60秒でわかる 鎮静剤を用いた
内視鏡検査
- 点滴から鎮静剤を投与し、うとうとした状態で検査を受けていただく方法です。
全身麻酔とは異なり、呼吸はご自身で維持されます。 - 検査中は心電図と血中酸素飽和度を継続して確認し、看護師が付き添います。
- 検査の後は30〜60分ほどお休みいただき、医師が状態を確認したうえでご帰宅となります。
- 検査当日は一日中、車・バイク・自転車の運転ができません。
鎮静とは何か
(全身麻酔との違い)
内視鏡検査における鎮静とは、点滴から鎮静剤を投与し、意識のレベルを下げた状態で検査を行う方法です。多くの方は検査中の記憶が残らず、終わった後に「もう終わったのですか」とおっしゃいます。
手術で用いる全身麻酔とは異なります。全身麻酔では自発呼吸が失われるため人工呼吸の管理が必要となりますが、内視鏡検査の鎮静では呼吸はご自身で維持されており、呼びかけに反応する程度の深さに調整いたします。
また、鎮静剤は痛みを取るお薬ではありません。意識のレベルを下げる事で、緊張や不快感の記憶が残りにくくなるお薬です。当院では、必要に応じて痛みをやわらげるお薬を併用する事がございます。
鎮静の深さは、患者様のご希望とご状態に合わせて調整いたします。少しうとうとする程度をご希望の方もいれば、検査中の事を一切覚えていない状態をご希望の方もいらっしゃいます。検査の前の診察でご相談ください。
検査中の見守りの体制
検査中は、心電図と血中酸素飽和度(SpO2)を継続して確認いたします。数値の変化は医師と看護師が常時見ており、必要に応じて酸素を投与いたします。検査中は看護師が付き添います。
検査が終わった後は、お休みいただくスペースで30分から60分ほどお過ごしいただきます。お薬の効き方には個人差がございますので、時間は前後する事がございます。医師が状態を確認したうえで、ご帰宅の可否を判断いたします。
鎮静剤を使うかどうかは、
ご一緒に決めます
当院では、鎮静剤を使わない選択肢もご用意しております。
胃カメラの場合、当院で使用している内視鏡は先端部の外径が5.4mmと細く、鼻から入れる方法では舌の付け根に触れにくいため、鎮静剤を使わずに検査を終えられる方も少なくありません。
大腸カメラの場合、炭酸ガス送気装置とスコープガイドを用いる事で、おなかへのご負担をおさえております。
一方で、鎮静剤を使用すると回復のためのお時間が必要となり、当日の運転もできなくなります。お仕事のご都合や来院の手段を踏まえ、鎮静剤を使うかどうかは検査の前の診察でご一緒に決めてまいります。「必ず鎮静剤を使いましょう」とも「使わずに頑張りましょう」とも申し上げません。
検査ごとの詳しい違いは、胃カメラのページ、大腸カメラのページでご説明しております。
鎮静剤を慎重に判断する場合
鎮静剤は、誰にでも一律に使用できるお薬ではありません。次に該当する方は、使用の可否や量について慎重に判断いたします。ご予約の際および検査の前の診察で、必ずお知らせください。
- 慢性閉塞性肺疾患や喘息など、呼吸の機能に影響する病気をお持ちの方
- 睡眠時無呼吸症候群と診断されている方、いびきが強い方
- 肥満の程度が強い方
- 心不全、不整脈など心臓の病気をお持ちの方
- 肝臓や腎臓の働きが低下している方
- ご高齢の方
- 過去に麻酔や鎮静剤で気分が悪くなった事のある方
- 睡眠薬や抗不安薬を服用中の方
- お酒を日常的に多く召し上がる方
(鎮静剤が効きにくい場合がございます)
当院では、妊娠中および妊娠の可能性のある方の内視鏡検査は行っておりません。時期については、ご出産後にあらためてご相談ください。
当院には総合内科を専門とする医師が複数名在籍し、呼吸器・循環器・糖尿病を専門とする医師も診療にあたっております。併存する病気を踏まえたうえで、鎮静剤を使えるかどうかを判断できる体制を整えております。
起こり得る副作用・偶発症
鎮静剤の使用には、次のようなリスクが伴います。
- 呼吸が浅くなる事があります。血中酸素飽和度を確認し、必要に応じて酸素の投与や声かけを行います。
- 血圧が下がる、脈が変化する事があります。
- 検査の後に、ふらつき、眠気、頭が重い感じが残る事があります。
- 吐き気が出る事があります。
- 点滴をした部位に痛みや腫れが出る事があります。
いずれも見守りのもとで対応いたしますが、リスクがゼロになるわけではありません。鎮静剤を使用するかどうかは、こうした点をご理解いただいたうえで、ご一緒に決めてまいります。
検査当日にお守りいただきたい事 CHECK
- 車、バイク、自転車の運転はできません。公共交通機関または徒歩でご来院ください。ご家族の送迎も可能です。
- お酒はお控えください。
- 高所での作業、機械の操作など、危険を伴う作業は避けてください。
- 重要な契約や判断を要する業務は、翌日以降に予定される事をおすすめいたします。
費用について
保険診療で行う内視鏡検査において、鎮静剤を使用した場合の費用は、検査全体の費用に含まれます。検査ごとの費用の目安は、胃カメラのページ、大腸カメラのページをご覧ください。
自費の内視鏡ドックをご利用の場合、鎮静剤の使用は1,650円(税込)の追加となります。
よくあるご質問
お薬の効き方には個人差があり、うとうとする程度の方から、検査中の記憶がまったく残らない方までさまざまです。日常的にお酒を召し上がる方や、睡眠薬を服用されている方は効きにくい傾向がございます。ご希望はできる限り伺いますが、深さをお約束する事はできません。
当日は終日運転をお控えください。時間の経過でご判断いただくのではなく、翌日以降としていただくようお願いしております。
鎮静剤を使用した場合、検査の後に院内でお休みいただく時間が必要です。検査の後にそのまま出勤されるご予定がある場合は、鎮静剤を使用しない方法もご提案いたします。
同じ日に両方の検査を行う場合、通常は続けて実施いたしますので、一度の投与で対応いたします。ただし検査の進み方によって追加する事がございます。
ご予約・
ご相談はこちら CONTACT
鎮静剤を使用するかどうかは、検査の前の診察でご一緒に判断いたします。ご不安な点は遠慮なくお申し付けください。
参考ガイドライン
- 内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン(第2版)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/gee/62/9/62_1635/_pdf/-char/ja