健診で「胃ポリープ」と言われた方へ
「胃ポリープ」と健診で言われても、多くは心配のいらない胃底腺ポリープです。ただし、ピロリ菌感染に伴う過形成性ポリープはまれにがん化することがあり、区別が重要です。内視鏡専門医は見た目でこの2つをほぼ判断できます。ポリープの種類とピロリ菌の有無を確認するために、一度胃カメラで評価することをお勧めします。
60秒でわかる この記事の要点
- 胃ポリープの多くは治療を必要としない胃底腺ポリープで、がん化する事はありません。
- 注意が必要なのはピロリ菌感染に伴う過形成性ポリープで、まれにがん化や出血を起こします。
- 内視鏡専門医はこの2種類を見た目でほぼ判断でき、必要に応じて生検を行います。
- 当院ではポリープそのものより、背景にあるピロリ菌感染や胃がんリスクの評価を重視しています。
執筆・監修 PROFILE
日本内科学会認定 総合内科専門医/日本消化器病学会認定 消化器病専門医/
日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医/日本肝臓学会認定 肝臓専門医/
日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医
症状チェック
胃ポリープは基本的に無症状です。以下の方は胃カメラでの確認をお勧めします。
- 健診・バリウム検査で「胃ポリープ」「透亮像」を指摘された
- 過去に過形成性ポリープを指摘された(年1回のフォローが必要)
- ピロリ菌に感染している/していた
- 血液をサラサラにする薬(抗血栓薬)を服用中でポリープを指摘された(出血リスク)
- バリウムでポリープの形・大きさが以前と変わってきたと言われた
吉祥寺みどり内科・
消化器クリニックを選ぶ理由
ポリープの種類を、背景の胃粘膜と併せて見極めます
胃ポリープには、経過観察でよいものと精査が必要なものがあります。その判断の手がかりとなるのが背景の胃粘膜の状態です。当院では消化器内視鏡専門医が、萎縮の有無やピロリ菌感染の状況と併せてポリープの種類を評価し、今後の対応をご説明いたします。
オリンパス EVIS X1 による観察と、
鎮静下での負担の少ない胃カメラ
当院の胃カメラは、オリンパス社の内視鏡システム EVIS X1 を使用しております。NBI(狭帯域光観察)などの特殊光を併用すると、通常光では捉えにくい粘膜の色調や模様の変化が観察しやすくなります。
必要と判断した場合には、色素散布や拡大観察を追加して詳しく確認いたします。胃ポリープでは、表面の構造を観察する事で種類を判断する助けとなります。ご希望に応じて鎮静剤を使用し、負担の少ない検査を行っております。検査で終わりにせず、その後も同じ医師が続けて診てまいります
当院は1954年に杉並区宮前で開院し、2023年に吉祥寺へ移転いたしました。検査や治療を行って終わりにするのではなく、その後の経過まで主治医として続けて拝見してまいります。経過観察となった場合も、次に確認すべき時期を明確にしてお伝えいたします。
院長メッセージ
「健診で胃ポリープと言われた」と不安げに来院される方が多いですが、その多くはピロリ菌に感染していないきれいな胃にできる胃底腺ポリープで、治療の必要はありません。内視鏡専門医が見れば、その場でほぼ判断がつきます。
一方で注意が必要なのは過形成性ポリープです。これはピロリ菌感染を背景にできることが多く、まれにがん化したり出血の原因になったりします。大切なのは「ポリープそのもの」より「背景にピロリ菌感染や胃がんリスクがないか」を確認することです。ピロリ菌を除菌すると過形成性ポリープが消えることもあります。健診でポリープを指摘されたら、一度胃カメラで背景の胃粘膜も含めて確認しましょう。
佐々木洋(執筆・監修)
消化器病専門医・消化器内視鏡専門医・
肝臓専門医・総合内科専門医・
日本ヘリコバクター学会
ピロリ菌感染症認定医
最終更新:2026年10月
胃ポリープとは
