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胃カメラは何歳から受けるべき?検査を始める年齢の目安を解説

こちらの記事の監修医師

吉祥寺みどり内科・消化器クリニック 院長

佐々木 洋

「胃カメラは何歳から受ければよいのだろう」と疑問に思っていませんか。胃がん検診は「50歳から」とよく聞きますが、ご自身の年齢や症状と照らし合わせ、本当にそのタイミングでよいのか判断に迷う方もいるかもしれません。

この記事では、胃がん検診で「50歳」が目安とされる理由を解説します。さらに、40代や20代・30代といった年代別の考え方や、ピロリ菌感染歴・家族歴などのリスクに応じた適切な検査のタイミングを詳しく紹介します。

最後まで読めば、ご自身の状況に合わせていつ検査を検討すべきかが明確になります。検査への漠然とした不安を解消し、ご自身の健康を守るための一歩を踏み出すきっかけとしてお役立てください。

胃カメラは何歳から?「50歳」は胃がん検診を始める目安

胃カメラを受けるべき年齢に、決まった答えはありません。よく耳にする「50歳」という数字は、あくまで症状がない健康な方が、お住まいの市区町村などが行う「胃がん検診」を受け始める目安の年齢です。

胃がんは50歳代からかかる人が増え始める傾向があるため、国がこのように定めています。※

したがって、「49歳だから胃カメラは不要」「50歳になったら必ず受けなければならない」のどちらも正確ではありません。胃の不調があれば年齢に関係なく検査を検討しますし、ピロリ菌の感染歴やご家族の病歴といったリスクに応じて、一人ひとり検査の必要性を判断することが何より大切です。

【年齢・症状別】胃カメラを受けるタイミングの目安 - 画像 1

症状がない人は50歳から胃がん検診を受けることが推奨される

特に気になる胃の症状がない方は、50歳になったら2年に1回、胃がん検診を受けることが国から推奨されています。※

なぜなら、胃がんは早期の段階では自覚症状がほとんどないからです。症状がないうちに見つけることで、体への負担が少ない治療で治せる可能性が高まります。そのため、症状がない方を対象とした「検診」が非常に重要になるのです。

【胃がん検診の概要】

  • 対象者:原則として50歳以上の男女
  • 頻度:2年に1回
  • 検査方法:胃カメラ(内視鏡)またはバリウム検査(胃部X線検査)のいずれか

ただし、お住まいの市区町村によって、自己負担額や検査方法の選択肢などが異なる場合があります。ご自身の地域の制度については、自治体の広報やホームページなどでご確認ください。

もし、すでに胃の痛みや不快感といった症状がある場合は、「次の検診まで待つ」のではなく、速やかに医療機関を受診しましょう。

40代はピロリ菌感染歴や家族歴などリスクに応じて胃カメラを検討

40代の方は、ご自身の胃がんリスクに応じて胃カメラを受けるかどうかを判断することが大切です。

胃がんは50歳代から明らかに増え始めますが、40代でも発症する可能性はゼロではありません。※ 40代の方全員が定期的に検査を受ける必要はありませんが、以下のような方は胃がんになるリスクが他の方より高いと考えられるため、一度、消化器内科でご相談ください。

【40代で胃カメラを検討した方がよいケース】

  • ピロリ菌に感染している、または過去に除菌治療をしたことがある
  • ご家族(特に親や兄弟姉妹)に胃がんになった方がいる
  • 健康診断などで「萎縮性胃炎(いしゅくせいいえん)」を指摘されたことがある
  • 胃潰瘍や十二指腸潰瘍と診断されたことがある
  • 原因ははっきりしないが、胃もたれや胃の痛みが続いている

特に、ピロリ菌の除菌治療に成功した場合でも、胃がんになるリスクがゼロになるわけではありません。胃の粘膜の状態によっては、除菌後も定期的に胃カメラで経過を確認していくことがとても重要です。

