健診で肝機能の数値が
高いと言われた方へ
60秒でわかる この記事の要点
- 健診でALT(GPT)が30を超えていたら、基準値内と書かれていても一度ご相談ください。
- 肝機能異常の原因で最も多いのは脂肪肝ですが、肝炎ウイルスや自己免疫性の病気が隠れている事もあります。
- 当院では採血・腹部超音波検査・フィブロスキャンを院内で行い、原因を切り分けます。
- 指定難病に該当する場合は、難病指定医として医療費助成の申請までお手伝いいたします。
ALTが30を超えていたら。
日本肝臓学会「奈良宣言2023」
2023年、日本肝臓学会は「健康診断でALT(GPT)が30 U/Lを超えていたら、まずかかりつけ医を受診してください」という提言を発表いたしました。「奈良宣言2023」と呼ばれています。
なぜ「基準値内」でも受診が
必要なのか
健診票のALTの基準値は、施設や検査会社ごとに設定されており、40や50を上限としている所も少なくありません。そのため「基準値内なので異常なし」と判定される事があります。しかし、肝臓の病気という観点から見た正常値は30未満と考えられています。つまり判定上は「異常なし」でも、慢性肝臓病が隠れている可能性があるという事です。
ALTが30を超えていたら、
すぐに治療なのか
いいえ。これは治療が必要な方を早い段階で見つけ出すための入口であり、超えたからといって直ちに治療が必要という意味ではありません。まず原因を調べ、必要な方には治療を、そうでない方には生活習慣を見直すきっかけにしていただく。それがこの提言の趣旨です。
当院の役割
この提言は「かかりつけ医がまず受け止め、必要に応じて専門的な検査につなげる」という流れを想定しています。当院は、その受け皿となるかかりつけ医であると同時に、採血・腹部超音波検査・フィブロスキャンまで院内で完結できる肝臓内科です。ご紹介を挟まずに、その日のうちに次の一手まで進める事ができます。
出典:日本肝臓学会「奈良宣言2023」(第59回日本肝臓学会総会・2023年6月)
当院で行う検査
| 採血(肝機能精密検査) | AST・ALT・γGTP・ALP・ビリルビン・アルブミン・血小板に加え、原因の切り分けのためHBs抗原・HCV抗体・自己抗体(ANA・AMA-M2等)も測定いたします。 |
|---|---|
| 腹部超音波検査 | 肝臓の大きさ・形・脂肪の沈着・腫瘍の有無を確認いたします。6時間以上の絶食でお越しいただくと精度が上がります。約1,600円(3割負担)。 |
| フィブロスキャン | 超音波では評価が難しい「肝臓の脂肪量(CAP)」と「硬さ・線維化の程度(LSM)」を数値で評価いたします。3割負担で約600円、1割負担で約200円。痛みはなく、一定期間をあけて、繰り返し測定できます。 |
| FIB-4 index | 年齢・AST・ALT・血小板から線維化のリスクを見積もる指標です。1.3未満は可能性が低い、1.3〜2.67は判断がつかない領域、2.67以上は精密な評価が必要と考えます。当院ではまずFIB-4で見積もり、必要な方にフィブロスキャンで実測する二段階で評価しております。 |
※65歳以上ではFIB-4の判定が高めに出やすいなど年齢の影響があるため、数値のみで判断せず診察所見とあわせて評価いたします。
よく見つかる病気
脂肪性肝疾患(アルコール関連脂肪肝・MASLD・MASH)
最も頻度が高い肝機能異常の原因です。健診を受けた方の20〜30%に脂肪肝が認められます。アルコールには無関係で肥満や高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病に合併する代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)、またMASLDが進行し重症化した代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)に分類されます。
B型・C型慢性肝炎
B型肝炎は血液・体液を介した感染、C型肝炎は血液を介した感染で起きます。自覚症状がないまま慢性肝炎から肝硬変、肝がんへと進展する事があります。当院では初回の採血でHBs抗原・HCV抗体を含めて確認いたします。
自己免疫性肝炎(指定難病95)
自身の肝細胞を、免疫細胞が異物と間違えて攻撃してしまう事で肝障害を起こす病気です。中年以降の女性に多く、50歳前後から増えていきます。まず採血で抗核抗体(ANA)などを調べ、強く疑われる場合は連携する医療機関で肝臓の組織を採取して確認する事があります。
原発性胆汁性胆管炎(指定難病93)
肝臓の中の細い胆管が障害を受ける原因不明の病気です。こちらも女性に多く、50歳前後から増えていきます。ALPやγGTPの高値が続く場合に、抗ミトコンドリア抗体(AMA-M2)で診断いたします。かゆみが最初の症状となる事もあります。
