その出血は痔でしょうか 痔(いぼ痔・切れ痔)の診断と治療
「血便は痔だから大丈夫」と自己判断していませんか。痔の出血と大腸の病気による出血は、症状だけでは区別がつかない事があります。当院では肛門内科として痔の診断・治療を行うとともに、消化器内視鏡専門医が大腸カメラで出血の原因を確かめるところまで、同じクリニックで対応いたします。
60秒でわかる この記事の要点
- 痔は多くの方が経験するありふれた病気で、大半は手術をせずに治療する事ができます。
- いぼ痔(内痔核・外痔核)と切れ痔(裂肛)があり、切れ痔の主な原因は便秘です。
- 治療は坐薬・軟膏・便を柔らかくするお薬と、長時間の座位や便秘を避ける生活習慣の改善が基本です。
- 血便が痔によるものか大腸の病気かは症状だけでは区別がつかない事があり、当院では大腸カメラで確かめる事ができます。
執筆・監修 PROFILE
日本内科学会認定 総合内科専門医/日本消化器病学会認定 消化器病専門医/
日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医/日本肝臓学会認定 肝臓専門医/
日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医
症状チェック
すでに症状がある方
- 排便後にトイレットペーパーや便器に赤い血が付く
- 肛門が痛い(特に排便時・排便後)
- 肛門の外に膨らみやイボのようなものが出てきた
- 肛門の外に飛び出たものが引っ込まなくなった
- 肛門のかゆみ・不快感がある
- 排便のたびに肛門が切れる感じがする
- 座っている時や歩く時に肛門が痛い
- 血便が続いているが「痔だから」と放置してきた
- 血液をサラサラにするお薬を飲んでいて、出血が続いている
受診タイミング目安
早めに受診を
- 大量の出血が続く、めまい・立ちくらみを伴う
- 肛門周囲が腫れて発熱がある
(肛門周囲膿瘍の可能性) - 糖尿病がある方で、肛門周囲の腫れと発熱がある
- 強い痛みで座る事も歩く事もできない
受診をお勧め
- 血便が2週間以上続いている
- 体重減少・腹痛・便が細くなるなどの症状が血便に伴う
- 内痔核が飛び出して戻らなくなった
- 血液をサラサラにするお薬を飲んでいて出血が続く
ご都合のよい時に受診を(放置は避けてください)
- 排便時にのみ少量の出血がある、痛みが軽い
- 以前に痔と診断されており症状が変わらない
吉祥寺みどり内科・
消化器クリニックを選ぶ理由
痔の治療と、出血の原因の見極めを同じクリニックで
「血便は痔だから」と自己判断する事は危険です。痔による出血と大腸の病気による出血は、症状だけでは区別がつかない事があります。当院では肛門内科として痔の診察・治療を行いながら、消化器内視鏡専門医が大腸カメラで出血の原因を確かめるところまで一貫して対応いたします。「痔の治療は肛門科、大腸の検査は消化器内科」と二か所を掛け持ちしていただく必要はありません。
切れ痔を繰り返す方に、管理栄養士による便通の改善指導まで
切れ痔(裂肛)の最大の原因は便秘です。お薬で傷が治っても、便が硬い状態が変わらなければ再び切れてしまいます。当院には管理栄養士が在籍しており、外来栄養食事指導として、食物繊維の摂り方・水分の摂り方・食事のタイミングまで、生活に合わせて具体的にご提案いたします。便秘そのものについても、内科として原因の評価と治療を行います。お薬だけに頼らず、繰り返さない状態を目指してまいります。
女性医師の外来日は、すべて肛門の診察に対応しております
肛門の診察は、女性の患者様にとって特に受診のハードルが高いものです。当院の女性医師は、外来を担当する日すべてで肛門の診察を受け付けております。特定の曜日の午前だけ、といった制限はございません。大腸カメラも女性医師が担当いたします。診察は個室で行い、女性看護師が同席いたします。生理中でも肛門の診察は可能です。ご希望の方は、ご予約の際やWEB問診でお申し付けください。ご予約がなくても受診いただけます。
