
こちらの記事の監修医師
吉祥寺みどり内科・消化器クリニック 院長
佐々木 洋
食後や夕方になると決まって苦しくなるお腹の張り、ただのガス溜まりと放置していませんか。厚生労働省も数日間続く膨満感は医療機関の受診を促しており、背後に思わぬ原因が隠れている可能性もあります。
この記事では、お腹の張りを引き起こす食事や便秘、ストレスなどの日常的な原因から、過敏性腸症候群(IBS)や注意すべき病気のサインまで詳しく解説します。さらに、今すぐ試せるセルフケアも紹介します。
そのお腹の張り、原因は?考えられる7つのこと
お腹の張りを引き起こす原因は、決して一つではありません。食事の内容、便秘、腸の動き、ストレス、さらには隠れた病気まで、さまざまな要因が絡み合っています。
原因を探る上で大切なのは、ご自身の症状のパターンを掴むことです。
- 食後に必ず張る
- 朝はスッキリしているのに、夕方になると苦しくなる
- 排便すると張りが楽になる
こういった特徴が、原因を特定する大きなヒントになります。ご自身の状態がどれに近いか、照らし合わせながら読み進めてみてください。

大腸の形状が関係?
大腸の長さや走行には個人差があり、お腹の張りの一因になることはありますが、形だけがすべての原因ではありません。
「ねじれ腸」や「落下腸」といった言葉を耳にしたことがあるかもしれません。確かに、S状結腸が通常より長いといった解剖学的な特徴が便の通りを妨げ、結果としてお腹の張りを招くケースはあります。
しかし、それ以上に重要なのが、腸が動く力(蠕動運動)や、腸の感じやすさ(内臓知覚過敏)といった「機能面」の問題です。たとえ腸の形に特徴があっても、腸の機能が正常であれば症状が出ないことも多いのです。
ご自身で「腸がねじれているからだ」と判断することはできません。症状が続くようであれば、腹部レントゲン検査やCT検査、大腸カメラ(内視鏡)などで腸の状態を総合的に評価し、本当の原因を探ることが大切です。
ガスの溜まりやすい食事
特定の食事が、腸内でのガス発生を増やしてお腹の張りを引き起こすことがあります。
原因となりやすいのが、「FODMAP(フォドマップ)」と呼ばれる、小腸で吸収されにくい糖質のグループです。これらは大腸に達すると腸内細菌のエサとなり、発酵してガスを産生します。
【FODMAPを多く含む食品の例】
- 豆類: ひよこ豆、レンズ豆 など
- 野菜類: 玉ねぎ、ごぼう、にんにく など
- 果物類: りんご、スイカ など
- その他: 小麦製品、乳製品、一部の人工甘味料 など
ただし、これらの食品は栄養価が高く、決して「悪い食べ物」ではありません。問題なのは、体質に合わないものを一度にたくさん摂ってしまうことです。
もし特定の食品でお腹が張りやすいと感じるなら、食事日記をつけてみるのがおすすめです。ご自身の体質に合わない食品がわかってきます。
やみくもな食事制限は栄養バランスを崩すリスクがあるため、もしFODMAPを制限する食事療法(低FODMAP食)を試す場合は、必ず医師や管理栄養士の指導のもとで行いましょう。(だだし、低FODMAPを厳密に行うのは簡単ではありません。)あくまでまずは試して見るというのは有用です。
便秘によるもの
腸内に便が長くとどまる便秘は、お腹の張りを引き起こす代表的な原因です。
理由は2つあります。1つは、溜まった便そのものが腸を物理的に押し広げること。もう1つは、腸内で便が異常発酵し、不快なガスを大量に発生させることです。
「便秘」というと「何日間出ていないか」を気にしがちですが、以下のような状態も便秘に含まれます。
- 強くいきまないと出ない
- 便が硬くて出しづらい
- 排便後もスッキリしない(残便感)
排便によってお腹の張りがスーッと楽になる方は、便秘が張りの主な原因である可能性が高いといえます。
【注意】
強い腹痛や吐き気を伴い、便もガスも全く出ない場合は、腸閉塞など緊急性の高い病気も疑われます。自己判断で下剤を使うのは危険です。すぐに医療機関を受診してください。
女性特有の理由(生理・妊娠)
女性はホルモンバランスの周期的な変動によって、お腹の張りを経験することがあります。
特に、排卵後から生理前にかけて多く分泌される「プロゲステロン(黄体ホルモン)」が影響します。このホルモンには、次のような働きがあります。
- 腸の蠕動運動をゆるやかにする
- 体に水分を溜め込みやすくする
