バレット食道の原因と治療法を医師が解説|吉祥寺みどり内科消化器クリニック武蔵野院
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バレット食道 BARRETT

バレット食道の原因と治療法
を医師が解説|
消化器のクリニック

こんな症状で
困っていませんか?
CHECK

  • 胸やけ
  • 吐き気
  • 物が詰まる感じ
  • のどのひりつき
  • おなかが張る感じ

上記の症状が多数当てはまる方はバレット食道・バレット食道がんの可能性があります。

バレット食道・バレット食道がんとは

食道の粘膜は扁平上皮という細胞でできており、胃の粘膜は円柱上皮という細胞でできています。食道の扁平上皮が胃の円柱上皮に置き換わってしまう状態をバレット食道と言います。バレット食道自体は特に症状を起こすものではありませんが、バレット食道には食道がんができる可能性が高いために注意が必要です。バレット食道にできるバレット食道がんの発生率は民族・人種差があり欧米人には多いものの、アジア人には少ない傾向にあります。逆流性食道炎がバレット食道の主な原因ですが、それ以外にもリスク因子がいくつかございます。バレット食道があるかたはもちろん注意深く観察する必要がありますが、バレット食道がんのリスクを考慮し適切な期間で内視鏡を行っていく必要があります。

  • 正常な胃と食道の境界線です。細い血管が見えている部分が食道の粘膜、ややオレンジ色の中央の部分が胃の粘膜になります。丸い輪のように見える食道と胃の粘膜の境界線が徐々に上にあがり、本来食道粘膜である部分が胃の粘膜に置き換わっている状態をバレット食道と言います。

  • <SSBE>
    真ん中の丸い胃と食道の粘膜の境界線が、8時方向で乱れています。非常に狭い範囲ですがバレット食道となっています。狭い範囲のSSBEと呼ばれるバレット食道はがん化のリスクは高くありません。

  • <逆流性食道炎 GradeB>
    中部食道というかなり上のほうまで胃酸の逆流でただれてしまった逆流性食道炎です。胃の近くの食道粘膜が徐々に胃の粘膜に広範囲に置き換わりLSBEとなっていきました。

  • <LSBEとバレット食道癌>
    逆流性食道炎の影響で、食道粘膜がただれてしまい広範囲に胃の粘膜が食道に上がってきてしまったLSBEの写真です。10時の方向に潰瘍ができてしまっていますが、細胞の検査で食道腺がんであることがわかりました。バレット食道がんです。

バレット食道・バレット食道がんの主な症状

症状はありません。主な原因が逆流性食道炎となるため、逆流性食道炎の症状である、胸やけ、悪心、物が詰まる感じ、のどがひりひりする、おなかが張る感じなどの症状が起こることがあります。

バレット食道・バレット食道がんの原因は?

バレット食道の原因は逆流性食道炎です。胃酸が食道に逆流することで食道の扁平上皮がただれてしまい、治癒の過程で胃の円柱上皮が食道に上がってきて粘膜が変わっていきます。粘膜が置き換わった部分がバレット食道になりますが、この範囲が広ければ広いほどバレット食道がんの発生リスクが高まります。広範囲のバレット食道のことをLSBE、狭い範囲のバレット食道をSSBEと言います。LSBEのがん発生率は年率0.33-0.56%、SSBEは0.19%でリスクはLSBEのほうが圧倒的に高いことがわかっています。日本人は圧倒的にSSBEの方が多いのでリスクは欧米人に比べ低い傾向にありますが、逆流性食道炎が増えてきているため、今後バレット食道がんの発生が増えていくと予測されています。

バレット食道・バレット食道がんの治療

バレット食道からはバレット食道がんができないか胃カメラで定期的に検査をしていくべきですが、広範囲に及ぶLSBEなのか、狭い範囲のSSBEなのかで考え方が異なります。「バレット食道と診断された」とおっしゃる患者様はほとんどがリスクの低いSSBEです。インターネットで調べると「バレット食道=がん」のような表記も非常に多いですが、SSBEなのかLSBEなのかをしっかり把握しておくことが重要です。当院で胃カメラを行った患者様にはリスクが高いのか低いのかをしっかり説明させていただいております。
バレット食道自体を治療することはなく、バレット食道を起こす逆流性食道炎に対して、胃酸を抑えるお薬(PPI)などを飲んで治療をすることがあります。PPIで胃酸を抑えることでバレット食道の範囲が狭まったり、バレット食道がんの発生をを抑制したりすることがわかってきています。ただ、すべての患者様が内服が継続して必要なわけではなく、ハイリスクのLSBEの方に対して、または胸やけなどの症状がある方に治療を行っています。

バレット食道・バレット食道がんの対策・対処法
バレット食道のリスクは逆流性食道炎のほかにもあります。そのほかのリスクとして、男性であること、肥満の人、喫煙者、ピロリ菌非感染者、大腸がんの併存などが可能性として示唆されています。肥満や喫煙に関しては努力にて改善できる部分かもしれません。

よくある質問

  • バレット食道を治療するために手術は必要ですか?

    バレット食道の治療はありません。バレット食道になった場合にはバレット食道癌の発生に注意する必要があるので定期的な胃カメラ検査が必要です。ただしバレット食道癌まで進展してしまった場合は手術が必要になる場合があります。

  • バレット食道の場合、どのように痛みますか?

    バレット食道自体に症状はありません。逆流性食道炎の結果としてバレット食道になることがあるので胸やけなど逆流性食道炎の症状を伴うことがあります。

  • バレット食道を放置した場合、危険性はありますか?

    SSBEと呼ばれる狭い範囲のバレット食道の場合は、癌のリスクは比較的低いです。欧米に多いLSBEと呼ばれる広い範囲のバレット食道の場合はバレット食道がんのリスクとなるため定期的な胃カメラ検査をお勧めしています。

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