「体質だから仕方ない」で済ませてきた下痢 原因を特定すれば、改善できます。
執筆・監修 PROFILE
日本内科学会認定 総合内科専門医/日本消化器病学会認定 消化器病専門医/
日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医/日本肝臓学会認定 肝臓専門医/
日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医/日本医師会認定産業医/厚生労働省認定難病指定医
30秒でわかる 下痢の受診判断
早めの受診を
- 血液が混じる下痢
- 高熱(38℃以上)を伴う
- 脱水症状(尿が出ない・口が渇く)
受診をお勧め
- 2週間以上続く下痢
- 体重が減ってきた
- 夜中に目が覚めるほどの下痢
- 同じものを食べた人も同時に発症
改善なければ受診
- 飲みすぎ・食べすぎの翌日だけ
- 旅行先での一時的な下痢
- 緊張時だけで排便後に楽になる
症状の概要
下痢とは便が水のようになって頻回に排泄される状態です。お腹がぎゅーっと締めつけられるような痛みを伴うこともあり、日常生活への影響が大きい症状です。
急激に発症し2週間以内におさまるものを急性下痢症、4週間以上続く軟便を慢性下痢症といいます。急性下痢の多くは感染性腸炎ですが、慢性下痢の背景には専門的な評価が必要な疾患が隠れていることもあります。「体質だから仕方ない」と放置せず、一度きちんと評価を受けることをお勧めします。
症状チェック CHECK
- 経験したことがないような激しい下痢
- 高熱やひどい腹痛を伴う
- 吐き気や嘔吐を伴う
- 排便後にも腹痛が続く
- 同じものを食べた人も同時に下痢になった
- 症状が悪化している、または改善しない
- 血液が混じる下痢
- 尿が少ない・のどが渇くなどの脱水症状がある
こんな状態は要注意
考えられる原因
| 感染性腸炎 | ウイルスや細菌の感染により起こる急性の下痢です。嘔吐・発熱を伴うことが多く、多くは数日で改善しますが、血便・高熱・脱水がある場合は受診が必要です。 |
|---|---|
| 過敏性腸症候群(IBS) | 腹痛を伴う下痢や便秘が長期間続くのに、検査で異常が見つからない状態です。大腸カメラで問題がないことを確認できたことで症状が改善する方も経験しています。患者様に合った治療を一緒に考えてまいります。 |
| 潰瘍性大腸炎・ クローン病 (炎症性腸疾患) | 腸の粘膜に慢性的な炎症が起きる疾患で、粘液や血液の混じった下痢・腹痛・発熱を繰り返します。指定難病であり、専門医による継続的な管理が必要です。 |
| 大腸がん | 進行すると便通異常(下痢と便秘の繰り返し)・血便・体重減少が現れることがあります。40歳以上で便通の変化が続く場合は大腸カメラでの精査をお勧めします。 |
| 薬剤性の下痢 | 抗生剤・解熱鎮痛薬・下剤の過剰摂取などが下痢の原因になることがあります。新たに飲み始めた薬がある場合はお知らせください。 |
当院での診断・検査
- 01
問診
下痢の頻度・性状・発症時期・血便の有無・食事内容・渡航歴・服薬歴・家族歴を詳しくお聞きします。急性の下痢は問診でおおよその見当がつくことも多くあります。
- 02
血液検査・便検査
炎症反応・貧血・栄養状態・感染症の指標を確認します。細菌感染が疑われる場合は便培養検査を行います。
- 03
大腸カメラ(下部消化管内視鏡)
慢性下痢・血便・夜間下痢・体重減少などがある場合に実施します。大腸粘膜を直接観察し、炎症・潰瘍・ポリープ・がんの有無を確認します。鎮静剤使用で苦痛に配慮しています。
- 04
治療・食事指導
慢性の下痢は治療法が一律ではありません。原因に応じた治療を選択します。食事の影響が大きい場合は、管理栄養士による栄養食事指導(FODMAP食など)も保険適用で提供します。
何科を受診すべきか
この症状は【消化器内科】が対応します。
下痢は消化器内科(胃腸内科)が対応する症状です。「内科に行っても改善しなかった」という方も、消化器の専門的な評価で原因が特定できることがあります。当院では消化器病専門医・消化器内視鏡専門医が在籍し、大腸カメラによる精査から慢性疾患の継続管理まで対応します。
よくある誤解
「IBSは治らないから諦めている」
薬物療法・食事療法・生活習慣の改善を組み合わせることで、症状が大きく改善する方も少なくありません。
まず大腸カメラで器質的な疾患がないことを確認したうえで治療を進めます。「下痢止めを飲んでいれば大丈夫」
感染性腸炎の種類によっては下痢止めが逆効果になることがあります。
また慢性の下痢に下痢止めだけで対応するのは根本解決になりません。「下痢が続くのは体質だから仕方ない」
原因を特定して適切な治療を行うことで改善するケースがあります。
何年も続いている下痢も一度ご相談ください。
よくあるご質問
1週間以上続く下痢は受診をお勧めします。特に血便・発熱・体重減少を伴う場合はなるべく早くご受診ください。症状が軽くても2週間以上続く場合は一度ご相談ください。
IBSは大腸カメラで器質的な異常がないことを確認したうえで診断する「除外診断」です。まだ大腸カメラを受けたことがない方は一度受けることをお勧めします。検査で問題がないことを確認できたことで症状が軽くなる方もいらっしゃいます。
はい、ご相談ください。ストレス性の下痢はIBSとして消化器内科で診療します。大腸カメラで器質的な疾患がないことを確認したうえで、薬物療法・食事指導・生活習慣の改善を組み合わせて対応します。
消化に良い食べ物をお勧めします。食物繊維の少ないもの(にんじん・じゃがいも等)、脂肪の少ない肉(白身魚・ささみ等)を、小さく切って柔らかく調理し、よく噛んで食べてください。きのこ・海藻・脂身の多い肉は消化に負担がかかるため避けましょう。
処方薬と同じ成分が入っているものは同様の効果が見込める可能性がありますが、用量が少ないことが多く処方薬と同等の効果は難しい場合があります。また感染性の下痢では下痢止めが逆効果になることもあるため、2週間以上続く場合や血便・発熱を伴う場合は受診してください。
下痢でお困りの方は、
吉祥寺みどり内科消化器
クリニックへご相談ください。 CONTACT
急性の下痢から何年も続く慢性の下痢まで、消化器病専門医が原因を絞り込みます。管理栄養士による食事指導も含め、患者様に適した治療方法を一緒に考えてまいります。
執筆・監修 PROFILE
日本内科学会認定 総合内科専門医・日本消化器病学会認定 消化器病専門医・日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医・日本肝臓学会認定 肝臓専門医・日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医・日本医師会認定産業医・厚生労働省認定難病指定医