このため、生理前になると便秘がちになったり、むくみと相まってお腹がパンパンに張ったりするのです。妊娠中も同様のホルモン変化に加え、大きくなった子宮が腸を圧迫するため、張りや便秘に悩まされる方が多くなります。
ただし、「いつもの生理前の症状だから」と自己判断するのは禁物です。もし、以下のような普段と違う症状があれば、子宮筋腫や卵巣の病気の可能性も考えられます。婦人科の受診も検討してください。
- 張りがいつまでも続く
- 急にお腹が出てきた(腹囲の増大)
- 少し食べただけですぐに満腹になる
過敏性腸症候群(IBS)やSIBOの可能性
腹痛や便通の異常(下痢・便秘)を伴う慢性的なお腹の張りは、過敏性腸症候群(IBS)のサインかもしれません。
IBSは、大腸カメラなどの検査をしても明らかな異常が見つからないのに、腹痛や腹部の不快感、便通異常が長く続く病気です。腹部膨満感も、IBSの患者さんが悩まれることの多い症状の一つとされています※。ストレスや腸の動き、内臓の知覚過敏、脳と腸の連携(脳腸相関)など、複数の要因が複雑に関わっていると考えられています。
また最近では、SIBO(小腸内細菌異常増殖症)という病態も注目されています。これは本来、菌が少ないはずの小腸で細菌が異常に増殖し、ガスや膨満感、腹痛などを引き起こす状態です。
ただし、お腹が張るからといって安易にIBSやSIBOと自己判断するのは危険です。特にSIBOは診断が難しく、SNSなどの情報だけを頼りにご自身で抗菌薬などを試すのは絶対に避けてください。まずは消化器内科の専門医に相談することが、的確な診断と治療への第一歩です。
胃や腸、婦人科系の病気のサイン
長引くお腹の張りは、胃や腸、あるいは婦人科系の病気が隠れているサインの場合があります。
お腹の張りはよくある症状ですが、以下のような病気が原因となっている可能性も否定できません。
- 消化器の病気: 胃がん、大腸がん、腸閉塞 など
- 腹水が溜まる病気: 肝硬変、心不全、進行した悪性腫瘍 など
- 婦人科の病気: 卵巣がん、大きな子宮筋腫 など
特に、お腹の張りに加えて以下のような「警告症状」が見られる場合は、単なる機能的な不調ではなく、精密な検査が必要な病気の可能性があります※。
- 発熱
- 血便や黒い便
- 原因不明の体重減少
- 急に悪化した、または我慢できないほどの腹痛
これらのサインを見逃さず、できるだけ早く消化器内科や婦人科を受診してください。
服用している薬の影響
いつも服用しているお薬の副作用として、お腹の張りが現れることがあります。
薬によっては腸の動きを鈍くさせる作用があり、結果として便秘やガス溜まりを引き起こすのです。例えば、以下のような薬の一部にそうした作用を持つものがあります。
- 痛み止め
- 咳止め
- 血圧の薬
- 精神科の薬
- 一部の糖尿病治療薬
もし、新しい薬を飲み始めてからお腹の張りが気になりだした場合は、ご自身の判断で服用を中止しないでください。まずは薬を処方した医師や薬剤師に相談することが大切です。
また、薬とは直接関係ありませんが、不安やストレスから無意識に空気をたくさん飲み込んでしまう「呑気症(どんきしょう)」も、お腹の張りの一因になることを知っておきましょう。
今すぐ試せる!お腹の張りを和らげる4つのセルフケア
お腹が張って苦しいとき、その症状を少しでも和らげるためにご自身でできることがあります。ガスや便の排出を促し、腸の緊張をほぐすセルフケアは、つらい症状の緩和に役立ちます。
ただし、ここでご紹介するのはあくまで一時的な対症療法です。症状が何度も繰り返される、痛みが激しいなど、日常生活に支障が出ている場合は、自己判断で済ませず、必ず消化器内科を受診してください。
ガス抜きに効果的な姿勢とマッサージ
溜まったガスの移動を促し、排出を助けるには、腸を物理的に刺激する姿勢やマッサージが有効です。リラックスできる環境で、ご自身の体と相談しながら試してみてください。
【ガス抜きのポーズ(膝抱えのポーズ)】
- 仰向けに寝て、体の力を抜きます。
- 息を吐きながら、両膝をゆっくりと胸の方へ引き寄せます。
- 両手で膝を抱え、お腹に穏やかな圧がかかるのを感じながら、ゆっくり5回ほど深呼吸を繰り返しましょう。
このポーズは、腸、とくにS状結腸から直腸にかけてのガスの移動を助ける効果が期待できます。
【お腹の「の」の字マッサージ】
- 仰向けに寝て、膝を軽く立てます。
- おへその周りを、手のひら全体で時計回りに「の」の字を描くように、優しくなでるようにマッサージします。
