高血圧とは?血圧が高いときの症状や原因・対策方法について解説 | 吉祥寺みどり内科・消化器クリニック武蔵野院
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高血圧 BLOOD PRESSURE

「高血圧って一体何?」「どうすれば高血圧の対策ができるの?」という、高血圧に関して患者様から良くきかれる質問に関してお答えします。高血圧を放置すると、心臓病や脳卒中などの深刻な健康問題に繋がることがあります。

血圧の問題を健康診断などで指摘されている方や、身近な人が高血圧の診断を受け、不安を感じている方はぜひこちらをお読み下さい。ここからは、高血圧について解説します。まずは「血圧」について理解しましょう。

血圧とは

血圧とは、私たちの体に流れる血液が血管の壁に与える圧力のことを「血圧」と呼びます。健康診断などで血圧を測ると124/68など、2つの数字を伝えられます。大きいほうの数値を「収縮期血圧」と呼び、小さいほうの数字を「拡張期血圧」と呼びます。

収縮期血圧は、心臓が血液を送り出すときの最高圧力。拡張期血圧は、心臓がリラックスして血液が心臓に戻るときの最低圧力のことです。血圧は健康状態を示す重要な指標で、高すぎたり低すぎると、さまざまな健康問題を引き起こすリスクがあります。例えば、血圧が長期間にわたって高い状態が続くと、高血圧と診断され、心臓病や脳卒中のリスクを高める原因になります。

逆に、血圧が極端に低い場合は、十分な酸素や栄養が全身の細胞に届かず、倦怠感やめまいなどの症状を引き起こすこともあります。血圧は自律神経やホルモンによって一定の範囲に維持されるようになっておりますが、加齢や病気、喫煙などにより正常範囲の血圧に収まらなくなることがあります。

高血圧とは

高血圧とは、血圧が正常値を超えている状態です。一般的に、血圧の測定値が収縮期血圧で140mmHg以上、または拡張期血圧で90mmHg以上の場合が高血圧と診断されます。高血圧は一度の測定で高い値が出たとしても、すぐに高血圧症と診断されるわけではありません。

ご自宅などで血圧を日々測定していただき、日々の経過の記録の中から診断を行います。健康診断などで高い血圧を指摘されたら、ご自宅での血圧を2-4週間程度は測定した上で、医療機関で相談をしてください。

TYPE 高血圧の
種類

高血圧には「本態性高血圧症」と「二次性高血圧症」という2つのタイプがあります。本態性高血圧症は、特定の原因となる疾患がなく、加齢や喫煙などが原因となって起こる高血圧で、大半の高血圧の患者様がこのタイプです。二次性高血圧症は、他の病気が原因で血圧が上昇する高血圧で、原因となる病気の治療によって血圧が改善することもあります。

  1. 本態性高血圧症

    本態性高血圧症は、常に血圧の高い状態が続くという特徴があります。初期段階では目立った自覚症状がなく気づきにくいというのが恐ろしいポイントです。進行すると、頭痛、めまい、耳鳴り、疲労感などの症状が表れ、日常生活に影響を及ぼし、放置すると心臓病や脳卒中など重大な健康問題を引き起こすことも。

    現状では明確な原因が特定されていませんが、遺伝的要因や生活習慣が大きく関係しているといわれています。例えば高血圧を持つ家族がいる人はリスクが高まる傾向にあります。また、肥満、塩分の多い食生活、運動不足、過度のストレス、喫煙、過度のアルコール摂取などの生活習慣も、本態性高血圧症の発症に繋がります。

  2. 二次性高血圧症

    二次性高血圧症は、腎臓の病気、甲状腺の異常、睡眠時無呼吸症候群など、何らかの基礎疾患や状況が原因で発生する症状です。こういった基礎疾患が治療されれば、血圧も正常値に戻る可能性があるのが特徴です。症状は、本態性高血圧症と似ていますが、時にはより急激な血圧の上昇や、通常とは異なる症状を伴うこともあります。

原発性高血圧の原因 CAUSE

高血圧の原因は、遺伝的な要素によるものだけでなく、食生活や運動不足、ストレスの溜まりやすい生活習慣など、複合的な要素が相互に影響を及ぼし血圧の上昇を招いている場合が多く見られます。代表的な高血圧の原因は以下のようなものです。