20代・30代でも症状があれば年齢に関係なく胃カメラを検討する

20代や30代であっても、気になる症状があれば年齢を理由にためらわず胃カメラを検討する必要があります。

胃カメラには「〇歳未満は受けられない」といった年齢制限はありません。医師が医学的に検査が必要だと判断すれば、どの年代の方でも受けることができます。若い世代では胃がんの頻度そのものは低いですが、胃潰瘍や逆流性食道炎、ピロリ菌感染症など、さまざまな病気の可能性があります。

軽い胃の不快感が数日で治まるようなら、過度に心配する必要はありません。しかし、以下のような症状がみられる場合は、若いからと自己判断せず、専門医に相談しましょう。

【20代・30代でも検査を検討すべき症状】

  • 胃の痛みが長期間続いている、または何度も繰り返す
  • 市販の胃薬を飲んでもなかなか症状が良くならない
  • 原因不明の貧血を指摘された
  • 特にダイエットをしていないのに体重が減ってきた
  • 食事の際に、のどや胸のあたりでつかえる感じがする
  • 便が黒っぽい(タール便)

これらのサインは、胃や食道からのSOSかもしれません。放置せずに原因を調べることが、ご自身の体を守る第一歩です。

【年齢・症状別】胃カメラを受けるタイミングの目安

胃カメラを受けるタイミングは、年齢だけで決まるものではなく、症状の有無や胃がんのリスクなどを総合的に考えて判断します。ご自身の状態がどのあたりに当てはまるか、下の表を参考に、検査を受ける時期を考える際の目安としてください。

年代症状なし・リスクが低い方症状がある方胃がんのリスクが高い方※
20〜30代原則として定期的な検査は不要症状が続くなら医師に相談医師の判断で検査を検討
40代症状やリスクをふまえ検査を検討症状が続くなら一度は検査を検討医師と相談し定期的な検査を検討
50歳以上2年に1回の胃がん検診が基本次の検診を待たずに受診医師の指示に基づいた間隔で検査
70代以上メリットとリスクを比較して判断次の検診を待たずに受診医師の指示に基づいた間隔で検査
※ピロリ菌感染歴がある、胃がんの家族歴がある、萎縮性胃炎を指摘されたことがある、など

20代・30代でも胃カメラを検討すべき症状とは

20代や30代の方でも、気になる症状が続く場合は、年齢を理由にためらわず胃カメラ検査を検討することが大切です。若い方の胃の不調の多くは、すぐに深刻な病気に結びつくわけではありませんが、中には胃や食道の病気が隠れているサインもあります。

下記のような症状は、一度専門医に相談する目安です。

  • 繰り返し起こる、または長引くみぞおちの痛み
  • 市販薬を飲んでもすっきりしない胃もたれや胸やけ
  • 原因不明の食欲不振や体重減少
  • 食べ物を飲み込むときにつかえる感じがする
  • 黒いタール状の便(黒色便)が出た

特に、黒い便は胃や十二指腸からの出血を示している可能性が高く、年齢に関わらず早急に消化器内科を受診してください。胃カメラは、胃がんだけでなく、逆流性食道炎や胃・十二指腸潰瘍、ピロリ菌感染症といった病気を見つけるためにも役立ちます。

40代は症状と胃がんリスクをもとに検査の必要性を判断

40代は、症状の有無とご自身が持つ胃がんのリスクをふまえ、胃カメラ検査を受けるかどうかを判断する大切な時期です。胃がんの発生率は40代後半から少しずつ増え始めるため、症状がなくても一度ご自身の胃の状態を確認しておくことが推奨されます。

特に、以下に当てはまる方は、医師に相談し胃カメラを検討しましょう。

  • ピロリ菌に感染している、または過去に除菌治療を受けた
  • 血縁関係の近いご家族(親・兄弟姉妹など)に胃がんになった方がいる
  • 健康診断で「萎縮性胃炎(いしゅくせいいえん)」を指摘された
  • 原因がはっきりしない胃もたれや胃の痛みが続いている