ポリープとは正確には病名ではなく、消化管の粘膜から「いぼ」のように膨らんだ部分を指します。中には治療が必要なものと不要なものがあります。胃のポリープは大きく胃底腺ポリープと過形成性ポリープの二つに分けられます。胃底腺ポリープはピロリ菌に感染していないきれいな胃にできやすく、多発する事も珍しくありません。過形成性ポリープはピロリ菌に感染している胃にできやすく、赤いポリープになる事がほとんどです。
| 主な症状 | 胃底腺ポリープにも過形成性ポリープにも、基本的に症状はありません。多くは胃カメラやバリウム検査で初めて見つかります。健康診断のバリウム検査では「胃ポリープ」や「透亮像」と書かれる事があります。過形成性ポリープはまれに微量の出血を起こす事があり、数が多く、血液をサラサラにするお薬を飲んでいる方や透析を受けている方では、持続的な出血から貧血になる事もあります。 |
|---|---|
| 種類と原因の考え方 | 胃底腺ポリープは、胃底腺という正常な組織が膨らんだもので、腫瘍ではなく正常範囲の変化です。がん化する事はありません。表面がつるっとした球状で、内視鏡の見た目で判断がつきます。 一方、過形成性ポリープは、ピロリ菌感染などで粘膜が障害と修復を繰り返すうちに一部の細胞が増殖してできると考えられ、胃底腺ポリープと違ってがん化のリスクがあります。ピロリ菌を除菌すると、小さくなったり消えたりする事があります。 |
| 検査・診断 | どのタイプのポリープかを確認するために、一度は胃カメラ検査をお勧めいたします。胃底腺ポリープは見た目で診断がつく事が多く、組織検査まで必要になる事はほとんどありません。胃炎を伴っている場合や、バリウム検査でポリープの形・大きさが変わってきている場合も、胃カメラでの確認をお勧めします。 |
| 治療・経過観察 | 胃底腺ポリープは正常範囲の変化ですので、切除の必要はありません。過形成性ポリープは年に一度の胃カメラでの経過観察が必要です。過形成性ポリープができる方はピロリ菌感染がある事が多く、ピロリ菌は胃がんの原因にもなるため、除菌と定期的な胃カメラをお勧めしています。まれにポリープが大きくなって出血したり、がんの合併が疑われたりする場合は、内視鏡で切除する事があります。 |
| 日常生活で 心がけていただきたい事 | 胃ポリープの多くは心配のいらないものですが、どのタイプかを確認する意味で、一度は胃カメラ検査を受けていただく事をお勧めいたします。ストレスで胃ポリープができる事はありません。 |
よくあるご質問
多くは治療不要な胃底腺ポリープですが、種類の確定には胃カメラが必要です。胃底腺ポリープなら経過観察のみで問題ありません。過形成性ポリープの場合はピロリ菌の評価と定期的な胃カメラをお勧めします。
胃底腺ポリープはピロリ菌のいないきれいな胃にでき、つるっとした球状で、がん化しません。過形成性ポリープはピロリ菌感染のある胃にでき、赤いイチゴのような見た目で、まれにがん化します。内視鏡専門医は見た目でほぼ判断できます。
胃底腺ポリープはがん化しません。過形成性ポリープはまれにがん化する可能性があるため、年1回程度の胃カメラでの経過観察をお勧めします。大きくなったり出血する場合は切除を検討します。
胃底腺ポリープが多発することは珍しくなく、多くは心配いりません。ただし特殊なケース(家族性大腸腺腫症に伴うものなど)もあるため、一度は内視鏡での確認をお勧めします。
過形成性ポリープはピロリ菌除菌により小さくなったり消えたりすることがあります。一方、胃底腺ポリープは除菌と直接の関係はありません。
胃底腺ポリープは切除不要です。過形成性ポリープも多くは経過観察ですが、大きくなる・出血する・がんが疑われる場合は内視鏡的切除を検討します。
ストレスで胃ポリープはできません。また胃ポリープが腹痛の原因になることもまずありません。腹痛がある場合は別の原因を考える必要があります。
胃底腺ポリープはピロリ菌未感染のきれいな胃の人に、過形成性ポリープはピロリ菌感染のある人にできやすい傾向があります。また胃酸を抑える薬(PPI)の長期服用で胃底腺ポリープが増えることも知られています。