これは大腸の走行(右上腹→左上腹→左下腹)に沿ったマッサージで、腸の蠕動(ぜんどう)運動を穏やかにサポートします。強く押しすぎず、「さする」くらいの力加減で行うのがポイントです。
お腹を温める方法
お腹を温めることは、血行を改善し、腸の過度な緊張を和らげるためのシンプルかつ効果的な方法です。
胃腸の血流が良くなると、腸の動きが穏やかに整えられます。また、体が温まると心身をリラックスさせる副交感神経が優位になるため、ストレスが原因の張りにもよい影響が期待できます。
ぬるめのお風呂に浸かる
38〜40℃くらいのぬるめのお湯にゆっくり浸かると、全身の血行が良くなり、心身ともにリラックスできます。腹巻きやカイロを活用する
腹巻きをしたり、洋服の上からカイロを貼ったりして、お腹周りを直接温めるのも手軽です。ただし、低温やけどには十分注意してください。特に、就寝時にカイロを貼ったまま眠るのは危険なため避けましょう。温かい飲み物を摂る
カフェインの入っていない白湯やハーブティー(カモミール、ペパーミントなど)は、内側から胃腸を温め、その働きをサポートします。
膨満感を予防する食事のポイント
お腹の張りを根本から見直すには、日々の食事の「食べ方」と「内容」を工夫することが欠かせません。
ゆっくり、よく噛んで食べる
早食いは、食べ物と一緒に余計な空気をたくさん飲み込んでしまう「呑気症(どんきしょう)」の原因となり、お腹の張りを悪化させます。一口30回を目安によく噛むことで、空気の飲み込みが減るだけでなく、唾液による消化も助けられます。
食物繊維の摂り方を工夫する
便秘解消に役立つ食物繊維ですが、種類によってはガスの原因になることがあります。食物繊維には2種類あり、それぞれの特徴を知ってバランスよく摂ることが大切です※。
| 食物繊維の種類 | 特徴と多く含まれる食品 | 摂り方のポイント |
|---|---|---|
| 不溶性食物繊維 | 水に溶けにくく、便のカサを増す。 ・豆類、いも類、ごぼう、きのこ類 など | 摂りすぎると、かえってお腹が張ることがあるため、体質に合わない場合は量を調整する。 |
| 水溶性食物繊維 | 水に溶けて便を柔らかくする。 ・海藻類(わかめ、昆布)、果物(りんご、バナナ)、大麦 など | 便秘がちな方は、こちらを意識して摂るとスムーズな排便につながりやすい。 |
食事日記をつけてみる
何を食べた後にお腹が張りやすいか、簡単なメモでいいので記録をつけてみましょう。「自分の体質に合わない食品」や「食べ過ぎてしまう量」が見えてくることがあります。原因がわかれば、食事のコントロールがしやすくなります。
これは危険?病院を受診すべき膨満感のサイン
いつものお腹の張りと明らかに違う、見過ごしてはいけないサインがあります。多くは食事や便秘による一時的なものですが、中には病気が隠れている危険なサインも紛れています。
これからお伝えする症状は、体が発する「SOS」の可能性があります。ご自身の判断で様子を見たりせず、速やかに医療機関を受診してください。
激しい腹痛や嘔吐を伴う
これまでに経験したことのないような激しい腹痛や、繰り返す嘔吐を伴うお腹の張りは、腸閉塞(イレウス)などを疑う非常に危険なサインです。
腸閉塞とは、腸の中がふさがり、便やガスが全く先に進めなくなってしまう状態を指します。行き場を失った内容物で腸がパンパンに膨れ上がるため、耐えがたい痛みや吐き気を引き起こします。
特に、以下の3つの症状がそろっている場合は、一刻を争う可能性があります。
- 突然始まった、脂汗が出るほどの腹痛
- 何度も吐いてしまう
- 便だけでなく、おならも全く出ない
この状態で自己判断で下剤を使うのは、火に油を注ぐようなもので大変危険です。夜間や休日であっても、ためらわずに救急外来を受診してください。
発熱や急な体重減少がある
お腹の張りに加えて、原因不明の熱が続いたり、ダイエットをしていないのに急に体重が減ったりする場合、それは体の中で何らかの異常が起きていることを示す重要なサインです。
例えば、発熱は腸で強い炎症が起きている(大腸憩室炎など)可能性を示唆します。また、数カ月で急激に体重が落ちる、食欲がなくて食べられないといった状態は、悪性腫瘍などが体の栄養を消費している可能性も考えなくてはなりません。
こうした症状は専門的に「警告症状(アラームサイン)」と呼ばれ、単なるお腹の不調ではなく、精密な検査が必要な病気を見つけるための大切な手がかりとされています※。
