グリコール酸ピーリングでつるすべ肌へ!効果・やり方・注意点を徹底解説

グリコール酸ピーリングは、古くなった角質を取り除き、肌のターンオーバーをサポートすることで、様々な肌悩みの改善を目指す美容医療の一つです。
ニキビやニキビ跡、しみ、くすみ、毛穴の開きといった肌トラブルに効果が期待できるため、多くの人が関心を寄せています。
クリニックで行われる専門的な施術から、自宅で手軽に試せる市販のホームケア製品まで種類は様々ですが、その効果や適切な使い方、注意点を正しく理解することが重要です。
この記事では、グリコール酸ピーリングの基本から期待できる効果、正しいやり方、注意点、そして他の成分との違いまで、詳しく解説していきます。

目次

グリコール酸ピーリングとは?

グリコール酸ピーリングは、ケミカルピーリングの一種です。
グリコール酸という酸性の薬剤を肌に塗布することで、肌表面の古い角質や毛穴に詰まった汚れを取り除き、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)を促進することを目的としています。
日本皮膚科学会でも、ケミカルピーリングに関する詳細なガイドライン[1]が公開されています。

グリコール酸の特性と肌への作用

グリコール酸(Glycolic Acid)は、AHA(アルファヒドロキシ酸)と呼ばれるフルーツ酸の一つです。
サトウキビから抽出される成分で、分子量が非常に小さいため、比較的肌への浸透性が高いという特徴があります。
クリニックによっては、グリコール酸ピーリングについて医師が監修した解説[2]も提供されています。

グリコール酸を肌に塗布すると、角質細胞同士を結びつけている「デスモソーム」と呼ばれる結合を緩める作用があります。
これにより、肌表面に蓄積された古い角質が剥がれやすくなり、健康な新しい細胞への生まれ変わりが促されます。

肌のターンオーバーが正常化することで、以下のような肌への作用が期待できます。

  • 古い角質の除去: 肌の表面が滑らかになり、ざらつきやくすみが改善されます。
  • 毛穴の詰まり解消: 角栓ができにくくなり、ニキビや毛穴の黒ずみの改善につながります。
  • 肌の再生促進: 新しい皮膚細胞の生成が促され、肌のハリや弾力アップに貢献します。
  • 化粧品の浸透性向上: 余分な角質がなくなることで、スキンケア製品の肌へのなじみが良くなります。

グリコール酸は比較的穏やかな酸ですが、肌の状態や濃度によっては刺激を感じることもあります。
そのため、使用する際は肌の状態に合わせて適切な濃度や頻度を選ぶことが大切です。

ケミカルピーリングにおける位置づけ

ケミカルピーリングは、酸性の薬剤を使って肌表面の角質を剥離させることで、肌の再生を促す治療法全般を指します。
使用される薬剤には、グリコール酸の他にも、サリチル酸、乳酸、トリクロロ酢酸(TCA)など様々な種類があります。

グリコール酸ピーリングは、ケミカルピーリングの中でも最も一般的で広く普及している方法の一つです。
その理由として、グリコール酸の分子量が小さく、比較的浅い層に作用するため、他の強い酸(TCAなど)に比べてダウンタイムが短く、穏やかな効果が期待できる点が挙げられます。
ニキビ治療や肌質改善、軽度の色素沈着など、幅広い肌悩みに対応できる汎用性の高さも特徴です。

ただし、グリコール酸の濃度やpHによって肌への作用は大きく異なります。
クリニックで使用される高濃度のものは医療行為となりますが、市販の化粧品に配合される場合は低濃度に限られ、その作用も穏やかになります。
自分の肌悩みや肌質に合わせて、適切な方法を選ぶことが重要です。
ケミカルピーリングに関するより詳しい情報は、日本皮膚科学会のガイドライン[1]も参考になります。

グリコール酸ピーリングに期待できる効果

グリコール酸ピーリングは、肌のターンオーバーを正常化し、古い角質を取り除くことで、様々な肌悩みにアプローチします。
具体的にどのような効果が期待できるのか、見ていきましょう。

