法には、薬物療法と非薬物療法があります。
非薬物療法:
不眠症治療の基本となるのが非薬物療法です。特に慢性不眠症に対しては、薬物療法に加えて非薬物療法を組み合わせることで、より効果的な改善が期待できます。
- 睡眠衛生指導: 快適な睡眠のための環境調整や生活習慣の改善に関する指導です。
- 寝室の温度、湿度、明るさ、騒音を適切に保つ
- 寝る前にカフェインやアルコールを控える
- 就寝前にはリラックスできる時間を持つ（軽い読書、ぬるめの入浴など）
- 毎日同じ時間に寝て起きるようにする
- 寝床は眠るためだけに使用する（寝床で考え事をしたり、スマホを見たりしない）
- 認知行動療法（CBT-I）： 不眠に関する誤った考え方（認知）や不眠を悪化させる行動パターンを修正していく精神療法です。専門的なトレーニングを受けた医療従事者（医師、心理士など）によって行われます。
- 刺激制御法: 眠れないときに寝床に長くいることをやめ、眠気を感じてから寝床に入る、眠れないときは寝床から一度出るなど、寝床と眠りを関連づけるための行動療法。
- 睡眠制限法: 睡眠時間を一時的に短く制限し、睡眠効率（寝床にいる時間に対して実際に眠っている時間の割合）を高めることで、睡眠を持続させる力を回復させる行動療法。
- 誤った認知の修正: 「眠れないと大変なことになる」「少しも眠れなかった」といった不眠に関するネガティブで非現実的な考え方を、より現実に即したものに変えていく。
- リラクセーション法: 筋弛緩法や呼吸法など、体の緊張を和らげリラックスして眠りに入りやすくするための方法。
- その他の心理的アプローチ: マインドフルネス、イメージ療法などが用いられることもあります。
薬物療法:
不眠による苦痛が強い場合や、非薬物療法だけでは十分な効果が得られない場合に検討されます。主に睡眠薬が使用されます。
- ベンゾジアゼピン系睡眠薬: 歴史があり、比較的効果が強いタイプの睡眠薬です。しかし、依存性や耐性、持ち越し効果（翌朝まで眠気が残る）、転倒リスクなどの副作用に注意が必要です。現在は、短期間の頓服（必要な時だけ飲む）での使用が推奨されることが多いです。
- 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬: ベンゾジアゼピン系に比べて依存性や持ち越し効果が少ないとされています。主に寝つきを良くするタイプと、睡眠を持続させるタイプがあります。
- メラトニン受容体作動薬: 自然な眠気を誘う脳内の物質であるメラトニンの働きを調整することで、睡眠リズムを整えるタイプの薬です。依存性がほとんどなく、比較的安全に使用できます。
- オレキシン受容体拮抗薬: 脳を覚醒させる働きを持つオレキシンの働きを抑えることで、眠気を誘う新しいタイプの睡眠薬です。自然な眠りに近い作用を持つとされています。
- 抗うつ薬や抗不安薬: うつ病や不安障害が不眠の原因となっている場合に、それらの疾患の治療薬として処方されることがあります。一部の抗うつ薬には鎮静作用があり、不眠改善効果も期待できます。
- 漢方薬: 体質や症状に合わせて処方されます。比較的副作用が少ないとされますが、効果の現れ方には個人差があります。
薬物療法を用いる場合でも、漫然と長期間服用するのではなく、可能な限り短期間での使用や、非薬物療法と組み合わせて徐々に減量・中止を目指すのが望ましいとされています。医師は患者さんの状態をしっかり把握し、適切な薬の選択と用量を判断します。
自分に合った病院・医師の選び方
不眠症で病院に行こうと思っても、「どこに行けばいいのか」「どんな医師が良いのか」と悩む方もいるかもしれません。自分に合った病院や医師を選ぶことは、治療を効果的に進める上で非常に重要です。
まずは、ご自身の不眠の症状や、不眠以外に気になる症状（体の痛み、気分の落ち込み、強い不安など）を整理してみましょう。そして、これまでに解説した各診療科の特徴を参考に、どの科が自分の症状に合っているか検討します。
- 身体的な不調も気になる、かかりつけ医がいる: → 内科
- ストレスや不安、気分の落ち込みが大きい: → 心療内科・精神科
- 様々な不眠症状がある、他の睡眠障害も心配、専門的な検査や治療を受けたい: → 睡眠外来（専門医療機関）
どの科にすれば良いか判断が難しい場合は、まずかかりつけ医に相談するか、最寄りの総合病院の相談窓口に問い合わせてみるのも良いでしょう。
不眠症チェックリストの活用
受診前に、ご自身の不眠の状況を整理するためにチェックリストを活用するのも有効です。例えば、以下のような項目について書き出してみましょう。
- 不眠が始まった時期ときっかけ（思い当たるものがあれば）
- 不眠の具体的な症状（寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚める、眠りが浅いなど）
- どのくらいの頻度で不眠があるか（週に何回など）
- 不眠がどのくらい続いているか
