急性胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因と治療法を医師が解説
こんな症状で
困っていませんか?
CHECK
- みぞおちが急激に痛む
- 吐き気がする
- 嘔吐する
- 吐血や下血する
上記の症状が多数当てはまる方は急性胃炎、胃・十二指腸潰瘍の可能性があります。
急性胃炎、胃・十二指腸潰瘍とは
短期間に起こる胃の粘膜の炎症のことを急性胃炎と言います。急性胃炎が起こると胃の粘膜は赤く腫れぼったくなり、一部粘膜の表面が傷ついてびらんという状態になったり、さらにひどくなると胃粘膜がえぐれて胃潰瘍ができたりすることがあります。胃潰瘍は急性胃炎からできることもありますが、ピロリ菌感染による慢性胃炎が原因となることもあります。
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強いストレスにより胃の粘膜が急激に胃炎を起こした状態でAGMLと言います。強いおなかの痛みで胃カメラ検査を行いました。胃の粘膜から出血して、胃の粘膜が黒く変化してしまっています。ストレスの解除と胃酸を抑える薬で治療することが必要です。
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ピロリ菌に感染していない胃粘膜にできた胃潰瘍です。仕事のストレスが強かったとのことで、ストレスが原因と考えられました。
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ピロリ菌が原因でできた胃潰瘍です。強いお腹の痛みの原因になります。
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ピロリ菌が原因でできた胃潰瘍です。便が黒くなったため検査をして見つかりました。胃潰瘍からの出血があり便が黒くなったと考えられます。
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20代の若い方の十二指腸潰瘍です。空腹時におなかの痛みが強いとのことで胃カメラを行い発見されています。ご両親ともにピロリ菌に感染されており、ご本人もピロリ菌感染を認めました。
急性胃炎、胃・十二指腸潰瘍の主な症状
急に起こるみぞおちの痛み、嘔気・嘔吐が主な症状です。急性胃炎が悪化すると胃壁や十二指腸壁の粘膜が深く傷つき、組織がえぐれた状態となってしまう潰瘍という状態になります。潰瘍まで至ると、吐血や下血・胃に穴が空いてしまう穿孔を引き起こす可能性があります。
急性胃炎、胃・十二指腸潰瘍の原因は?
急性胃炎の原因は、薬剤性、アルコール、ストレス、感染症です。特に多いのは一般的にNSAIDSと呼ばれる解熱消炎鎮痛剤は胃粘膜の血流を悪くしてしまうため胃の炎症の原因となります。そのほかステロイドや抗生物質も原因となります。次に高濃度のアルコールの大量摂取や大きくストレスがかかった時などにも急性胃炎・胃潰瘍などを起こすことがあります。ストレスは精神的なものではなく、手術などの肉体的なストレスも原因となりえます。また、アニサキスやピロリ菌の感染によっても胃の粘膜に強い炎症を起こします。
急性胃炎、胃・十二指腸潰瘍の治療
胃カメラで痛みの原因を調べるために、胃の中の観察から始めます。急性胃炎であれば胃の粘膜が赤くむくんでいたり、胃の粘膜が障害されびらんや潰瘍ができていますので、胃の粘膜を元に戻す内服治療が必要になります。
胃酸を抑えるお薬や胃粘膜を保護するお薬で治療を行いますが、なにより原因薬剤を中止したり、アルコールをやめたり、ストレスから解放されるような生活を目指してもらうことが重要なのは言うまでもありません。
ピロリ菌の感染が原因となって胃潰瘍ができてしまっている場合は、ピロリ菌を除菌することが重要です。
急性胃炎、胃・十二指腸潰瘍の対策・対処法 |
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急な腹痛があった場合は、薬を飲んでいる場合は薬の内容を確認し急性胃炎を起こしうる薬剤開始に確認しましょう。高濃度大量のアルコール摂取や過剰なストレスなどの心当たりがある場合も要注意です。一般的に痛みが強いことが多いので医師に相談することが必要かと思います。 |
よくある質問
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急性胃炎は市販薬で治せますか?
一部の市販薬は医師が処方する薬同一成分のものもあるので治ることもあると思います。ただし、医師が処方する薬のほうが有効成分が多いことがほとんどです。
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急性胃炎と頭痛は関係性がありますか?
ストレスが原因の場合はどちらも起こりうる可能性はありますが、急性胃炎があるから頭痛が出ることはあまり聞いたことがありません。
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急性胃炎とストレスは関係性がありますか?
関係があります。精神的なストレスだけではなく、肉体的なストレスでも起こる可能性があります。