遺伝的な要素 家族に高血圧の人がいる場合、自身も高血圧になるリスクが高まりやすいとされています。
食生活 塩分の多い食生活を続けていると、体内のナトリウム濃度が上がることで、血液量が増加、血圧も上昇してしまうため、高血圧になりやすくなります。
運動不足 適度な運動は血管の柔軟性を保つ効果があるため、血圧の正常化に関わります。運動不足で血管の柔軟性が低くなると、その分血圧が上昇してしまいます。
肥満 高血圧に大きく関連しており、特に腹部の脂肪が多い「内臓脂肪型肥満」は、高血圧のリスクが高まるとされています。
ストレス 過度なストレスは血圧に影響し、心身の緊張が持続すると血圧が上昇してしまいます。

高血圧の症状

高血圧は初期段階では目立った自覚症状がなく、多くの人が生活の中で見逃してしまいがちです。しかし、高血圧を放置しておくと、心臓に過度の負担がかかるため心臓病や心不全のリスクが高まり、血管への圧力が増すと、脳出血や脳梗塞などの脳血管障害の発症確率も上がります。

高血圧に気づく際の症状は、頭痛、めまい、耳鳴り、息切れ、胸の痛みなどが挙げられますが、こういった症状が現れるときには、すでに高血圧が進行している可能性があります。そのため、高血圧の早期発見と治療が非常に重要です。

高血圧のリスク分類 RISK

高血圧は、生活習慣の改善が最も基本的な治療方法とされています。『高血圧治療ガイドライン2019』(日本高血圧学会)によると、治療の進め方は高血圧の程度と脳心血管病に対する影響因子の数に基づいて、「低リスク群」「中等リスク群」「高リスク群」といった3つの段階に分けられています。

  • 低リスク群

    低リスク群では、主に生活習慣の見直しを重視します。もし3ヶ月間の生活習慣の改善によって血圧が基準値を下回らない場合は、薬物療法が加えられます。

  • 中等リスク群

    中等リスク群は低リスク群よりも早く、治療開始から1ヶ月後に血圧が基準値を下回らなければ、薬物療法の導入が検討段階になります。高血圧の中でも上の血圧が160以上や男性は柱頭リスクになります。

  • 高リスク群

    高リスク群の場合は、患者の安全を最優先とし、生活習慣の改善と薬物療法を並行して開始することになります。脳心血管病の既往、心房細動、糖尿病、慢性腎臓病などがある方は高リスク群に該当します。

高血圧治療に使用される降圧薬には、血管を拡張するものや血液容量を減少させるものなどさまざまです。薬の選択は患者の状態に応じて慎重に行われ、治療計画は医師と綿密に相談してください。高血圧を改善するには、医療機関で医師による適切な指導の元、個々の状況に応じた治療を受けることが重要です。

生活習慣の改善方法
(非薬物療法)
METHOD

高血圧の改善・対策を行うためには、まず生活習慣の見直しから始めましょう。特に重要な3つのポイントについて解説します。

  1. METHOD
    減塩を心がける

    塩分の過剰摂取は、血圧の上昇に大きく影響します。1日あたりの食塩摂取量は、成人であれば5グラム以下が理想です。減塩を心がけるには、まず普段の食生活を見直しましょう。加工食品や外食には隠れた塩分が多く含まれているため、自炊をすることで塩分量をコントロールするのがおすすめです。料理をする際は、調味料の量を意識的に減らす、塩分の少ない調味料を選ぶ、ハーブやスパイスで風味を加えるなどの工夫をしてみましょう。

    食事の際には、野菜や果物を多く取り入れることで、塩分の排出を促せます。ただ塩分が5gというのはかなり少なく味気なくなるのも事実です。できる限り少なくする努力は必要です。

  2. METHOD
    肥満を予防する

    肥満の予防や改善を行うことは、高血圧の改善にも繋がります。肥満の状態が続くと、体内ではさまざまな変化が起こります。体重が増えると心臓はより多くの血液を全身に送り出さなければならず、血圧は自然と高くなります。血管の柔軟性が損なわれることにより、血管にも大きな負担がかかってしまいます。肥満の予防や改善には、バランスの取れた食事と適度な運動が効果的です。

    食事では、過剰な糖質や脂質の摂取を控え、野菜や果物、全粒穀物などを多く含む食事を心がけてください。加えて、定期的に運動することでカロリーを消費し、健康的な体重を維持しましょう。4~5kg減量すれば4~5mmHg程度血圧が低下するとされており、肥満予防は高血圧対策に非常に効果的です。しかし、急激な減量は身体に大きな負担をかける場合がありますので、取り組む際は計画的に進めましょう。