ニキビ・ニキビ跡の改善

ニキビは、毛穴に皮脂や古い角質が詰まることから始まります。
グリコール酸ピーリングは、この毛穴の詰まりを引き起こす古い角質を効果的に除去します。
これにより、皮脂がスムーズに排出されるようになり、新たなニキビの発生を予防したり、既存のニキビの炎症を鎮めたりする効果が期待できます。
ニキビに関する悩みについても、医師監修のグリコール酸ピーリング解説[2]などで触れられています。

また、ニキビが治った後に残る赤みや色素沈着(ニキビ跡)に対しても効果を発揮します。
肌のターンオーバーが促進されることで、色素沈着の原因となるメラニン色素を含む角質が排出しやすくなり、ニキビ跡の色素沈着が薄れることが期待できます。
凹凸のあるクレータータイプのニキビ跡にも、繰り返し施術を行うことで肌の再生が促され、わずかながら改善が見られる場合がありますが、深さによっては他の治療法との併用が必要になることもあります。

しみ・くすみ・肌の色ムラへの効果

しみやくすみ、肌の色ムラも、ターンオーバーの乱れやメラニン色素の蓄積が原因となることが多い肌悩みです。
加齢や紫外線ダメージによってターンオーバーが遅れると、本来排出されるべきメラニン色素が肌内部に留まりやすくなります。

グリコール酸ピーリングは、この遅れたターンオーバーを正常化し、メラニンを含む古い角質を効率的に剥がす手助けをします。
これにより、肌全体がワントーン明るくなったり、気になるしみやくすみが薄れたりする効果が期待できます。
特に、表皮性の色素沈着(日焼けによるしみ、炎症後色素沈着など)に対して有効とされています。
ただし、肝斑のような特殊なしみや、真皮性の深いしみに対しては、ピーリング単独での効果は限定的であり、専門医による診断と適切な治療法の選択が必要です。

毛穴の開き・黒ずみの改善

毛穴の開きや黒ずみは、過剰な皮脂分泌や古い角質、メイク汚れなどが混ざり合った「角栓」が毛穴に詰まることで生じます。
特に鼻の頭などにできる黒い点々は、角栓が酸化して黒くなった状態です。

グリコール酸ピーリングは、毛穴の入り口を塞いでいる古い角質を取り除き、毛穴の詰まりを解消する効果があります。
これにより、毛穴に詰まった角栓が排出しやすくなり、毛穴の黒ずみが目立たなくなることが期待できます。
また、毛穴の詰まりが解消されることで、毛穴が引き締まって見える効果も期待できる場合があります。
定期的なピーリングは、角栓ができにくい肌環境を整えることにもつながります。

肌のざらつき解消とハリ・弾力アップ

肌表面のざらつきは、古い角質が均一に剥がれ落ちず、肌の上に留まっていることが主な原因です。
グリコール酸ピーリングは、この不要な角質を効果的に除去するため、肌表面が滑らかになり、手触りが良くなるのを実感できます。

さらに、グリコール酸によるピーリングは、肌の奥にある真皮層にも影響を与える可能性があります。
ピーリングによる適度な刺激は、真皮層の線維芽細胞を活性化させ、コラーゲンやエラスチンといった肌のハリや弾力を保つ成分の生成を促すと考えられています。
これにより、肌全体のハリや弾力がアップし、小じわの改善にもつながる効果が期待できる場合があります。
肌の内側からの変化は、継続的な施術によってより実感しやすくなるでしょう。

グリコール酸ピーリングのデメリット・注意点

グリコール酸ピーリングは様々な肌悩みに効果が期待できる一方で、肌に負担をかける可能性があるため、いくつかのデメリットや注意点があります。
施術を受ける前やセルフケアを行う前に、十分に理解しておくことが重要です。
日本皮膚科学会のケミカルピーリングガイドライン[1]にも、リスクや注意点に関する記載があります。

施術中・施術後の反応(ピリつき・赤み・乾燥)

グリコール酸を肌に塗布した際、ピリピリとした刺激や熱感を感じることがあります。
これは酸が肌に作用しているサインで、一時的なものです。
特に敏感肌の方や、初めてピーリングを受ける方は強く感じやすい傾向があります。