- 日中の状態（眠気、だるさ、集中力の低下、気分の変化など）
- 不眠以外に気になる体の症状（痛み、かゆみ、咳、動悸、息苦しさなど）
- 不眠以外に気になる精神的な症状（気分の落ち込み、不安、イライラなど）
- 睡眠に関係する生活習慣（寝る時間・起きる時間、カフェインやアルコールの摂取、寝る前の行動、運動習慣など）
- 現在服用している薬やサプリメント
- これまでの病歴や治療歴
これらの情報を整理しておくと、診察の際に医師に症状を正確に伝えることができ、スムーズな診断につながります。
不眠症に関するよくある質問
Q1: 不眠症の治療に健康保険は適用されますか？
A1: はい、不眠症は病気として扱われるため、医療機関での診断や治療には基本的に健康保険が適用されます。ただし、自由診療のクリニックや特定の検査、保険適用外の治療については、別途費用がかかる場合があります。事前に医療機関に確認することをおすすめします。
Q2: 睡眠薬は依存性が心配なのですが、大丈夫でしょうか？
A2: 睡眠薬の種類によっては依存性のリスクがあるものもあります。しかし、医師の指示通りに適切に使用すれば、多くの場合、依存のリスクを最小限に抑えることができます。最近の睡眠薬は依存性が低いものも開発されています。医師とよく相談し、必要最低限の量と期間で使用することが重要です。また、薬物療法だけでなく、認知行動療法などの非薬物療法も効果的であり、これらを組み合わせることで睡眠薬に頼りすぎない治療が可能です。
Q3: 市販の睡眠改善薬を使っても良いですか？
A3: 市販の睡眠改善薬は、主に一時的な寝つきの悪さ（旅行や環境の変化などによるもの）に対して使用されるもので、効能成分は抗ヒスタミン薬が中心です。慢性的な不眠症の原因を治療するものではありません。また、日中の眠気や口の渇きなどの副作用が出たり、他の病気や薬との飲み合わせに注意が必要な場合もあります。不眠が続く場合は、市販薬に頼る前に医療機関で原因を調べ、適切な診断と治療を受けることが推奨されます。
Q4: 不眠症は治りますか？
A4: 不眠症は適切な診断と治療によって改善が見込める病気です。原因を取り除く治療や、睡眠に関する行動・考え方を修正する認知行動療法、必要に応じた薬物療法などを組み合わせることで、睡眠の質や量が改善し、不眠に伴う日中の不調も軽減されることが期待できます。ただし、治療には時間がかかる場合もあり、再発予防のために生活習慣の改善を継続することも重要です。焦らず、医師と協力して治療を進めていくことが大切です。
Q5: 不眠が続くと、どんな病気になりやすくなりますか？
A5: 慢性的な不眠は、心身の健康に様々な悪影響を及ぼすことが知られています。具体的には、うつ病や不安障害といった精神疾患のリスクが高まるほか、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病、心血管疾患（心筋梗塞、脳卒中など）のリスクも高まることが報告されています。また、免疫力の低下、肥満、認知機能の低下などにも関連するとされています。単なる不調と考えず、早期に適切な対応をとることが重要です。
まとめ：不眠症は症状に応じて適切な科を受診しよう
不眠症は多くの人が経験する身近な症状ですが、それが続くことで心身の健康に深刻な影響を及ぼす可能性のある病気です。不眠の背景には様々な原因があるため、自分に合った診療科を選ぶことが適切な診断と効果的な治療への第一歩となります。
不眠以外の身体的な症状がある場合や、かかりつけ医に相談したい場合は内科を、ストレスや精神的な悩みが不眠の原因となっている、あるいは気分の落ち込みや強い不安を伴う場合は心療内科や精神科を、そして不眠の原因がよく分からない、他の睡眠障害が疑われる、専門的な検査や治療を受けたい場合は睡眠外来などの専門医療機関を受診することを検討しましょう。
特に、不眠が1ヶ月以上続き週に3回以上ある場合や、不眠によって日中の活動に支障が出ている場合は、放置せずに医療機関を受診する目安となります。病院では、問診や睡眠日誌、必要に応じて専門的な検査によって不眠の原因が特定され、睡眠衛生指導や認知行動療法といった非薬物療法、そして必要に応じた薬物療法が組み合わせて行われます。
自分に合った病院や医師を見つけるためには、事前にご自身の不眠症状や気になる点を整理しておくことが役立ちます。不安や疑問があれば、遠慮なく医師に相談しましょう。不眠症は適切な治療で改善が期待できる病気です。一人で悩まず、専門家のサポートを得て、健康な睡眠を取り戻しましょう。
免責事項: 本記事の情報は、一般的な知識を提供するものであり、特定の個人の症状や状況に対する医学的なアドバイスを意図したものではありません。不眠に関するお悩みがある場合は、必ず医療機関を受診し、専門医の診断と指導を受けてください。本記事の情報に基づいてご自身で判断・行動された結果に関しては、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