女性医師の外来担当日は診療担当医表をご覧ください
院長メッセージ
肛門の病気は「恥ずかしい」「大したことはない」と思って放置してしまいがちです。しかし私が消化器内科・内視鏡専門医として最も心配しているのは、「血便を痔だと思っていたら、実は大腸の病気だった」というケースです。長年、血便を痔として放置され、受診された時には進行した大腸がんだったという患者様を経験しています。痔の出血と大腸がんの出血は、「便器が赤くなる」という点でよく似ており、症状だけでは区別がつかない事があります。当院では肛門の診察(痔の評価)と大腸カメラ(大腸の病気の確認)を同じ施設で一貫して行える体制をとっています。
もうひとつお伝えしたい事があります。切れ痔でお困りの方の多くは、便秘が背景にあります。傷を治すお薬をお出しするだけでは、また切れてしまいます。当院では管理栄養士とともに便通そのものを整え、お薬から卒業していただく事を目標にしています。 「痔かどうかわからないが相談したい」「恥ずかしいが受診したい」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
佐々木 洋(執筆・監修者)
消化器病専門医・消化器内視鏡専門医・
肝臓専門医・総合内科専門医
最終更新:2026年10月
| 肛門鏡 (アノスコープ)検査 | 内痔核・外痔核・裂肛の診断に用いる肛門専用の器具です。肛門の内側を直接観察し、痔の種類・程度・出血している部位を確認します。痛みを最小限にする配慮のもと丁寧に行います。 |
|---|---|
| 直腸診(指診) | 肛門鏡による観察の前に、指で肛門と直腸の下部を触れて確認いたします。短時間で終わり、痔の状態だけでなく直腸の下部にしこりがないかも同時に確認できます。 |
| 採血検査 | 出血が続いている場合は、貧血の有無を採血で確認いたします。 |
| 便潜血検査 | 便に目に見えない血液が混じっていないかを調べる検査です。当院では無料大腸がん検査として便潜血検査を実施しております。「痔かもしれないが、念のため大腸も確かめておきたい」という方は、まずこちらからご相談いただく事もできます。 |
| 大腸カメラ (大腸内視鏡)検査 | 血便の原因が痔なのか、大腸の病気なのかを確かめるための検査です。40歳以上で血便が続く方、便潜血検査が陽性であった方には大腸カメラをお勧めしています。健診の便潜血検査が陽性であった場合、痔があっても大腸カメラをお勧めしています。痔があるという事は、大腸に病変がないという事の証明にはならないためです。消化器内視鏡専門医が実施いたします。 ※肛門の診察と大腸カメラ検査を同じクリニックで受けていただけます。 |
内痔核について
肛門の奥にできる痔を内痔核といいます。排便時に強くいきむ事、便秘や下痢を繰り返す事、長時間座り続ける事などが誘因となり、肛門周囲の細い血管の集まりである静脈叢がうっ血して膨らみます。妊娠・出産や加齢も要因となります。肛門の中の粘膜は痛みを感じないため、小さく肛門の内側に収まっているものは、時々出血する事はあっても基本的に症状がありません。
徐々に大きくなると肛門の外に飛び出してくる事がありますが、しばらくすると内側に引っ込みます。さらに大きくなると、指で押し戻さなければならなくなったり、元に戻らなくなったりし、ここまでくると根本的には手術が必要になる事が少なくありません。また、押し戻せなくなった内痔核の中に血栓(血の塊)ができると、強い痛みを感じるようになります。
| 第I度 | 肛門の中にとどまっており、外に出てこない。出血のみの事が多い。 |
|---|---|
| 第II度 | 排便時に外に出てくるが、自然に戻る。 |
| 第III度 | 排便時に外に出て、指で押し戻さないと戻らない。 |
| 第IV度 | 常に外に出たままで、押し戻しても戻らない。 |
内痔核は、脱出(肛門の外に出てくるか、戻るか)の程度によって、一般に4つの段階に分けて評価します。
