HCV抗体陽性を指摘された方へ 「治せる病気」になったC型肝炎の治療
60秒でわかる この記事の要点
- C型肝炎は、2〜3か月の内服でウイルスを排除できる病気になりました。
- 初回治療では95%以上の方でウイルスが検出されなくなると報告されています。
- 治療費は国と都の医療費助成の対象です。過去に治療して効果がなかった方も対象になる場合があります。
- ウイルスが消えた後も、線維化の程度に応じた間隔での確認が必要です。
C型肝炎とは
かつて日本の肝細胞がんは約65%がC型肝炎を背景としていましたが(2006〜2007年の発症例)、抗ウイルス薬の進歩と新規感染の減少により、近年その割合は半数以下まで低下しています。代わって、脂肪肝やアルコールを背景とする非B非C型の肝がんが約4割を占めるまでに増えており、C型肝炎の治療と並行して脂肪肝の管理も重要になってまいりました。
診療の流れ
- 01
検査
HCV抗体・HCV-RNA定量・ジェノタイプ判定、肝機能、血小板。腹部超音波検査・フィブロスキャンで線維化を評価いたします
- 02
治療方針の決定と、
申請手続きのご案内
- 03
DAA(直接作用型抗ウイルス薬)の
内服開始(2〜3か月)内服中は定期的な採血で肝機能・腎機能を確認しながら進めてまいります
- 04
治療終了から12週後にSVR(ウイルス排除)を判定いたします
- 05
SVR達成後も、線維化の程度に応じた間隔で肝がんの確認(腹部超音波検査・腫瘍マーカー)を継続いたします
費用と医療費助成について
C型肝炎に対するDAA治療は、国と都道府県による「肝炎治療特別促進事業」の助成対象です。この制度を利用すると、世帯の所得に応じて自己負担額に月額の上限が設けられ、高額な薬剤費の負担を大きく抑える事ができます。
申請には医師の診断書等が必要で、東京都にお住まいの場合は保健所が窓口となります。当院で必要書類の作成と手続きのご案内をいたします。
また、過去にインターフェロン治療やDAA治療を受けたものの効果が十分でなかった方も、条件を満たせば再治療が助成の対象となる場合があります。「一度使ったから、もう対象外だろう」と諦めずにご相談ください。
※制度の詳細・自己負担限度額は改定される事があります。最新の内容は診察時にご確認ください。
よくあるご質問
DAA(直接作用型抗ウイルス薬)の内服を2〜3か月続ける事で、初回治療では95%以上の方でウイルスが検出されなくなると報告されています。治療終了から12週後にHCV-RNAが検出されなければSVR(ウイルス排除)と判定いたします。その後に再びウイルスが出てくる事はごくまれです。
国と都道府県による医療費助成の対象です。詳しくは「費用と医療費助成について」をご覧ください。
DAAはインターフェロンとは仕組みが異なる薬で、高い効果が期待できます。過去に治療を受けた方の再治療も、条件を満たせば助成の対象となる場合があります。一度ご相談ください。
必要です。ウイルスが消えても、それまでに進んだ線維化がすぐに元に戻るわけではありません。線維化の程度によって確認の間隔が変わりますので、フィブロスキャンで測定したうえで個別にご提案いたします。
抗体が陽性という結果は、過去または現在の感染を示すものです。現在ウイルスがいるかどうかは、HCV-RNAという別の検査で確認する必要があります。まずはその検査を受けていただく事から始まります。
血液を介して感染します。日常生活の中で、握手や食器の共用、入浴などでうつる事はありません。カミソリや歯ブラシなど、血液が付く可能性のある物の共用は避けてください。
かつてのインターフェロン治療と比べると、副作用は大幅に少なくなっております。ただし服用中のお薬との飲み合わせに注意が必要な場合があり、内服中は定期的に採血で肝機能・腎機能を確認しながら進めてまいります。
参考文献
- 日本肝臓学会「C型肝炎治療ガイドライン」
- 全国原発性肝癌追跡調査報告
執筆・監修 PROFILE
日本内科学会認定 総合内科専門医・日本消化器病学会認定 消化器病専門医・日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医・日本肝臓学会認定 肝臓専門医・日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医・難病指定医(東京都知事指定)