健診で
「肝機能が高い」と言われた方へ 肝臓は症状が
出にくい臓器です。
当院には日本肝臓学会専門医が在籍し、
FibroScan(肝臓の線維化評価)を院内で当日実施できます。
執筆・監修 PROFILE
日本内科学会認定 総合内科専門医/日本消化器病学会認定 消化器病専門医/
日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医/日本肝臓学会認定 肝臓専門医/
日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医/日本医師会認定産業医/厚生労働省認定難病指定医
30秒でわかる 肝機能異常の受診判断
早めの受診を
- 黄疸(皮膚や白目が黄色い)
- 強い全身のだるさ・
意識がぼんやりする - お腹が著しく張っている
受診をお勧め
- 肝機能値が前年より悪化している
- B型・C型肝炎を
指摘されたことがある - 右上腹部の張りや鈍い痛みがある
- 毎年「要精査」と言われている
改善なければ受診
- 健診で軽度の基準値超過を
指摘された
※「要精査」の指示がある場合は必ず受診してください
症状の概要
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、かなり傷んでも自覚症状が出にくい臓器です。健康診断でAST(GOT)・ALT(GPT)・γGTPの異常を指摘されても、症状がないために「大丈夫だろう」と放置してしまう方が少なくありません。
しかし肝機能異常の背景には、脂肪肝(放置すると肝硬変・肝がんに進展する可能性がある)・ウイルス性肝炎・自己免疫性の肝疾患など、早期の治療が重要な疾患が隠れていることがあります。「去年も少し高かった」と毎年放置しているうちに進行するケースもあります。
| AST(GOT) | 肝臓・心臓・筋肉に含まれる酵素です。肝炎や肝硬変で上昇しますが、激しい運動後の筋肉のダメージでも上がります。ALTと合わせて評価します。 |
|---|---|
| ALT(GPT) | 肝臓に最も多く含まれる酵素で、肝障害の指標として最も重要です。肝炎・脂肪肝などで特に上昇しやすい値です。 |
| γGTP | 胆道系の酵素です。アルコール・脂肪肝・薬剤性肝障害・胆石などで上昇します。飲酒している方では最も敏感に反応する指標で、禁酒で改善するかどうかも診断の参考になります。 |
| ビリルビン・ALP・LDHなど | 胆道の閉塞や肝硬変の評価に使われます。 |
こんな状態は要注意
考えられる原因
| 脂肪肝(MASLD・MASH) | 肝機能異常で最も多い原因です。健診受診者の20〜30%に脂肪肝が認められます。一部はMASH(代謝関連脂肪性肝炎)に進行し、肝硬変・肝がんのリスクが高まります。当院ではFibroScanで肝臓の線維化がどの段階にあるかを数値で評価できます。 |
|---|---|
| アルコール性肝障害 | 飲酒が原因の肝障害です。γGTPが最も敏感に反応します。禁酒により改善が期待できますが、長期間の飲酒では肝硬変に進展することがあります。 |
| B型・C型慢性肝炎 | 自覚症状がないまま慢性肝炎から肝硬変・肝がんへ進展することがあります。C型肝炎は現在、内服薬(DAA)で高い確率でウイルスを排除できる治療が可能です。B型肝炎も抗ウイルス薬でウイルスの増殖を抑えられます。 |
| 自己免疫性肝炎・ 原発性胆汁性胆管炎(PBC) | 免疫の異常により肝細胞や胆管が障害される疾患です。女性・50歳前後に多く見られます。採血での抗体検査から診断を進め、確定診断のために高次医療機関での肝生検が必要になることがあります。 |
| 薬剤性肝障害 | サプリメント・プロテイン・漢方薬・解熱鎮痛薬・抗菌薬など、多くの薬剤が肝障害の原因になりえます。健康のためと思って摂取していたものが肝臓に負担をかけているケースもあります。服用中のサプリメントも含めてお知らせください。 |
| Gilbert症候群(体質性黄疸) | ビリルビン値が軽度に高くなる体質的な状態で、治療は不要です。ただし他の黄疸を来す疾患と区別する必要があるため、専門医による確認が重要です。 |
当院での診断・検査
- 01
問診
飲酒歴・服薬歴(サプリメントを含む)・家族歴・既往歴・健診結果の経年変化を詳しくお聞きします。
- 02
血液検査
AST・ALT・γGTP・ビリルビン・ALP・総蛋白・アルブミン・血小板に加え、ウイルス性肝炎マーカー(HBs抗原・HCV抗体)や自己抗体などを必要に応じて検査します。
- 03
腹部超音波検査(腹部エコー)