施術後には、肌が赤みを帯びたり、乾燥したりすることがあります。
これは、古い角質が剥がされたことで肌のバリア機能が一時的に低下するためです。
通常、これらの反応は数時間から数日でおさまりますが、個人差があります。
赤みや乾燥が強い場合は、保湿ケアを徹底し、肌を刺激しないように優しく扱うことが大切です。
場合によっては、腫れやひりつきが強く出ることもあり、その場合は医師に相談する必要があります。

グリコール酸ピーリングの禁忌事項

グリコール酸ピーリングは、すべての人に適しているわけではありません。
以下のような状態に当てはまる方は、施術を受けることができません(禁忌)ので注意が必要です。
日本皮膚科学会のケミカルピーリングガイドライン[1]にも禁忌事項が明記されています。

  • 現在、日焼けをしている方: 日焼け後の肌は炎症を起こしており、ピーリングでさらにダメージを与える可能性があります。
  • 皮膚に炎症や傷がある方: アトピー性皮膚炎、ヘルペス、湿疹などで炎症が強い部位や、切り傷、擦り傷がある部位への施術は避けるべきです。
  • ケロイド体質の方: 傷跡が盛り上がりやすい体質の方は、ピーリングによってケロイドが悪化するリスクがあります。
  • 妊娠中・授乳中の方: 安全性が確立されていないため、避けるのが一般的です。
  • 使用中の薬剤がある方: レチノイド(トレチノインなど)や、皮膚の剥離を促すような薬剤を使用している場合、肌が過敏になっている可能性があります。
    事前に医師に必ず申告してください。
  • 過去にピーelingで肌トラブルを起こしたことがある方: 同じ成分でなくても、肌が敏感になっている可能性があります。
  • 極度の乾燥肌や敏感肌の方: 肌のバリア機能が著しく低下している場合、強い刺激となる可能性があります。

これらの他にも、医師が不適当と判断した場合は施術を受けられないことがあります。
必ず事前に詳細な問診を受け、現在の肌状態や健康状態を正確に伝えることが重要です。

施術後の敏感肌対策

ピーリング後の肌は一時的にバリア機能が低下し、非常にデリケートな状態になっています。
この時期のケアを怠ると、思わぬ肌トラブルにつながる可能性があります。
施術後の敏感肌対策として、以下の点に特に注意しましょう。
これは医師監修のグリコール酸ピーリング解説[2]でも触れられています。

  • 徹底した保湿ケア: 肌の乾燥を防ぎ、バリア機能を回復させるために、保湿力の高い化粧水、美容液、クリームなどで十分に保湿を行います。
    アルコールや香料など、刺激になりやすい成分が含まれていない敏感肌向けの製品を選ぶと良いでしょう。
  • 紫外線対策の徹底: ピーリング後の肌は紫外線の影響を受けやすくなっています。
    日焼け止めを塗る、帽子をかぶる、日傘をさすなど、徹底した紫外線対策が必須です。
    SPF30以上、PA+++以上を目安に、日常的に紫外線対策を行いましょう。
  • 肌への物理的な刺激を避ける: ゴシゴシ洗顔する、タオルで強くこする、スクラブ入り洗顔料やピーリング効果のある化粧品を使う、顔そりをするなど、肌に物理的な刺激を与える行為は避けましょう。
    洗顔はやさしく、たっぷりの泡でなでるように行います。
  • メイク: 施術直後はメイクを控えるのが無難ですが、多くの場合は翌日から可能です。
    ただし、肌状態によっては刺激を感じる場合もあるため、様子を見ながら行うか、ミネラルファンデーションなど肌負担の少ないものを選ぶと良いでしょう。
  • 入浴・運動: 血行が良くなると赤みやひりつきが増すことがあるため、施術直後の熱いお風呂や激しい運動、サウナなどは避けるのが望ましいです。

これらの対策をしっかり行うことで、ピーリングの効果を最大限に引き出しつつ、肌トラブルのリスクを最小限に抑えることができます。

グリコール酸ピーリングのやり方と種類

グリコール酸ピーリングには、主にクリニックで医師の管理下で行う医療ピーリングと、自宅で市販の化粧品を使って行うホームピーリングがあります。
それぞれ使用できるグリコール酸の濃度や期待できる効果、注意点が異なります。
日本皮膚科学会のケミカルピーリングガイドライン[1]でも、医療機関で行うケミカルピーリングについて詳述されています。