第I度・第II度の多くは、お薬と生活習慣の改善で経過をみる事ができます。第III度以上になると手術による治療が必要になる事が多くなります。ご自身の段階を正確に判断する事は難しいため、まずは診察でご確認ください。
外痔核について
外痔核は、肛門から見える部分にできる痔です。内痔核と違い、肛門の周囲には痛みを感じる神経があるため痛みを伴いますが、出血量はあまり多くありません。外痔核にも血栓ができる事があり、その場合は強い痛みを感じます。裂肛(切れ痔)は、便が硬かったり勢いよく排便して肛門が広がったりした際に、肛門の皮膚が裂けて傷ができるものです。痛みを伴って発症し、傷があるため排便のたびに痛みが出ます。
痔だと思っていたら、
別のものだった場合
おしりはご自身では見えないため、「痔ができた」と受診された方が、実際には痔ではなかったという事は珍しくありません。よくあるのは肛門皮垂(スキンタグ)で、肛門のしわの皮膚がたるんでイボのように膨らんだものです。痛みも出血もなく、それ自体は治療の必要がない事がほとんどです。 このほか、肛門周囲の湿疹やかゆみ、粉瘤、まれに肛門や直腸の腫瘍が痔と間違われる事もあります。見た目や症状が似ていても治療は全く異なりますので、自己判断で市販薬を使い続けず、一度診察をお受けください。
治療について
内痔核は、肛門の中に収まっている場合や、飛び出してもすぐ戻る場合は、軟膏や座薬を用い、生活習慣を改善する事で治療します。飛び出したまま戻らない場合は手術が必要になる事もあります。外痔核は、便を柔らかくして排便をコントロールし、重い物を持ったり強くいきんだりしない生活に変えていく事が重要で、軟膏や座薬で改善します。痛みが強く血栓で大きく腫れている場合などは手術が必要になる事もあります。
裂肛は、傷が浅ければ軟膏や座薬、便を柔らかくするお薬で傷が治るのを待ちます。傷が深いと治りが悪く、治りきる前に再発を繰り返して慢性化する事があり、その場合は手術が必要になる事もあります。当院は内科クリニックですので、痔の手術(結紮切除術・ジオン注射などの外科的治療)は行っておりません。手術が必要と判断した場合には、対応可能な医療機関へ責任を持ってご紹介いたします。「まず切らずに治せないか試したい」「手術と言われたが本当に必要か知りたい」というご相談も歓迎しております。
日常生活で心がけて
いただきたい事
痔核の多くは、生活習慣の改善と軟膏や座薬による治療で経過をみる事ができます。まず大切なのはアルコールを控える事です。アルコールは血管を拡張させ、血流がうっ滞する事で痔核を悪化させるとされています。排便の際に強くいきまない事も大切で、便が硬い方は便を柔らかくするお薬を使ってみるのもひとつの方法です。肛門周りの運動も有効で、立った状態で肛門をぎゅっと締めたり緩めたりする運動をしてみましょう。
裂肛の方は、便秘にならないよう気をつける事が何より重要です。定期的な運動と水分摂取を基本に、どうしても便秘になってしまう方は便を柔らかくするお薬を続けておく事も大切です。当院では管理栄養士による外来栄養食事指導も行っておりますので、食事から便通を整えたい方はご相談ください。
診療の流れ
WEB予約またはお電話でご予約(ご予約がなくても受診いただけます)
WEB問診に「肛門の症状」とご入力いただくと、配慮したご案内ができます。ご予約なしでもお受けいたしますが、お待ちいただく場合がございます
来院・受付・WEB問診の確認
症状・期間・便の状態・出血の様子をうかがいます
診察
(視診・直腸診・肛門鏡検査)診察は個室で行います。ご希望があれば女性医師・女性看護師が対応いたします
結果のご説明と治療方針の決定
坐薬・軟膏・便を柔らかくするお薬の処方、または大腸カメラのご提案
大腸カメラが必要な場合
当院にて別日程で実施いたします(当日実施ではありません)
手術が必要な場合
対応可能な外科・肛門科の医療機関へご紹介いたします
よくあるご質問