便に血が混じる、または黒い便が出る
便の色は、消化管からの大切なお便りです。もし便に血が混じったり、イカ墨のように真っ黒な便が出たりした場合は、消化管のどこかで出血が起きているサインであり、速やかな受診が必要です。
便の色から、出血している場所をある程度推測できます。
赤い血が混じる便(血便)
大腸がんやポリープ、炎症性の病気など、肛門に近い大腸からの出血が疑われます。黒くドロっとした便(黒色便・タール便)
胃や十二指腸など、上部の消化管からの出血が考えられます。血液が胃酸と反応することで黒く変化し、胃潰瘍や胃がんの可能性も含まれます。
これらの症状は、過敏性腸症候群のような機能性の病気を考える前に、まず検査で否定しなければならない重大な病気のサイン(警告症状)です※。貧血が進んでしまうこともあるため、決して放置しないでください。
何科を受診すればいい?(消化器内科・婦人科など)
症状が気になったとき、どの診療科のドアを叩けばいいか迷うかもしれません。基本的には、お腹の不調の専門家である「消化器内科」への相談が最初のステップとなります。
まずは「消化器内科」へ
お腹の張りだけでなく、腹痛、便秘、下痢など、お腹に関する症状全般を専門的に診察します。必要に応じて胃カメラや大腸カメラといった精密検査を行い、原因を正確に突き止めます。
女性は「婦人科」も選択肢に
お腹の張りが生理周期と明らかに連動している、不正出血がある、下腹部にしこりのようなものを感じる、といった場合は、子宮や卵巣の病気も考えられます。このようなときは婦人科の受診も検討しましょう。
迷ったら「かかりつけの内科」へ
どこに行けばよいか全くわからない場合は、まずかかりつけの内科医に相談するのも一つの方法です。症状から適切な専門科を判断し、紹介してもらえます。
厚生労働省も、お腹が張って苦しい状態が数日間続く場合には医療機関の受診を促しています※。我慢や自己判断は禁物です。専門医に相談することが、安心と健康への確実な一歩となります。
医師に症状を正確に伝えるための準備リスト
診察で症状を的確に伝える準備は、正確な診断とあなたに合った治療法を見つけるための重要なステップです。
限られた診察時間内で、ご自身の状態をもれなく話すのは案外難しいものです。
事前に情報をメモにまとめておくだけで、医師は原因をぐっと絞り込みやすくなります。
このリストを参考に、ご自身の症状を整理してみてください。それが、つらいお腹の張りを解消する確実な一歩となります。

いつから張っているか(期間)
症状が始まった時期と続いている期間は、原因が一時的なものか、あるいは慢性的なものかを見極めるための大きなヒントになります。
急に始まったのか、ずっと続いているのかで、疑われる病気や対処法は大きく変わってくるのです。
- 数日前から急に始まった: 急性胃腸炎のような、一時的なトラブルが考えられます。
- 何週間、何カ月も続いている: 過敏性腸症候群(IBS)や慢性便秘症など、じっくり向き合う必要のある病気の可能性があります。
- 以前からあったが、最近ひどくなった: 症状を悪化させた「何か」を探る手がかりになります。
「1カ月ほど前から、週に3日以上は夕方になるとお腹が張って苦しいです」のように、できるだけ具体的に伝えられると、診断の精度が格段に上がります。
どんな時に張るか(食後、朝、夜など)
お腹が張るタイミングを詳しく伝えることは、食事や生活習慣との関連性を解き明かす鍵となります。
ご自身の症状がどのパターンに当てはまるか、振り返ってみてください。
- 食後にいつも張る: 食べたものの内容や量、早食いによる空気の飲み込み(呑気症)などが関係している可能性があります。
- 朝はスッキリ、夕方になると張る: 日中の活動や食事の積み重ねでガスが溜まるパターンで、過敏性腸症候群(IBS)の方によく見られる特徴です。
- 排便やガス(おなら)が出ると楽になる: 便秘や腸内のガスの滞留が、張りの主な原因であると考えられます。
- 特定の食品を食べた後に張る: ご自身で「これを食べると張る気がする」と感じる食品(例:乳製品、パン、豆類など)があれば、重要な情報です。
他にどんな症状があるか(痛み、便秘、下痢)
お腹の張り以外にどんな症状があるかは、見過ごしてはいけない病気のサインを見つけ出すための重要な手がかりです。
「これくらいは関係ないかも」と思わずに、気になることはすべて教えてください。
- お腹の痛み: 痛む場所、痛みの種類(キリキリ、シクシク、ズーンと重いなど)