クリニックでの医療ピーリング

クリニックで行われる医療ピーリングは、市販品に比べて高濃度のグリコール酸を使用できるため、より高い効果が期待できます。
医師や看護師といった専門家が肌状態を診断し、適切な濃度と時間で施術を行うため、安全性が高く、様々な肌悩みに対応できます。
医師監修のグリコール酸ピーリング解説[2]も参考にすると良いでしょう。

施術の流れと適切な濃度

クリニックでの一般的な施術の流れは以下のようになります。

  • カウンセリング・診察: 医師が肌の状態、肌悩み、既往歴、アレルギーなどを詳しく確認し、ピーリングが適しているか、適切な濃度や回数はどのくらいかを診断します。
    この際に、疑問点や不安な点をしっかり相談しましょう。
  • 洗顔: メイクや肌の汚れを丁寧に落とします。
  • 薬剤塗布: グリコール酸の溶液を肌に塗布します。
    塗布中はピリピリとした刺激を感じることがあります。
  • 中和: 定められた時間が経過したら、アルカリ性の溶液で酸を中和し、薬剤の作用を止めます。
  • 冷却・鎮静: 冷たいタオルやパックなどで肌を冷却・鎮静させます。
  • 保湿: 化粧水やクリームでしっかりと保湿を行います。
  • アフターケアの説明: 施術後のホームケアや注意点について説明を受けます。

クリニックで使用するグリコール酸の濃度は、一般的に10%〜50%程度と幅広く、肌質や治療目的によって医師が適切に判断します。
初めての施術や敏感肌の方には低濃度から始め、徐々に濃度を上げていくのが一般的です。
適切な濃度選択と施術時間、正確な中和が、効果と安全性を両立させる上で非常に重要になります。

治療期間と推奨される頻度

グリコール酸ピーリングの効果を実感するには、複数回の施術が必要です。
肌のターンオーバーは約28日周期と言われており、この周期に合わせて繰り返し施術を行うことで、継続的な肌質改善を目指します。

一般的な治療期間と推奨される頻度は、肌悩みや使用する濃度によって異なりますが、通常2~4週間に1回のペースで、5~10回程度の継続が推奨されることが多いです。
これは日本皮膚科学会のガイドライン[1]や多くのクリニック[2]で示されている目安です。
ニキビ治療であれば比較的短期間で効果が見られることもありますが、しみやニキビ跡の改善、ハリ・弾力アップといった効果は、肌の生まれ変わりを待つ必要があるため、ある程度の回数を重ねる必要があります。

医師と相談しながら、自分の肌状態や目標に合わせた治療プランを立てることが大切です。
推奨される頻度を守らずに短期間に何度も行うと、肌への負担が大きくなり、かえって肌トラブルを招く可能性があるので注意が必要です。

セルフケアでのホームピーリング

市販の化粧品の中には、グリコール酸が配合されたピーリング製品(洗顔料、化粧水、美容液、ジェル、クリームなど)があります。
これらはクリニックで使用されるものよりはるかに低濃度(日本では化粧品に配合できる濃度に上限がある)に抑えられており、自宅で手軽にピーリング効果を試せる点が魅力です。

市販のグリコール酸配合化粧品(化粧水・クリーム)

市販のグリコール酸配合化粧品は、古い角質を穏やかに取り除き、肌のごわつきやくすみをケアすることを目的としています。
化粧水タイプであれば、洗顔後に拭き取り化粧水として使用したり、いつもの化粧水代わりに使ったりします。
クリームタイプは、夜のスキンケアの最後に使用することが多いです。

製品によってグリコール酸の濃度やpH、一緒に配合されている成分(保湿成分、他の角質ケア成分など)が異なります。
初めて使用する場合は、まずは低濃度の製品から試すのがおすすめです。
また、使用する製品の注意書き(使用頻度、使用量、使用方法など)を必ず守りましょう。

これらのホームピーリング製品は、クリニックでの医療ピーリングのような劇的な効果を期待するものではありません。
しかし、日常的なスキンケアに取り入れることで、肌のなめらかさを保ち、次に使うスキンケア製品の浸透(角質層まで)をサポートするといった効果が期待できます。