なお、国の指針では胃がん検診の対象は原則50歳からですが、当面の間は、自治体によって40歳以上で胃のバリウム検査(胃部X線検査)を受けられる経過措置が取られている場合があります。※

50歳以上は2年に1回の胃がん検診が基本

50歳を過ぎたら、特に気になる症状がなくても、2年に1回は胃がん検診を受けることが基本となります。これは、胃がんによる死亡を減らす目的で国が推奨しているものです。※

検診で受けられる検査は、胃カメラ(胃内視鏡検査)か、バリウム検査(胃部X線検査)のいずれかです。

ただし、これはあくまで「症状がない方」を対象とした定期チェックです。もし胃の痛みや黒い便などの症状がある場合は、次の検診を待つ必要はありません。速やかに医療機関を受診してください。

また、ピロリ菌の除菌治療を受けた方や、胃の粘膜がやせ細る「萎縮性胃炎」がある方は、一般的な検診とは別に、医師の判断でより短い間隔での胃カメラ検査が必要になることがあります。

70代以上は全身状態や持病を考慮して検査のメリット・リスクを判断

70代以上の方の胃カメラ検査は、年齢で一律に決めるのではなく、お一人おひとりの健康状態に合わせて慎重に判断します。実際に、国のがん検診の指針においても対象年齢に上限は設けられていません。※

検査によって早期に胃がんを発見し、体に負担の少ない治療につなげられるという大きなメリットがあります。その一方で、ご高齢になると検査そのものが体に負担をかける可能性も否定できません。

  • 心臓や肺に重い持病はないか
  • 血液をサラサラにする薬を飲んでいるか
  • 検査を安全に終えるための体力があるか

こういった点を総合的に評価し、検査を受けるメリットが、検査に伴うリスクを上回ると判断された場合に実施します。鎮静剤を使う際も、血圧低下や呼吸抑制などのリスクに配慮し、より慎重な判断が求められます。

最終的には、「もし病気が見つかった場合に治療を希望するか、またその治療に耐えられるか」という視点も大切になりますので、主治医とよく相談しましょう。

年齢に関係なく早めの胃カメラを検討したい人

胃カメラ検査の必要性は、年齢だけで決まるものではありません。「50歳」はあくまで症状のない方が胃がん検診を受け始める目安であり、「50歳未満だから大丈夫」という保証にはならないのです。

むしろ、以下に当てはまる方は、ご自身の胃の状態を正しく知るために、年齢に関わらず一度消化器内科でご相談ください。

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胃がんの家族歴がある

ご自身の親、兄弟姉妹、お子さん(第一度近親者)に胃がんになった方がいる場合、胃がんになるリスクは他の方より高まる可能性があります。

だからといって、「毎年必ず検査を受けなければならない」と一律に決まるわけではありません。大切なのは、ご家族が胃がんになった年齢やご自身の症状、ピロリ菌の感染歴などを総合的に見て、検査のタイミングを判断することです。

特に、ご家族が比較的若い年齢で胃がんを発症したケースでは、一度早めに胃カメラ検査を検討することをおすすめします。ご自身の状況を医師に伝え、最適な検査計画を一緒に考えましょう。

ピロリ菌が陽性・除菌後など胃がんリスクが高い

ピロリ菌の感染は、胃の粘膜に慢性的な炎症(萎縮性胃炎)を引き起こし、胃がんを発生させる最大の原因と考えられています。感染がわかった場合は、まず除菌治療を受けることが基本です。

しかし、ここで絶対に忘れてはならないことがあります。それは、「除菌に成功しても、胃がんのリスクはゼロにはならない」という事実です。

長年の感染によって胃の粘膜がやせ細り、がんが発生しやすい土壌に変化してしまっている場合、除菌後もがんが発生する可能性があるのです。このため国立がん研究センターも、除菌後も定期的に胃カメラで経過を観察することの重要性を指摘しています。※