肝臓の大きさ・形状・脂肪沈着の程度・腫瘤の有無、胆嚢・胆管・脾臓の状態を観察します。6時間程度の絶食状態でご来院いただくと、より正確な評価が可能です。
- 04
FibroScan
(肝臓の線維化・脂肪化評価)超音波と低周波振動を用いて、肝臓の硬さ(線維化の程度)と脂肪の量を測定します。痛みがなく、放射線も使わず、数分で終わる検査です。脂肪肝がMASH(脂肪性肝炎)に進行しているかどうかの判断に特に有用で、治療効果のモニタリングにも使えます。当院では院内で当日実施が可能です。
- 05
治療・経過管理
診断に基づき、生活習慣の改善(食事・禁酒・運動)・薬物療法・抗ウイルス治療などを行います。定期的な腹部エコー・FibroScan・血液検査で経過を管理します。
何科を受診すべきか
この症状は【肝臓内科】【消化器内科】が
対応します。
肝機能異常は肝臓専門医(肝臓内科・消化器内科)が対応します。当院には日本肝臓学会専門医・消化器病専門医が在籍し、血液検査・腹部エコー・FibroScanを院内で実施できます。脂肪肝の場合は、脂肪肝特別外来・医療ダイエットプログラムとの連携で、肝臓を軸とした体重・代謝管理も可能です。
よくある誤解
「脂肪肝は太っている人だけがなる」
BMIが正常でも脂肪肝になることがあります。
内臓脂肪が多い「隠れ肥満」の方や、急激なダイエットも脂肪肝のリスクです。「お酒を飲まないから脂肪肝にはならない」
非アルコール性脂肪肝(MASLD)は飲酒習慣のない方でも発症します。
糖質の過剰摂取・運動不足・糖尿病・脂質異常症が主な原因です。「症状がないから肝臓は大丈夫」
肝臓は「沈黙の臓器」です。症状が出るころには肝硬変まで進行していることがあります。
FibroScanで線維化の程度を数値で把握することが重要です。「サプリメントは体に良いから肝臓にも安心」
プロテイン・ダイエットサプリ・漢方薬など、多くのサプリメントが薬剤性肝障害の原因になることがあります。
よくある質問
基準値をわずかに上回る程度であれば経過観察になることも多いですが、毎年同じような値が続いている方や徐々に値が上がっている方は専門医への受診をお勧めします。脂肪肝や慢性肝炎など、早期の治療が重要な疾患が見つかることがあります。
γGTPが高い原因として最も多いのはアルコール・脂肪肝・薬剤性です。胆石や胆管の疾患でも上昇します。禁酒して数週間で改善するかどうかも診断の参考になります。原因を特定するため一度ご受診ください。
超音波と低周波振動を利用して、肝臓の硬さ(線維化の程度)と脂肪の量を測定する検査です。痛みはなく、放射線も使いません。検査時間は数分程度です。脂肪肝がMASH(脂肪性肝炎)に進行しているかの評価に特に有用で、当院では院内で当日実施が可能です。
単純な脂肪肝(MASLD)は生活習慣の改善で多くの場合改善しますが、一部はMASH(代謝関連脂肪性肝炎)に進行し、肝硬変・肝がんのリスクが高まります。FibroScanで線維化の程度を評価し、どの段階にあるかを把握することが重要です。
大きく変わりました。以前は副作用の強いインターフェロン注射が主流でしたが、現在は直接作用型抗ウイルス薬(DAA)の内服で高い確率でウイルスを排除できます。副作用も大幅に軽減されています。過去にC型肝炎と言われた方も、ぜひ一度ご相談ください。
あります。プロテイン・ダイエットサプリ・漢方薬・健康食品など、多くのサプリメントが薬剤性肝障害の原因になることがあります。健康のためと思って摂取していたものが肝臓に負担をかけているケースもあるため、受診時に必ずお申し出ください。
はい、お勧めします。B型肝炎は母子感染や血液を介した感染で持続感染することがあります。自覚症状がないまま進行することもあるため、血液検査(HBs抗原・HBs抗体)で感染の有無を確認しておくことをお勧めします。
肝機能異常でお困りの方は、
吉祥寺みどり内科消化器
クリニックへご相談ください。 CONTACT
健診で「肝臓の値が高い」と言われたら、症状がなくても放置しないでください。当院には日本肝臓学会専門医が在籍し、血液検査・腹部エコー・FibroScan(肝臓の線維化評価)を院内で実施できます。
「毎年引っかかっているが放置していた」という方もお気軽にご相談ください。
執筆・監修 PROFILE
日本内科学会認定 総合内科専門医・日本消化器病学会認定 消化器病専門医・日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医・日本肝臓学会認定 肝臓専門医・日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医・日本医師会認定産業医・厚生労働省認定難病指定医