セルフピーリング製品使用上の注意

自宅でのセルフピーリングは手軽ですが、誤った方法で行うと肌トラブルにつながるリスクもあります。
以下の点に注意して使用しましょう。

  • 使用頻度を守る: 製品に記載されている推奨使用頻度を守りましょう。「毎日使える」「週に〇回」など、製品によって異なります。
    必要以上に頻繁に使用すると、肌のバリア機能を傷つけ、乾燥や敏感肌の原因となります。
  • 他の角質ケア製品との併用を避ける: スクラブ洗顔料やAHA・BHA以外のピーリング成分(例えば酵素洗顔など)が配合された製品との併用は、肌への負担が大きくなるため避けるべきです。
    レチノールなどの成分も肌を剥離させる作用があるため、併用には注意が必要です。
  • 使用量・使用方法を守る: 製品に記載された適量を守り、肌に負担をかけないように優しく塗布します。
    強くこすったり、長時間放置したりすることは絶対にやめましょう。
  • 肌の状態を確認する: 肌が炎症を起こしている、ニキビがひどい、乾燥が著しい、傷があるなど、肌状態が悪い時は使用を控えましょう。
  • 紫外線対策: ホームピーリング中も肌は紫外線の影響を受けやすくなっています。
    必ず日焼け止めを使用し、紫外線対策を徹底しましょう。
  • 異常を感じたら中止する: 使用中に強い刺激や赤み、かゆみなどが現れた場合は、すぐに使用を中止し、洗い流してください。
    症状が続く場合は皮膚科医に相談しましょう。

セルフケア製品は穏やかな効果ですが、使用方法を誤ると肌に負担をかける可能性があることを忘れずに、正しく使いましょう。

グリコール酸とサリチル酸の違い

ケミカルピーリングや市販の角質ケア製品でよく使われる酸には、グリコール酸の他にサリチル酸があります。
どちらも角質ケア成分として知られていますが、それぞれ異なる特徴と得意な肌悩みがあります。
日本皮膚科学会のガイドライン[1]でも、グリコール酸とサリチル酸(特にサリチル酸マクロゴール)は異なる種類のケミカルピーリング剤として紹介されています。

それぞれの特徴と適応症状

特徴 グリコール酸(AHA) サリチル酸(BHA)
化学構造・分子量 分子量が小さく、水溶性。肌(角質層)への浸透性が高い。 分子量がやや大きく、脂溶性。毛穴の皮脂となじみやすく、毛穴の奥に浸透しやすい。
主な作用 角質細胞間の結合を緩め、古い角質を剥離させる。肌全体のターンオーバー促進。肌表面のなめらかさ、くすみ改善、軽度の色素沈着に効果。 毛穴の皮脂や詰まりを溶かす・分解する作用が強い。毛穴の奥まで浸透し、角栓を取り除く。抗炎症作用もある。
得意な肌悩み 肌全体のくすみ、ごわつき、キメの乱れ、乾燥による小じわ、軽度の色素沈着、閉鎖性ニキビ(白ニキビ) 毛穴の黒ずみ、毛穴の開き、オイリー肌、脂性ニキビ(炎症を伴う赤ニキビを含む)、角栓ケア
クリニック施術 濃度調整が幅広く可能。様々な肌悩みに対応。日本皮膚科学会のガイドライン[1]でも一般的なケミカルピーリング剤として記載。 高濃度では溶解性が高いため、エタノールに溶解させて使用することが多い(サリチル酸マクロゴール)。毛穴の詰まりやニキビに特化。サリチル酸マクロゴールは角質層に留まりやすく、全身への副作用リスクが低いとされる[1]。
市販品 化粧品に広く配合されている。肌全体のトーンアップ、なめらかさケア向け。 化粧品にも配合されているが、医薬品や医薬部外品としてニキビケア製品に配合されることも多い。毛穴ケア、ニキビケア向け。

あなたの肌に合うのはどちら?