- 便通の異常: 便秘、下痢、あるいはその両方を繰り返す。厚生労働省の資料でも、お腹が張って苦しい状態で数日間便通がない場合は、医療機関の受診が勧められています※。
- 食欲の低下、吐き気・嘔吐: 張りのせいで食欲がない、吐き気がする、といった症状も重要です。
- 体重の変化: ダイエットをしていないのに、急に体重が減ってきた。
- 便の異常: 便に血が混じる、イカ墨のように真っ黒い便が出る。
- 発熱: 原因不明の熱が続く。
これらの症状は、より詳しい検査が必要かどうかを判断するための「警告症状(アラームサイン)」です。正確な診断のために、ぜひお聞かせください。
最近の生活の変化(食事、ストレス、薬)
症状が始まった時期と重なる生活の変化は、お腹の張りの「引き金」を特定するための重要な情報です。
ご自身の最近の生活を振り返り、思い当たる点がないか確認してみましょう。
- 食事内容: 外食やインスタント食品が増えた、健康のために特定の食品をたくさん食べ始めた、など。
- ストレス: 仕事や家庭のことで大きなストレスを感じる出来事があった。
- 薬やサプリメント: 新しく飲み始めた薬(市販薬も含む)やサプリメントがある。逆に、いつも飲んでいる薬をやめた。お薬手帳があれば、ぜひご持参ください。
- 生活リズム: 睡眠不足や疲労がたまっている、運動習慣が変わった、など。
こうした生活背景は、お腹の張りが生活習慣に起因するものか、それとも別の原因を探るべきかを判断する上で欠かせないパズルのピースとなります。
まとめ
お腹の張りを引き起こす原因は、食事や便秘といった身近なものから、過敏性腸症候群や隠れた病気までさまざまです。
まずはガス抜きのマッサージや食事の工夫といったセルフケアを試しつつ、ご自身の症状のパターンを観察することが大切といえます。
しかし、繰り返す不調の背景には、専門的な治療が必要な原因が隠れている可能性も考えられます。
激しい痛みなどの警告症状がある場合や、つらい張りが続く場合は決して我慢せず、消化器内科などの専門医へ相談しましょう。
参考文献
- 日本消化器病学会. 過敏性腸症候群(IBS)診療ガイドライン2020.
- 厚生労働省. 過敏性腸症候群(IBS)について.
- 厚生労働省. 腹部膨満を含む症状がある便秘の受診目安を示した啓発資料.
- 厚生労働省e-ヘルスネット. 食物繊維の必要性と健康.
追加情報
[title]: 日本消化器病学会: 過敏性腸症候群(IBS)診療ガイドライン2020
[quote_source]: 日本消化器病学会. 過敏性腸症候群(IBS)診療ガイドライン2020. https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/guideline/pdf/IBSGL2020_.pdf
[title]: 厚生労働省: 過敏性腸症候群(IBS)について
[quote_source]: 厚生労働省. 過敏性腸症候群(IBS)について. https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001525379.pdf
[title]: 厚生労働省: 腹部膨満を含む症状がある便秘の受診目安を示した啓発資料
[quote_source]: 厚生労働省. 腹部膨満を含む症状がある便秘の受診目安を示した啓発資料. https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000807262.pdf
[title]: 厚生労働省e-ヘルスネット: 食物繊維の必要性と健康
[quote_source]: 厚生労働省e-ヘルスネット. 食物繊維の必要性と健康. https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-05-001

吉祥寺みどり内科・消化器クリニック 院長
佐々木 洋
- 日本内科学会認定 総合内科専門医
- 日本消化器病学会認定 消化器病専門医
- 日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医
- 日本肝臓学会認定 肝臓専門医
- 日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医
- 日本医師会認定産業医
- 厚生労働省認定難病指定医