  3. METHOD
    禁煙・節酒

    禁煙や節酒も高血圧の対策や予防に繋がります。タバコの煙に含まれるニコチンは血管を収縮させる作用があり、血圧を一時的に上昇させます。長期間の喫煙は血管の壁を硬くし、高血圧のリスクを高めるだけでなく、心臓病や脳卒中などのリスクも増加させます。また、アルコールの過剰摂取も血圧を上昇させます。特に、日常的に大量のアルコールを摂取する人は、高血圧になりやすいと言われています。アルコールの摂取量を減らせば、血圧を下げるだけでなく、肝臓や他の臓器への負担も減らすことができます。

    高血圧の予防と管理には、禁煙と節酒が非常に重要です。タバコを吸わない。アルコールの摂取を控えることで、血圧を健康的な範囲に保ち、心臓病や脳卒中などのリスクも減少できます。

高血圧の薬物治療と目的

高血圧の最終的な治療目的は脳卒中や心不全などの高血圧によって起こる病気を予防し、寿命を延ばすことにあります。生活習慣の改善だけではコントロールが難しい場合や、既に高血圧が進行している場合は、薬物療法が必要になります。高血圧の薬物療法は、ACE阻害薬、ARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)、カルシウム拮抗薬、利尿薬、β遮断薬などが主な薬です。

高血圧の薬物療法に使用される薬剤は、患者の年齢、性別、健康状態、既往歴などを考慮し、医師による適切な診断と処方に基づいて行われます。薬物療法は定期的なフォローアップと血圧のモニタリングが不可欠のため、定期的な診察を受けながら治療を続けましょう。

まとめ

今回は、高血圧について基本的な知識をご紹介しました。高血圧は、適切な対策を講じることで、リスクを大きく減らせるものです。まずは日々の生活習慣を見直して健康的な生活を送ることで、高血圧のリスクを減らし、長期的に健康を維持しましょう。

高血圧に関するよくある質問

  • 高血圧は完治しますか?

    高血圧は適切な治療と生活習慣の改善によって管理は可能ですが、「完治」という言葉で表現することはできません。高血圧と一度診断されると、生活習慣の見直しや医師の指導に従った治療を継続していく必要があるからです。薬だけに頼るのではなく、日々の生活習慣の中で塩分の摂取量を減らしたり、定期的な運動を行う必要があります。ストレスの管理や禁煙、節酒といった生活習慣の見直しもしてみましょう。高血圧が完治するかどうかは個人の体質や生活習慣、高血圧の原因にも左右されます。たとえば、二次性高血圧の場合、原因となる疾患を治療することで血圧が正常化することも。ただ、ほとんどの場合、高血圧は生涯にわたって管理が必要になるでしょう。

  • 血圧が高いと頭が痛く
    なりますか?

    高血圧が原因で頭痛を感じることがあります。特に、急激に血圧が高くなった場合に頭痛を引き起こしやすいです。血圧の上昇によって脳の血管に過剰な圧力がかかるために起こるとされています。血圧での頭痛は、鈍い痛みや圧迫感として表れ、特に後頭部に感じることが多いです。ただし、血圧が下がれば症状も改善されます。頭痛が起きるのは、血圧が特に高いレベルに達した場合にのみ発生しやすいです。日常的に高い血圧を維持していても、必ず頭痛が発生するとは限りません。それでも頭痛が頻繁に起こる場合は、血圧の測定を行い、必要に応じて医師の診察を受けましょう。

  • 血圧が高くなったときは
    どうしたらいいですか?

    血圧が急激に高くなった場合は、まず医療機関に相談するのが安心です。既に高血圧と診断されており、夜中などすぐに病院に行けない状況にある場合は、処方されている薬を飲むなどの対処を行い、翌日以降に受診しましょう。血圧の急な上昇はストレスや塩分の取り過ぎ、気候条件など多くの原因が考えられます。一瞬の上昇ですぐに脳卒中など別の病気が起こる訳ではありませんので、まずは落ち着きましょう。日常的に血圧の高さが気になっている場合、まずは家庭内で実践できる方法で高血圧を予防しましょう。

    減塩を心がけ、肥満予防のために運動を習慣にすることも高血圧の予防となります。もし、喫煙の習慣があったり、お酒を嗜んでいたりする場合は禁煙や節酒も視野に入れましょう。日々の生活にこういった習慣を取り入れることで、高血圧のリスクを減らし、健康な生活を送ることができますよ。常に自己管理を意識し、必要に応じて医師の指導を受けるようにしましょう。

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