グリコール酸とサリチル酸、どちらが自分の肌に合うかは、主な肌悩みによって判断できます。

  • 肌全体のくすみが気になる、肌がごわつく、乾燥による小じわや軽度の色素沈着が気になる方
    グリコール酸が適している可能性が高いです。
    肌全体のターンオーバーを促進し、肌表面の質感を整えるのに向いています。
  • Tゾーンや鼻の毛穴の黒ずみ・開きが気になる、ニキビができやすい、肌がオイリー肌・脂性肌の方
    サリチル酸が適している可能性が高いです。
    毛穴の奥の皮脂や角栓にアプローチし、毛穴詰まりやニキビの改善に効果的です。

ただし、肌悩みは一つだけとは限りませんし、肌質も人それぞれ異なります。
両方の成分が配合された製品や、クリニックで医師に相談し、肌状態に合わせてどちらか、あるいは両方のピーリングを組み合わせた治療を提案してもらうのも良い方法です。
特に、ニキビとニキビ跡の色素沈着が混在している場合など、複数の悩みを抱えている場合は、専門家(皮膚科医)のアドバイスを受けるのが最も確実です。
日本皮膚科学会のガイドライン[1]なども参考に、医師と相談して適切な治療法を選択しましょう。

グリコール酸ピーリングに関するよくある質問

グリコール酸ピーリングについて、多くの方が抱える疑問にお答えします。

グリコール酸によるピーリングの効果は何ですか?

グリコール酸によるピーリングの主な効果は、肌のターンオーバーを促進し、古い角質を取り除くことです。
これにより、以下の効果が期待できます。
これは、日本皮膚科学会のガイドライン[1]や医師監修の解説記事[2]でも共通して述べられている点です。

  • ニキビ・ニキビ跡の色素沈着の改善
  • しみ・くすみ・肌の色ムラの改善(表皮性のもの)
  • 毛穴の開き・黒ずみの改善、角栓ケア
  • 肌のざらつき解消、肌のなめらかさ向上
  • 肌のハリ・弾力アップ(コラーゲン生成促進によるもの)

これらの効果は、使用するグリコール酸の濃度や施術回数、個人の肌質によって異なります。

グリコール酸のデメリットは?

グリコール酸ピーリングのデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
これらのリスクについても、ガイドライン[1]やクリニックの解説[2]で注意喚起されています。

  • 施術中・施術後の刺激: ピリつき、熱感、赤み、乾燥、ひりつきなどが発生する可能性がある。
  • 肌のバリア機能の一時的な低下: 施術後に肌が敏感になり、乾燥や外部刺激を受けやすくなる。
  • 紫外線への過敏性: ピーリング後の肌は紫外線の影響を受けやすいため、徹底した紫外線対策が必要。
  • 効果を実感するのに回数が必要: 多くの肌悩みに対して、1回の施術では不十分で複数回の継続が必要。
  • 禁忌事項がある: 肌の状態や健康状態によっては施術を受けられない場合がある。
  • 自己判断によるセルフケアのリスク: 市販品でも使用方法を誤ると肌トラブルを招く可能性がある。

これらのデメリットを理解し、適切なケアを行うことが重要です。

グリコール酸ピーリングは何回くらいすればいいですか?

グリコール酸ピーリングの効果を実感するには、通常5回〜10回程度の継続が必要とされています。
これは、日本皮膚科学会のガイドライン[1]などでも一般的な目安として示されています。
推奨される頻度は、治療目的や使用するグリコール酸の濃度、個人の肌状態によって異なりますが、一般的には2週間~4週間に1回のペースで行われます[1][2]。

ニキビ治療であれば比較的早期に効果が見られることもありますが、しみやニキビ跡、肌質改善といった目的の場合は、肌のターンオーバーに合わせてじっくりと治療を進める必要があります。

クリニックで施術を受ける場合は、医師と相談しながら最適な治療プランを立てましょう。
セルフケアの場合は、製品の推奨頻度を守り、肌の状態を観察しながら継続することが大切です。

グリコール酸は何に効くの?

