急なみぞおちの痛み・
吐き気でお困りの方へ 急性胃炎の診断と治療
「昨夜食べ過ぎた」「強いストレスが続いていた」——そんな後に突然みぞおちが痛くなるのが急性胃炎です。多くは数日で改善しますが、吐血や黒い便を伴う場合は急性胃粘膜病変(AGML)や潰瘍からの出血の可能性があり、早めの胃カメラでの確認が重要です。
60秒でわかる この記事の要点
- ストレス・暴飲暴食・鎮痛薬(NSAIDs)などにより胃粘膜に急な炎症が起こる病気です。
- 多くは数日から1週間程度の内服治療で改善しますが、吐血や黒色便がある場合は潰瘍や出血を疑います。
- 治療は胃酸分泌抑制薬(PPI・P-CAB)と、原因の除去(休薬・禁酒など)が基本です。
- 繰り返す場合はピロリ菌や潰瘍が背景にある事があり、当院では即日の胃カメラで確認できます。
執筆・監修 PROFILE
日本内科学会認定 総合内科専門医/日本消化器病学会認定 消化器病専門医/
日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医/日本肝臓学会認定 肝臓専門医/
日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医
症状チェック
すでに症状がある方
- みぞおちが急に強く痛む・キリキリする
- 吐き気・嘔吐がある
- 胃のむかつき・食欲不振
- 暴飲暴食・大量飲酒・強いストレスの後に症状が出た
- 鎮痛薬(ロキソニン等)を服用し始めてから胃が痛む
下記の症状がある場合は急性胃炎ではなく出血性病変の可能性→早めの受診を
- 吐血・コーヒーかす様のものを吐いた
- 便が黒くタール状
受診タイミング目安
早めの受診を
- 吐血・黒色便がある/激しい腹痛が続く
受診をお勧め
- みぞおちの痛みが2〜3日改善しない・繰り返す
- 鎮痛薬服用後に胃痛が出た
経過観察
- 軽い胃もたれで市販薬により改善傾向(3日以上続けば受診)
吉祥寺みどり内科・
消化器クリニックを選ぶ理由
原因が薬か、飲食か、それ以外かを見分けた上で治療いたします
急性胃炎は、鎮痛薬(NSAIDs)や飲酒、強いストレスなど、原因によって治療も再発予防も変わります。当院では消化器病専門医が服用中のお薬や経過を確認し、必要に応じて胃カメラで粘膜を直接確かめた上で、原因に応じた治療をご提案いたします。
オリンパス EVIS X1 による観察と、鎮静下での負担の少ない胃カメラ
当院の胃カメラは、オリンパス社の内視鏡システム EVIS X1 を使用しております。NBI(狭帯域光観察)などの特殊光を併用すると、通常光では捉えにくい粘膜の色調や模様の変化が観察しやすくなります。必要と判断した場合には、色素散布や拡大観察を追加して詳しく確認いたします。急性胃炎では、びらんが潰瘍にまで至っていないか、出血していないかの確認に役立ちます。ご希望に応じて鎮静剤を使用し、負担の少ない検査を行っております。
検査で終わりにせず、その後も同じ医師が続けて診てまいります
当院は1954年に杉並区宮前で開院し、2023年に吉祥寺へ移転いたしました。検査や治療を行って終わりにするのではなく、その後の経過まで主治医として続けて拝見してまいります。症状が治まった後も、原因となった生活習慣やお薬の見直しまでご一緒に考えてまいります。
院長メッセージ
急性胃炎は「食べ過ぎ・飲み過ぎ」「ストレス」など原因がはっきりしていることが多く、多くは数日の内服治療で改善します。ただし、痛みが強い・繰り返す場合は背景にピロリ菌感染や潰瘍が隠れていることがあります。「たかが胃炎」と自己判断せず、症状が続く場合や黒い便が出た場合はご相談ください。
佐々木洋(執筆・監修)
消化器病専門医・消化器内視鏡専門医・
肝臓専門医・総合内科専門医・
日本ヘリコバクター学会
ピロリ菌感染症認定医
最終更新:2026年10月
急性胃炎(AGML)とは
急性胃炎は、短期間のうちに胃の粘膜が炎症を起こした状態です。粘膜が赤く腫れ、表面が傷ついてびらんになったり、さらに進むと粘膜がえぐれて胃潰瘍に至る事もあります。強いストレスで急激に胃炎を起こした状態は急性胃粘膜病変(AGML)と呼ばれ、みぞおちの強い痛みで胃カメラを行うと、粘膜から出血して黒く変化している事があります。
| 主な症状 | 急に起こるみぞおちの痛み、吐き気、嘔吐が中心です。食欲の低下を伴う事もあります。炎症が強く潰瘍にまで進むと、吐血や下血、まれに胃に穴があく穿孔を起こす可能性があります。 |
|---|---|
| 原因 | 薬剤、アルコール、ストレス、感染が主な原因です。特に多いのが解熱鎮痛薬(NSAIDs)で、胃粘膜の血流を悪くして炎症の原因になります。ステロイドや抗生物質も原因となります。高濃度のアルコールの大量摂取や強いストレスでも起こり、ここでいうストレスは精神的なものだけでなく、手術などの肉体的なストレスも含みます。アニサキスやピロリ菌の感染で強い炎症を起こす事もあります。 |
| 検査・診断 | 痛みの原因を確かめるため、胃カメラで胃の中を観察します。急性胃炎では粘膜が赤くむくみ、びらんや潰瘍が見られます。原因がアニサキスであればその場で摘出でき、ピロリ菌感染が疑われる場合は感染の有無も併せて確認いたします。 |
| 治療 | 胃酸を抑えるお薬や胃粘膜を保護するお薬で粘膜の回復をはかります。何より大切なのは原因を取り除く事で、原因となっている薬剤の中止、禁酒、ストレスから解放される生活を目指していただく事が重要です。ピロリ菌感染が原因で潰瘍までできている場合は、除菌治療が再発予防につながります。 |
| 日常生活で 心がけていただきたい事 | 急な腹痛があった時は、飲んでいるお薬に急性胃炎を起こしうるもの(特に痛み止め)がないかを確認しましょう。高濃度・大量のアルコールや過度のストレスに心当たりがある場合も注意が必要です。痛みが強い事が多い病気ですので、我慢せず早めに医師へご相談ください。 |
よくあるご質問
軽症であれば市販の胃薬で改善することもあります。ただし、みぞおちの強い痛みが続く場合や吐血・黒色便がある場合は、市販薬で様子を見ず受診してください。
強いストレス・手術・重症疾患・薬剤・アルコールなどにより、胃粘膜に急激な炎症・びらん・浅い潰瘍が生じる状態です。胃酸を抑える薬で治療し、通常は数日〜1週間程度で改善します。
なります。精神的ストレスだけでなく、手術後や大きな怪我などの身体的ストレスでも急性胃炎・AGMLが起こることが知られています。
多くは数日〜1週間程度の内服治療で改善します。原因(暴飲暴食・薬剤など)を避けることも重要です。
はい。繰り返す場合はピロリ菌感染・慢性胃炎・NSAIDsの常用などが背景にある可能性があり、一度胃カメラでの確認をお勧めします。
急性胃炎は胃粘膜の表層の炎症で自然に改善しやすいのに対し、胃潰瘍は粘膜がより深く傷つき出血・穿孔のリスクがあります。症状だけでの区別は難しく、痛みが続く場合は胃カメラでの確認が必要です。詳しくは胃潰瘍のページもご覧ください。