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胃がんの初期症状とは?見逃しやすいサインと早期発見のポイント

こちらの記事の監修医師

吉祥寺みどり内科・消化器クリニック 院長

佐々木 洋

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胃の不調が続くものの、「ただの胃炎だろう」と自己判断していませんか。国立がん研究センターが示すように、胃がんは早期の段階では自覚症状がほとんどなく、発見が遅れるケースも少なくありません。

この記事では、見逃しやすい胃がんのサインや、胃炎・胃潰瘍との違いを解説します。さらに、検診で「要精密検査」となった場合に胃がんが発見される割合(約1.8%)といったデータや、科学的根拠に基づくピロリ菌対策についても詳しく紹介します。

胃がんは初期症状が乏しい|国立がん研究センターが示す重要な事実

胃がんを、ご自身の初期症状からセルフチェックで見つけるのは極めて困難です。

国立がん研究センターも、胃がんは早期の段階では自覚症状がほとんどなく、かなり進行してからでないと症状が出ない場合があると示しています。※

胃がんは胃の壁の一番内側をおおう「粘膜」という層の細胞から発生します。がんがまだ粘膜の浅い部分にとどまっているうちは、痛みなどを感じる神経に触れることが少なく、症状として現れにくいのです。

そのため、「胃が痛くないから大丈夫」「食欲があるから胃がんではない」といった自己判断はできません。症状だけを頼りにするのではなく、症状がないうちから定期的に検診を受けることが、早期発見への最も確実な近道といえます。

胃の症状があるなら「検診」を待たずに医療機関を受診 - 画像 1

早期の胃がんは「症状がない」ことが多い

早期の胃がんは、自覚できる症状がほとんどありません。

実際に早期の胃がんが見つかる方の多くは、症状がないまま受けた検査がきっかけになっています。

  • 自治体や会社の胃がん検診
  • 人間ドックでの胃カメラ検査
  • 胃の不調など、別の目的で受けた胃カメラ検査で偶然発見される

このように、胃がんの早期発見においては「症状が出たら病院へ行く」という考え方だけでは不十分な場合があります。「症状がないから大丈夫」と考えるのではなく、対象年齢になったら定期的に胃がん検診を受けることが、ご自身の体を守るために重要です。

胃痛・胃もたれなどの症状だけでは胃炎・胃潰瘍と区別できない

胃痛や胃もたれ、胸やけといった症状は、胃がんだけでなく胃炎や胃潰瘍などでもよく見られるため、症状だけで病気を特定することはできません。

胃がんが進行すると下記のような症状が出ることがありますが、これらは他の病気でも起こりうるものです。

  • みぞおちの痛み
  • 胃の不快感、胃もたれ
  • 胸やけ
  • 吐き気
  • 食欲がわかない

国立がん研究センターが示すように、これらの症状は胃炎や胃潰瘍でも起こるため、症状だけで胃がんと判断することは不可能です。※

これは専門の医師であっても、お話を聞くだけで胃がんと他の病気とを正確に見分けることは困難であることを意味します。だからこそ、胃の内部を直接観察できる胃カメラなどの検査で、症状の本当の原因を正しく診断する必要があるのです。

胃の症状があるなら「検診」を待たずに医療機関を受診

胃の痛みや食欲不振といった症状がある場合、それは体からの重要なサインです。「来年の検診まで待とう」と先延ばしにせず、速やかに医療機関を受診してください。

市販薬で一時的に症状が和らいでも、原因が解決したわけではありません。症状の裏に隠れた病気を見過ごさないためにも、自己判断で様子を見るのは避けましょう。

「胃がん検診」と「症状の原因を調べる検査」は目的が違う

「胃がん検診」と、症状があるときに行う「検査」は、目的が根本的に異なります。この違いを理解しておくことが、適切な行動につながります。

  • 胃がん検診: 症状がない健康な方を対象に、胃がんの可能性がある人を見つけ出す「ふるい分け(スクリーニング)」の役割を担います。
  • 症状の原因を調べる検査(診療): すでに症状がある方に対し、その原因となっている病気を正確に突き止める「診断」が目的です。