症状だけで区別がつかない事があり、医師でも判断が難しい場合があります。鮮血が少量、排便時にのみ付く場合は痔の可能性が高いのですが、確実な判断には肛門の診察と、必要に応じた大腸カメラ検査が必要です。「血便は痔だから」と自己判断して放置する事は危険ですので、血便が続く場合は必ず受診してください。
多くの場合、まずお薬と生活習慣の改善による治療から始めます。内痔核の多くは、アルコールを控える事、便秘を解消する事、長時間の座りっぱなしを避ける事と、坐薬・軟膏・内服薬で改善します。ただし、内痔核が飛び出して戻らない場合や、大きくて出血が続く場合は外科的な処置が必要になる事があります。当院では手術を行っておりませんので、その際は対応可能な医療機関へご紹介いたします。
裂肛の最大の原因は便秘です。便を柔らかく保つ事が最も重要な予防であり治療です。食物繊維の摂取・水分補給・適度な運動を心がけ、それでも改善しない場合は便を柔らかくするお薬を使用します。当院では管理栄養士による外来栄養食事指導も行っております。慢性化した裂肛では、傷のまわりが硬くなったり、肛門が狭くなったり、見張りいぼ(肛門ポリープ)ができたりする事があり、その場合は手術が必要になる事がありますので、早めの受診をお勧めいたします。
確実な区別には大腸カメラ(大腸内視鏡検査)が必要です。血便の色・量・タイミングはある程度の目安になりますが、症状だけでは医師でも判断がつかない事があります。40歳以上で血便が続く方、体重減少がある方、便潜血検査が陽性の方は、大腸カメラをお勧めいたします。
「肛門の診察は怖い、痛い」とためらう患者様がとても多くいらっしゃいます。当院では診察前に十分な説明を行い、肛門鏡検査は痛みを最小限にするよう慎重に行います。診察は個室で行い、ご希望があれば女性医師・女性看護師が対応いたします。「恥ずかしいけれど相談したい」というお気持ちを大切にしながら対応いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
症状が軽い場合、市販薬での一時的な対処は問題ありません。しかし2週間以上使用しても改善しない場合や、血便が続く場合は医師の診察を受ける事をお勧めいたします。市販薬でいったん出血が止まっても、別の原因による出血が隠れている可能性があるためです。
妊娠中は子宮の圧迫により静脈がうっ滞しやすく、痔が悪化しやすい時期です。妊娠中でも使用できる坐薬・軟膏があります。まずは産婦人科の主治医にご相談のうえ、当院にお越しください。なお、当院では妊娠中の方の内視鏡検査は行っておりませんので、あらかじめご了承ください。
これらのお薬を服用中の方は出血が止まりにくく、出血量も多くなりやすいため注意が必要です。自己判断でお薬を中止する事は、脳梗塞や心筋梗塞のリスクにつながるため絶対に避けてください。まずは受診いただき、出血の原因を確かめたうえで、貧血の有無を採血で確認いたします。当院は総合内科としてもかかりつけの診療を行っておりますので、処方元の先生とも連携しながら対応いたします。
痔があっても、大腸カメラをお勧めしています。痔があるという事は、大腸に病変がないという事の証明にはならないためです。便潜血陽性の方の一定数に大腸ポリープや大腸がんが見つかる事が知られており、「痔があるから」という理由で精密検査を見送る事が発見の遅れにつながる場合があります。なお、まだ便潜血検査を受けていない方は、当院の無料大腸がん検査(便潜血検査)をご利用いただけます。
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肛門の症状は、恥ずかしがらずにご相談ください。診察は個室で行い、女性医師・女性看護師による対応も可能です。
女性医師の外来日は、すべて肛門の診察に対応しております。ご予約がなくても受診いただけます。
「血便が続いている」「痔かどうかわからない」「手術と言われたが迷っている」という方のご相談も歓迎しております。
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