「もう菌はいないから大丈夫」と自己判断で検査をやめてしまうのではなく、医師と相談のうえでご自身の胃の状態に合った定期的なチェックを続けることが、未来のご自身を守ることにつながります。

胃もたれ・みぞおちの痛み・胸やけなどの症状が続いている

胃もたれやみぞおちの痛み、胸やけは、多くの方が経験するありふれた症状です。逆流性食道炎や胃炎などで起こることがほとんどで、これらの症状があるからといって、すぐに胃がんを心配する必要はありません。

ただし、下記のようなサインが見られる場合は、一度原因をはっきりさせるために胃カメラ検査を検討したほうがよいかもしれません。

  • 症状が何週間もだらだらと続いている
  • 市販の胃薬を飲むと一時的に良くなるが、やめるとすぐぶり返す
  • 病院の薬を飲んでも、症状がすっきりと改善しない
  • 今まで胃の不調とは無縁だったのに、40歳を過ぎてから初めて症状が出てきた

「いつものことだから」と我慢せず、長引く不調の裏に何が隠れているのかを確かめることも大切です。

黒い便・貧血・体重減少・飲み込みにくさなどの警告症状がある

これから挙げる症状は「警告症状(アラームサイン)」と呼ばれ、消化器の病気が隠れている可能性を示す重要なサインです。年齢に関わらず、これらの症状に気づいた場合は、次の胃がん検診を待つことなく、速やかに消化器内科を受診してください。

  • 黒い便(タール便): 胃や十二指腸からの出血で便が黒くなった状態です。
  • 吐血・下血: 赤い血やコーヒーかすのようなものを吐いたり、便に血が混じったりします。
  • 原因不明の貧血: 健康診断などで貧血を指摘された場合、消化管からの慢性的な出血が原因かもしれません。
  • 急な体重減少: ダイエットをしていないのに、この半年で体重が5%以上減った場合。
  • 飲み込みにくさ(嚥下困難): 食事の際に、食べ物がのどや胸でつかえる感じがします。

これらの症状は、胃がんだけでなく、食道がんや胃・十二指腸潰瘍など、早期の対応が求められる病気のサインである可能性があります。自己判断で様子を見ることはせず、必ず専門医に相談しましょう。

胃がん検診は何歳から?自治体・会社・人間ドックの違い

「胃がん検診」には、主に3つの窓口があります。お住まいの市区町村が行うもの、会社が提供するもの、そしてご自身で医療機関を選んで受ける人間ドックです。これらは対象となる年齢や検査内容、費用がそれぞれ異なります。

特に注意したいのが、会社で毎年受ける健康診断を受けているからといって、胃がん検診も済んでいるとは限らない点です。ご自身の状況を正しく把握し、どの検診を受けるべきか知っておきましょう。

自治体の胃がん検診は原則50歳以上・2年に1回

お住まいの市区町村が主体となって行う胃がん検診は、胃がんによる死亡を減らすことを目的に、国の指針に基づいて実施されています。原則として、50歳以上の方を対象に2年に1回の頻度で受けることが推奨されています。※

これは、胃がんが早期の段階では自覚症状に乏しいため、症状がないうちから定期的に検査を受けることに大きな意味があるからです。

ただし、具体的な制度の内容は自治体によってさまざまです。

  • 検査方法:胃カメラかバリウム検査か、あるいは選択できるか
  • 自己負担額:無料、一部負担(数千円程度)など
  • 対象条件:年度末の年齢、偶数・奇数年齢など

お住まいの地域の詳細については、必ず自治体の広報誌やホームページで確認してください。なお、制度の経過措置として、当面の間は40歳以上の方を対象に年1回のバリウム検査を実施している自治体もあります。※