両者の違いを下記に整理します。

項目胃がん検診症状の原因を調べる検査(診療)
対象となる人症状がない人・胃痛、胸やけ
・食欲不振などの症状がある人
目的集団の中から胃がんの可能性がある人を見つける症状の原因となっている病気を正確に診断する
ゴール異常があれば精密検査へ進む病名を確定し、適切な治療を開始する

この点について、国立がん研究センターも、胃に症状がある場合は検診を待つのではなく、医療機関で診断のための検査を受けるよう明確に伝えています。※

検診は、今あるつらい症状の原因を特定するために最適化された手段ではないのです。

症状がある場合は検診ではなく消化器内科へ

胃痛や食欲不振など、気になる症状が続いている場合は、自治体などの検診を待たずに消化器内科を受診しましょう。

ただし、すぐに治まる軽い胃もたれなど、一過性の症状であれば過度に心配する必要はありません。もし、下記のような症状が続く、あるいは繰り返す場合は、一度専門医に相談してください。

  • 胃痛、みぞおちの痛みが続く
  • 胃もたれや食欲低下がなかなか改善しない
  • 繰り返す吐き気や嘔吐
  • 黒い便(タール便)が出る
  • 原因不明の貧血を指摘された
  • 意図していないのに体重が減ってきた
  • 食べ物が胸のあたりでつかえる感じがする

これらのサインは、胃がんだけでなく、胃炎や胃潰瘍など他の病気でも起こりえます。ご自身の体の状態を正しく把握し、適切な対処につなげることが何よりも大切です。

なお、突然の激しい腹痛や吐血(血を吐くこと)など、緊急性が高い症状がある場合は、通常の外来ではなく救急受診を検討してください。

胃がん検診で「要精密検査」と言われたらどうする?

「要精密検査」という結果は、「胃がんです」という確定診断ではありません。これはあくまで、「がん検診という最初の”ふるい分け”で、念のためもう少し詳しく調べる必要があります」というメッセージです。

決してパニックになる必要はありませんが、「症状がないから」と自己判断で放置せず、必ず次のステップである精密検査に進むことが何より重要になります。

要精密検査でも胃がんとは限らない|実際に胃がんが見つかる割合は約1.8%

胃がん検診で精密検査が必要と判断されても、そのほとんどは胃がんではありません。

厚生労働省が公表した全国の集計データ(令和6年度報告)によると、要精密検査となった方のうち、実際に胃がんが発見された割合は1.80%でした。※ これは、精密検査を受けた約56人の中に1人、胃がんの方がいたという計算になります。

この数字だけを見ると、「98%以上は胃がんではないのだから、わざわざ検査を受けなくても大丈夫だろう」と考えてしまうかもしれません。しかし、それは非常に危険な考え方です。

胃がん検診の目的は、この1.8%の中にいる方を一人でも多く、治療しやすい早期の段階で見つけ出すことにあります。精密検査は、ご自身がその1.8%に当てはまらないことを確認し、「がんでなかった」という確かな安心を得るための、いわば検診の総仕上げなのです。

要精密検査になったら消化器内科で必要な検査を受ける

「要精密検査」の通知が届いたら、その結果票を持って速やかに消化器内科を受診してください。精密検査では、主に「胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)」が行われます。

特にバリウム検査で異常を指摘された場合、胃カメラで胃の粘膜を直接、詳細に観察する必要があります。医師はモニターで胃の内部を隅々まで確認し、ポリープや色の変化、ただれなど、わずかな異常も見逃しません。

そして、疑わしい部分が見つかれば、その場で組織の一部をピンセットのような器具で採取する「生検(せいけん)」を行います。この採取した組織を顕微鏡で詳しく調べる「病理組織診断」こそが、がん細胞の有無を確定させる最終診断となります。

検診の結果票を持参いただくと、どの部分に疑いがあるのかを医師が正確に把握でき、検査がよりスムーズに進みます。

「症状がないから大丈夫」と精密検査を受けないことのリスク

精密検査を受けない理由として最も多いのが、「特に症状がないから大丈夫だろう」という自己判断です。しかし、これこそが最も避けなければならない選択といえます。

これまで何度も繰り返してきたように、早期の胃がんは自覚症状がほとんどありません。「症状がない」ことは、胃がんでないことの証明にはならず、精密検査を受けなくてよい理由には決してならないのです。