難病指定医として、医療費助成の申請までお手伝いいたします
自己免疫性肝炎と原発性胆汁性胆管炎は、いずれも国の指定難病です。当院院長は肝疾患の難病指定医(東京都知事指定)ですので、診断後の医療費助成の申請に必要な臨床調査個人票の作成に対応いたします。専門的な治療の導入が必要な場合は連携する医療機関へご紹介したうえで、その後の日常的な管理を当院で担わせていただく事も可能です。毎年の更新申請にも対応いたします。
薬剤性肝障害・Gilbert症候群
サプリメント・漢方薬・解熱鎮痛薬・抗菌薬など、多くの薬が肝機能異常を引き起こす可能性があります。服用中のサプリメントも含めてお申し出ください。
Gilbert症候群(体質性黄疸)は、ビリルビン値が軽度高値になる体質的な状態で、治療は不要です。ただし他の黄疸疾患を除外するため、専門医への確認が重要です。
受診から診断までの流れ
- 01
初回来院
健診結果を拝見し、詳細な問診(飲酒量・体重の推移・服用中のお薬とサプリメント・ご家族の病歴・輸血や手術の既往)を行ったうえで採血いたします。腹部超音波検査・フィブロスキャンを同日に実施できる場合もあります。6時間ほど絶食の状態でお越しいただくと、より正確に検査を行う事ができます。
- 02
結果説明(1週間後以降)
採血と画像の結果をあわせて、肝機能異常の原因をご説明いたします。治療が必要な場合は方針を、経過観察でよい場合はその根拠と次回の時期をお伝えいたします。
- 03
その後
原因に応じた治療と、定期的な数値の確認を継続いたします。
※お急ぎの場合や症状のある場合は、この限りではありません。
吉祥寺みどり内科・消化器
クリニックを選ぶ理由
原因の切り分けに必要な検査を、
院内で一度に実施できます
肝機能異常の原因は、脂肪肝・アルコール・肝炎ウイルス・自己免疫・薬剤性など多岐にわたります。当院では初回の採血で肝炎ウイルスマーカーと自己抗体まで含めて確認し、腹部超音波検査・フィブロスキャンまで院内で実施できる体制を整えております。原因の切り分けのために複数の医療機関を回っていただく必要はありません。
治療が必要な方と、経過観察でよい方を、数値で切り分けます
FIB-4 indexとフィブロスキャンを組み合わせ、線維化がどの程度進んでいるかを評価いたします。「治療が必要な段階か」「生活習慣の見直しで十分か」を、印象ではなく数値でお伝えいたします。
診断のあとも、かかりつけ医として継続して拝見いたします
原因を突き止めて終わりにするのではなく、原因に応じた治療から、管理栄養士と連携したお食事の見直し、その後の数値と肝臓の状態の経過観察まで、継続して対応してまいります。指定難病に該当する場合は、難病指定医として医療費助成の申請までお手伝いいたします。
よくあるご質問
はい、受診をお勧めいたします。健診の基準値は施設ごとに設定されているため、「要経過観察」や「基準値内」と書かれていても、肝臓の病気という観点から見ると確認が必要な場合があります。特にALTが30を超えている方は、日本肝臓学会も受診を勧めています。B型・C型肝炎や自己免疫性の肝疾患が、わずかな数値の異常として現れる事もあります。健康診断の結果をお持ちいただければ、その場で必要な検査をご提案いたします。
あります。プロテイン・ダイエット系のサプリメント・漢方薬・健康食品など、多くのものが薬剤性肝障害の原因になる事があります。受診の際に、服用されているものを必ずお申し出ください。
はい、お勧めいたします。B型肝炎は母子感染や血液を介した感染で持続感染となる事があります。血液検査(HBs抗原・HBs抗体)で感染の有無を確認できます。
基本的には2回です。初回で問診と採血、可能な場合は腹部超音波検査とフィブロスキャンまで行い、1〜2週間後に結果をご説明いたします。お急ぎの場合や症状のある場合は、この限りではありません。
ご予約・
ご相談はこちら CONTACT
健診の結果に「要経過観察」と書かれていても、原因を確かめておく価値はあります。当院では採血・腹部超音波検査・フィブロスキャンを院内で行い、原因を切り分けてまいります。
ご予約・WEB問診は24時間承っております。健診の結果をお手元にご準備ください。お電話は 0422-29-3876 まで。
執筆・監修 PROFILE
日本内科学会認定 総合内科専門医・日本消化器病学会認定 消化器病専門医・日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医・日本肝臓学会認定 肝臓専門医・日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医・難病指定医(東京都知事指定)