胃がん検診は「胃カメラ」と「バリウム検査」のどちらかを選択

胃がん検診で推奨されている検査方法は、「胃カメラ(胃内視鏡検査)」と「バリウム検査(胃部X線検査)」の2種類です。※ 国の指針では、どちらかの検査を受けることとされていますが、どちらを選べるかは自治体や健康保険組合の制度によります。

それぞれの検査には、以下のような特徴があります。

検査の種類特徴メリット

胃カメラ

(胃内視鏡検査)
口や鼻から細いカメラを入れ、食道・胃・十二指腸の粘膜を直接観察する・色の変化やわずかな凹凸など、ごく初期のがんも発見しやすい
・疑わしい部分があれば、その場で組織を採って詳しく調べられる(生検)

バリウム検査

(胃部X線検査)
バリウム(造影剤)を飲み、胃の形や粘膜の凹凸をレントゲンで撮影する・胃全体の形や、どのように動いているかを把握しやすい

どちらの検査も胃がんによる死亡率を減らす効果が証明されています。その中でも胃カメラは、粘膜を直接、詳細に観察できるため、早期発見において非常に有用な検査といえます。

会社の健康診断に胃がん検診は含まれる?職域検診・人間ドックとの違い

会社で毎年受けることが法律で定められた「定期健康診断」の必須項目に、胃がん検診は含まれていません。このため、「毎年、会社の健診を受けているから安心」とはいえないのが実情です。

ただし、会社によっては福利厚生の一環として、従業員の健康をサポートするために以下のような制度を設けていることがあります。

  • 職域がん検診

    会社が加入している健康保険組合などが主体となり、従業員向けに胃カメラやバリウム検査といった胃がん検診を実施する制度です。

  • 人間ドックの費用補助

    従業員が任意で受ける人間ドックの費用の一部を、会社が補助してくれる制度です。

ご自身の会社がどのような制度を導入しているか、一度、総務・人事部や健康保険組合に確認してみるとよいでしょう。もし会社の補助制度がない場合は、お住まいの自治体が行う検診を利用するか、ご自身で医療機関を探して人間ドックとして受けることになります。

胃カメラを受ける年齢・頻度に関するよくある質問

胃カメラ検査について、患者さんからよくいただくご質問にお答えします。費用はどのくらいかかるのか、次はいつ受ければよいのか、高齢者や子どもでも安全に受けられるのかなど、多くの方が気になる疑問を一つひとつ解説します。

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胃カメラは保険診療と胃がん検診で費用がどう違う?

胃カメラの費用は、検査の「目的」によって大きく2つに分かれます。胃の不調を治すために医師の判断で受ける「保険診療」か、症状がない状態で病気の早期発見を目指す「検診(自費診療)」か、ということです。

胃痛や胸やけ、健康診断での異常指摘といった医学的な理由から検査が必要と判断された場合は、保険診療が適用されます。この場合、費用はご自身の自己負担割合(1~3割)に応じて決まります。

一方、特に症状はないものの、ご自身の希望で検査を受ける場合は「検診」扱いとなり、原則として全額自己負担です。ただし、お住まいの自治体が行う胃がん検診では、対象年齢(主に50歳以上)であれば無料や数千円程度の自己負担で受けられる場合があります。※

種類どのような人が対象?費用の目安
保険診療・胃の症状がある
・健康診断で異常を指摘された など
自己負担割合(1〜3割)に応じて変動
自治体検診・症状がなく、対象年齢(主に50歳以上)に該当する無料〜数千円程度(お住まいの自治体による)
人間ドック・症状がなく、ご自身の意思で受けたい全額自己負担(医療機関や検査内容による)

一度胃カメラを受けたら次は何年後?前回結果とリスクで判断

次回の胃カメラの時期は、前回の検査結果やピロリ菌感染の有無といった胃がんのリスクによって一人ひとり全く異なるため、「次は○年後」という画一的な決まりはありません。