もし、万が一がんであった場合、精密検査を先延ばしにすることで、せっかくの早期発見のチャンスを失ってしまいます。がんが進行した段階で見つかると、治療の選択肢が狭まったり、体への負担が大きい手術が必要になったりする可能性があります。

厚生労働省も、がんによる死亡者数を減らすためには早期発見・早期治療が重要であり、要精密検査の通知を受けたら必ず受診するよう呼びかけています。※

要精密検査の通知は、症状のない段階で病気の芽を見つけ、摘み取るための貴重な機会です。検査を受けるまでは不安な気持ちが続くと思いますが、ご自身の体を守るために、そして「がんではなかった」という安心を得るために、必ず精密検査を受けてください。

科学的根拠に基づく胃がん予防|ピロリ菌対策が重要

胃がんを予防する上で、科学的に最も効果が期待できるのが、胃の中に棲みつく「ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)」への対策です。

ピロリ菌に長期間感染していると、胃の粘膜に慢性的な炎症が起こり続けます。その結果、胃の粘膜がだんだんと薄く痩せてしまう「萎縮(いしゅく)性胃炎」という状態に進行します。

この萎縮した粘膜こそが、胃がんが発生しやすい土壌となるのです。ご自身の胃にピロリ菌がいるかを調べ、もし感染していれば除菌治療を受けることが、胃がん予防のための確かな第一歩となります。

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ピロリ菌除菌は胃がんリスクを低下させる

ピロリ菌の除菌治療を行うことで、将来の胃がん発生リスクを明らかに下げられることが、多くの科学的な研究で証明されています。

ピロリ菌がいなくなると、胃の粘膜で続いていた慢性的な炎症が改善に向かい、胃がんが発生する危険性を減らすことができます。特に、胃の粘膜の萎縮があまり進んでいない、より若い段階で除菌するほうが、胃がんの予防効果は高いと考えられています。

過去に胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療で除菌をしたことがある方も、結果として胃がんの予防につながっています。ただし、除菌によってリスクを完全にゼロにできるわけではありませんが、予防のためにできる最も効果的な対策の一つであることは確かです。

ピロリ菌の検査方法と除菌治療|保険適用となる条件とは

ピロリ菌に感染しているかどうかを調べる検査には、胃カメラ(内視鏡)を使う方法と使わない方法があります。

それぞれの検査の特徴は、下記のとおりです。

検査の種類方法
内視鏡を使わない検査**・尿素呼気試験:検査薬を飲み、吐き出した息を調べて診断する精度の高い検査
・便中抗原検査:便の中にピロリ菌の成分(抗原)がないか調べる
・血液・尿検査:**血液や尿の中に、ピロリ菌に対する抗体があるかを調べる
内視鏡を使う検査胃カメラで胃の粘膜を観察する際に、組織の一部を採取してピロリ菌の有無を直接調べる

除菌治療は、胃酸の分泌を抑える薬1種類と、2種類の抗生物質を朝晩1週間飲み続けるのが一般的です。治療が終わってから一定期間をおき、除菌が成功したかどうかを再び検査で確かめる必要があります。

なお、健康保険を使って除菌治療を受けるためには、「胃カメラ検査で慢性胃炎と診断されている」といった条件を満たさなくてはなりません。健康診断の血液検査で抗体が陽性だったというだけでは保険適用にはならず、まずは消化器内科で胃カメラ検査を受ける必要がありますのでご注意ください。

除菌に成功しても胃がんリスクはゼロにならない

ピロリ菌の除菌に成功しても、残念ながら胃がんになるリスクが完全にゼロになるわけではありません。

これは、除菌治療を受けるまでの長い年月の間に、胃の粘膜には「萎縮性胃炎」や、胃の粘膜が小腸の粘膜に似たものに置き換わってしまう「腸上皮化生(ちょうじょうひかせい)」といった、がんが発生しやすい土壌がすでに出来上がっているためです。この変化は、除菌後すぐに元通りになるわけではないのです。