グリコール酸は、肌表面の古い角質を取り除く作用に優れています。
この作用を通じて、以下のような肌悩みに効果が期待できます[1][2]。

  • ニキビ予防・改善: 毛穴の詰まりを解消し、ニキビができにくい肌環境を整える。
  • ニキビ跡の色素沈着の改善: メラニンを含む古い角質を排出しやすくする。
  • しみ・くすみ・肌の色ムラの改善: 古い角質を取り除くことで、肌のトーンを明るくする。
  • 毛穴の黒ずみ・開きの改善: 角栓の排出を促し、毛穴をクリアにする。
  • 肌のごわつき・ざらつきの解消: 肌表面をなめらかにする。
  • 肌のハリ・弾力アップ: 真皮への作用によりコラーゲン生成をサポートする。

ただし、効果の程度は濃度や使用方法、個人の肌質によって異なります。

グリコール酸配合化粧品は毎日使えますか?

グリコール酸配合化粧品を毎日使えるかどうかは、製品の種類や濃度、そして個人の肌質によります。

市販されている化粧品の中には、ごく低濃度のグリコール酸が配合されており、「毎日使える」と記載されている製品もあります。
しかし、肌が敏感な方や乾燥しやすい方は、毎日使用すると肌に負担がかかりすぎる可能性もあります。

多くのピーリング効果を謳う製品は、「週に1~2回」や「夜のみ使用」など、使用頻度が指定されている場合が多いです。
製品の注意書きを必ず確認し、推奨される使用頻度を守りましょう。

もし、使用中に肌の乾燥、赤み、ひりつき、かゆみなどの異常を感じた場合は、すぐに使用を中止し、使用頻度を減らすか、他の製品に切り替えることを検討してください。
迷う場合は、皮膚科医や化粧品カウンターの専門家に相談することをおすすめします。

まとめ:グリコール酸ピーリングで肌質改善を目指す

グリコール酸ピーリングは、肌のターンオーバーを正常化し、古い角質を効果的に取り除くことで、ニキビやニキビ跡、しみ、くすみ、毛穴の開き、肌のざらつきといった様々な肌悩みの改善に効果が期待できる方法です[1][2]。
クリニックでの専門的な医療ピーリングと、自宅で手軽に行える市販のホームピーリングがあり、それぞれ特徴や期待できる効果、注意点が異なります。

医療ピーリングは高濃度で高い効果が期待できる一方、肌への作用も大きいため、専門医の診断と管理のもとで安全に行うことが重要です。
肌質や悩みに合わせて適切な濃度や回数を選ぶことで、より確実な肌質改善を目指せます。
日本皮膚科学会のガイドライン[1]も参考に、信頼できる医療機関を選びましょう。

市販のホームピーリング製品は低濃度で穏やかな効果ですが、日常的なケアに取り入れることで、肌のごわつきやくすみをケアし、肌触りをなめらかに保つサポートをしてくれます。
ただし、製品の正しい使用方法や頻度を守り、肌に負担をかけないように注意が必要です。

また、グリコール酸とサリチル酸は、得意とする肌悩みが異なります。
日本皮膚科学会のガイドライン[1]でも種類が示されているように、自分の肌悩みや肌質に合わせて、適切な成分や方法を選ぶことが、ピーリングの効果を最大限に引き出し、肌トラブルを防ぐ鍵となります。

グリコール酸ピーリングは、肌質改善を目指す上で有効な手段の一つですが、全ての人に同じ効果があるわけではなく、肌状態によっては不向きな場合やデメリットも存在します[1][2]。
特に、肌に炎症がある方や敏感肌の方、特定の薬剤を使用している方は、施術を受ける前に必ず医師に相談してください。

この記事で解説した情報を参考に、グリコール酸ピーリングを正しく理解し、ご自身の肌悩みに合わせた最適なケア方法を見つけて、理想の肌質を目指しましょう。


免責事項: 本記事は、グリコール酸ピーリングに関する一般的な情報提供を目的としています。
個々の肌の状態や健康状態によって、適応や効果、リスクは異なります。
具体的な治療やスキンケアを行う際は、必ず専門の医療機関で医師の診断を受け、適切な指導のもとで行ってください。
本記事の情報のみに基づいて行った行為による損害について、筆者および掲載者は一切の責任を負いません。

参照元:
[1] 日本皮膚科学会ケミカルピーリングガイドライン(改訂第3版) – https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/1372913831_1.pdf
[2] グリコール酸ピーリングとは【医師監修】 – https://www.hiro-clinic.or.jp/beauty/column/glycolic-acid/

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