国が推奨する胃がん検診としては、症状がなく胃がんのリスクが平均的な方は、50歳を過ぎたら2年に1回というのが基本的な目安です。※

ただし、これはあくまで「検診」としての間隔であり、医師が診療として判断する検査間隔は、胃の粘膜の状態によって大きく変わります。

  • リスクが低い方(ピロリ菌がおらず、胃粘膜がきれいな状態など):2〜3年に1回が目安となることがあります。
  • リスクが高い方(ピロリ菌の除菌後、胃粘膜が荒れている萎縮性胃炎など):胃がんの早期発見のため、1〜2年に1回の検査が推奨されることが多いです。

前回検査で異常がなかったとしても、黒い便や急な体重減少といった気になる症状が出た場合は、次の予定を待たずに速やかに医療機関を受診してください。

高齢になると鎮静剤のリスクは高くなる?

ご高齢の方が鎮静剤(麻酔)を使うことに不安を感じるのは当然のことです。結論から言うと、年齢だけで「鎮静剤が使えない」と決まることはありませんが、若い方と比べてより慎重な判断が求められます。

年齢とともに心臓や肺などの機能は緩やかに変化するため、鎮静剤を使った際に血圧が下がったり、呼吸が浅くなったりするリスクは相対的に高まります。

だからこそ、当院では安全な検査のために以下の対策を徹底しています。

  • 持病や普段服用しているお薬を詳しくお伺いし、全身の状態をしっかりと評価します。
  • 鎮静剤はごく少量から慎重に投与し、効き具合を見ながら一人ひとりに合った量に調整します。
  • 検査中は血圧や心拍数、血中の酸素濃度を常に監視し、万一の体調変化にもすぐに対応できる体制を整えています。

もちろん、鎮静剤を使わずに検査を受けることも可能です。検査で得られるメリットと体への負担を天秤にかけ、ご本人にとって最も安全で納得のいく方法を医師と一緒に考えていきましょう。

子どもでも必要なら胃カメラは受けられる?年齢より適応で判断

胃カメラに「〇歳未満は受けられない」といった年齢の下限はなく、お子様であっても、医師が医学的に必要と判断すれば検査を受けることができます。
お子様の場合、年齢で一律に判断するのではなく、下記のような症状や病気が疑われる場合に検査が検討されます。

  • 原因不明の吐血や黒い便が続く
  • 薬を飲んでも治らない強い腹痛や嘔吐を繰り返す
  • 食べ物の飲み込みにくさや、体重がなかなか増えない
  • クローン病などの炎症性腸疾患や、食物アレルギーに関連する病気が疑われる

お子様の検査は、不安や苦痛を最小限にできるよう、多くの場合、鎮静剤で眠っている間に行います。また、体の大きさに合わせた細く柔らかいカメラ(内視鏡)を使用します。ただし、お子様の内視鏡検査には専門的な知識や設備が求められるため、小児科や小児消化器を専門とする医療機関で相談することが大切です。

まとめ

胃カメラを受けるべき年齢に決まった答えはなく、50歳という年齢は症状のない方が胃がん検診を始める目安です。

症状がなければ50歳から2年に1回の検診が推奨されますが、40代以下でも胃の不調やピロリ菌感染歴といったリスクに応じて検査を検討することが大切です。
特に、黒い便や原因不明の体重減少などの警告症状は、年齢に関わらず早急な受診が必要なサインと考えられています。

ご自身の年齢や症状、リスクをふまえ、少しでも気になることがあれば自己判断せずに消化器内科へ相談しましょう。
定期的なチェックでご自身の胃の状態を把握することが、未来の健康をまもります。

吉祥寺みどり内科・消化器クリニック 院長

佐々木 洋

  • 日本内科学会認定 総合内科専門医
  • 日本消化器病学会認定 消化器病専門医
  • 日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医
  • 日本肝臓学会認定 肝臓専門医
  • 日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医
  • 日本医師会認定産業医
  • 厚生労働省認定難病指定医
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