したがって、「除菌に成功したから、もう胃カメラは受けなくていい」と考えるのは非常に危険な判断といえます。

国立がん研究センターも、ピロリ菌の除菌は胃がん予防に有効である一方、除菌後も胃がんになるリスクは残るため、定期的に胃がん検診を受けることが重要であると明確に示しています。※

除菌後も、主治医と相談のうえで定期的に胃カメラ検査を受け、ご自身の胃の状態を確認し続けることが何よりも大切です。

自治体の胃がん検診を正しく活用する方法

自治体の胃がん検診は、胃に特別な症状がない方を対象に、胃がんによる死亡リスクを減らす目的で国が推奨している大切な制度です。

国立がん研究センターの情報にもあるように、ほとんどの市区町村では検診費用の一部または大部分を公費でまかなっており、少ない自己負担で検査を受けられるのが大きな利点といえます。※

ただし、この検診はあくまで症状のない健康な方のための「ふるい分け(スクリーニング)」です。胃の痛みや不快感といった症状がすでにある場合は、検診の順番を待つのではなく、原因を突き止めるために医療機関を受診してください。

なお、お住まいの自治体によって対象となる年齢や検査方法、自己負担額は異なります。まずは市の広報誌や公式ホームページで、ご自身が対象かどうかを確認することから始めましょう。

胃カメラとバリウム検査|それぞれのメリット・デメリット

自治体の胃がん検診では、主に「胃カメラ(内視鏡検査)」か「バリウム検査(胃X線検査)」のいずれかを受けることになります。国立がん研究センターもこの2つの方法を胃がん検診として推奨しています。※

それぞれの検査の特徴を、下表にまとめました。ご自身に合った検査を選ぶ際の参考にしてください。

検査方法胃カメラ(内視鏡検査)バリウム検査(胃X線検査)
メリット・胃の粘膜を直接カラー映像で観察できる
・色の変化など、ごく初期の小さな病変も見つけやすい
・疑わしい部分があればその場で組織を採取し、確定診断につなげられる
・多くの検診施設で広く実施されている
・カメラを体内に挿入する必要がない
デメリット・のどや鼻からカメラを入れる際の不快感(鎮静剤で軽減可能)
・ごくまれに出血などの偶発症のリスクがある
・鎮静剤を使った場合は当日の車や自転車の運転ができない
・異常が見つかった場合、結局精密検査として胃カメラが必要になる
・放射線による被ばくがある(ごく微量)
・検査後にバリウムが固まり便秘になることがある

胃カメラは、がんが発生する胃の粘膜を直接、鮮明に観察できるため、微細な病変の発見に優れています。一方、バリウム検査は胃全体の形や凹凸の異常を見つけるのに役立ちますが、最終的な診断には胃カメラが必要になるケースが少なくありません。

50歳以上は2年に1回|胃がん検診の対象年齢と受診間隔

国が推奨する胃がん検診は、原則として「50歳以上の方」を対象に「2年に1回」の受診が基本です。

これは、胃がんになる方が50歳代から増え始めるという統計データと、検診による死亡率減少の効果、そして検査に伴う体への負担などを総合的に考慮し、科学的根拠に基づいて定められた間隔です。※

ここで絶対に間違えてはいけないのが、この「2年に1回」という間隔は、あくまで症状がない健康な方に当てはまるルールだということです。

下記に当てはまる場合は、このルールにとらわれる必要はありません。

  • 胃痛や食欲不振などの症状がある方

    「次の検診まで待とう」と考えず、速やかに消化器内科を受診してください。
  • ピロリ菌の除菌治療を受けた方

    除菌後も胃がんのリスクは残るため、医師が個々の胃の状態に合わせて判断した間隔で検査を受ける必要があります。

つまり、「自治体の検診」と、ご自身の状態に合わせて医師と相談しながら行う「定期的な検査(診療)」は、目的も頻度も全くの別物です。この違いを理解し、ご自身の状況に応じて適切に行動することが大切です。

若い人にも起こる胃がん|若年者の胃がんとスキルス胃がん

胃がんは主に50代以降に発症リスクが高まる病気ですが、20代や30代といった若い世代にも起こりえます。

胃がん全体の統計で見れば若年者の割合は低いものの、決してゼロではなく、年齢が若いという理由だけで胃の不調を軽視するのは危険です。

特に、若い世代に見られる胃がんの中には、進行が速く発見が難しい「スキルス胃がん」のような特殊なタイプも含まれるため、正しい知識を持っておくことが重要になります。

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20代・30代でも胃がんになることはある

20代や30代でも胃がんと診断されることは、まれではありますが実際にあります。

胃がんの発症は統計的に50代以降から増加するため、若い世代では胃痛や胃もたれを感じても「ただの胃炎だろう」「ストレスのせいだ」と自己判断してしまい、結果として発見が遅れるケースが少なくありません。

年齢が若いというだけで安心せず、次のようなサインが続く場合は、一度消化器内科で相談することを検討してください。

  • 市販の胃薬を飲んでも改善しない、長引く胃の不快感
  • 食欲がなく、特にダイエットをしていないのに体重が減ってきた
  • 健康診断で原因不明の貧血を指摘された(がんからの出血が原因の可能性があります)
  • イカ墨や海苔の佃煮のような真っ黒い便(タール便)が出る
  • ご家族(特に親や兄弟姉妹)に若くして胃がんになった方がいる

若年性の胃がんには、がん細胞の増殖スピードが速い傾向のある「未分化型」が多いという特徴もあります。気になる症状を放置しないことが、万が一の病気を早期に発見するための第一歩です。

スキルス胃がんが内視鏡検査でも発見しにくい理由

スキルス胃がんが内視鏡検査で発見しにくいのは、がんの広がり方に特有の理由があります。

通常の胃がんは、胃の一番内側にある「粘膜」の表面に、キノコのような隆起やクレーターのような潰瘍を作ることが多く、内視鏡で直接観察すれば比較的見つけやすいのが特徴です。

一方、スキルス胃がんは粘膜の表面に大きな変化を作らず、がん細胞が胃の壁全体に染み渡るように広がっていきます。これにより胃の壁が硬く、厚くなるのが特徴で、粘膜表面の変化が乏しいため、検査を受けても見逃されてしまう可能性があるのです。※

このため内視鏡専門医は、スキルス胃がんを疑う際に次のような些細なサインを見逃さないよう、細心の注意を払って観察します。

  • 胃の伸展性(伸び具合)の低下:空気で胃を膨らませても、壁が硬くて十分に広がらない
  • 胃のひだの異常:ひだが不自然に太くなったり、形が崩れたりしている
  • 粘膜の微妙な色の変化や凹凸

また、がん細胞が粘膜の深い層に潜んでいるため、表面から組織を採取する一度の生検では、がん細胞が検出されず診断がつかないこともあります。疑わしい所見がある場合は、再検査を行ったり、CT検査で胃壁の厚さや周囲への広がりを評価したりするなど、複数の検査を組み合わせて慎重に診断を進めることが重要です。

まとめ

胃がんは初期症状がほとんどなく、自覚症状だけで早期発見することは困難です。

そのため、症状がないうちから定期的に検診を受けることが、早期発見への最も確実な近道といえます。胃痛などの症状がある場合は速やかに医療機関を受診し、要精密検査の通知は放置しないようにしましょう。ピロリ菌の検査・除菌といった科学的根拠のある対策も、将来のリスクを減らすために有効とされています。

胃の不調が続く、あるいは検診について気になる点があれば、自己判断で先延ばしにせず、まずは消化器内科の専門医へ気軽に相談してみてください。

吉祥寺みどり内科・消化器クリニック 院長

佐々木 洋

  • 日本内科学会認定 総合内科専門医
  • 日本消化器病学会認定 消化器病専門医
  • 日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医
  • 日本肝臓学会認定 肝臓専門医
  • 日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医
  • 日本医師会認定産業医
  • 厚生労働省認定難病指定医
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